地域の銀行窓口で住宅ローンを相談する家族のイメージ

横浜銀行は神奈川県横浜市に本店をおく地方銀行です。1920年の創立で2020年に創立100周年を迎え、総資産では地方銀行として最大級の規模を持ちます。ここでは横浜銀行の住宅ローンを、「誰が借りられるのか(属性の条件)」と「金利+事務手数料+保証料+団信でならした総支払額」という2つの角度から整理します。地方銀行の住宅ローンは、金利の低さよりも先に入口の条件で対象かどうかが決まるためです。

注目ポイント

  • 2026年9月の変動金利は年0.945%〜0.975%(融資手数料型金利プラン。給与振込併用の「さらにおトクな金利プラン」で年0.945%/2026年9月1日現在)
  • 低金利プランには「正社員・勤続3年以上・年収400万円以上」などの条件がある
  • 対象物件のエリアが神奈川県全域および東京都・群馬県の一部に限られる
  • 一部繰上返済・金利種類変更の手数料はインターネットバンキングなら0円
  • 団信は一般団信+5つの特約に加えて自然災害時支援特約も選べる

まず確認したいのは「エリア」と「金利プランの適用条件」

横浜銀行はインターネットから申し込めますが、契約までネット完結ではなく、多くの地方銀行と同様に窓口での対面相談・販売に力を入れています。そして地方銀行である以上、対象物件の所在地は原則として神奈川県全域および東京都・群馬県の一部に限られます。ここで外れると金利を比べる以前に検討対象になりません。

低金利プランは「属性の門」を通った人向け

見落とされがちなのが、広告に出ている低い金利が誰にでも適用されるわけではない点です。新規借入向けの金利プランには、公式サイトに明記された適用条件があります(【「新規」にお借り入れのお客さま限定】標準型金利プランの場合)。

金利プランの適用条件内容属性面での意味
年齢借入時の年齢が満18歳以上最終返済時の年齢制限は下の商品要項を参照
年収前年度税込年収400万円以上年収400万円未満だとこのプランの対象外
返済比率35%以内(銀行所定の計算方法)他の借入(車・カード・奨学金)が効いてくる
雇用形態・勤続正社員として勤続年数3年以上自営業・契約社員・転職直後は対象外になりやすい
保証保証会社(横浜信用保証株式会社)の保証が受けられること保証会社の審査が実質的な関門
取引スマホアプリ「はまぎん365」の利用(新たな利用でも可)アプリ登録が前提条件になっている

さらに「さらにおトクな金利プラン」は、上記に加えて横浜銀行での給与振込の利用「バンクカードローン(住宅ローン利用者専用)」の申し込みが条件です。給与振込口座として使わなくなるとこのプランの対象外になると明記されている点も、長期で借りる住宅ローンでは押さえておきたいところです。

逆にいえば、正社員・勤続3年以上・年収400万円以上という条件を満たせる人にとっては、地方銀行としてかなり踏み込んだ金利が用意されているということです。自分がどちらに当てはまるかで、この銀行の評価は大きく変わります。

2026年9月の適用金利

新規借入の適用金利は次のとおりです(2026年9月1日現在・融資手数料型金利プラン)。

金利タイプ適用金利(2026年9月)店頭表示金利と引下幅
変動金利型年0.975%(さらにおトクな金利プラン併用で年0.945%店頭表示 年3.125%から最大年▲2.150%(併用時は最大年▲2.180%)
固定金利指定型10年年3.650%(同併用で年3.620%店頭表示 年5.800%から最大年▲2.150%(併用時は最大年▲2.180%)
超長期固定金利型(20年超35年以内)年4.330%借入時の金利が返済期間中ずっと変わらない

2026年9月は大手行が変動金利の引き上げに動いた月で、報道によれば大手5行のうち2行が変動金利を年0.250%引き上げました。住宅ローン比較サービス「モゲチェック」(MFS)の2026年9月の金利インデックスでは、変動金利の平均が地方銀行 1.23%<メガバンク 1.25%<ネット銀行 1.29%となり、同社は「ここ数年間で初めて見られる逆転現象」としています。「ネット銀行がいちばん安い」という前提はすでに当たり前ではなくなっているということです。

ただしこれはグループ別の集計値であって、個別の銀行の適用金利ではありません。地銀だから安い/ネット銀行だから安い、という一般化はせず、必ず自分が適用される条件で並べて比べてください。金利は毎月見直されるため、最新の適用金利は公式サイトでご確認ください。

