銀行が低金利の住宅ローンを提供するには、適格な審査を行って貸し倒れリスクをコントロールする必要があります。このため基本的には低金利な住宅ローンは審査が厳しくなる傾向があります。

今回は、2019年7月に圧倒的な低金利を武器に住宅ローン市場に参入したPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンの審査基準について厳しいのか緩いのか解説したいと思います。

(なお、PayPay銀行の住宅ローンのメリットやデメリットなどサービス内容や商品性についてはこちらの記事で解説していますので、合わせて確認してください。)

 

最初に結論!PayPay銀行の審査基準は厳しい

結論から言うとPayPay銀行の審査基準は厳しいものとなっています。

以下はPayPay銀行の審査基準が厳しいといえる審査基準です。

  • 正社員と契約社員しか申し込みできない(同属企業勤務も不可)
  • 会社経営者、個人事業主・自営業は審査申し込み自体できない
  • 借地、保留地、店舗・事務所併用は不可

 

PayPay銀行は大企業に勤める正社員に融資したいというスタンスが審査基準からと見てとれます。

PayPay銀行の代わりに、ネット銀行であればauじぶん銀行、会社経営者、個人事業主・自営業、非正規雇用の方であれば公的な住宅ローンのフラット35などへの申し込みを検討するべきだと思われます。

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PayPay銀行の住宅ローンの審査基準

概要

PayPay銀行は、三井住友銀行(当時のさくら銀行)などの大手企業が出資する形で2000年に旧ジャパンネット銀行として誕生している約20年の歴史があるインターネット銀行です。現在はヤフーや電子マネー「paypay」を運営しているZホールディングスグループの一員で、2021年4月にジャパンネット銀行からPayPay銀行に改名しています。

 

PayPay銀行は全体的には親会社である三井住友銀行の影響を大きく受けて成長してきました。住宅ローンやカードローンなどの融資業務や審査のノウハウも三井住友銀行に影響を受けています。

三井住友銀行の住宅ローンより審査が厳しい?
企業背景や歴史的に三井住友銀行の影響を受けてきたPayPay銀行が提供している住宅ローンの審査基準はかなり厳しい基準が定められています。特に目立つのは、「個人事業主」や「自営業」や「家族経営の会社に勤めている人」、「派遣社員」を門前払いとしていることです。また、物件の条件も厳しめで、定期借地物件が対象外なのはよくある話なので良いとして、本人が住む家にだけ対応していて、家族が住む家やセカンドハウスに対する貸し出しも行っていません。さらに、転職して3年未満の場合は詳しい職務経歴書を提出する必要があり、さらにさらに転職1年未満の場合は給与明細や賞与明細に加え雇用契約書を提出する必要があり、審査に落ちてもその書類を返してもらうことはできないので、気持ち悪さだけが残ります。

三井住友銀行の住宅ローンの審査基準でもここまで厳しくはありませんので、金利を低くしていることがダイレクトに審査基準に反映されていて厳しい審査が行われていると考えられます。

 

将来性

以下は2018年8月に日本経済新聞が報道したPayPay銀行がジャパンネット銀行の時代に報道された住宅ローン参入に関するニュースです。PayPay銀行は、当時「ネット銀行は信用力が高い人に住宅ローンを貸していて、ヤフー(Zホールディングス)の力やAI技術を使って返済能力を見極めるようにして顧客のすそ野を広げる」という戦略を掲げています。

この報道から3年弱が経過しようとしていますが、今のところ、「個人事業主NG」・「自営業NG」・「家族経営の経営者NG」・「家族経営の会社に勤めている人NG」・「派遣社員NG」・「転職して3年未満は職務経歴書が必要」・「転職職1年未満は職務経歴書・給与明細・賞与明細・雇用契約書が必要」というように、自らネット銀行の課題だと言っていた「信用力の高い人に貸す」道を歩んでいる印象が否めません。このあたりはPayPay銀行になったことで変化する可能性もあるので今後の動向には注目していきたいと思います。

 

それでは、具体的にPayPay銀行の住宅ローンの審査基準について解説していきます。

 

PayPay銀行の住宅ローンの商品説明書

以下は、PayPay銀行の住宅ローンの商品説明書です。

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンの利用条件の説明文です PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンの利用条件の説明文です

この商品説明書を確認しながら主要な審査基準について解説していきたいと思います。

年収基準

最初は年収の基準からです。PayPay銀行の住宅ローンは『前年度年収が200万円以上』を満たす必要があります。

年収200万円以上という年収条件は厳しい基準ではありません。ただし、冒頭から触れてきましたが、自営業や個人事業主や家族経営の会社で働く人は利用できないので、年収基準基準が厳しくないからといって利用しやすい住宅ローンとは判断しにくい状況です。

