この記事では、三井住友銀行の住宅ローンのメリットやデメリットについて解説しています。最近の住宅ローンは付帯するサービスが増えてたことで商品性が複雑になってきていますので、金利や手数料だけでなく、疾病保障サービスや審査基準、利用上の注意点についても解説していきます。

 

なお、三井住友銀行を中心とした金融グループである三井住友フィナンシャルグループは、2022年3月末時点の住宅ローン残高は約9兆円もあり、国内有数の住宅ローン融資実績を誇っています。

 

WEB申込専用住宅ローンの低金利に注目
三井住友銀行では、店舗で取り扱う住宅ローンより金利が低いWEB申込専用住宅ローンというネット申込専用の住宅ローンを提供しています。

WEB申込専用住宅ローンⅠの2023年7月の変動金利の金利は年0.475%(保証料込み)とネット銀行の住宅ローンと同じぐらいの水準の金利で提供されています。また、三井住友銀行の住宅ローンの特徴的なサービスである「クロスサポート(夫婦連生団信)」をはじめ、「8大疾病保障」「自然災害時返済一部免除特約」のような保障サービスも利用可能できます。

 

また、三井住友銀行で住宅ローンを借りると、引っ越し料金(最大25%OFF)、インテリア家具(最大40%OFF)など三井住友銀行と提携している企業のサービスを割引金額で利用することができる「ライフイベントサービス」や、「本人もしくは配偶者の産休、育休、時短勤務、転職、単身赴任の転勤」や「子供の学費の発生」などの所定のライフイベントがあった時に、最大で6か月間の返済を利息分のみにして、一時的な収入源や支出増に備えることができる「ライフイベントサポートプラン」を提供しているので、住宅ローンを借りた後の新生活の開始に向けた準備のサポートも充実しています。

三井住友銀行の住宅ローン概要

三井住友銀行は全国各地の店舗窓口で住宅ローンについて相談することができます。店舗での相談のメリットは、専門スタッフに住宅ローンの借り入れや契約手続きに関するアドバイスをもらえりうことです。書類の準備を手伝ってもらえるのもメリットと言えるでしょう。

 

それでは、三井住友銀行の住宅ローンの概要から確認していきましょう。

保障(団信・疾病保障・特約)について

住宅ローンを利用するには、団信への加入が必須です。団信とは「団体信用生命保険」の略で、住宅ローンの返済中に契約者に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済される生命保険です。

昔はフラット35は団信の保険料を別途支払う必要がありましたが、現在は金利に含まれるようになり、団信の保険料を別途支払うような住宅ローンはほとんど見かけなくなりました。

三井住友銀行の住宅ローンも団信の保険料は無料です。

三井住友銀行の住宅ローン 団信と特約などの保障
保障の種類上乗せ金利保障内容
団信
(団体信用生命保険)
なし死亡または所定の高度障害、余命6ヶ月以内と判断された場合に住宅ローン残高が0円になる
クロスサポート(連生団信)0.18%

通常の団体信用生命保険に加えて、連帯債務でお借り入れ時に自分+連帯債務者のどちらかに万一のことがあった場合に保険金が支払われて住宅ローン残高を0円となる特約

8大疾病団信0.3%一般団信の保障に加え、がんと診断確定された場合、「急性心筋梗塞」・「脳卒中」を発病し60日以上所定の状態が継続した場合、「高血圧」・「糖尿病」・「慢性腎不全」・「肝硬変」・「慢性膵炎」で就業不能状態が13ヶ月を超えて継続した場合に住宅ローン残高が0円になる保障
(26歳以上46歳未満の方の場合。年齢により保険金支払い条件が違います)
自然災害時返済一部免除0.1%地震や洪水などの自然災害時に住宅ローンの返済の一部を免除

三井住友銀行の住宅ローンには、8疾病保障や夫婦で団信に加入できるクロスサポート(連生団信)・自然災害に備えることのできる自然災害時返済一部免除特約などが用意されています。特にクロスサポートは共働き夫婦に嬉しい保障内容になっています。これらの保障サービスを利用する場合、住宅ローンの金利に0.1%〜0.4%の上乗せが必要になります。

 

