
住宅ローンを借りる場合、かつては銀行の店舗に出向いて窓口で相談するのが一般的でした。
しかし、ネット銀行の住宅ローンは、パソコンやスマホから申し込める手軽さに加えて、店舗を持つ銀行に比べて金利が低めで、無料の疾病保障などの付加サービスが充実していることから、利用者が増えています。
そんなネット銀行の住宅ローンは良いことばかりなのでしょうか。最適な住宅ローンを見つけるために、メリットとデメリットの両方をきちんと把握しておきましょう。今回はネット銀行の住宅ローンについて解説します。
ネット銀行の住宅ローンの特徴
まずはネット銀行の特徴を確認してみましょう。
店舗がない(少ない)
ネット銀行は、普通の銀行のように店舗を持たないところが多く、店舗があっても国内の大都市に数店舗とわずかな場合が多くなっています。
| 対面相談ができる店舗数(目安) | |
|---|---|
| みずほ銀行 | 数百店舗規模 |
| 三菱UFJ銀行 | 数百店舗規模 |
| 三井住友銀行 | 数百店舗規模 |
| ソニー銀行 | ごく少数 |
| SBIマネープラザ | 少数の店舗 |
(各行公表値の目安。店舗数は統廃合などで変動するため、最新の店舗数は各行公式でご確認ください。)
店舗がまったくない銀行は少ないものの、多くは10に満たない少なさです。一方でメガバンクは全国に数百店舗を構え、対面相談のしやすさが強みです。
パソコン・スマホから契約まで完了できる
通常の銀行と違い店舗がないため、住宅ローンの申し込みや書類のやり取りはパソコンやスマホ、郵送で行います。
紙の書類を使わず、データのやり取りのみで完結する完全WEB完結型の住宅ローンも増えています。郵送は発送から到着まで時間がかかりますが、WEB完結型では書類を撮影してデータを送るだけなので、申し込みから審査までがスムーズに進みやすい傾向があります。
保証料は不要で事務手数料が必要
ネット銀行の住宅ローンの多くは保証料が0円で、事務手数料として借入額の2.20%(税込)が必要になるのが一般的です。
比較サイトでは「ネット銀行は事務手数料が高い」と説明されることがありますが、これはネット銀行が事務手数料型なのに対し、メガバンクが保証料型で諸費用を必要とするためです。「諸費用」全体で考えると、ネット銀行のほうが安く済む場合も多くなっています。
ネット銀行の住宅ローンのメリット
ネット銀行の住宅ローンのメリットを改めて解説します。
金利が低め(ただし近年は競争が激化)
ネット銀行は店舗を持たず経営コストを抑えられるぶん、低い金利を設定しやすいのが強みです。ただし金利情勢は近年大きく変わりました。2024年3月のマイナス金利解除以降の利上げで、変動・固定とも金利は上昇傾向にあります。
2026年時点では、変動金利はネット銀行の最優遇でおおむね年0.3%台後半〜0.6%台が一つの目安です。一方で、近年はメガバンクも変動金利の引き下げ競争に積極的で、表面的な金利ではネット銀行に並ぶ、あるいは下回るケースも出ています。「表面の金利はメガバンク、団信などを含めた実質の負担はネット銀行」という見方もあり、単純な金利の高低だけでは比較しきれなくなっています。具体的な適用金利は審査内容や時期で変わるため、最新の金利は各行公式でご確認ください。
対面で相談しながらネット銀行系の金利で借りたい場合は、SBIマネープラザのように対面コースを用意しているサービスを選ぶ方法もあります。
| 比較の観点 | ネット銀行 | メガバンク |
|---|---|---|
| 金利(表面) | 低めだが近年は差が縮小 | 引き下げ競争で競争力が向上 |
| 諸費用 | 事務手数料型(借入額の2.2%目安・保証料0円) | 保証料型が中心 |
| 団信・疾病保障 | 無料の疾病保障が充実しやすい | 上乗せ金利で付帯が一般的 |
| 対面相談 | 限定的(電話・チャット・一部店舗) | 店舗で対面相談しやすい |
| 審査 | 可否が明確になりやすい | 金利に幅があり柔軟な面も |
無料の疾病保障など手厚い付加サービス
いまの住宅ローン、特にネット銀行では、無料の疾病保障が付帯することがスタンダードになっています。
通常、住宅ローンには団信への加入が必須です。団信の保険料は銀行が負担し、契約者が保険料を払う必要はありません。団信は、契約者が死亡・高度障害になった場合などに住宅ローン残高が0円になる保障です。
