静岡県で住宅購入とフラット35を検討するイメージ

静岡県でフラット35を借りようとすると、まず意外な事実にぶつかります。県内最大手の静岡銀行と、沼津に本店を置くスルガ銀行では、いまフラット35を選べません。スルガ銀行は公式サイトでフラット35を「新規受付停止中」と明示しており、静岡銀行の住宅ローン案内にもフラット35の記載はありません。

では県内で借りられないのかというと、そうではありません。清水銀行と県内の信用金庫、静岡県労働金庫、そして全国どこからでも申し込めるネット銀行が受け皿になっています。同じフラット35でも借入2,000万円・35年で総支払額に約140万円の開きがあるため、どこで借りるかが効いてきます。地元行か全国行かという軸で、金利と事務手数料の両方から整理します。

静岡銀行・スルガ銀行でフラット35は借りられるのか

静岡県で住宅ローンといえば「しずぎん」の愛称で知られる静岡銀行です。静岡県内に本店を置く地方銀行・信用金庫の中で消費者ローン実績トップとされ、地元での存在感は圧倒的です。ただしフラット35に限っては話が別になります。

静岡銀行の住宅ローンは自前商品が中心

静岡銀行の住宅ローン案内に並ぶのは自前(プロパー)の商品で、公式サイトに掲載されている金利は変動金利が年1.150%〜、固定10年が年3.975%〜、超長期の固定35年が年4.550%〜です(2026年9月1日現在)。融資期間は最長50年まで選べ、団信も上乗せ年0.100%のハーフがん全疾病保障から年0.400%の全疾病保障まで揃っています。

一方で、住宅金融支援機構の取扱金融機関検索(静岡県・2026年9月資金受取分)に静岡銀行の掲載はなく、同行の住宅ローン案内にもフラット35の項目はありません。自前の超長期固定金利で全期間固定のニーズに応える方針と読むのが自然です。取扱いの有無は公式サイトまたは窓口でご確認ください。

スルガ銀行は公式に「新規受付停止中」

スルガ銀行はフラット35の商品ページを残していますが、ページ冒頭に「新規受付停止中」と表示されています(スルガ銀行 公式・フラット35/2026年9月確認)。商品説明は読めるものの、いま新規に申し込むことはできません。過去の記事や比較サイトにスルガ銀行のフラット35が載っていることがありますが、現在の選択肢としては数えないでください。

静岡中央銀行についても、機構の取扱金融機関検索に掲載はありません。静岡県では、県内本店の「銀行」でフラット35を選べるのは清水銀行が中心という状況です。

静岡県に本店を置く金融機関のフラット35

機構の検索結果から、静岡県内に本店を置く金融機関のフラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き・2026年9月資金受取分)を並べます。総支払額は機構が借入額2,000万円・35年・元利均等返済・ボーナス払いなしで算出した概算です。

金融機関(商品タイプ)借入金利融資事務手数料(税込)総支払額の概算
一条住宅ローン(i-flat)年3.460%融資額×1.32%34,785,724円
遠州信用金庫(定率型)年3.460%融資額×1.50%34,821,724円
島田掛川信用金庫(ミックスプラン)年3.480%融資額×1.10%34,838,976円
島田掛川信用金庫(定率型B)年3.460%融資額×1.87%34,895,724円
浜松磐田信用金庫(定率型)年3.460%融資額×2.145%34,950,724円
静清信用金庫(定率型)年3.580%融資額×2.20%35,546,798円
静岡県労働金庫(B方式)年3.580%融資額×2.20%35,546,798円
しずおか焼津信用金庫(Bタイプ)年3.630%融資額×2.20%35,791,885円
清水銀行(定額型)年3.780%55,000円36,147,425円

※住宅金融支援機構の取扱金融機関・金利検索(2026年9月資金受取分)より。各金融機関が独自に定める条件を満たすと、金利や手数料がさらに引き下げられる商品もあります。

ここで目を引くのが、清水銀行と一条住宅ローンの差が136万円ある点です。清水銀行の事務手数料は55,000円の定額型で、入口の出費としては圧倒的に軽く見えます。それでも総支払額で負けるのは、定額型の商品は金利が高めに設定されるのが一般的だからです。35年かけて払う利息の差が、入口の数十万円をあっさり飲み込みます。

定額型と定率型はどちらが有利か

機構自身が、定額型は「借入時の諸費用が少なくなる」、定率型は「借入金利の設定が低くなるため総支払額は少なくなる」のが一般的だと説明しています。目安としてはこう考えられます。

  • 自己資金に余裕がなく、入口の現金を抑えたい→定額型が候補
  • 完済まで持つ前提で総額を抑えたい→定率型が候補
  • 数年内の売却・借り換えを視野に入れている→定額型が有利に働くこともある

ただしこれは一般的な傾向で、借入額や借入期間によって逆転します。実際の金額で試算して決めてください。

全国対応の金融機関まで広げて比べる

フラット35は商品性も審査基準も機構が定めているため、地元の金融機関で借りなければならない理由はありません。静岡県を取扱地域に含む全国対応の金融機関まで広げると、水準はさらに下がります。

金融機関借入金利融資事務手数料(税込)総支払額の概算
楽天銀行年3.460%融資額×1.10%(新規・最低110,000円)
借換は0.99%(最低165,000円)
34,741,724円
三井住友信託銀行(手数料定率コース)年3.460%融資額×0.99%(最低220,000円)34,741,724円
三井住友信託銀行(手数料無料コース)年3.570%0円35,057,696円
ドコモSMTBネット銀行年3.460%融資額×2.20%(最低110,000円)34,851,724円
SBIアルヒ年3.460%融資額×2.20%34,961,724円
ゆうちょ銀行年3.460%融資額×2.20%34,961,724円

総支払額でいちばん低い水準に並ぶのが楽天銀行と三井住友信託銀行の定率コースです。両者は総支払額の概算まで同額で、手数料率は三井住友信託銀行のほうがわずかに低いものの、最低手数料が220,000円と高く設定されています。借入額が小さいほど楽天銀行が有利になる構図です。

静岡県で利用できるフラット35の総支払額を金融機関別に比較した横棒グラフ
住宅金融支援機構が借入額2,000万円・借入期間35年(元利均等返済・ボーナス払いなし)で算出した概算。融資率9割以下・新機構団信付き・2026年9月資金受取分。

事務手数料の差はいくら?

