この特集ページでは住信SBIネット銀行の住宅ローンのデメリットや落とし穴になりそうなポイントを中心に解説しています。

 

「住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットや特徴をまだ完全に理解しきれていないかも?」という人は、先にこちらのページで住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットや特徴を確認してからこの記事を読んでもらえればと思います。

 

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンの動向

住信SBIネット銀行の住宅ローンは、低金利と無料の疾病保障(全疾病保障)で人気を集めている住宅ローンです。住宅ローンの累計取扱額でネット銀行としては最大規模の8兆5,000億円を超える実績があります。

 

なお、住信SBIネット銀行のホームページから申し込めるネット専用住宅ローンは、住信SBIネット銀行が提供している住宅ローンではなく、大株主である三井住友信託銀行が提供している住信SBIネット経由専用の住宅ローンです。住信SBIネット銀行が自ら提供している住宅ローンはSBIマネープラザなどの店舗相談限定で申し込める「住宅ローン(対面)※」などです。

※2021年10月に「ミスター住宅ローンREAL」から「住宅ローン(対面)」に商品名が変更になっています。

 

最近は住宅ローン(対面)の金利がネット専用住宅ローンより低めに設定されることが多く、ネット専用住宅ローンの魅力が少し低下していて、心なしか住宅ローン(対面)に力を入れている印象です。

例えば、2023年3月は住宅ローン(対面)の変動金利は新規・借換ともに年0.375%~(通期引下げプラン)※1ですが、ネット専用住宅ローンは新規の借り入れの場合、年0.440%~(通期引下げプラン)※2なので0.065%も金利差があります。

※1 審査結果によっては金利に年0.1%~年0.75%上乗せとなる場合があります

※2 審査結果によっては金利に年0.1%上乗せとなる場合があります

 

また、2021年10月に住信SBIネット銀行が取り扱いを開始している、全疾病保障と3大疾病特約がセットになった疾病保障「スゴ団信」はネット専用住宅ローンでは利用できません。詳しくは後述しますが、「スゴ団信」がセットできないというのはネット専用住宅ローンの大きな落とし穴になったと言えるでしょう。

 

なお、住宅ローン(対面)はネット専用住宅ローンでは借り換えできない三井住友信託銀行の住宅ローンやネット専用住宅ローンからの借り換えも可能で、ネット専用住宅ローンより低金利で借りられる可能性がありますので、住宅ローン(対面)の最新金利を事前に確認してからこの記事を読んでいただければと思います。

※特に今月はネット専用住宅ローンより変動金利などの金利が低いのでチェックしておくようにしましょう。

 

他のネット銀行の住宅ローンと比較

住信SBIネット銀行の住宅ローンはネット銀行の中でダントツの貸し出し実績を誇る人気の住宅ローンです。ただ、2023年3月の変動金利は年0.440%(通期引下プラン)ですが、審査結果次第で金利を年0.1%上乗せされる可能性があるので正確な金利は年0.440%~年0.540%(通期引下げプラン)です。

 

この金利が高いとは言いませんが、他のネット銀行が住宅ローンを強化していることもあり、ダントツに金利が低い住宅ローンではなくなりました。

 

例えば、ソニー銀行の変動セレクト住宅ローンなら、新規購入&頭金10%以上で年0.397%、新規購入&頭金10%未満、または借り換えで年0.447%でがん疾病保障も無料です。auじぶん銀行も変動金利で年HPご確認%(全期間引下げプラン)※と低金利を維持し続けています。

※いずれも2023年3月適用金利

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。

 

ソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンは審査の結果で金利が上乗せされることありません。

 

このように最近はライバル銀行の住宅ローンの魅力が高まっていますが、住信SBIネット銀行はインターネット上で目にすることは多い住宅ローンで、知名度も高く、地銀などの古い住宅ローンと比べれば魅力的なことに違いはありません。

 

では、住信SBIネット銀行の住宅ローンのデメリットや落とし穴になりそうなポイントの解説に入っていきたいと思います。

 

