住宅ローン審査に落ちた後の対策を考えるイメージ

住宅ローンの審査に落ちても、金融機関は理由を教えてくれません。それでも原因はかなりの精度で絞り込めます。金融機関が何を見ているかは、国土交通省が毎年公表する調査で明らかになっているからです。

最新の令和7年度調査をもとに、審査で重視される項目と「最も多い基準」を整理し、当てはまった項目ごとの打ち手を見ていきます。これから借りる人にとっては、そのまま落ちないための準備リストになります。

金融機関が実際に見ている項目と、その基準

国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査」(令和7年度・令和8年3月公表/回答1,021機関)では、9割以上の機関が審査項目としているのは次の7つでした。

審査項目考慮する機関最も多い基準(回答機関数)
完済時年齢98.4%80歳未満(716機関)
借入時年齢96.2%65歳未満(247機関)/70歳未満(194機関)
健康状態96.1%団信加入が必要(834機関)
年収94.2%150万円以上(390機関)
勤続年数93.9%1年以上(612機関)
担保評価91.0%融資判断に影響する(498機関)
返済負担率90.9%40%以内(74機関)※後述

出典は国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(PDF)です。落ちた心当たりを探すときは、この7項目から順に自分の条件を当ててみてください。

より詳しい読み解きは国交省調査から住宅ローンの審査基準を解説した記事にまとめています。

審査に落ちた場合の原因と対策

思い当たる理由が見つかったら、項目ごとに打ち手が変わります。順に確認しましょう。

理由:借入時・完済時の年齢が条件を外れている

完済時年齢は98.4%の機関が審査項目としており、大前提といってよい項目です。基準は80歳未満が圧倒的多数で、75歳未満とする機関も一定数あります。

対策:返済期間を短くする

完済時年齢の上限を超える場合は、返済期間を短くする必要があります。そのためには月々の返済額を増やすか、借入金額を減らすかのどちらかです。

ただし上限ぎりぎりの完済時年齢で組むと、「定年後の返済原資をどうするのか」を審査で厳しく見られる点にも注意しましょう。数字上はクリアしていても、通るとは限りません。

理由:団信の審査に通らない

銀行の住宅ローンでは団体信用生命保険への加入が原則必須です。調査でも834機関が「団信加入が必要」と回答しています(「団信加入は不要」はわずか2機関)。

契約者が死亡・高度障害となった場合に保険で残債が完済される仕組みで、借り手の家族と金融機関の双方を守る設計になっています。逆に言えば、健康状態は金融機関にとって外せないチェック項目です。

対策:団信が任意のフラット35を検討する

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンです。公式のご利用条件に「健康上の理由その他の事情で団体信用生命保険に加入されない場合も、【フラット35】はご利用いただけます」と明記されています(住宅金融支援機構 公式・2026年4月1日現在)。

団信が任意である点は、健康状態に不安がある人にとって決定的な違いになります。なお、引受基準を緩和した「ワイド団信」を用意する銀行もありますが、保険料相当の金利上乗せが発生するため総コストでの検討が必要です。

理由:勤続年数が短い

勤続年数は93.9%の機関が審査項目としており、基準は1年以上が612機関で最多、3年以上とする機関も128あります。転職直後はここで引っかかりやすいわけです。

対策:1年経過後に再申込み、またはフラット35へ

勤続1年未満なら、1年を経過してから再度申し込むのが基本です。転職や独立を考えている人は、その前に住宅ローンの審査を通しておくほうが確実です。

もうひとつの選択肢がフラット35です。機構の申込要件に勤続年数の条件はなく、年齢・国籍・総返済負担率が中心になっています。ただし収入の確認方法は取扱金融機関によって異なるため、申込先に確認してください。

理由:雇用形態が対象外になっている

見落とされやすいのが雇用形態です。同調査では368機関が「派遣社員は対象外」、312機関が「契約社員は対象外」と回答しています。年収や勤続年数に問題がなくても、入口で対象外になっているケースがあるということです。

対策:対象外にしていない金融機関を探す

雇用形態を審査項目としている機関は47.3%にとどまり、裏を返せば半数以上は雇用形態で一律に線を引いていないことになります。申込先を変えるだけで結果が変わりうる典型例です。

理由:融資率が高い

融資率とは、物件価格に対する借入額の割合です。調査では購入時の融資可能額を100%以内とする機関が380と最多で、110%以上を認める機関は限られます。

対策:頭金を用意して融資率を下げる

自己資金ゼロでも融資する銀行はありますが、頭金を入れて融資率を下げると審査は通りやすくなります。また、自動車ローンなど住宅ローン以外の借入れも借入可能額に影響するため、整理できるものは先に返済しておきましょう。

