
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、日本初のインターネット専業銀行です。「新たな形態の銀行」の第一号として普通銀行免許を取得して2000年に設立され、トークン方式のワンタイムパスワードをいち早く導入するなど、ネット銀行の草分けとして歩んできました。
2021年4月に「ジャパンネット銀行」から「PayPay銀行」へ商号を変更し、2025年4月にはPayPay株式会社の子会社(ソフトバンクグループのPayPayグループ。三井住友銀行の持分法適用会社)となりました。PayPayアプリから口座開設ができるなど、キャッシュレス決済との連携が強みです。
このページでは、PayPay銀行の住宅ローンを「表面金利」ではなく「団信の上乗せ・事務手数料・繰上返済手数料まで含めた総コスト」と、返済中に効いてくるルールの違いという2つの角度から整理します。
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PayPay銀行の住宅ローン 注目ポイント
- 引き下げ幅が完済まで続く「全期間引下型」を選べる
- 保証料・一般団信・印紙代が0円(一部繰上返済もホームページ手続きなら無料)
- PCとスマホで契約まで完結。事前審査は当日〜2営業日が目安
- 収入合算・ペアローンに対応し、ペアローンには連生団信がある
2026年9月の適用金利
まず現在の水準を確認しておきましょう。下表は2026年9月1日時点でPayPay銀行の公式金利ページに掲載されていた最優遇金利です。変動金利は「全期間引下型」、固定金利は「当初期間引下型」の数値です。
| 金利タイプ | 適用金利(年) | 備考 |
|---|---|---|
| 変動金利(全期間引下型) | 1.330% | 新規借入・借り換えとも同じ。前月から据え置き |
| 当初10年固定 | 3.440% | 当初期間引下型 |
| 当初20年固定 | 4.020% | 当初期間引下型 |
| 当初35年固定 | 4.190% | 当初期間引下型 |
上表は最優遇金利であり、審査の結果によっては適用されないことがあります。また金利は毎月見直されるため、申し込む時点の数値はPayPay銀行の公式サイトでご確認ください。
なお、以前は「変動金利と10年固定金利が業界最低水準」と紹介されることの多かったPayPay銀行ですが、2026年に入ってからは各行の金利改定のタイミングがずれ、ネット銀行が一律にいちばん安いとは言えない状況になっています。実際、住宅ローン比較サービスのモゲチェック(MFS)が公表した2026年9月の金利インデックスでは、変動金利のグループ平均が地方銀行1.23%<メガバンク1.25%<ネット銀行1.29%となり、同社は「ここ数年で初めて見られる逆転現象」としています。銀行の業態でひとくくりにせず、各行の適用金利と諸費用を並べて比べるのが確実です。
PayPay銀行住宅ローン詳細
ここからは、金利以外の条件も含めてPayPay銀行の住宅ローンの中身を見ていきます。
引き下げ幅が完済まで続くタイプを選べる
PayPay銀行の変動金利は「全期間引下型」=基準金利からの引き下げ幅が完済まで変わらないタイプです。当初数年だけ大きく引き下げ、その後に引き下げ幅が縮む商品と比べると、借入期間の後半になっても金利が跳ね上がりにくいのが特徴で、総支払額を見積もりやすくなります。
一方で、足元は金利が上昇に向かう局面にあります。日本銀行は2026年6月に政策金利を年1.0%程度へ引き上げ、大手銀行は変動金利の基準となる短期プライムレートを引き上げました。変動金利は今後も基準金利の改定を通じて動く可能性があるため、「今の金利がずっと続く前提」で借入額を決めないことが大切です。
審査のスピード
PayPay銀行の審査は事前審査と本審査の2段階です。公式のよくあるご質問によると、事前審査の回答は当日〜2営業日が目安(最短で即日)、本審査は必要書類がそろってから3〜10営業日が目安で、申し込みから借り入れまでは滞りなく進んだ場合で1か月程度とされています。物件の引き渡し日が決まっている場合は、この期間を逆算して申し込むと安心です。
PCとスマホで契約まで完結
PayPay銀行は紙の契約書ではなく電子契約システムで契約を行うため、PCやスマホだけで手続きが完結します。書類の郵送や捺印の手間が省けるうえ、紙の契約書に必要な印紙代(収入印紙代)がかからないのもメリットです。書類に不備があった場合も、店舗に出向かずデータを送り直すだけで済みます。
保証料・印紙代は0円。ただし繰上返済は「手続き方法」で手数料が変わる
諸費用は、金利と同じくらい総コストを左右します。PayPay銀行の商品概要(2025年4月22日現在)で公表されている内容を整理すると次のとおりです。
| 費目 | PayPay銀行の扱い | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| 融資事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込) | 3,000万円の借入なら66万円(税込)。初期費用の中心はここ |