なお、「住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットや特徴をまだ完全に理解しきれていないかも?」という人は、先にこちらのページで住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットや特徴を確認してからこの記事を読んでいただければと思います。

 

住信SBIネット銀行について

住信SBIネット銀行は2007年に開業した歴史があるインターネット銀行です。信託銀行大手の三井住友信託銀行(旧:住友信託銀行)とSBIホールディングスの子会社です。auじぶん銀行と並んで安定した企業背景で信頼性の高いネット銀行です。最近は親会社同士の距離が離れていたが、2022年3月には株式上場を行うなど会社・組織としての動きは活発です。(ロシアによるウクライナ侵攻による困難で上場は延期されました)

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンは、ネット銀行としては断トツの利用者数ですし、さらには第三者による調査やアンケートでも高い評価を獲得しています。ただ、どんなに人気の住宅ローンでも必ず落とし穴やデメリットは存在しています。最終的にどの金融機関を選ぶことになっても、利用者が多く人気を集めている住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットだけでなくデメリットを把握しておくことはネットで住宅ローンを選ぶときの基礎知識として役立つと思いますのでぜひ参考にしていただければと思います。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローン金利(2023年3月)

最初に住宅ローンを選ぶ時にもっとも重要な金利から確認していきましょう。ここでは最新の金利と前月の金利を比較しています。

なお、住信SBIネット銀行では「通期引下げプラン」と「当初引下げプラン」の2つの金利プランを提供しています。主要の金利タイプのみを紹介していますので、その他の金利や最新の金利は公式サイトで確認してください。

ネット専用住宅ローン 通期引下げプラン

金利タイプ2023年2月2023年3月金利差
変動金利年0.440%(借り換え年0.428%)~年0.440%(借り換え年0.428%)~据え置き

※ 審査結果によっては金利に年0.1%上乗せとなる場合があります

 

ネット専用住宅ローン 当初引下げプラン

金利タイプ2023年2月2023年3月金利差
10年固定年1.660%年1.660%~据え置き
20年固定年2.310%~年2.270%~引き下げ
35年固定年2.400%~年2.360%~引き下げ

※2 審査結果によっては金利に年0.1%上乗せとなる場合があります

 

住宅ローン(対面) 通期引下げプラン

金利タイプ2023年2月2023年3月金利差
変動金利年0.3750%~年0.375%~据え置き

※審査結果によっては金利に年0.1%~年0.75%上乗せとなる場合があります

 

住宅ローン(対面) 当初引下げプラン

金利タイプ2023年2月2023年3月金利差
10年固定年1.340%~年1.350%~引き上げ
20年固定年1.920%~年1.890%~引き下げ
35年固定年1.990%年1.9790%引き下げ

※審査結果によっては金利に年0.1%~年0.75%上乗せとなる場合があります

 

他社の住宅ローンをチェックしている人であればわかると思いますが、変動金利の0.440%(通期引下プラン・新規借り入れ)、年0.428%(通期引下プラン・借り換え)は比較的低い金利水準です。

※ 審査結果によっては金利に年0.1%上乗せとなる場合があります

ただし、今月は、最大のライバルと言えるauじぶん銀行もがん50%保障付・全疾病保障付で低金利を維持しており、金利上乗せがないこと、疾病保障が充実していることを考えるとauじぶん銀行の住宅ローンの方が魅力的な面がありそうです。

 

さらに、注意が必要なのは人気の金利タイプでもある10年固定金利です。2023年3月の住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)の10年固定金利タイプは年1.660%(当初引下げプラン)で、ライバルのauじぶん銀行との金利差は大きく開いています

※ 審査結果によっては金利に年0.1%上乗せとなる場合があります

 

特に注意して欲しいのが住信SBIネット銀行の住宅ローンの「当初引き下げプラン」です。この金利プランは当初期間が終わった後の金利が極端に高くなっています。もちろん、最初の10年間の金利も大事ですが、auじぶん銀行よりも当初期間の金利も高く、当初期間終了後の金利に至ってはかなりの金利差があります。総返済額の面でしっかりと比べるとソニー銀行やauじぶん銀行の方が圧倒的に有利な条件であることがわかります。10年固定金利ではauじぶん銀行とソニー銀行の方がかなり魅力的であることは念頭に入れておきましょう。