この団信に上乗せして、がん保障や疾病保障を付帯するには、通常は金利に上乗せする形で保険料を支払う必要があります。しかしネット銀行では、保険料が無料で疾病保障が付帯する住宅ローンがスタンダードになっているのです。
SBIマネープラザの「全疾病保障」
「全疾病保障」は、他の銀行で付帯するには金利に0.3%程度の上乗せが必要になることもあります。団信による死亡・高度障害の保障は一般的ですが、「全疾病保障付き住宅ローン」では、下記の8疾病に加えてケガや病気でもローン残高が0円になります。
- がん・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎
団信に加えて疾病保障まで無料で付帯できるのは、店舗を持たず経営コストを抑えているネット銀行ならではの特徴です。詳しくはこちらの記事でも解説しています。
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ネット銀行の住宅ローンのデメリット
ここまで良い面を見てきましたが、ネット銀行がメガバンクに劣る点はないのでしょうか。
対面相談がしにくい
店舗を持たないネット銀行では、メガバンクのような専任担当者による対面相談ができないことが多くなります。
ただし、相談窓口がないわけではありません。電話・メール・ビデオチャットなどでの相談に各ネット銀行が対応しています。これらは予約制が多く、銀行の営業時間より遅い時間帯まで受け付けている場合がほとんどです。
窓口に出向く時間が取りにくい忙しい人にとっては、むしろ相談しやすい体制ともいえます。さらに、感染症の流行時や悪天候でも、自宅から相談・申し込みから契約まで完結できるのは大きな利点です。近年は対面販売に力を入れ、少ないながらも店舗を展開するネット銀行も増えています。
柔軟な審査対応が少ない
オンライン中心で画一的な審査になりやすく、専任担当者が付くメガバンクのように柔軟な対応がされにくい面があります。
メガバンクの金利に幅があるのは、審査結果によって適用金利が決まるためです。つまり「一番低い金利では通らないが、この金利なら通る」という調整をあらかじめ想定した金利設定になっています。
対してネット銀行の金利には幅が少なく、提示した金利で「貸せるか・貸せないか」の2択になりやすいのが特徴です。このため、メガバンクに比べて審査に通りにくいと言われることもあります。
ただし、高い金利で審査に通っても返済を続けられるかは別問題です。金利が低いほど審査がシビアになるのはある意味当然ともいえます。「通らなそうだから」と最初から申し込みを諦めるのはもったいないので、まずは申し込んで確認してみることをおすすめします。
ネット銀行の住宅ローン まとめ
ここまでネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリットを見てきました。
結論として、低めの金利に、無料の疾病保障などの付加サービスを組み合わせられるネット銀行の住宅ローンは、住宅ローンを検討するなら必ずチェックしたい選択肢です。ただし近年はメガバンクの金利競争力も高まっているため、表面金利・諸費用・保障を合わせた「総支払額」で比べることが大切です。
なお、店舗での対面相談とオンライン手続きの両方に対応するSBI新生銀行も、ネット系の利便性と対面の安心感を両立しやすい選択肢です。保証料0円・全疾病保障付き団信などを備えており、ネット銀行と合わせて比較してみるとよいでしょう。
変動金利ランキングは、金利だけでなく無料の疾病保障などの付加サービスも加味したランキングです。変動金利での借り入れを検討している方は参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
ネット銀行の住宅ローンは審査が厳しい?
提示された金利で「貸せるか・貸せないか」がはっきりする傾向があり、メガバンクのような金利の幅による調整は少なめです。とはいえ条件を満たせば通るため、はじめから諦めず、まずは申し込んで確認するのがおすすめです。
ネット銀行とメガバンク、結局どちらがお得?
表面金利だけでなく、事務手数料・保証料などの諸費用、無料の疾病保障の有無まで含めた「総支払額」で比較するのが基本です。金利の上昇局面では、返済額の急増を抑える5年ルール・125%ルールの有無も確認しておきましょう。
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