ネット銀行の住宅ローンを比較するイメージイラスト

口座数1,600万を超える国内最大級のネット銀行が楽天銀行です。

楽天銀行は住宅ローンも提供しており、毎月中旬ごろに翌月の適用金利を発表しています。この記事では、楽天銀行の住宅ローン「変動金利(固定特約付き)」(従来の「金利選択型」)の2026年7月適用金利と、金利以外の条件(事務手数料・団信・上乗せルール)まで含めた総コストの見方を整理します。

なお楽天銀行はフラット35も取り扱っていますが、毎月中旬に金利が発表されるのは変動金利や固定特約タイプの独自商品のほうです。

楽天銀行は住宅ローンに消極的?

楽天銀行は2023年11月7日に2023年4~9月期(上期)の決算を発表しています。その際、楽天銀行の社長は「金利が上がれば、住宅ローン関連の貸し倒れが増える可能性が高い。もともと、中所得・高所得の顧客に絞って住宅ローンを提供していたが、今後はターゲットとする所得層をもう一段上げる」と説明しています。また、楽天銀行の住宅ローン残高は2023年3月末から9月末にかけて46億円減少しているのですが、それに対しては「金利が上がったとしても確実に返済できる顧客に絞った結果、住宅ローンの実行件数が減った」とコメントしています。

 

あくまでも、2023年11月7日の楽天銀行の決算説明発表から当サイトが推察したものですし、戦略や考え方が変わる可能性がありますが、楽天銀行は住宅ローンの審査を厳しくして住宅ローンの貸出を絞っていると考えることがわかります。

 

auじぶん銀行・SBI新生銀行・ドコモの銀行・PayPay銀行など、住宅ローン利用者の獲得に積極的な銀行の住宅ローンに申し込んだ方がより良い条件で借りられる可能性が高いと考えられますので、これから住宅ローンを申し込む人、借り換えを検討中の人はそれらの住宅ローンの申込を検討すると良いでしょう。これらの銀行は住宅ローンに積極的でキャンペーンも頻繁に行っています。

楽天銀行の住宅ローンの最新の金利動向は?

楽天銀行 住宅ローン(変動金利/固定特約付き)2026年7月適用金利(最優遇)

金利タイプ2026年6月2026年7月金利動向
変動金利(新規借入)年1.295%年1.500%引き上げ
変動金利(借り換え)年1.019%年1.224%引き上げ
固定10年年3.647%年3.802%引き上げ

※2026年7月1日に楽天銀行公式サイトで確認した最優遇水準です。実際の適用金利は「基準金利-金利引下げ幅」で決まり、引下げ幅は借入内容と審査結果によって変わります。上記以外の金利タイプは公式サイトでご確認ください。

 

楽天銀行の住宅ローン金利の前月比較グラフ
2026年7月は変動・固定ともに引き上げとなりました(いずれも最優遇の水準)。

2026年7月は変動・固定10年ともに引き上げとなりました。新規借入の変動金利は前月から0.205%の上昇です。借り換えのほうが新規より低い金利に設定されているのが楽天銀行の特徴で、この差は借り換え検討者にとって見逃せません。

 

2026年7月時点でネット銀行の変動金利は年1%前後が中心です。金利の数字だけを並べると、楽天銀行は最安値グループとは言えません。ただし後述するとおり、楽天銀行は事務手数料が定額のため、借入額が大きいほど総コストでの評価は変わってきます。金利だけで判断しないことが、この銀行を正しく評価するコツです。

 

SBI新生銀行が<SBIハイパー預金開設者限定>住宅ローン金利優遇プログラムを開始

SBI新生銀行の住宅ローンキャンペーン

「SBIハイパー預金」を開設している方が、「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」を借り入れる場合、当初借入金利から年0.09%引き下げられます。

 

この金利優遇プログラムを利用するには、本審査後、住宅ローンの契約手続き内容が確定するまでにSBIハイパー預金を開設していること、契約時に「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」で借り入れることなどの条件を満たす必要があります。

 

金利タイプを変更しない限り、当初借入金利適用期間終了後も年0.09%の引き下げ幅は継続されます。住宅ローンの金利はわずかな差でも総返済額に影響するため、SBI新生銀行で変動金利を検討している人は、SBIハイパー預金の開設もあわせて確認しておきたいところです。

 

 