 

実際、PayPay銀行の審査に落ちた人が、審査が厳しいと言われることもある新生銀行(年収300万円以上)の住宅ローンの審査にあっさり通ったという話を耳にしたこともあります。

新生銀行の住宅ローンは噂されているよりも審査が厳しくないと思いますが、フラット35やイオン銀行の住宅ローンの審査と比べれば厳しいと判断できる基準が設けられていることを考えると、PayPay銀行の住宅ローンの審査に落ちたとしても、新生銀行・イオン銀行・フラット35の審査に通る可能性は十分残されていると思います。(可能であれば、同時に申込しておくのもおすすめです)

職業・働き方・雇用形態

大事なポイントなので何度も説明してきましたが、働き方・雇用形態の基準はしっかり理解しておくようにしましょう。

商品説明書内に『個人事業者、ご自身またはご家族が経営する会社にお勤めの方は、原則ご利用いただけません。』とあります。 個人事業者や自営業者はもちろん家族経営の会社の役員や従業員の利用を最初からNGとしています。

また、派遣社員も利用できませんし、契約社員は1年以上の連続勤務で利用できる可能性はありますが、実態としてはかなり厳しく審査されると覚悟しておいた方が良いでしょう。

参考情報として本審査の際に提出を求められるチェックシートの内容を紹介しておきますが、大手企業・公務員だとしても転職3年未満や1年未満の場合は以下のような書類を追加で提出する必要がありますので、「転職1年」「転職3年」という閾値付近の人は、できればその時期を超えてから申し込みして手続きを簡素化させられるようにするといいと思います。

転職してから3年未満は追加書類が必要

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の本審査用提出書類チェックシートのキャプチャです

※一般的にも転職した直後は住宅ローンの審査が不利で、3年以上の勤務が望ましいと言われています

契約社員も追加書類が必要

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の本審査用提出書類チェックシートのキャプチャです

PayPay銀行の住宅ローンは契約社員でも利用できる可能性がありますが、上記の通り追加書類が必要になるので注意してください。

  • 給与明細(直近1ヶ月分)
  • 雇用契約書

海外勤務から戻って1年未満も追加書類が必要

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の本審査用提出書類チェックシートのキャプチャです

 

なお、海外勤務から帰ってきたばかりの人も追加書類が必要になるので該当する人は会社にお願いするなどして用意しておきましょう。

  • 年収証明書(国内勤務想定のもの)
  • 給与明細(直近1ヶ月分)
  • 賞与明細(直近1年分)

年齢

次に年齢関連の審査基準を確認していきますが、『年齢が20歳以上65歳未満で、完済時に80歳未満の方』で、この基準は一般的な条件なので特にコメントはりません。

 

健康状態・団信

PayPay銀行の住宅ローンも団信への加入は必須です。ARUHIなどで申し込めるフラット35を除けば、住宅ローンを利用する時の団信加入は必須なので一般的な話です。また、一般団信に加入できない人向けのワイド団信も用意されているので、健康状態に不安を抱える人でも利用しやすい住宅ローンと言えます。

 

なお、PayPay銀行の住宅ローンの団信の引受保険会社はクレディ・アグリコル生命で、auじぶん銀行やソニー銀行と同じ保険会社の団信を採用して、ワイド団信や疾病保障付団信はかなり類似しています。

PayPay銀行の団信・疾病保障一覧

PayPay銀行の団信・疾病保障プラン
団信・保障 プラン上乗せ 金利保障の内容
一般団信なし死亡・所定の高度障害状態・余命6ヶ月以内と判断された場合、住宅ローン残高が「0円」となるプランです。
がん50%保障団信0.1%一般団信の保障に加えて、がんと診断確定されたら住宅ローン残高が「半分」となるプランです。
がん100%保障団信0.2%一般団信の保障に加えて、がんと診断確定されたら住宅ローン残高が「0円」となるプランです。さらに、がん診断給付金による保障100万円、上皮内がん診断給付金/皮膚がん診断給付金による保障50万円が付きます。
11疾病保障団信0.3%がん100%保障団信の保障に加えて、10種類の生活習慣病で180日継続入院された時、住宅ローン残高が0円となるプランです。 さらに、入院一時給付金による保障10万円、初回入院給付金/継続入院給付金による保障(毎月返済額を保障)が付きます。
ワイド団信0.3%健康上の理由で一般団信にご加入いただけない方でも加入しやすいように引受基準を緩和したプランです。 死亡・所定の高度障害状態・余命6ヶ月以内と判断された場合、住宅ローン残高が「0円」となるプランです。