諸費用(手数料・保証料)について

三井住友銀行の住宅ローンは、保証会社による保証が必須です。そのため、契約時に保証会社に支払う手数料と保証料が必要になります。なお、WEB申込専用住宅ローンは、保証会社に保証料を支払いません。利用者から手数料や金利(利息)を受け取った銀行が、保証会社に対して保証料を支払うような仕組みになっています。

 

保証手数料

保証手数料とは住宅ローンの契約時に保証会社に支払う手数料です。33,000円(税込)が必要になります。

保証料

保証料の支払いは2つの方法があります。また、保証料の金額は審査の結果で金額に違いがあります。

    • 保証料外枠方式

保証料として下記の金額を融資時に一括で支払い
・借入期間が35年の場合、16,329円~82,437円 (融資額100万円に対する金額)

    • 保証料内枠方式

保証料として借入金利に0.2%程度の上乗せ

※保証料外枠方式は保証料内枠方式よりも保証料の総額を抑えることができますが、融資時に一括で支払う必要があります。

 

一部繰上返済手数料

住宅ローンを契約したあと、余裕資金があれば繰上げ返済をすることもあると思います。三井住友銀行の住宅ローンは、インターネットバンキングからの一部繰上げ返済する手数料は無料です。

三井住友住宅ローン 一部繰上返済手数料
手続方法一部繰上返済手数料全額繰上返済手数料
インターネット
(SMBCダイレクト)
無料5,500円(税込)
窓口(専用パソコン)5,500円(税込)11,000円(税込)
窓口(書面)16,500円(税込)22,000円(税込)

 

審査基準(利用条件・資金使途など)について

続いて、三井住友銀行の住宅ローンの審査基準を確認していきます。

三井住友銀行の住宅ローンの要項
利用できる方・借入時満20歳以上満70歳の誕生日までの方で、完済時満80歳の誕生日までの方
・三井住友銀行指定の団体信用生命保険に加入できる方
・三井住友銀行指定の保証会社の保証を受けられる方
使いみち本人が居住する住宅・宅地の購入資金、新築・増改築資金
融資金額100万円以上1億円以内(10万円きざみ)
融資期間変動金利型:1年以上35年以内
固定金利特約型:2年以上35年以内
超長期固定金利型(全期間固定金利型):10年超35年以内
(それぞれ1ヵ月きざみ)

いずれも、一般的な住宅ローンの利用条件です。メガバンクや地方銀行の住宅ローンは、金利に幅を持たせることで、金利に幅がないネット銀行の住宅ローンよりも審査に通りやすい仕組みを提供しています。個人事業主や派遣社員・嘱託社員などは厳しくみられることもありますが、公務員や正社員として勤めている方はすんなり審査に通るケースが多いようです。

 

手続きの流れ(申込~融資実行まで)

次に、三井住友銀行の住宅ローンの手続きの流れを確認しておきましょう。

三井住友住宅ローンの手続きの流れの説明図です

通常申込みから審査の結果が出るまでは1ヶ月程度の時間は最低でも必要になると考えておきましょう。書類不備などが理由で審査に時間がかかってしまうこともあるので、早めに手続きを進めていくことが重要です。

 

ここまで三井住友銀行の住宅ローンの概要について解説してきましたが、ここからはもう少し具体的に三井住友銀行の住宅ローンのメリットと言えるサービスを紹介したいと思います。

 

三井住友銀行の住宅ローンのメリット

メリット.1 全国の店舗網

三井住友銀行は全国に500近い店舗を構えています。地方部や離島には店舗がないことが多いのですが、都市部であれば店舗が近くにあることは多いので住宅ローンに関することを相談しやすい銀行と言えます。

住宅ローンは、めったに利用する銀行サービスではありません。高額なお金を長期間返済し続けていく金融商品です。ネットのやり取りだけでは不安に思う人はたくさんいますし、慎重になるのも当然だと思います。

住宅ローンに精通したスタッフにしっかり相談しながら申込や手続きを進めていきたい人、なにか困ったことがあった際に対面で担当者と相談したい人にとってこの店舗網は大きなメリットと言えるでしょう。

 

メリット.2 充実の保障体制

三井住友銀行の住宅ローンが他の住宅ローンと比較して力を入れていると言えるのが住宅ローンの保障面です。クロスサポート・8疾病保障・自然災害補償など借り入れ後の安心感が高い住宅ローンサービスが数多く提供されています。それらの中でも特徴的なのは自然災害時返済一部免除特約です。