金利の幅と「上乗せ条件」に注意

楽天銀行の住宅ローンは、審査結果によって金利引下げ幅が変わる仕組みです。最優遇金利で借りられる前提で申し込んでも、審査の結果によっては最優遇より高い金利が提示される可能性があります。年収条件も400万円以上と、ネット銀行のなかでは緩くありません。適用金利に幅があるからこそ、楽天銀行だけでなく複数の住宅ローンに並行して申し込んでおくことをおすすめします。

 

さらに見落とされがちなのが、条件によって金利が上乗せされるルールです。楽天銀行の公式サイトには次の上乗せが明記されています。

上乗せの条件上乗せ金利実務上のポイント
返済口座に他行口座を指定した場合年0.3%給与振込口座をそのまま使いたい人は要注意。3行分の金利差が一気に消える水準です。
ペアローン連生型・夫婦連生型の団信に加入した場合年0.2%2人分の保障を確保する対価。ペアローン検討時は総返済額で比較を。
100%保障がん団信(全疾病特約付)に加入した場合年0.2%50%保障までなら上乗せは0円です。

※2026年7月時点で楽天銀行公式サイトを確認。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

 

とくに返済口座を他行にすると年0.3%の上乗せという条件は、実質的に「楽天銀行に返済口座を移せるか」が金利を左右するということです。ここを外すと、表面金利の比較そのものが成り立たなくなります。

 

変動金利が比較的低く、年収基準も楽天銀行より緩やかな住宅ローンとしては、次の3つが候補になります。

auじぶん銀行の住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローン

イオン銀行の住宅ローン

 

金利の背景:政策金利と長期金利の動向

住宅ローン金利が上がっている背景には、日本銀行の金融政策の転換があります。日銀の政策金利(無担保コールレート翌日物の誘導目標)は、2026年6月の金融政策決定会合で0.75%程度から1.0%程度へ引き上げられました。2026年7月29日時点でもこの水準が続いています。

 

長期金利(新発10年国債利回り)も2026年7月下旬時点で2.7%台後半の水準にあり、固定金利が上がりやすい環境が続いています。楽天銀行の固定10年が7月に引き上げられたのも、この流れと整合的です。

 

なお、次回の金融政策決定会合は2026年7月30日・31日に予定されており、本記事の執筆時点では結果は公表されていません※金利は日々変動します。最新の水準は日本銀行や財務省の公表データ、各行の公式サイトでご確認ください。

 

定額の事務手数料と手厚い保障が魅力

楽天銀行の住宅ローンの強みは、借入額にかかわらず定額の融資事務手数料と、無料で付帯する「全疾病特約」と「がん保障特約(50%保障)」の2点です。

楽天銀行の「全疾病特約」とは?

「全疾病特約」は就業不能保障特約の販売名称で、病気やケガによる所定の就業不能状態を保障します。所定の就業不能状態が続いた場合の毎月の返済額の保障に加え、就業不能状態が1年を超えて継続した場合には住宅ローン残高が0円になります。※精神障害、妊娠・分娩・産じょく等、保障の対象とならない病気があります。詳細は契約概要・注意喚起情報をご確認ください。

楽天銀行の「がん保障特約」とは?

「がん保障特約(50%保障)」は、がんと診断確定した場合に住宅ローン残高が半分になる保障です。この50%保障は金利上乗せ0円で付帯します。残高が全額0円になる100%保障がん団信(全疾病特約付)を選ぶ場合は、年0.2%の上乗せが必要です。

楽天銀行の金利選択型住宅ローンのがん保障特約の説明図です

疾病保障を金利上乗せで付ける銀行も多く、上乗せ0.2〜0.3%の水準であれば総返済額で100万円単位の差になることもあります。がん50%保障と就業不能保障が上乗せ0円で付く点は、楽天銀行の実質的な強みです。

ただし、がん保障特約は借入時(融資実行日)の年齢が満50歳以下でないと加入できません。40代後半で検討している人は、この点を最初に確認してください。

楽天銀行は事務手数料が定額

2つ目のポイントが事務手数料です。ネット銀行の事務手数料は借入額の2.20%(税込)という定率型が一般的です。実際にいくらになるのか比較してみましょう。

楽天銀行(金利選択型)とネット銀行の事務手数料の違い
借入額一般的な金融機関楽天銀行差額
2,000万円440,000円330,000円110,000円
3,000万円660,000円330,000円330,000円
4,000万円880,000円330,000円550,000円
5,000万円1,100,000円330,000円770,000円