 

特に、ソニー銀行は当初固定期間が終了した後の金利が非常に低く、住信SBIネット銀行は年2.075%(2023年3月現在)と2倍以上の金利差があります。このようにソニー銀行の住宅ローンが”だまし要素がなく透明性が高いだけでなく、実際に総合的に考えるとかなり有利”だったりするので注意が必要です。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンを悪く言いたいわけではないのですが、ここ数年、利益重視の住宅ローンになりつつあり、気をつけて欲しいポイントが増えてきています。

 

住信SBIネット銀行の全疾病保障

次に確認しておきたいのは、住信SBIネット銀行の住宅ローンの人気を支える全疾病保障です。住信SBIネット銀行の住宅ローンの最大のメリットとも言える全疾病保障ですが、この全疾病保障が落とし穴になることがあります。

 

なぜ落とし穴と言われるのかについて解説していきますのでしっかりと理解できるようにしてください。

 

まず、通常の住宅ローンに無料でついてくる団信は一般団信と呼ばれ、死亡時や高度障害時に住宅ローンの残高が保険金で支払われるものです。従って、死亡や高度障害には至らない場合は、収入が途絶えても住宅ローンの残高が残ります。

収入が途絶えているにも関わらず住宅ローンの返済を続けなければならないという状況の苦しさは容易に想像できると思いますが、そのようなケースに備えるには追加の疾病保障を住宅ローンにセットする必要があります。

 

この疾病保障を別途セットする場合、年0.05%~年0.1%程度の金利上乗せがあり、50歳以上は疾病保障に加入できないことが大半です。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンは、以下の8疾病はもちろん、すべてのケガや病気で所定の条件を満たした場合にもローン残高が0円になる保障が費用負担なしで付帯しています。疾病保障に加入しにくい50代でも問題なく加入できますし、通常の団信よりも手厚い保障の団信が無料でセットされている点が住信SBIネット銀行の住宅ローンの最大の魅力です。

  • がん・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎

住信SBIネット銀行の全疾病保障

 

通常の団体信用生命保険の場合、大きな病気の治療中でも住宅ローンは返済し続けなければなりません。住信SBIネット銀行の住宅ローンであれば、病気や交通事故などの不慮の事故などで働けなくなった場合でも保険金が支払われますので、長い返済期間の万が一の事態に備えることができるわけです。これは間違いなく大きなメリットと言えるでしょう。

 

では、なぜ落とし穴と言われることがあるのかと言うと、「1年以上働けない状態になった時に初めて住宅ローンの残高がゼロになる」という厳しい保険金受取条件があるためです。

 

実際、

  • 住宅ローンの返済全盛期ともいえる30代~50代で1年以上全く働けなくなる人がどれだけいるの?
  • 返済中に1年以上働けなくなる確率は相当低いからこそ無料で加入できるんでしょ。その程度の保障なんて加入しても意味がない。
  • 全疾病と言いつつ精神障害は対象外だ。1年以上働けなくなる人の多くは精神障害なのに。
  • auじぶん銀行の住宅ローンのがん50%保障団信はがんに限定されてるけど、保険金支払条件はがんと診断されるだけで、条件が雲泥の差だ。

というような声をよく見かけるのは事実です。

 

確かに筆者の周辺で60歳未満で1年以上働けなくなった人はうつ病などの精神系の病気にかかった人だけです。保険は万が一の事態に備えるためのものなので全疾病保障を否定するつもりはありませんが、上記のような意見が多くあり、その主張はあながち間違いではないということは念頭に入れておくようにしましょう。

 

結論として、1年以上働けない状態になることに備えたい人は住信SBIネット銀行、1年以上働けないとか面倒なことを考えずにがんと診断される状態に備えたい人はauじぶん銀行の住宅ローンがおすすめです。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンの落とし穴

