※本記事は2019年8月〜2021年7月時点の内容をもとにした記録です。最新の各行のサービス内容は公式サイトでご確認ください。
<2021年7月14日追記>
みんなの銀行は2021年5月にサービスを開始しました。サービス開始当初は、普通預金などに限定された機能でのスタートとなったようです。
マイナス金利政策のもとで地方銀行の収益は圧迫されており、地銀の経営統合のニュースが毎月のように報じられていました。こうした地銀の「守り」のニュースが多いなか、「攻め」ともいえる日本初の地銀発のネット銀行が、どこまで利用者を増やせるかに注目が集まりました。
なお、2021年1月の同行頭取の記者会見では、住宅ローンサービスは扱わないと説明されています。

<2019年8月14日投稿>
地方銀行というと、長引く金融緩和による金利低下で収益が悪化しているニュースや、経営統合の話題など、明るい話を聞く機会が多くありませんでした。今回は、そんな地方銀行の親会社であるふくおかフィナンシャルグループが、地方銀行として初めてネット銀行に参入するというニュースです。
ふくおかFG 地銀初のネット銀行「みんなの銀行」参入
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は7日、新たなインターネット専業銀行「みんなの銀行」を2020年度中に設立すると正式発表した。既存の金融ビジネスをテクノロジーで変える「ディスラプター(破壊者)」が相次ぐなか、増加するデジタル世代のニーズに応えるためには「全く新しい銀行像」をゼロから作る必要があると判断した。低金利環境や人口減少といった逆風にあえぐ地方銀行の自己変革の取り組みとして注目される。
(日本経済新聞より引用)
冒頭でも触れたとおり、地方銀行は当時、収益の悪化に伴って統合や再編を繰り返していました。
地方銀行の収益悪化の背景には、金融緩和による金利低下だけでなく、人口減少や低成長による資金需要の先細りで貸し出しの伸びが鈍っていること、さらに大手都市銀行やネット銀行が全国で営業できるのに対し、地方銀行は営業地域が制限されていることがあります。ただでさえ競争が激しいところに利ざやが縮小するという悪循環が、要因として考えられます。
そんな地方銀行をまとめる親会社が、ネット銀行「みんなの銀行」を立ち上げ、地域の縛りを越えて「首都圏などデジタルネーティブ世代の多い地域を狙う」と、準備会社の代表者に就任する横田浩二氏(ふくおかフィナンシャルグループ取締役)が語っていました。
「みんなの銀行」で提供されるサービスの具体像はまだ発表されていませんでしたが、当サイトが注目したのは『住宅ローンの提供』です。
担保があり大きな金額を貸し出せる住宅ローンは、手堅く収益をあげやすい資産活用の方法です。創業と同時に住宅ローンを始めるかはわからないものの、いずれ参入するのではないか、と当時は見ていました。
住信SBIネット銀行や、当時住宅ローンに参入したばかりのPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)など、ネット銀行の住宅ローンは金利やサービスの面で、店舗を持つ既存の銀行を上回る場面が増えていました。
優良な選択肢が増えるのは、これから住宅ローンを借りようとしている方や、借り換え先を探している方にとって嬉しいことだと考えていました。
新銀行の具体的なコンセプトやサービス内容、設立スケジュールなどの詳細が発表され次第お伝えする、としていたニュースです。
参考:ネット銀行(住信SBIネット銀行)の住宅ローン
「みんなの銀行」が提供するかもしれない住宅ローンへの期待を込めて、当時のネット銀行の住宅ローンの参考として、人気の高い住信SBIネット銀行の住宅ローンを簡単に紹介します(当時の解説です)。
低金利である
ネット銀行は店舗を持たないことで経営コストを抑えています。
この少ないコストを商品に還元することで、既存の銀行よりも低い金利を設定できるのが強みです。
当時のふくおかフィナンシャルグループ・福岡銀行の住宅ローンの変動金利は0.725%でした。店舗網を持つ地方銀行ですから金利が高めなのは自然ですが、新銀行「みんなの銀行」が住宅ローンを出すなら、住信SBIネット銀行並みの低金利を期待したいところだ、としていました。
無料の疾病保障が付く
通常の住宅ローンでも団信への加入は必須で、保険料も無料(金利に含まれる)ですが、住信SBIネット銀行の住宅ローンは、これに加えて「全疾病保障」が無料で付帯していました。
これも経営コストを抑え、付加サービスへ転換できることで実現しているサービスです。
当時、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンは、金利が住信SBIネット銀行より低い分か、この無料の疾病保障は付帯していませんでした。
とはいえ、住信SBIネット銀行や楽天銀行など、ネット銀行系の住宅ローンでは無料の疾病保障が当たり前になりつつありました。「みんなの銀行」が住宅ローンを出すなら、無料の疾病保障も十分考えられる、と見ていました。
ネット銀行でも先進的とされる住信SBIネット銀行の住宅ローンを参考に、当時の状況を解説しました。新たにネット銀行に参入する「みんなの銀行」が、もし住宅ローンの提供を始めるなら、これ以上の新しいサービスを始めるかもしれない——そんな期待を込めたニュースでした。
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