住宅ローン金利の動向と予想をイメージした図

2024年にマイナス金利政策が解除されて以降、日本の金融政策は「金利のある世界」へと歩みを進めています。2026年に入っても日銀は段階的な利上げを続けており、住宅ローン金利の前提は数年前とは大きく変わりました。

今回は、2026年の住宅ローン金利の動向と、今後の見通しを整理してみましょう。

住宅ローン金利を決める要因は?

まず、住宅ローン金利を決める基準から説明していきましょう。住宅ローン金利の基準となるのは、次の2つです。

長期の固定金利 → 国債金利(新発10年国債利回り)
変動金利・短期固定金利 → 短期プライムレート

固定金利・変動金利はそれぞれの指標に連動していると言われています。この指標の上下に加えて、銀行が販売を強化したい商品や他行との金利の駆け引きによって、店頭の金利や引き下げ幅が決まります。

短期プライムレートとは

短期プライムレートは、各金融機関が「無担保コール翌日物」などの市場金利(=日銀の政策金利の影響を受ける)を参考に独自に決定します。元にする市場金利が共通なので、銀行間の差はほとんどありません。

この短期プライムレートは、2009年1月から長らく1.475%で変わっていませんでしたが、日銀の利上げを受けて2024年以降は上昇に転じ、多くの銀行で年2.125%まで引き上げられています。さらに、2026年6月に日銀が政策金利を年1.0%程度へ引き上げたことを受け、大手銀行は2026年8月から短期プライムレートを年2.375%へ(+0.25%)引き上げます。変動金利型住宅ローンの基準金利は、この短期プライムレートに連動して動きます(時点:2026年7月)。

国債金利(新発10年国債利回り)とは

新発10年国債利回りとは、新規に発行された償還期間10年の国債の流通利回りのことで、日本の金融市場における長期金利の代表的な指標です。全期間固定金利(フラット35など)や固定期間の長い金利は、この長期金利の影響を受けます。

かつては日銀の金融緩和で0%近辺に抑えられていましたが、金融政策の正常化と財政拡張への警戒から長期金利は上昇が続き、2026年7月には新発10年国債利回りが一時2.8%前後(約29年ぶりの高水準)まで上昇しました。固定金利には引き続き上昇圧力がかかりやすい状況です(最新の水準は日々変動するため、各金融機関・公的機関の公表値でご確認ください)。

2026年の住宅ローン金利の見通し

日銀は「現在の金融環境はなお緩和的」との認識のもと、経済・物価情勢に応じて利上げを継続する姿勢を示しています。かつてのような「低金利が続く」という前提ではなく、変動金利は上昇に向かい、固定金利は高止まりという局面に入っています。金利タイプ別に、現在の水準を確認しておきましょう。

金利タイプ連動する指標2026年7月の水準(目安)
変動金利短期プライムレート新規・最優遇でおおむね0.9〜1.2%台(行により差。8月以降は上昇へ)
10年固定新発10年国債利回り大手行の最優遇平均で3.5%前後(7月・方向感は行により割れる)
35年固定(フラット35)新発10年国債利回り3.14%(融資率9割以下・団信あり・返済21〜35年。前月比−0.07%)
 2026年の住宅ローン金利のポイント
 ・変動金利:8月から短プラ上昇(2.125%→2.375%)。新規は8月以降、返済中の人も各行の見直し(多くは10月・11月)で順次上昇へ
 ・10年固定:大手5行の最優遇平均3.5%前後。7月は下げた行が多いが方向感は割れる
 ・35年固定(フラット35):7月は3.14%(前月比−0.07%)。長期金利は高止まりで先行きは上昇余地も

変動金利は「これから借りる人」と「すでに借りている人」で影響の出る時期が異なります。新規は融資実行時の金利が適用されるため8月以降は上昇後の金利に、返済中の人は各行の基準日(多くは10月1日)を経た秋以降に反映されるのが一般的です。なお、正確な適用金利・反映時期は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

金利だけでなく「総コスト」と「返せる設計」で選ぶ

金利上昇局面では、表面金利の低さだけで飛びつくのは危険です。当サイトの視点として、次の2点を重視してください。

1つ目は総コストです。事務手数料(定率型なら借入額の2.20%(税込))・保証料・団信の上乗せまで含めると、表面金利が同じでも総支払額は大きく変わります。がん保障などを厚くすると金利に上乗せされる銀行が多いため、必要な保障とコストのバランスで選びましょう。2つ目は金利が上がっても返せる設計です。変動金利を選ぶなら、金利が一定以上上がっても家計が耐えられるか、あるいは全期間固定で返済額を確定させるかを、シミュレーションで確認しておくと安心です。

不動産価格はバブル崩壊後最高値の水準に

住宅ローン金利が上昇に向かう一方で、首都圏の不動産価格はバブル崩壊後の最高値を更新し続けており、簡単にマイホームを購入できる価格帯ではなくなってきています。資材や人件費の高騰も価格を押し上げています。

金利も価格も上昇するなかでは、「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」を起点に、物件と住宅ローンをこれまで以上に慎重に選ぶことが重要になっています。


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