スゴ団信はネット専用住宅ローンには付帯しない

住信SBIネット銀行のスゴ団信

住信SBIネット銀行が2021年10月に取り扱いを開始した新しい疾病保障サービス・スゴ団信はネット専用住宅ローンでは利用できないので注意が必要です。スゴ団信は40歳未満の人であれば、全疾病保障加えて、がん診断保障を含む”3大疾病50%保障”が無料で付帯する団信です。40歳以上の人も金利に0.25%上乗せすることで利用できます。

※スゴ団信の詳細はこちらの記事を参考にしてください。

 

健康状態に特に問題がない40歳未満の人で、変動金利タイプでの借り入れ・借り換えを予定している人であれば、ネット専用住宅ローンよりも有利な金利で、かつ、より充実した疾病保障がついた住宅ローン(対面)を選択肢に加えることを強くおすすめします。

 

 

全疾病保障の保険金支払い条件に注意

最初に確認しておきたい落とし穴は、先ほども説明した全疾病保障についてです。住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、この全疾病保障は費用負担なしで付帯できるのですが、就業不能状態が12か月継続しないと住宅ローンの残高が0円になることが無いという厳しめの条件が設定されています。

 

例えば、がんと診断されて、手術が成功し、1年未満で職場に復帰できた時は住宅ローンの残高はそのまま残ります。無料のサービスのことをデメリットとして紹介するのは気がひけますが、無料でついてくるサービスだからと言って、そのサービス内容を把握しなくて良いわけではありませんので、この保険金の支払条件はしっかりと理解しておくようにしましょう。

 

例えば、がんや8大疾病などに対応する住宅ローンの疾病保障は大半の住宅ローンで利用できますが、一般的に年0.1%~年0.3%程度を金利に上乗せして保険料を負担する必要があります。この金利上乗せ幅は保障内容によって違ってきますが、一般的に金利上乗せによる負担がある疾病保障のがんに対する保険金支払条件は「医師による疾病の診断」になっていることが大半です。

 

保険金の支払条件が「がんと診断されること」と「がんになって12か月以上働けない状態になること」では保険金の受取やすさ(住宅ローンの残高が0円になること)がかなり違ってくると言う点は認識しておく必要があります。

 

金利上乗せによる費用負担が無いとはいえ、保険金を受け取れる条件がかなり厳しいのは事実なので、1点目の落とし穴として紹介しておきます。

 

なお、無料の疾病保障サービスで、かつ、”医師の診断”を条件に住宅ローンの残高が保障される商品で有名なのはauじぶん銀行の住宅ローンのがん50%保障団信です。この保障は、”がんと診断された時”に住宅ローンの残高が半分になる保障で、住宅ローンの残高が0円になるわけではありませんが無料かつシンプルな保険金支払条件は非常に魅力的です。

 

 

事務手数料が高い

住信SBIネット銀行の住宅ローンは借入金額の2.20%(税込み)の事務手数料が必要です。

住宅ローンの事務手数料の問題は住信SBIネット銀行の住宅ローンに限った話ではありませんが、住信SBIネット銀行の住宅ローンで3,000万円の住宅ローンを借りる場合で、60万円以上、5,000万円のローンであれば100万円以上の事務手数料を支払う必要があります。

 

世の中にはSBI新生銀行やソニー銀行のように数万円の事務手数料で済ますことができる住宅ローンも存在しますので、事務手数料の金額が借入金額の2.20%(税込)かかるのは落とし穴の1つとして認識しておく必要があります。

 

ちなみに、この事務手数料とよく比較されるのが住宅ローンの保証料です。住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンは保証料は無料です。メガバンクや地方銀行のように古い住宅ローンの場合、事務手数料は3万円強ですが、保証料が2%程度かかるので実質的には相殺されます。従って、この落とし穴はSBI新生銀行のような事務手数料が低く、保証料もかからない住宅ローンと比較した場合ということになります。

 

