
この記事では、PayPay銀行の住宅ローンのメリットとデメリットの両方を解説しています。
PayPay銀行はジャパンネット銀行として営業していた、日本でもっとも歴史のあるインターネット銀行のひとつです。その後、QRコード決済で有名なPayPayを提供するグループの傘下となり、PayPay銀行へと名前を変えました。
目次
PayPay銀行の住宅ローンの特徴

※PayPay銀行の(会社員向けの)住宅ローンは、「正社員・契約社員など」は利用できますが、「個人事業主・自営業、同族企業に勤める人」は原則利用できません(こうした方向けには、2024年に新設された個人事業主・法人経営者向け住宅ローンが別に用意されています)。また、市街化調整区域・非線引き区域の物件の場合も利用できません。後発組の住宅ローンなのでより柔軟な運用を期待してしまいますが、通常商品は一般的な住宅ローンよりも利用できる条件がかなり厳しいので、最初に注意点として挙げておきたいと思います。
住宅ローン金利
まず住宅ローンで気になるのは”金利”だと思いますので、PayPay銀行の住宅ローン金利を確認しておきましょう。PayPay銀行の変動金利(全期間引下型)は業界最低水準クラスの低金利です。時期によってはキャンペーンも実施されています。
PayPay銀行の住宅ローン 2026年7月の金利(一例)
| 金利タイプ | 金利 | |
|---|---|---|
| 変動金利 (全期間引下型) | 新規借り入れ | 年1.330% |
| 変動金利 (全期間引下型) | 借り換え | 年1.330% |
| 固定10年 (当初期間引下型) | 新規借り入れ | 年2.770% |
上記は2026年7月時点の一例です。金利は毎月見直され、自己資金の割合や団信の選択によっても変わります。新規借り入れの金利優遇条件やその他の金利タイプ・最新金利については、以下の公式サイトなどで必ずご確認ください。
諸費用・初期費用
住宅ローンを選ぶときの大切な判断材料の1つになるのが、事務手数料などの諸費用です。特に手元に十分な資金がない場合に重要になってきます。
PayPay銀行の住宅ローンの契約時にかかる諸費用の中で多くを占めるのは事務手数料で、PayPay銀行の住宅ローンは融資金額の2.20%(税込)を支払う必要があります。

保証料・団信の保険料・一部繰上返済手数料・収入印紙が0円
なお、保証料や一般団信の保険料、一部繰上返済手数料は問題ない水準(0円)です。
メガバンクや地方銀行のように保証料がかかる住宅ローンと比べれば、無料サービスが多いのは大きなメリットです。ただし、ネット銀行では同じように保証料・一般団信の保険料・一部繰上返済手数料が無料のところが多いので、ネット銀行同士で比べる場合はメリットとまでは言えません。
収入印紙が0円になる電子契約も多くのネット銀行で採用されていますが、PayPay銀行もしっかり対応しています。
まとめると、人気のあるネット銀行同士では、このポイントで差別化できているとは言えませんが、メガバンクや地方銀行の住宅ローンと比べればメリットの大きいポイントです。
事務手数料には注意
PayPay銀行の住宅ローンの事務手数料は借入額の2.20%(税込)です。これは「低金利なネット銀行の住宅ローンとしては標準的」ですが、金額としては高額になりがちです。そのため、ソニー銀行やSBI新生銀行などが取り扱っている、保証料・一般団信保険料・一部繰上返済手数料・印紙代が0円にでき、かつ事務手数料も抑えられる住宅ローンと比較するときは、総支払額を左右するポイント(デメリット)として考えておくようにしてください。
申し込みから契約、借り入れまでの流れ
PayPay銀行の住宅ローンは、申し込みから契約までパソコンかスマホがあれば完了できるので、操作に慣れている人であればスムーズに手続きを進められると思います。
PayPay銀行の住宅ローンの審査期間の目安は次のとおりです。
- 事前審査 – 最短30分~5営業日
- 本審査 – 3~10営業日
事前審査は最短30分で回答がもらえます。最大で5営業日とあるので時間がかかる可能性もありますが、その後の本審査は3~10営業日なので、まずまずの審査スピードと言えます。
商品概要
続いて、PayPay銀行の住宅ローンを利用できる人などの基本的な内容を確認していきます。仮審査・本審査でみられる審査基準にも影響する内容が含まれていますので、審査に不安がある人は参考にしてください。
| PayPay銀行の住宅ローン 利用条件 | |
|---|---|
| 利用条件 | ・PayPay銀行の普通預金口座をお持ちの方 ・年齢が20歳以上65歳未満で、完済時に80歳未満の方 ・前年度年収が200万円以上の方 ・日本国籍の方または日本の永住許可を受けている外国籍の方 ・PayPay銀行指定の団体信用生命保険に加入できる方 ※PayPay銀行の住宅ローンは正社員・契約社員が利用可能で、個人事業主・自営業、同族企業に勤める方は利用できません。また、市街化調整区、非線引き区域の物件は借入不可となっています。 |
| 借入金額 | 500万円以上2億円以下(10万円単位) |
| 借入期間 | 1年以上35年以内(1ヶ月単位) |
