
「フラット35」は借入時に返済終了までの金利が確定する全期間固定金利の住宅ローンです。返済終了まで金利が変わらない安心感が魅力ですが、その一方で「自分の金利が今のフラット35の水準より高いのか低いのか」を意識する機会は意外と少ないものです。
実は、現在フラット35を返済中の方も、別の金融機関が扱うフラット35(フラット35借換融資)へ借り換えることができます(住宅金融支援機構)。この記事では、フラット35からフラット35への借り換えで返済額が減るのはどんなときか、そして借り換えの効果を最大にするためのポイントを、諸費用も含めた「総支払額」の視点で整理します。
目次
2026年のフラット35は「過去最高水準」まで上昇している
まず押さえておきたいのが、足元の金利環境です。長期金利の上昇を背景に、2026年6月の「フラット35」(買取型・融資率9割以下・借入期間21〜35年)の最頻金利は年3.210%と、現行制度になった2017年以降で初めて3%を超え、過去最高水準まで上がっています(住宅金融支援機構)。かつての歴史的低金利期(2016〜2021年ごろ)とは状況が大きく変わっている点に注意してください。
フラット35からフラット35への借り換えは、金利変動リスクを気にせず全期間固定のまま乗り換えられるのが利点です。金利変動リスクが気になるからフラット35を選んだのに、借り換えで変動金利のリスクを抱えるのは本末転倒——その心配がないのがこの借り換えの特徴です。
さらに大事なのが、同じ「フラット35」でも提供する金融機関によって『金利』と『事務手数料』に差があることです。フラット35は300を超える金融機関が扱っており、最も低い金利・最も低い手数料の窓口を選ぶことで、借り換えの効果は大きく変わります。
フラット35→フラット35の借り換えで「得する人・得しない人」
ここがもっとも重要なポイントです。借り換えで利息を減らせるのは、「借り換え後の金利」が「いま返済中の金利」より低い場合に限られます(住宅金融支援機構の試算条件でも、借換後金利が借換前より低いことが前提とされています)。
- 得しにくい人:2016〜2021年ごろの低金利期に、年1%台前半などでフラット35を借りた方。現在のフラット35(約3.2%)はそれより高いため、フラット35→フラット35の借り換えで金利を下げる効果は基本的に出ません。
- 検討の余地がある人:現在の金利が今のフラット35の水準(約3.2%)より高い方、または手数料の高い窓口で借りていて低手数料の窓口に移すと総コストを抑えられる方。
つまり、かつてのように「金利が下がったから今すぐ借り換え」という一律のチャンスではなく、自分の現在の金利と、いまのフラット35金利を比べて判断する局面です。まずは現在の返済予定表で自分の適用金利を確認し、シミュレーションで効果を試算してから動きましょう。
借り換えで「いくら減るか」は金利差で決まる
借り換えによる利息の削減額は、金利差・ローン残高・残りの返済期間で決まります。下表は、残高2,000万円・残り20年のフラット35を、より低い金利のフラット35へ借り換えた場合の削減額の目安です(金利差ごとの効果。事務手数料を差し引く前の利息軽減額のイメージ)。
| 現在の金利との差 | 削減できる総返済額の目安 (残高2,000万円・残20年) |
|---|---|
| 金利差 0.5% | 約 88万円 |
| 金利差 1.0% | 約 220万円 |
| 金利差 1.5% | 約 336万円 |
| ※残高2,000万円・残期間20年・元利均等返済での金利差別の利息軽減額の目安。実際の効果は残高・残期間・返済方法で変わります。あくまで「現在の金利が借り換え後の金利より高い」場合の試算であり、最新の金利・効果は各金融機関のシミュレーションでご確認ください。 | |
金利差が0.5%でも、残高や残期間によっては数十万円〜100万円近い削減につながります。一方で、現在の金利が今のフラット35より低ければ、借り換えても利息は増えてしまうため、「金利差があるかどうか」をまず確認することが何より大切です。
見落とせない「借り換えの諸費用(総コスト)」
借り換えは「もう一度住宅ローンを組み直す」手続きです。利息が減っても、それを上回る諸費用がかかればメリットは小さくなります。フラット35借換融資では、主に次の費用がかかります(いずれもお客さま負担)。