なお、保証料は借り換えや繰上返済すると返金されます(前払いの場合)が、手数料の返金は一切ありません。「同じ金額を払うのであれば手数料よりも保証料の方がまだマシ」という点も注意しておきたいポイントです。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンに限らず「保証料無料だよ!」と案内している住宅ローンが増えていますが、「事務手数料を保証料並みとるから保証料は無料にしておいたよ!」と言う案内が本来の姿です。その観点で良心的なのは、保証料もかからないSBI新生銀行とソニー銀行です。

特にSBI新生銀行の住宅ローンは「事務手数料も安く、保証料も無料で、安心パックと言われる疾病保障や返済休止サービス」など、住宅ローンを借りた後の安心感を高めるサービスを多数用意しているだけでなく、近年は住宅ローンの審査にも通りやすくなったと評判です。事務手数料・保証料を安く抑えたいと言う人は、SBI新生銀行の住宅ローンはチェックしておくようにしましょう。

 

当初固定期間終了後の金利が高い

住信SBIネット銀行の住宅ローンで気を付けたいのは当初固定金利期間終了後の金利水準です(変動金利や超長期固定金利を選ぼうとしている人は読み飛ばしてください)。

 

10年固定金利の当初引下げプランを選んだ場合、11年目からの金利が変動金利で2%を超えることもあるぐらいで、許容できるレベルを超えています。通期引下げプランを選んでも11年目以降の金利水準は高めと言わざるを得ませんので、住信SBIネット銀行で当初固定金利タイプを選ぼうとしている人は当初固定期間が終了した後の金利が高いということは必ず念頭に入れておきましょう。

 

正直、金利を固定できる期間(例えば、10年固定金利であれば10年間)で住宅ローンを完済するか、繰上返済などを駆使して住宅ローンの残高を大幅に減らせる自信がある人以外には、住信SBIネット銀行の住宅ローンの「当初固定金利タイプ」の住宅ローンはおすすめできません。

 

少なくとも、住信SBIネット銀行の住宅ローンの当初固定期間終了後の金利は必ずチェックするようにしましょう。

 

10年固定金利タイプなど当初固定金利タイプの住宅ローンでおすすめなのは、意外かもしれませんがSBI新生銀行です。2023年3月の金利で10年間は年1.100%ですが、借り入れから11年目に変動金利に切り替わった時に適用される金利は年0.650%です。住信SBIネット銀行の10年固定(当初引下げプラン)が年2%を超えることを考えると雲泥の差です。

※11年目に適用される金利は、その時点の各社の住宅ローンの基準金利をもとに決定されます。ただし、「金利適用ルール」は最初から決まっていますので、SBI新生銀行の住宅ローンの金利適用ルールの方が良心的です。

 

 

審査に時間がかかる

住信SBIネット銀行はインターネット専業銀行です。さらに、この記事で紹介している住宅ローンはネット専用住宅ローンなので、ネット申込みに限定されています。このように店舗を構える銀行と違って住信SBIネット銀行には窓口で相談できないというデメリットがあります。

また、ネット申込みの住宅ローンは、郵送での書類のやり取りや書類不備の解消に時間がかかるので、結果として住宅ローンの申し込みから審査・融資実行まで時間かかってしまいます。余裕をもって手続きを進めておかないと、郵送でやり取りしているうちに時間が無くなって借り入れタイミングに間に合わなかってしまうことがあります。

 

この点はネット銀行の住宅ローンの落とし穴の1つです。

 

その落とし穴を解消するためなのかはわかりませんが、住信SBIネット銀行は店舗申込専用の住宅ローン(対面)にも力を入れています。ネット専用住宅ローンにかなり近い金利・商品性になっていますので、「店舗で相談してみたい」「契約日まで時間がない」という言う人は、店舗でスピーディに申し込める住宅ローン(対面)を取り扱うSBIマネープラザで相談してみると良いでしょう。

 

住宅ローン(対面)の方が有利!?