理由:返済負担率が高い

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。同調査で一律の上限を回答した機関では「40%以内」が74機関で最多、次いで35%以内が58機関でした。多くの機関は年収に応じて基準を変えているため、一律の数字だけで判断はできません。

参考までにフラット35の基準は明快で、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下と公開されています。

対策:借入額を減らし、他の借入れを整理する

頭金を増やして借入額を下げるのが直接的な対策です。返済負担率の計算には自動車ローンやカードローンなど住宅ローン以外の借入れの返済額も含まれるため、完済できるものは申込前に整理しておくと効果が大きくなります。

理由:過去に金融事故を起こしている

ここまでの項目に心当たりがない場合、個人信用情報に事故情報が残っている可能性があります。次のようなケースが該当します。

  • 自己破産・個人再生の手続きをしたことがある
  • 何社もの消費者金融からの借り入れがある
  • 消費者金融、クレジット会社、携帯電話の料金などの支払を何度も遅延していた
  • 税金を滞納している

対策:登録期間が過ぎるのを待つ

債務整理、自己破産、61日以上の返済遅延など重い金融事故がある場合、個人信用情報の登録期間であるおおむね5年〜7年が過ぎるのを待つことになります。

個人信用情報は開示手数料(500〜1,500円程度・機関や開示方法により異なる)で自分で確認できます。各機関の登録期間の目安は次のとおりです。

住宅ローン審査を無事に通るためには

頭金をなるべく多く用意しよう

自己資金ゼロでも借りられる時代ですが、頭金が少ないことは貸し手から見れば貸し倒れリスクの高さを意味します。借り手にとっても、頭金があれば借入額が減り、年齢・融資率・返済負担率の3つの基準を同時にクリアしやすくなります。

貯蓄がなく頭金を用意できない場合は、最低でも物件価格の1割程度が貯まるまで待つほうが賢明です。

なるべく若いうちに借りよう

審査項目の上位2つが「完済時年齢」と「借入時年齢」である以上、年齢が若いほど有利なのは構造的な事実です。完済時年齢を70歳に設定しても、定年後の5年間をどう返すのかを銀行は必ず考えます。

早く完済できれば、老後のライフプランも立てやすくなります。

複数の銀行に同時に申し込もう

審査基準は金融機関ごとに違うため、「A銀行は落ちたがB銀行は通った」は普通に起こります。3つほど候補を用意し、全部通れば最も条件の良いものを選べばよいでしょう。住宅ローンを1社にしか申し込めないという決まりはありません。

1社の結果を見てから次へ、と進めていると引き渡しに間に合わなくなります。その意味でも住宅ローンの申込みは「複数」の銀行に「同時」にが原則です。

審査落ちの再挑戦でよくある疑問

Q. 審査に落ちたこと自体は信用情報に記録されますか?

A. 「否決された」という結果は信用情報に登録されませんが、申込みをした事実(申込情報)はおおむね6か月間登録されます。短期間に多数の申込みが並ぶと警戒されることがあるため、落ちた直後にやみくもに申込先を増やすのは避けましょう。

Q. どのくらい期間を空けて再申込みすべきですか?

A. 原因によります。勤続年数なら1年経過後、返済負担率なら他の借入れの完済や頭金の積み増しができた時点が目安です。申込情報の登録期間(約6か月)が過ぎてからなら、直近の複数申込みの影響も避けられます。

Q. 雇用形態が理由で落ちたかどうかは、どう見分けますか?

A. 年収・勤続年数・返済負担率のいずれにも問題がないのに否決された場合は、その金融機関が派遣社員・契約社員を商品の対象外にしている可能性があります。申込前に商品概要説明書の対象者要件を確認すると空振りを減らせます。

Q. 自営業・個人事業主で落ちた場合の選択肢は?

A. 銀行の多くは複数年分の確定申告で所得の安定性を見るため、開業間もない人は不利になりがちです。フラット35は勤続年数の条件がなく事業形態による制限も緩やかなため受け皿になりますが、審査で見られるのは経費計上後の申告所得である点に注意してください。

 

審査に不安がある方は住宅ローン審査に通りやすい銀行ランキングもあわせて確認してみてください。

なお、住宅ローン金利は上昇局面が続いています。住宅金融支援機構が公表するフラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)の最も多い金利は2026年9月資金受取分で年3.460%です。

金利が上がると、同じ借入額でも毎月返済額と返済負担率が上がり、審査面でも不利に働きます。マイホームを検討しているなら、早めに対策を整えておきましょう。

※審査基準・登録期間・金利は改定されることがあります。最新の内容は各金融機関・各信用情報機関の公式サイトでご確認ください。


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住宅ローン比較ネット 編集部

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