| 保証料 | 不要 | 事務手数料に一本化されるタイプ |
| 印紙代 | 不要(電子契約のため) | 紙の契約なら借入額に応じて数万円かかる |
| 一部繰上返済手数料 | ホームページ手続きは無料/電話は5,500円(税込) | 「一部繰上返済はすべて無料」ではない |
| 全額繰上返済手数料 | 33,000円(税込) | 借り換えや売却で完済するときに発生する |
| 火災保険・地震保険 | 顧客負担(付保を推奨) | 地震による損害は通常の火災保険では補償されない |
ここでとくに注意したいのが、一部繰上返済の手数料です。ホームページからの手続きは1万円以上1円単位で無料ですが、電話で手続きすると1回5,500円(税込)がかかります。こまめに繰上返済して利息を減らす戦略をとるなら、ネットで手続きできる操作に慣れておくことが実質的な節約になります。また、借り換えや住み替えの可能性がある人は、全額繰上返済に33,000円(税込)かかる点も出口コストとして見ておきましょう。
団信は「一般団信は無料、がん保障は上乗せ」で総支払額が変わる
ここがこのサイトでもっとも重視している視点です。表面金利が低くても、手厚い団信を付けると金利に上乗せされ、その分だけ総支払額が増えます。PayPay銀行の団信は「保障はどこまで必要か」で選ぶ設計になっているので、上乗せ込みの金利で他行と比べるのが正確です。
| 団信プラン | 上乗せ金利 | 加入年齢 | 主な保障内容 |
|---|---|---|---|
| 一般団信 | 0円(無料) | 満65歳未満 | 死亡・高度障害、リビングニーズ、重度肝硬変保障特約 |
| がん50%保障団信 | +0.10% | 満51歳未満 | 上記+がん診断で残高の50%を保障、先進医療特約、全疾病保障、失業保障、自然災害保障 |
| がん100%保障団信 | +0.15% | 満51歳未満 | 上記+がん診断で残高の100%を保障、がん診断入院一時金保障 |
| ワイド団信 | +0.30% | — | 持病などで一般団信に入りにくい人向け(保障内容は一般団信と同じ) |
上乗せがそのまま適用金利に乗るため、変動金利で借りる場合の実質的な負担は次のようになります。

保障が最小限でよければ一般団信のまま表面金利で借りられますし、がんへの備えを厚くしたいなら上乗せ込みの金利で他行の同等プランと比較するのが公平な比べ方です。上乗せ金利や年齢条件は改定されることがあるため、申込前にPayPay銀行の公式サイトでご確認ください(がん50%保障団信の上乗せは2026年6月1日借入分から+0.10%に改定されています)。なお借入金額が1億円を超える場合は専用診断書の提出が必要で、団信のプランは借入後に変更できません。
ペアローンの連生団信は上乗せ幅が変わる
共働き世帯が増えるなか、PayPay銀行では収入合算やペアローンも利用できます。ペアローンでは「連生団信」を選べ、夫婦どちらかに万一のことがあれば二人分の残高が0円になるため、ペアローンの弱点をカバーしやすいのが特徴です。
ただし連生団信は上乗せ金利が単独契約より高くなります。一般団信タイプで+0.20%、がん50%保障で+0.30%、がん100%保障で+0.40%です(連生団信の選択は必須ではありません)。「二人分の安心」と「二人分の金利上乗せ」を、返済期間全体の金額に置き換えて判断しましょう。
借入期間は最長50年。ただし35年超は年0.3%の上乗せが完済まで続く
PayPay銀行の借入期間は1年以上50年以内で、借入金額は500万円以上2億円以下(10万円単位)です。期間を延ばせば毎月の返済額は下がりますが、借入期間が35年を超える契約には年0.3%の金利上乗せがかかります。
見落とされやすいのが、PayPay銀行が公式に明記している次の2点です。
- いったん35年超で借りると、その後に繰上返済で残り期間を35年以内に縮めても、上乗せは継続します。
- 完済時の年齢が80歳未満になるように期間を設定する必要があります。
日本経済新聞は2026年9月5日、住宅ローンの返済が「定年後まで」続く人が約7割にのぼると報じ、若い世代で超長期ローンの利用が増えていることの返済リスクにも触れています。期間を延ばす判断は「毎月の返済額」だけでなく、上乗せ金利を含めた総支払額と、自分が何歳で完済するのかをセットで確認してから行いたいところです。
PayPay銀行には「5年ルール・125%ルール」がない
変動金利を選ぶ人がもっとも見落としやすいのが、金利が上がったときに返済額がどう変わるかのルールです。多くの銀行は、金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置き(5年ルール)、6年目の見直しでも直前の1.25倍までしか上げない(125%ルール)という緩衝装置を設けています。
これに対しPayPay銀行は商品概要で「返済額5年間一定ルール」および「返済額増加125%ルール」の取り扱いはないと明記しています。つまり金利が上がれば、年2回(4月・10月)の金利見直しに応じて毎月の返済額そのものが早く動くということです。