完済時年齢や年収は申し込みの前に確認しておきましょう。特に、PayPay銀行の(会社員向けの)住宅ローンは正社員・契約社員は利用可能ですが、個人事業主・自営業、同族企業に勤める方は原則利用できず(前述のとおり専用商品は別にあります)、市街化調整区域・非線引き区域の物件は借入不可なので注意が必要です。
(審査に不安がある人は、年収100万円以上でかなり幅広い人が利用できる可能性があるイオン銀行の住宅ローンを候補に加えることもおすすめします)
PayPay銀行の住宅ローンのメリット
変動金利・10年固定金利が魅力的な水準
PayPay銀行の最大の特徴は、変動金利が業界最低水準クラスの魅力的な水準であることです。貸出対象を正社員や公務員などに限定し、審査基準を厳しくして貸し倒れリスクを抑えることで、低金利を実現する戦略をとっていると考えられます。
大企業や公務員などにお勤めの方には適した住宅ローンと言えるでしょう。
ペアローン向けの連生団信(ペア型超サポ団信)を用意
PayPay銀行では2024年6月1日より、ペアローン連生団信の取り扱いを開始しました。連生団信では、夫婦やパートナーのうちどちらか一方に万が一のことが起こった場合でも、両名分の残りのローン残高が全額支払われます。通常の団信では契約者本人のみが保険の対象ですが、連生団信では共同名義のため両方が保険の対象となります。これにより、どちらかが亡くなったり高度障害になった場合でも、もう一方に経済的な負担がかからず安心して生活を続けられるメリットがあります。
PayPay銀行の連生団信(ペア型超サポ団信)は、必要な保障に応じて複数のプランを用意しているため、契約者の選択肢が広いものとなっています。

PayPay銀行の住宅ローン デメリット
続いて、PayPay銀行の住宅ローンのデメリットとなりそうなポイントを紹介します。
諸費用が高い
PayPay銀行の事務手数料は借入額の2.20%(税込)です。手数料率自体は一般的ですが、借入額の2.20%(税込)では、金額に応じて以下のように高額の手数料が必要になります。
| 借入額 | 事務手数料(税込) |
|---|---|
| 2,000万円 | 440,000円 |
| 3,000万円 | 660,000円 |
| 4,000万円 | 880,000円 |
| 5,000万円 | 1,100,000円 |
借入額が増えるほど事務手数料の金額も増えていきます。事務手数料が安いと住宅ローン契約時に用意するお金がかなり少なく済むので、できれば事務手数料を安く抑えたいという人も多いと思います。その場合、非常に魅力的な水準の事務手数料で住宅ローンを提供しているソニー銀行が選択肢にあがってきます。
| 事務手数料の違い | |
|---|---|
| 銀行名 | 事務手数料(税込) |
| PayPay銀行 | 借入額の2.20% |
| SBI新生銀行 | 借入額の2.20% |
| ソニー銀行 | 一律44,000円※ |
| ※ ソニー銀行「住宅ローン」の場合の事務手数料です。変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローンは借入額の2.20%(税込) | |
このように、PayPay銀行の住宅ローンは3,000万円を借り入れた場合660,000円(税込)の事務手数料が必要になりますが、ソニー銀行の「住宅ローン」ではいくら借り入れても一律44,000円(税込)なので、かなり安く済むことがわかります。
住宅ローンの契約時にできるだけ出費を減らしたい人や、借り入れ金額が大きくなる予定の人は、ソニー銀行の住宅ローンもチェックしておくことをおすすめします。ただし、事務手数料が安い代わりに適用金利がやや高いこともあるため、最終的には「金利+事務手数料」を合わせた総支払額で比較するのが失敗しないコツです。
審査が厳しい
住宅ローンの審査内容の詳細はどの銀行からも正確には公表されませんが、商品説明書などをもとに概要を把握することは可能です。それらの情報から総合的に判断すると、PayPay銀行の(会社員向けの)住宅ローンの審査基準はかなり厳しいと考えておいた方がよさそうです。以下に参考情報をいくつか記載します。
会社員向けの通常商品は、自営業者・個人事業者・同族企業経営者は申し込みできない
前年度年収が200万円以上で利用できるのはよいのですが、通常商品では「自営業者・個人事業者、ご自身またはご家族が経営する会社にお勤めの方は、原則ご利用いただけません。」とされています。ただし、こうした方向けには前述のとおり2024年に新設された「個人事業主・法人経営者向け住宅ローン」が別に用意されているため、「PayPay銀行では自営業は一切利用できない」というのは、いまは正確ではありません。通常商品では対象外でも、専用商品やフラット35など、選択肢は残されています。
購入する物件に対しても条件あり
就業形態や年収による条件に加えて、購入する物件に対しても条件があり、市街化調整区域・非線引き区域の物件では借り入れが不可となっています。対象外の物件を購入する場合は申し込んでも審査を通らないので、申し込みの条件を満たしているか注意しましょう。
転職にも厳しい?