- 融資事務手数料:窓口により「定率型(借入額×料率)」と「定額型」があります。SBIアルヒ(旧ARUHI)は店頭・WEB申込(ARUHIダイレクト)いずれも借入額の2.20%(税込・最低220,000円)です(以前あったWeb申込での半額〈1.10%〉優遇は終了。最新は公式でご確認ください)。
- 抵当権の設定費用:借り換え後のフラット35のために、あらためて住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定します。登録免許税・司法書士報酬などがかかります。
- そのほか:物件検査(適合証明)の費用、印紙税、火災保険の継続などが必要になる場合があります。
S04の視点で大切なのは、「金利差による利息の削減額」から「これらの諸費用」を差し引いた“手取りの効果”で判断することです。借り換えの目安として、一般に「ローン残高が多い・残期間が長い・金利差が大きい」ほど効果が出やすいとされます。なお、フラット35の借換融資では【フラット35】S・リノベ・子育てプラスなどの金利引下げメニューは利用できない点にも注意しましょう。
団信の見直しと「属性別」の注意点
借り換えはローンを組み直すため、団体信用生命保険(団信)を入り直すことになります(フラット35は団信加入が任意)。
- 年齢・健康状態:借入時より年齢が上がっているため、保障内容によっては条件が変わったり、健康状態によっては加入できない場合があります。現在の団信の保障を手放して問題ないかを確認しましょう。
- 自営業・転職直後の方:フラット35は勤続年数を一律の条件にしておらず、自営業・個人事業主や転職直後でも申し込みやすいのが特徴です。借り換えでも、年収に対する総返済負担率(年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下が目安)が審査の基準になります。
- ペアローン・収入合算の方:借り換え時に名義や持分、団信の組み方が変わると手続きが複雑になります。事前に金融機関へ相談しておくと安心です。
借り換え先におすすめのSBIアルヒ(旧ARUHI)
もし金利差があり借り換えメリットが見込める場合、フラット35の取扱い最大手であるSBIアルヒ(旧ARUHI)は有力な借り換え先です。
フラット35はトップクラスの低金利
頭金を1割以上用意できれば、通常のフラット35より低金利の「スーパーフラット(保証型)」も選べます。
事務手数料を抑えやすい
事務手数料は店頭・WEB(ARUHIダイレクト)いずれも借入額の2.20%(税込・最低220,000円)になります(最新の料率は公式でご確認ください)。
対面相談にも対応
全国に店舗を展開し、住宅ローンの不安を対面で相談できます(店舗数は変動するため、最新は公式でご確認ください)。
SBIアルヒは「フラット35リノベ」など中古住宅のリノベーションに対応した商品もそろえており、幅広いラインアップが特徴です。審査スピードにも定評があります(最新の所要日数は公式でご確認ください)。金利と事務手数料が最低水準で、対面相談もできる点で、借り換え先として注目です。
「フラット35」で人気の高いARUHIと楽天銀行を比較したこちらの記事も、住宅ローン選びの参考にしてみてください。
>>「フラット35」楽天銀行とARUHIを比較
よくある質問(フラット35の借り換え)
Q. フラット35からフラット35へ借り換えできますか?
A. できます。現在フラット35を返済中の方も、他の金融機関(同じ金融機関の場合もあり)のフラット35借換融資へ借り換え可能です。全期間固定のまま乗り換えられるので、金利変動リスクは生じません。
Q. いま借り換えると得しますか?
A. 2026年6月のフラット35は約3.2%と過去最高水準のため、低金利期に借りた方は基本的に得しません。現在の金利が今のフラット35より高い場合に限り、金利差ぶんの利息削減が見込めます。まずはシミュレーションで効果を確認しましょう。
Q. 借り換えの判断基準は?
A. 一般に「ローン残高が多い・残期間が長い・金利差が大きい」ほど効果が出やすいとされます。利息の削減額から、事務手数料・抵当権設定費用などの諸費用を差し引いた“手取りの効果”で判断するのが大切です。
なお、変動金利で借りていて今後の金利上昇が不安な方は、全期間固定のフラット35のほか、保証料・事務手数料0円で団信が手厚いSBI新生銀行の住宅ローンなども含めて、諸費用・団信を含めた総支払額で比較してみると選びやすくなります。フラット35への借り換えが気になった方は、公式サイトのシミュレータでご自身の条件を試算してみてください。