ワイド団信とは

ワイド団信とは、一般団信よりも加入条件を緩和した団信で、健康上の理由(持病・既往症)等をかかえている方でも加入しやすいように設計されています。加入条件が緩和されているといっても、すべての人が加入できるわけではないので、病気の症状や治療履歴などから一定基準の加入審査が行われます。

なお、 PayPay銀行の住宅ローンにワイド団信を付帯するのには金利に0.3%の上乗せが必要ですが、おなじクレディ・アグリコル生命のワイド団信を採用しているソニー銀行はワイド団信利用時の上乗せ金利が年0.2%なので、ワイド団信の利用時の金利はソニー銀行の住宅ローンの方が有利になるケースが多いので候補に加えておくと良いでしょう。

資金使途

PayPay銀行の住宅ローンを使う目的としては以下のものに限定されています。

  • 戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
  • 戸建の新築
  • 現在借り入れ中の住宅ローンからの借り換え
  • 借入に伴う諸費用

上記の条件に加えて、契約者本人が住む住宅に関するための使用に限定されています。

また、つなぎ融資には対応していません。 注文住宅の場合でつなぎ融資を利用したい場合は、SBIマネープラザ・ソニー銀行・ARUHI(アルヒ)など、つなぎ融資を取り扱っている住宅ローンを探すようにしましょう。(つなぎ融資に対応する住宅ローンの解説記事はこちら

 

融資対象外の物件について

以下の場合は、PayPay銀行の住宅ローンを利用することができないので注意しましょう。特に注意したておきたいのは、赤字の箇所です。

  • 親族間売買
  • 建築基準法およびその他の法令の定めに合致していない物件
  • 事業用物件(店舗併用住宅を含む)
  • 賃貸用物件(賃貸併用住宅を含む)
  • 借地物件(普通借地・定期借地)
  • 不動産業者の仲介のない個人間売買
  • 保留地物件
  • 連棟式住宅
  • コーポラティブハウス
  • セカンドハウス・別荘
  • 仮換地上の物件

 

PayPay銀行の審査基準 まとめ

PayPay銀行は2000年から営業しているネット銀行ですが「2019年に住宅ローンを開始したばかりということもあり、利用条件や審査基準は改善の余地が多い」という印象です。住宅ローンに参入する前の発表では「ネット銀行の住宅ローンの審査は厳しい。住宅ローンの審査は画一的で柔軟性がない。PayPay銀行は、AIやビッグデータを駆使して、そういった課題を解決していく!」と宣言していたわけですが、残念ながら現時点の審査基準は真逆で、他のネット銀行よりも画一的な審査基準になっていて厳しい審査をしていると言わざるを得ないと思います。

 

PayPay銀行が嘘を付きたかったわけでも、大げさに言いたかったわけでもないのでしょうから、やはり現実はなかなか厳しいということだと思いますが、今後paypay銀行に名前を変えますし、思い切った戦略で住宅ローンを展開していく流れになることを期待していきましょう。

 

PayPay銀行の審査に落ちた場合

なお、PayPay銀行の審査に落ちた場合、何も対策せずにすぐに申込しなおしてもまた審査に落ちると思っておく必要があります

 

これまで解説してきたように、PayPay銀行の住宅ローンは厳しい審査基準になっているので、PayPay銀行の住宅ローンの審査に落ちても、他の住宅ローンの審査に通る可能性は十分ありますので、住宅購入や借り換えをあきらめる必要はありませんし、他のネット銀行の低金利の住宅ローンを利用できる可能性は十分あります。

 

最後に、PayPay銀行の住宅ローンの審査に落ちた人にもおすすめしやすい、最新のオリコンランキングで上位の住宅ローンを紹介しておきますので、申し込み先候補の参考としてください

 

顧客満足度が高い住宅ローンTOP3

調査対象企業123社、実際の利用者17,793人という日本最大級の規模で調査したオリコン顧客満足度®の最新の結果が発表されています。

この調査で高い顧客満足度を獲得したTOP3の住宅ローンをチェックしてみましょう。

2020年オリコン顧客満足度調査 住宅ローンランキングTOP3の画像です

住宅ローンランキングで総合1位となったのはソニー銀行です。
最新の調査では9つの評価項目のうち商品内容・金利・繰上げ返済・サイトのわかりやすさの4項目で1位を獲得しています。
特に「商品内容」と「金利」の評価項目で1位となっていることからおすすめの住宅ローンというのは言うまでもありません。

2位は付帯サービス・手続きの2項目で1位となったイオン銀行、3位はすべての項目で平均して高評価となったauじぶん銀行が獲得しています。

実際の利用者が高い満足度を感じた住宅ローンを選んでおけば間違いありませんね。
TOP3の中でも総合1位のソニー銀行は非常におすすめです。

 

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