一般的に転職してから3年未満は審査に不利になると言われますが、PayPay銀行の住宅ローンも同様で、転職して3年未満の場合は職務経歴書、さらに1年未満の方は雇用契約書・直近3ヶ月の給与明細・直近1年分の賞与明細の提出を求めています。契約社員の場合も、1ヶ月分の給与明細と雇用契約書の提出を求めています。
このような書類提出や働き方による条件がほとんどないのがフラット35です。審査に不安を抱えている人、個人事業主の人、会社を立ち上げたばかりの人は、比較的審査に通りやすいSBIアルヒ(旧ARUHI)のフラット35を申込先の1つに加えておくとよいでしょう。
変動金利タイプの住宅ローンに5年ルール・125%ルールがない
PayPay銀行の住宅ローンは、変動金利が非常に低い一方で、「5年ルール」と「125%ルール」を採用していません。
一般的な住宅ローンの変動金利には「5年ルール」「125%ルール」というルールがあります。
住宅ローン返済中に世の中の金利が上がると、変動金利で借りている場合は適用金利が上がる可能性があります。金利が上がると毎月の返済額も増えますが、急に返済額が増えると返済に困る家庭が出てしまうため、急激な返済額の増加を防ぐ目的で「5年ルール」と「125%ルール」が用意されています。
PayPay銀行の住宅ローンはこのルールを採用していないため、市場金利が急上昇したときなどは、毎月の返済額が急に増えるリスクがあります。変動金利で借りようとする人は、金利上昇局面ではとくに十分注意するようにしましょう。近年は利上げ局面に入っているため、この点はより意識しておきたいところです。
※一方で「5年ルール」「125%ルール」があるから良い住宅ローン、というわけでもありません。これらのルールで月々の返済額が変わらなかったとしても、総返済額が変わるわけではありません。金利が大きく上昇すると、返済額に占める利息部分の比率が増え、元金部分の比率が減ります。その結果、元金の返済が遅れ、返済期限に残高が大きく残る「未払い利息」などの問題が起こることもあります。
「5年ルール」と「125%ルール」は返済額をコントロールできる仕組みですが、大きな金利上昇時にはリスクも伴うため、しっかり理解したうえで利用するようにしましょう。
PayPay銀行の住宅ローンの評判・口コミは?
最後にPayPay銀行の住宅ローンの評判・口コミ情報をいくつか紹介しておきますので参考にしてください。
PayPay銀行のライバル銀行の動向は?
SBI新生銀行が<SBIハイパー預金開設者限定>住宅ローン金利優遇プログラムを開始

「SBIハイパー預金」を開設している方が、「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」を借り入れる場合、当初借入金利から年0.09%引き下げられます。
この金利優遇プログラムを利用するには、本審査後、住宅ローンの契約手続き内容が確定するまでにSBIハイパー預金を開設していること、契約時に「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」で借り入れることなどの条件を満たす必要があります。
金利タイプを変更しない限り、当初借入金利適用期間終了後も年0.09%の引き下げ幅は継続されます。住宅ローンの金利はわずかな差でも総返済額に影響するため、SBI新生銀行で変動金利を検討している人は、SBIハイパー預金の開設もあわせて確認しておきたいところです。
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