この住宅ローン(対面)関連でもう1つ落とし穴があります。この店舗申し込み専用の住宅ローン(対面)は一部の金利タイプでネット専用住宅ローンよりも低い金利が設定されていることがあります。今月は変動金利も住宅ローン(対面)の方が低い設定になっているので特に注意しましょう。

 

必ず、住信SBIネット銀行の最新の金利と細かく比較しておくようにしましょう。

 

ただし、この金利設定にはもう1つ落とし穴があって有利な金利に見える住宅ローン(対面)は住宅ローンの審査次第で適用される金利が年0.1%~年0.75%上乗せされる可能性があるので住信SBIネット銀行よりも高い金利になる可能性がある、という点です。

 

つまり、適用する金利の基準が住宅ローン(対面)の方が低くても、自分に提示してもらえる金利がどうなるかが確定していないので、両方に申し込んでみないとネット専用住宅ローンと住宅ローン(対面)のどっちがお得なのかがわからないという点は念頭に入れておきましょう。住信SBIネット銀行での申し込みを検討されている方は、まずは店舗にて担当者と相談してみるのが良いでしょう。

 

 

つなぎ融資・分割融資には対応していない

住信SBIネット銀行の住宅ローンはつなぎ融資・分割融資に対応していません。注文住宅では原則的につなぎ融資・分割融資が必要となるはずですが、住信SBIネット銀行では新築の注文住宅の時に利用しにくいというデメリットがあります。

なお、住信SBIネット銀行が提供しているもう1つの住宅ローン「住宅ローン(対面)」を申し込めるSBIマネープラザが、2019年12月に「SBIマネープラザ住宅つなぎ融資」の提供を開始したので、SBIマネープラザ経由であれば、注文住宅でも住信SBIネット銀行の住宅ローンが利用しやすくなっています。

 

住宅ローン(対面)は、2023年3月の変動金利は年0.375%※とネット専用住宅ローンよりもオトクな金利設定になっているので、つなぎ融資を希望する人で、SBIマネープラザの店舗が近くにあれ人にとって、住宅ローン(対面)は有力候補に入ってくると思います。

※審査結果によっては金利に年0.1%~年0.75%上乗せとなる場合があります

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンはつなぎ融資・分割融資に非対応

 

審査の結果で金利が上乗せされる

2019年12月から住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンも審査の結果で金利が年0.1%上乗せされるようになりました。もちろん、全員が年0.1%上乗せされるわけではありませんが、低金利で選んだのに金利を上乗せされてしまうと、結果的に他の銀行の住宅ローンの方が条件が良いという状況になる可能性があります。

 

金利が上乗せされるのかは実際に申し込んでみないとわかりませんが、できれば、もう1社か2社の住宅ローンに同時に申し込んでおいて、審査に通った住宅ローンの中から最後に選べる状況を作っておくと良いでしょう。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンの審査期間。審査が遅い?

住信SBIネット銀行の住宅ローンは審査が遅い・時間がかかったという評判や口コミが多くあります。実際、住信SBIネット銀行の手続きの流れのページを見ると1行目に「仮審査申込日から1か月半以上必要」という説明があります。

1か月半はネット銀行の住宅ローンとしては標準的とも言えますが、世の中には来店不要で業界最速水準を実現しているauじぶん銀行や、フラット35の本審査の結果が最短3営業日でわかるアルヒなどがありますので、審査が遅いと言われても仕方がない面があります。(時間がない人は、審査期間の短い住宅ローンを選ぶようにしましょう。)住信ネット銀行の住宅ローンの審査期間

時間がない人で住信SBIネット銀行の住宅ローンを諦めきれない人にはSBIマネープラザで住宅ローン(対面)に申し込むという方法というがあります。ネット専用住宅ローンと住宅ローン(対面)はほとんど商品性や金利が同じです。店舗に行かなければなりませんが書類の郵送の期間を短縮することができます。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンの必要書類

住宅ローンの事前審査(WEBから申し込む)の時点では提出が必要になる書類はありません。書類提出は「本審査申込」と「契約時」に必要になってきます。また、「建売住宅・マンションの購入」と「注文住宅」と「住宅ローンの借り換え」で必要書類が変わってきます。以下は、「建売住宅・マンションの購入」の人が本審査の際に提出を求められる書類です。