自然災害時返済一部免除特約住宅ローン

三井住友銀行の自然災害時返済一部免除特約付住宅ローンのバナーです

 

自然災害時返済一部免除特約住宅ローンは、地震や津波などの自然災害で住宅が倒壊(半壊~全壊)した時に2つの備え方から選ぶことができるように設計されています。

 

    • 約定返済保障型

罹災の程度に応じて一定期間の返済を免除

自然災害時返済一部免除特約住宅ローンの説明図です

    • 残高保障型

全壊の認定を受けたら住宅ローン残高の50%を免除

自然災害時返済一部免除特約住宅ローンの説明図です

どちらも住宅ローンの金利に上乗せが必要ですが、地震・洪水・大雨・土砂崩れなどに備えられるのは心強いサービスと言えます。

 

三井住友銀行の住宅ローンのデメリット

それでは、三井住友銀行の住宅ローンのデメリットについて解説していきます。

デメリット.1 金利が高い

三井住友銀行の住宅ローンのデメリットは、ネット銀行の住宅ローンと比べると若干金利が高いことがあります。ただし、最近はネット専用の住宅ローンに力を入れていて、「WEB申込専用住宅ローンの2023年7月の変動金利の金利は年0.475%(保証料込み)とネット銀行の住宅ローンと同水準の金利」です。

 

ただし、auじぶん銀行の住宅ローンや住信SBIネット銀行の住宅ローン(WEB申込コース)、SBI新生銀行の住宅ローンなどと比較するとわずかではあるものの金利が高いので、会社の規模や安心感よりも金利の低さにこだわりたい人にとってはデメリットと言えるでしょう。

 

デメリット.2 、無料の疾病保障がない

三井住友銀行の住宅ローンには、住宅ローンの金利に所定の金利を上乗せすることで保障の手厚い疾病保障を付帯することは可能です。

一方で、ネット銀行の住宅ローンは、その疾病保障が金利上乗せなし(無料)でセットされるのが当たり前の時代になっていて、 お金をかけずに疾病保障を充実させたい人や、無料のサービスを付帯したい人には、ネット銀行の住宅ローンがおすすめです。

auじぶん銀行

がん50%保障、4疾病保障、全疾病長期入院保障が無料で付帯

※満50歳までの方が加入可能。

住信SBIネット銀行 (WEB申込コース)3つの特定疾患、5つの慢性疾患、その他の病気やけがで24ヶ月働けない状態が続いた場合、住宅ローン残高がゼロになる「全疾病保障」が無料で付帯
ソニー銀行がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん団信50」が無料で付帯 がんと診断されると残りの住宅ローン残高が0円になり給付金として100万円を受け取ることができる「がん団信100」も0.1%の金利上乗せで付帯可能

デメリット.3、WEB申込専用住宅ローンIの手数料

通常の三井住友銀行の住宅ローンは保証料と融資事務手数料を別途支払う必要があります。一方で、WEB申込専用住宅ローンIは保証料が金利に含まれているので別途支払う必要はありませんが、融資額×2.20%(税込)の融資事務手数料が必要となります。

 

そうはいっても、適用される金利が低いので、事務手数料を支払う価値がある住宅ローンです。自営業や個人事業主の方は審査で落とされる可能性があると言われていますが、公務員や正社員で1年以上の勤続年数がある人であればWEB申込専用住宅ローンIの利用を検討することをおすすめします。

 

三井住友銀行の住宅ローンのまとめ

企業としての安心感・豊富な店舗網・9兆円を超える住宅ローン残高など三井住友銀行の住宅ローンはただ金利が低いだけでなく、大きな安心感があります。昔は住宅ローンは金利が高めでしたが、WEB申込専用住宅ローンIではそのデメリットも解消しています。

むしろ、ネット銀行の住宅ローンよりも利用しやすい(審査に通りやすい)とも言われており、ネット銀行の住宅ローンと肩を並べるような住宅ローンになってきていますので、申込先の候補に加える価値は十分にある住宅ローンです。

 
※紹介している内容の正確性には万全を期していますが、商品について詳しくは以下の三井住友銀行の公式サイトから必ずご確認お願いします。

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