「預金連動型住宅ローン」という住宅ローンという商品をご存知でしょうか。

米国で生まれ、日本では東京スター銀行が日本初で取り扱いを開始し、積極的にCM展開をしていたためその存在を認知している方もいいのではないでしょうか。

現在でも預金連動型住宅ローンを取り扱う金融機関は限られますが一部の層には根強い人気があるようです。

今回は「預金連動型住宅ローン」のメリット・デメリットや取り扱う金融機関を紹介していきたと思います。

最後までお付き合いいただければと思います。

 

1.そもそも「預金連動型住宅ローン」とは?

「預金連動型住宅ローン」は住宅ローンの借入残高から、預金残高を引いた分にだけ、住宅ローン金利がかかる住宅ローンであり、住宅ローン金利の支払いという面で、繰上返済を行なうのと同じ効果が有る住宅ローンとなります。

img_som_02

例としては、住宅ローンの借入が2,000万円、普通預金の残高が1,000万円あるとすると、差額の1,000万円に対し、住宅ローン金利が発生することとなります。

日本における「預金連動型住宅ローン」の老舗である、東京スター銀行が2014年に取り扱いを中止していましたが、2016年夏に取り扱いを再開・復活しており、その他にも関西アーバン銀行などの銀行が取り扱いをしています。

 

2.「預金連動型住宅ローン」のメリットとは?

「預金連動型住宅ローン」のメリットは切り上げ返済をせずとも繰上返済を行ったのと同じように住宅ローン金利の支払いコストを抑えられる点です。

なお、住宅ローンの繰上返済をすると住宅ローン控除の金額も減り、還付される税金が減る一方、「預金連動型住宅ローン」は住宅ローン残高には影響がないため、住宅ローン控除にも影響がありません

さらに、住宅ローン繰上返済せずに、手元に資金を残しておくことが可能になりますね。

 

3.「預金連動型住宅ローン」のデメリットとは?

「預金連動型住宅ローン」のデメリットとは住宅ローン金利の高さでしょう。

東京スター銀行の2018年9月「預金連動型住宅ローン」適用金利で変動金利は最優遇金利で年0.800%となり、団信を付帯した際のメンテナンスパック費用年0.504%を加味すると年1.304%の金利となります。

この金利差を考えると、住宅ローン残高に対しかなりの割合の預金を持っておくことが「預金連動型住宅ローン」利用の前提となってしまうと思われます。

4.預金連動型住宅ローンでメリットの有るモデルケースとは?

年収2,000万円、住宅ローン30年返済・残高5,000万円、預金残高1,000万円の場合で試算

2018年9月適用金利で計算

 東京スター銀行
金利年1.304%
月々の支払い167,896円
預金連動による相殺(月辺り)-33,597円
総返済額約4,800万円

夢のような話ですが、住宅ローン残高が5,000万円あり、預金残高が同額の5,000万円あれば、住宅ローン金利負担はゼロである一方、住宅ローン控除の40万円が丸ごと受け取れる計算となります。

 

5.預金連動型住宅ローンを取り扱う金融機関は?

2018年9月現在、主に下記の金融機関で取り扱いをしています。

いずれも地銀、第2地銀での取り扱いとなり、地銀や第2地銀は自行の営業エリア内でしか住宅ローン融資を行わないので利用可能な方は限られそうです。

関西アーバン銀行
東京スター銀行
山陰合同銀行
西武信用金庫
北日本銀行
愛媛銀行
JAバンク

なお、2018年9月現在、SBI新生銀行、みずほ銀行、住信「SBIネット銀行では預金連動型住宅ローンの取り扱いはありません。

 

6.預金連動型 住宅ローンの住宅ローン減税への影響は?

預金連動型 住宅ローンを活用していても住宅ローン減税への影響はなく、規定どおりの減税が受けれます。このため、住宅ローン残高と預金残高が多いほど、住宅ローン減税分の還付が実質的にタダ取りできることとなります。

住宅ローン減税の説明

 

7.最後に

以上のメリット、デメリットを見ると、「預金連動型住宅ローン」は住宅ローン残高が大きく、手元資金も大きい富裕層向けの商品ということがわかりました。とにかく、低金利の住宅ローンを利用したい!という方は変動金利ランキングを参考にしてみてください。

変動金利型住宅ローンランキング<2024年11月金利更新>
順位銀行名変動金利事務手数料無料の疾病保障申込み
1位auじぶん銀行HPご確認% 

(全期間引下げプラン・新規借り入れ)


借入額の
2.20%(税込)
がん50%保障団信
4疾病保障全疾病長期入院保障
が無料で付帯※1
詳細を確認

auじぶん銀行の住宅ローンの特徴は低金利でスマホで申込みから契約まで完結できるなどたくさんありますが、この低い変動金利と金利上乗せなしの無料で付帯するがん50%保障団信4疾病保障全疾病長期入院保障※1よる手厚い保障に注目です。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。
金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。

2位

WEB申込コース

年0.448%

(通期引下げプラン・新規借り入れ)※2

借入額の
2.20%(税込)
スゴ団信・全疾病保障
が無料で付帯
詳細を確認
3位年0.410%

※4

借入額の
2.20%(税込)
安心保障付団信
が無料で付帯
詳細を確認
4位PayPay銀行年0.465%

(全期間引下型・新規借り入れ)※5

借入額の
2.20%(税込)
超サポ団信詳細を確認
5位SBIマネープラザ

所属銀行:住信SBIネット銀行/住宅ローン(対面)

年0.448%

(通期引下げプラン・新規借り入れ)※3
※こちらの商品は住信SBIネット銀行の住宅ローンです


借入額の
2.20%(税込)
スゴ団信・全疾病保障
が無料で付帯
詳細を確認
6位年0.530%借入額の
2.20%(税込)
なし詳細を確認
※1 満50歳までの方が加入可能。
※2 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。審査結果によっては、表示金利に年0.1%〜年0.30%上乗せとなる場合があります。借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
※3 物件価格の80%超~100%以内でお借入れした場合は表示金利に年0.032%、100%超でお借入れの場合は表示金利に年0.036%上乗せとなります。審査の結果およびお借入金額によっては、お借入金利に金利が上乗せとなる場合があります。
※4 自己資金10%以上の場合
※5 自己資金10%以上の場合
変動金利比較ランキングの詳細はこちら
<注目の住宅ローン特集記事>
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンの落とし穴とは?
楽天銀行(フラット35・金利選択型)の住宅ローンの落とし穴とデメリット
SBI新生銀行の住宅ローンの落とし穴とは?【メリット・デメリット】
SBIマネープラザの住宅ローンの落とし穴とは?
住信SBIネット銀行の住宅ローンの落とし穴とは?
りそな銀行 住宅ローン(借り換え)のメリットとは?
イオン銀行 住宅ローンのメリット・デメリットとは?
三井住友銀行の住宅ローンのメリット・デメリットとは?
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローン 審査基準を解説 ゆるい?厳しい?
ネット銀行の住宅ローン メリット&デメリット 審査や手数料など解説