なお、インターネットから事前審査を申し込む段階では書類の提出は不要です。申し込み手続きを進めながら必要書類の確認を平行して行っておくと本審査の手続きがスムーズに進められるでしょう。

種別書類名称提出の必要がある人
申込書など ローン借入申込書全員
個人情報の取扱いに関する同意書兼表明および確約書全員
本人確認関連 住民票または住民票記載事項証明書日本人
在留カードまたは特別永住者証明書外国人
所得証明関連    源泉徴収票給与取得者
住民税課税決定通知書または収入金額記載の住民税課税証明書基本的に全員
確定申告書(収支内訳書、青色申告決定書を含む一式)確定申告している人
納税証明書不動産所得・事業所得のある人・会社役員
会社決算書(確定申告書表紙・勘定科目内訳明細書を含む一式)会社役員
物件関連     売買契約書全員
重要事項説明書全員
検査済証全員
平面図・間取図全員
建築確認済証または建築確認通知書土地付き住宅の場合
建築確認申請書土地付き住宅の場合
その他 借り入れ中ローンの返済予定表自動車ローンなどがある場合
諸費用明細または資金計画書諸費用の借り入れを希望する場合

なお、注文住宅・借り換え時は必要書類が少し変わってきます。事前審査申し込み後でも良いので確認しておくようにしましょう。

 

まとめ

全疾病保障が無料で付帯する独自の商品性と低金利が特徴の住信SBIネット銀行の住宅ローンは非常に優れた商品ですが、落とし穴になってしまうポイントを理解して利用することで、より有利に利用することができます

 

住宅ローンは各金融機関間での競争が進み、単純な比較が難しくなったうえ、(変動金利が良いのか固定金利が良いのか、疾病保障はそもそもいらないのか手厚くしておきたいのか、店舗で相談して申し込みたいのかネットで自分で申し込みたいのか、など)利用者の考え方が違い、人によってメリットとデメリットの考え方が違います。

 

重要になるのはメリット・デメリット、そして落とし穴なりそうな点をしっかりと理解することです。それは住信SBIネット銀行の住宅ローンを理解して適切に利用することにも繋がりますし、他社の住宅ローンを選ぶにしても同じことです。これができていないとどんな住宅ローンでも落とし穴にはまってしまう可能性があります。

 

また、住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンは親会社の三井住友信託銀行提供する住宅ローン(そのため、三井住友信託銀行の住宅ローンからの借り換えはできない)で、住信SBIネット銀行はその住宅ローンの代理店としての役割を担っているのみ、という点も加味しておくようにしましょう。

 

気になる点は、この数年の金利動向・金利設定で、他のネット銀行が10年固定金利を引き下げたりしている中で、住信SBIネット銀行は金利を引き上げるケースもあり、住宅ローンにあまり力を入れなくなっているように見える点です。変動金利は引き続き魅力的ですが、それ以外の金利タイプでは他のネット銀行の住宅ローンに見劣りしつつありますので慎重に選ぶようにしましょう。

 

なお、住宅ローンは審査に落ちることも多く、本命と決めてもその住宅ローンを利用できるとは限りません。また、審査にも時間がかかるため有力候補の住宅ローン複数に申し込むことをおすすめしています。この特集で紹介した内容が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

 

また、住信SBIネット銀行の住宅ローンを否定したいわけではありませんが、ここ最近のauじぶん銀行などの住宅ローンの商品性の改善が目立ち住信SBIネット銀行の住宅ローンはやや存在感が薄まってきているように思います。住信SBIネット銀行の住宅ローンの利用を考えている人は、auじぶん銀行などの住宅ローンの商品性もチェックしておくようにしましょう。

 

※紹介している内容の正確性には万全を期していますが、商品について詳しくは以下の住信SBIネット銀行の公式サイトから必ずご確認お願いします。

住信SBIネット銀行の公式サイトはこちら

【徹底解説】住信SBIネット銀行の住宅ローン関連特集

 

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