事務手数料は2タイプ。保証料の有無まで見ないと比べられない

横浜銀行の諸費用は、選ぶ金利プランによって構成が変わります。ここを取り違えると総支払額の比較が成立しません。

比較の観点融資手数料型金利プラン標準型金利プラン
住宅ローン事務取扱手数料借入金額×2.20%(税込)22,000円(税込)
不動産担保取扱手数料33,000円(税込)33,000円(税込)
保証料金利に含まれる(借入時の一括払いは不要)別途必要。公式の例で借入1,000万円・35年なら206,810円。保証料を支払わない方式も選べるが、その場合は借入金利が年0.200%高くなる
金利水準低め融資手数料型より高め

ここでいちばん誤解されやすいのが、「標準型は事務手数料が22,000円(税込)だから安い」という見方です。標準型は事務手数料が軽い代わりに保証料が別途かかり、その保証料を払わない方式を選べば金利が年0.200%上乗せされます。つまり安いのは”入口の手数料”だけで、総支払額の勝負は金利側に移ります。

借入額が大きく、完済まで持つ前提なら金利の低い融資手数料型が有利になりやすい一方、借入額が小さい・数年で大きく繰り上げる見込みがある場合は標準型が向くことがあります。借入金額×2.20%(税込)は借入額に比例して膨らむため、どこで逆転するかは借入額と期間で変わります。両方の条件で試算して比べてください。

なお、一部繰り上げ返済および金利種類の変更(変動金利型から固定金利指定型への変更)は、インターネットバンキングでの手続きなら手数料が0円です。窓口手続きでは都度手数料がかかるため、こまめに繰り上げ返済したい人はネット経由を前提に考えると総コストを抑えられます。ただし固定金利指定期間中は金利種類を変更できず、期間終了後は変動金利型に移行する点は押さえておきましょう。

団信は「一般団信+5つの特約」+自然災害時支援特約

横浜銀行の住宅ローンも団信への加入が必要です。通常の団信に加えて5つの特約(がん保障特約付き・3大疾病保障特約付き・8大疾病保障特約付き・全傷病保障特約付き・引受条件緩和型(ワイド))が用意され、さらに自然災害に備えた自然災害時支援特約も選べます。

ここで属性上の注意があります。選ぶ特約によって「最終返済時の年齢の上限」が変わる点です。

選ぶ団信最終返済時の年齢借入計画への影響
一般団信ほか満82歳未満返済期間を長く取りやすい
引受条件緩和型(ワイド)団信満80歳未満健康面に不安がある人の選択肢
3大疾病保障特約付き団信満76歳未満年齢が高いほど借入期間が短くなり、月々の返済額が上がる

たとえば45歳で3大疾病保障を付ける場合、最終返済時が満76歳未満なので借入期間は最長でも30年台前半になります。保障を厚くした結果として期間が短くなり、月々の返済額が上がる——この連動は見落とされがちです。「保障を付けるかどうか」は、上乗せ金利だけでなく借入期間の制約とセットで判断してください。

8大疾病保障には入院一時金がセットされる

8大疾病保障は、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)に5つの重度慢性疾患(高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)を加えた保障に、入院時の一時金や配偶者のがん保障がセットになった手厚い内容です。がん保障特約は、がん(悪性新生物)と診断確定されると住宅ローン残高が0円になるタイプです。いずれも金利上乗せで付帯します(上乗せ幅・保障内容の詳細は改定されることがあるため、公式サイトでご確認ください)。

総支払額の観点でいえば、疾病保障を金利上乗せで付ける場合は「団信込みの実質金利」で横並びにするのが鉄則です。ネット銀行には疾病保障が上乗せなしで標準付帯するケースもあり、元の金利が低い銀行なら上乗せ後でも総支払額が安くなることがあります。加入済みの医療保険・がん保険と保障が重複していないかも、あわせて確認しておきたいところです。

横浜銀行の住宅ローンの商品要項

横浜銀行の新規借入時の商品要項
使いみち・本人がお住まいになる住宅に関する資金に利用できます。 ・住宅の新築・購入、増改築資金に利用できます。 ・横浜銀行の住宅ローンからの借り換えには利用できません。
金利種類変動金利型・固定金利指定型(3年・5年・10年)/別商品として超長期固定金利型(20年超35年以内)
対象となる方・借入時の年齢が満18歳以上で、最終返済時の年齢が満82歳未満の方(3大疾病保障特約付き団信を選ぶ場合は満76歳未満、引受条件緩和型(ワイド)団信を選ぶ場合は満80歳未満) ・所定の団体信用生命保険に加入できる方 ・保証会社(横浜信用保証株式会社)の保証が受けられる方 ・超長期固定金利型をご利用の場合には、前年度税込年収400万円以上の方 ・借り入れの対象となる物件の所在地は、原則として神奈川県全域および東京都・群馬県の一部
借入期間35年以内(一部、使いみちなどにより借入期間が制限される場合があります。)
借入可能額2億円以内、かつ必要資金の範囲内(新規向け標準型金利プランの場合。プラン・商品により異なります)