事務手数料が借入額×2.20%(税込)か1.10%(税込)かで、金額がどれくらい変わるかを見てみましょう。

借入額2.20%(税込)の場合1.10%(税込)の場合差額
2,000万円440,000円220,000円220,000円
3,000万円660,000円330,000円330,000円
4,000万円880,000円440,000円440,000円

同じ「フラット35」でも、事務手数料が2.20%か1.10%かで、3,000万円の借り入れなら33万円の差になります。元金が減るわけでもない手数料に、何十万円も余分に支払う必要はありません。

静岡県で「フラット35」を借りるなら

静岡県は地方銀行の規模が大きい県ですが、フラット35に関しては県内の銀行から選べる幅が狭く、金利や手数料を公式サイトで確認しにくい金融機関もあります。地元だからという理由だけで借入先を決めると、総支払額で損をしやすい県といえます。

おすすめは楽天銀行の「フラット35」

県内・全国を通じて比べた結果、金利・事務手数料のどちらも最低水準でフラット35を提供しているのは楽天銀行でした。全国どこからでも利用でき、金利や融資基準を事前にネットで確認でき、申込みや契約もインターネットと郵送で完結します。日中に金融機関へ行く時間を取りにくい方には、窓口に行かないと相談できない銀行より使いやすいでしょう。

楽天銀行は電話・メール・オンラインでの相談体制を整え、予約制で平日・土日とも夜22時まで相談できます。さらに、楽天市場をよく利用する方なら楽天ポイントが貯まりやすくなるなどのメリットもあります。金利や事務手数料が同水準の相手がいても、こうした使い勝手まで含めると有力な選択肢といえるでしょう。

楽天銀行の「フラット35」の金利・事務手数料以外のメリットや、気をつけたいポイントを詳しく解説した記事もあわせて参考にしてみてください。

>>楽天銀行の住宅ローン「フラット35」の落とし穴とデメリット

近隣県で同じ構図を確認したい方は、岐阜県のフラット35の比較や福井県のフラット35の比較もあわせてご覧ください。地元の地方銀行が手数料定額型に寄りやすい傾向は、静岡県だけの話ではありません。

金利タイプは「総支払額」で考える

フラット35は全期間固定で返済終了まで金利が変わらない安心感が魅力ですが、金利上昇局面では変動金利との金利差が広がっています。固定か変動かで総支払額は変わるため、金利・事務手数料・団信まで含めた総コストで判断するのがおすすめです。変動金利まで含めて比較するなら、保証料や一部繰上返済手数料が0円で諸費用がわかりやすいSBI新生銀行なども選択肢の一つになります。

静岡県のフラット35に関するよくある質問

Q. 静岡銀行でフラット35は借りられますか?

A. 静岡銀行の住宅ローン案内にフラット35の掲載はなく、住宅金融支援機構の取扱金融機関検索(静岡県・2026年9月)にも同行は載っていません。同行は自前の超長期固定金利(固定35年 年4.550%〜・2026年9月1日現在)で全期間固定のニーズに対応しています。取扱いの有無は窓口でご確認ください。

Q. スルガ銀行のフラット35はまだ申し込めますか?

A. 申し込めません。スルガ銀行の公式サイトのフラット35商品ページに「新規受付停止中」と表示されています(2026年9月確認)。商品説明は残っていますが、現在の借入先候補には数えないでください。

Q. 静岡県に住んでいなくても県外の金融機関から借りられますか?

A. 借りられます。フラット35は住宅金融支援機構と提携する全国の金融機関が扱っており、取扱地域に静岡県が含まれていれば申し込めます。実際、機構の検索では静岡県を対象とする商品が55件あり、その多くは全国対応の金融機関です。

Q. フラット35を借りるとき自己資金はどれくらい必要ですか?

A. 融資率が9割を超えると9割以下より金利が高くなります。2026年9月資金受取分では9割以下が年3.460%、9割超が年3.570%で、差は0.110%です。購入価格の1割以上を自己資金で用意できると低いほうの金利が使え、借入額も減ります。

Q. 自営業や転職直後でも借りられますか?

A. フラット35は勤続年数の要件が比較的ゆるく、自営業の方は原則2年分の所得で審査されるなど、会社員以外でも申し込みやすい制度です。返済負担率が重視されるため、頭金を厚めにすると通りやすくなります。

Q. 団信は必ず付ける必要がありますか?

A. 新機構団信付きが基本ですが、健康上の理由で加入できない場合は団信なしでも借りられます。デュエット(ペア連生団信)は掲載金利+0.180%、新3大疾病付機構団信は+0.240%の上乗せになるため、保障内容と上乗せコストを比べて選びましょう。

※本記事の金利・事務手数料・総支払額は、2026年9月19日に住宅金融支援機構および各金融機関の公式サイトで確認した2026年9月資金受取分の内容です。金利は毎月見直されるため、申込前に公式サイトでご確認ください。

 

 

住宅ローン比較ネット 編集部

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