※いずれも税込

定率型では借入額が大きくなるほど手数料も増えますが、楽天銀行はいくら借りても一律330,000円(税込)です(返済口座に楽天銀行の口座を指定した場合。ペアローンの場合は495,000円(税込))。借入額が大きい人ほど、定額型の恩恵は大きくなります。

事務手数料は借入時に一括で支払う必要があり、しかも元金が減るわけではない純粋なコストです。さらに定率型の手数料は繰上返済しても戻りません。「借入額が大きい」「早めに完済したい」という人にとって、定額型は合理的な選択肢になります。

※楽天銀行のフラット35は定率型(借入額×1.10%(税込)・楽天銀行口座指定/最低110,000円)で、この定額の手数料とは体系が異なります。

 

金利差と手数料差、どちらが効くのか

ここがこの記事のいちばんの要点です。楽天銀行は「金利で負けて、手数料で取り返す」タイプの住宅ローンです。したがって評価は借入額と返済期間で変わります。

条件楽天銀行の評価理由
借入額が大きい(4,000万円〜)相対的に有利になりやすい定率型との事務手数料の差が55万円以上に広がるため。
借入額が小さい(2,000万円前後)手数料の優位が小さい定率型との差は11万円程度にとどまり、金利差のほうが効きます。
返済口座を楽天銀行にできない不利年0.3%の上乗せで、手数料の差を金利差が上回る可能性があります。
借り換え検討価値あり新規より低い借り換え向けの金利が設定されているため。

※考え方の整理です。実際の総返済額は借入額・期間・適用金利で変わるため、必ず各行の公式シミュレーションでご確認ください。

 

金利は他の銀行よりも高め

デメリットとしては、審査に時間がかかることと、変動金利を含めて金利水準がやや高いことが挙げられます。前述のとおり審査結果によって提示金利が変わる仕組みである点も、資金計画を立てにくくする要因です。

また、事務手数料が楽天銀行より安い住宅ローンもあります。たとえばソニー銀行の「住宅ローン」は事務手数料が44,000円(税込)〜です。

 

事務手数料が安い住宅ローン
銀行名事務手数料(税込)
ソニー銀行のロゴ画像です44,000円~

 

ソニー銀行の住宅ローンは44,000円(税込)~と、保証料がかからない住宅ローンのなかでは特筆すべき安さの事務手数料です。ただしソニー銀行は年収400万円以上・派遣社員や契約社員は申込対象外など申込条件があり、誰でも選べるわけではありません。手数料の安さと申込条件の通りやすさはセットで見る必要があります。

 

楽天銀行の住宅ローンでよくある疑問

Q. 楽天銀行の口座を持っていなくても申し込めますか?

A. 申し込み自体は可能ですが、返済口座に他行を指定すると年0.3%の上乗せとなり、事務手数料が定額であるメリットを打ち消してしまう可能性があります。楽天銀行を返済口座にできるかどうかを先に決めてから、他行と比較するのが効率的です。

Q. 借入額がいくらなら楽天銀行の定額手数料が効いてきますか?

A. 定率2.20%(税込)の銀行と比べた損益分岐点は、借入額1,500万円です(1,500万円×2.20%=330,000円)。これを超えるほど楽天銀行の手数料が相対的に安くなり、4,000万円なら55万円、5,000万円なら77万円の差になります。ただし金利差による総返済額の違いも同時に生じるため、最終判断はシミュレーションで行ってください。

Q. 借り換えでも使えますか?

A. 使えます。楽天銀行は借り換え向けに新規より低い金利を設定しており、2026年7月時点の変動金利は借り換えが年1.224%、新規が年1.500%でした。借り換えでは事務手数料が総コストに直結するため、定額型は検討価値があります。※借り換え特別金利には適用条件があります。詳細は公式サイトでご確認ください。

Q. ペアローンを組む場合の注意点は?

A. 事務手数料が495,000円(税込)になるほか、連生型の団信を付けると年0.2%の上乗せが発生します。2人分の残高に0.2%が乗るため、総返済額への影響は単独ローンより大きくなります。連生団信が必要かどうかを含めて比較してください。

 

当サイトの金利タイプ別比較ランキングの変動金利比較ランキングなども参考にしてみてください。

 

楽天銀行の金利選択型住宅ローンについては詳細に解説したこちらの記事も参考にしてみてください。
>>楽天銀行の住宅ローンの落とし穴とデメリット(フラット35・金利選択型)