審査結果によって適用金利が上がると、当初の総支払額の試算が崩れます。審査に不安がある方は、勤続年数や雇用形態の条件が民間ローンとは異なる楽天銀行の「フラット35」のような全期間固定型もあわせて検討しておくと、選択肢を確保できます。

申込方法と相談体制

住宅ローンの申込方法は次の2つです。

  • インターネットで申し込み(来店不要で24時間受付)
  • 電話・住宅ローンセンターから申し込み

申し込み後に審査が始まると、対面のやり取りは各支店ではなく住宅ローンセンターで行います。住宅ローンセンターは平日の夕方や日曜の相談にも対応していますが、営業日・時間は拠点によって異なります。都内の拠点は数が限られるため、東京都・群馬県の一部で検討する場合は最寄りの拠点を公式の住宅ローンセンター一覧で先に確認しておくと安心です。横浜銀行の住宅ローンの相談体制の説明図

属性・条件で迷いやすいポイント

Q. 自営業や転職直後でも、広告に出ている低金利で借りられますか?

新規向けの金利プランは、公式サイトに「正社員として勤続年数3年以上の方」という条件が明記されています。自営業・個人事業主、契約社員、転職して3年に満たない人は、このプランの対象外と考えるのが実際的です。住宅ローン自体の申し込みができないという意味ではありませんが、適用される金利は広告の水準と異なる可能性が高いため、事前審査で自分の適用金利を確認してから総支払額を試算してください。勤続年数の条件が民間ローンと異なるフラット35など、別の枠組みを並行して検討する価値もあります。

Q. 神奈川県以外に住んでいても借りられますか?

判定されるのは居住地ではなく購入する物件の所在地で、原則として神奈川県全域および東京都・群馬県の一部に限られます。「一部」の範囲は物件の所在地や種類によって変わるため、エリアの境目にある物件を検討している場合は、金利を比べる前に対象かどうかを確認しておくのが先です。

Q. 固定金利にしたい場合、融資手数料型は選べませんか?

選べます。融資手数料型金利プランは変動金利型だけでなく、固定金利指定型(3年・5年・10年)も対象です。ただし超長期固定金利型(20年超35年以内)は別の商品として用意されており、金利体系も異なります。また超長期固定金利型を利用する場合は前年度税込年収400万円以上という条件が付きます。「当初10年固定」は10年後に金利が変わる商品で、全期間固定とは別物である点にも注意してください。

Q. 給与振込をやめると金利は上がりますか?

「さらにおトクな金利プラン」の年▲0.030%の上乗せ引き下げは、横浜銀行の口座を給与振込口座として利用している期間に適用されると公式サイトに明記されています。給与振込口座として利用しなくなった場合は対象外とされているため、転職や勤務先の制度変更で振込口座を変える可能性がある人は、この0.030%を前提に総支払額を組まないほうが安全です。返済が遅延した場合にも金利引き下げの適用が中止されることがあります。

ネット銀行の住宅ローンも候補に

横浜銀行の住宅ローンは、条件を満たせる人にとっては地方銀行として十分に低い金利で、対面サポートも受けられる商品です。一方で「正社員・勤続3年以上・年収400万円以上」「エリア内の物件」という入口の条件があり、疾病保障を付けるには金利上乗せが必要で、団信の選び方が借入期間に跳ね返る仕組みもあります。比較の軸は金利ではなく「金利+事務手数料+保証料+団信の上乗せ」でならした総支払額に置くべきです。

その物差しとして、SBI新生銀行のように費用構成がシンプルな銀行を1行入れておくと判断しやすくなります。保証料と一部繰上返済手数料がかからず、一般団信を金利上乗せなしで付けられるため諸費用の見通しが立てやすく、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、対面で相談したい人にとっても比較対象になります。条件が合わずに横浜銀行の低金利プランを使えない場合の”次善の選択肢”を先に用意しておくと、審査結果に振り回されずに済みます。

※金利・手数料・保証料・団信の内容および適用条件は改定されることがあります。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

 

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住宅ローン比較ネット 編集部

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