これは一長一短です。5年ルールがある銀行では返済額は据え置かれますが、その間に増えた利息が消えるわけではなく、返済額の内訳が利息に偏り、元金が減りにくくなります(極端な場合は未払利息が発生します)。ルールがないPayPay銀行は返済額の増加が早く表に出る代わりに、元金の減り方が金利に素直に連動します。
住宅金融支援機構が2026年2月20日に公表した「住宅ローン利用者の実態調査」(2025年4月〜9月に借り入れた人が対象)では、金利の見直しルールについて31.8%が「理解しているかどうか自体が分からない」と回答しています。変動金利で借りるなら、金利そのものより先に、この見直しルールが自分の借りる銀行にあるのかを確認しておくべきです。
PayPay銀行 住宅ローンの商品概要
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 申込条件 | 借入時20歳以上65歳未満/完済時80歳未満 | PayPay銀行の普通預金口座が必要 |
| 年収条件 | 前年度年収200万円以上 | 日本国籍または永住許可を受けている方 |
| 借入金額 | 500万円以上2億円以下(10万円単位) | 審査により上限が決まる |
| 借入期間 | 1年以上50年以内(1か月単位) | 35年超は年0.3%の上乗せ |
| 資金使途 | 本人が居住する住宅の購入・新築・借り換え | 投資用・セカンドハウスは対象外 |
| 取扱地域 | 日本国内全域 | 離島・市街化調整区域・都市計画区域外は対象外 |
| 返済方法 | 元利均等返済(ボーナス返済は50%以内) | 5年ルール・125%ルールの取り扱いなし |
| 団信 | 加入必須(保険料は銀行負担) | プランにより上乗せ金利あり |
※上記はPayPay銀行が公表する商品概要(2025年4月22日現在)にもとづく内容です。条件は改定されることがあるため、申込前に公式サイトでご確認ください。
PayPay銀行の住宅ローンでよくある質問
Q. 一部繰上返済の手数料が「無料」と紹介されているのを見ましたが、本当ですか?
A. ホームページから手続きする場合は無料で、1万円以上1円単位で返済できます。ただし電話で手続きすると1回5,500円(税込)、全額繰上返済は33,000円(税込)がかかります。「一部繰上返済=すべて無料」ではない点に注意してください。
Q. 変動金利が上がったら、返済額はいつから増えますか?
A. PayPay銀行は年2回(4月・10月)に金利の見直しを行い、4月1日基準の新金利は同年6月の返済日から、10月1日基準の新金利は同年12月の返済日から適用されます。5年ルール・125%ルールの取り扱いがないため、見直し後の返済額はその時点の金利で計算されます。
Q. がん保障を付けたいのですが、年齢の上限はありますか?
A. がん50%保障団信・がん100%保障団信はいずれも借入時に満51歳未満であることが条件です。満51歳以上の場合は一般団信(満65歳未満)となります。なお団信のプランは借り入れ後に変更できないため、申込時点で決める必要があります。
Q. 50年ローンにすれば毎月の返済額が下がるので有利ですか?
A. 毎月の返済額は下がりますが、35年超には年0.3%の上乗せがかかり、返済回数も増えるため、総支払額は大きくなります。しかも繰上返済で期間を35年以内に短縮しても上乗せは続きます。「月々がいくらか」ではなく「完済時に何歳か」「総額でいくら払うか」で判断してください。
Q. 借り換えでも同じ金利ですか?
A. 2026年9月時点で公表されている変動金利(全期間引下型)は、新規借入・借り換えとも同じ年1.330%でした。ただし借り換えの場合、借入期間は原則として現在の住宅ローンの残存期間が上限となります。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
まとめ:PayPay銀行はどんな人に向いているか
PayPay銀行の住宅ローンは、保証料と印紙代が0円で初期費用の内訳がシンプル、引き下げ幅が完済まで続く、手続きがすべてオンラインで完結するという点で、自分で条件を比べて判断したい人と相性のよい商品です。一方で5年ルール・125%ルールがないため、金利上昇時に返済額が動くことを織り込んで借入額を決められるかが分かれ目になります。
返済額が動くリスクを抑えたい、あるいは対面でも相談しながら決めたいという場合は、SBI新生銀行のように店舗相談とオンライン手続きの両方に対応し、事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率型で分かりやすく、一般団信と全疾病保障付団信を上乗せ0円で用意している銀行も候補に入れて比べてみるとよいでしょう。金利表の数字だけでなく、団信の上乗せ・手数料・返済ルールまでそろえて並べることが、総コストで選ぶ近道です。
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