沖縄の街並みと新築住宅のイメージ

沖縄県で【フラット35】を借りる場合、琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行の県内3行も、楽天銀行やSBIアルヒも、手数料を借入額の割合で払うプランの金利は年3.830%でそろっています(2026年10月・返済21年以上・融資率9割以下)。差がつくのは事務手数料の率と払い方で、同じ銀行の中でも選び方しだいで総支払額が100万円以上動きます。

前提として、【フラット35】の金利は長期金利の動きを受けて上がり続けています。住宅金融支援機構の【フラット35】金利情報によると、2026年10月の最頻金利は年3.830%(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で、9月の年3.460%から0.370%上がりました。日本銀行も2026年9月の会合で政策金利を1.25%程度へ引き上げています。

沖縄県で【フラット35】を扱う金融機関と「公表情報の鮮度」

【フラット35】は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する商品ですが、適用金利と融資事務手数料は取扱金融機関がそれぞれ決めています。各行の公式サイトでの公開の度合いには差がありますが、住宅金融支援機構の金利情報サイトでは、県内3行とも当月の金利と手数料を確認できます(2026年10月時点)。

琉球銀行|金利も手数料も公開、手数料プランは2つ

琉球銀行は那覇市に本店をおく地方銀行で、県内の多くの自治体の指定金融機関を受託している、県民に広く親しまれた銀行です。公式サイトに適用金利と融資手数料が明記されており、店舗に出向かなくても比較材料がそろいます。

注目したいのは、「りゅうぎんフラット35」に手数料の払い方が異なる2つのプランがあることです。融資額の2.20%(税込)を払うAプランは金利が低く、手数料55,000円(税込)で済むBプランは金利が高く設定されています。2026年10月時点の金利(返済期間21年以上・融資率9割以下)はAプランが年3.830%、Bプランが年4.100%で、その差は0.270%。この差をどう見るかは後段で試算します。

そのほか、保証料0円・保証人不要・繰上返済手数料0円、団信の上乗せは一般・身体障害が0%、夫婦連生+0.180%、3大疾病+0.240%、団信不加入は−0.200%(公式サイト)。融資額は100万円以上1億2,000万円以内で、新規融資の上限は融資率10割まで拡大されています。

土地の取得や着工金の支払いに使える「フラット35つなぎローン」も用意されており、2027年3月までの実施金利は年3.670%、手数料は5,500円(税込)です。注文住宅では建物の完成まで【フラット35】の資金を受け取れないため、つなぎ資金を同じ銀行でまとめられるかどうかは手続きの手間に直結します。

沖縄銀行|金利は機構のサイトで公開、手数料は定率2.20%

沖縄銀行は那覇市久茂地に本店をおく地方銀行で、規模は琉球銀行と同程度です。「おきぎんフラット35」「おきぎんフラット50」を取り扱っており、公式サイトの金利の案内は住宅金融支援機構のサイトへつながっています。

その機構のサイトでは、沖縄銀行の「フラット35(機構買取型)」の2026年10月の金利は年3.830%(返済21年以上・融資率9割以下)、融資手数料は融資額×2.20%と掲載されています。以前は専用の金利ページの表示が古いまま残っていましたが、いまは機構のサイトで当月の条件を確かめられます。取扱い自体も継続しており、独自の(プロパー)住宅ローンにも力を入れています。

沖縄海邦銀行|定率と定額の2プラン、Web仮審査は県内在住者のみ

沖縄海邦銀行は那覇市久茂地に本店をおく第二地方銀行です。住宅金融支援機構の金利情報サイトには、かいぎん「フラット35」が2本掲載されており、2026年10月は融資額×2.20%の手数料で年3.830%、55,000円の手数料で年4.130%です(返済21年以上・融資率9割以下)。琉球銀行と同じく、手数料の払い方で金利が変わる仕組みです。

手続き面では、Webからの仮審査申込は沖縄県内にお住まいの方に限られ、正式な申込みと契約は来店が必要と公式サイトに明記されています。県外に住みながら沖縄に住宅を取得したい人にとっては、この条件が実務上のハードルになる可能性があります。

「定率2.20%」と「定額55,000円」、総額で得なのはどちら?

ここからが本題です。琉球銀行のAプラン・Bプランは、同じ【フラット35】でありながら「初期費用を取るか、金利を取るか」という正反対の作りになっています。この構造は沖縄海邦銀行の2本や、他行の定率プラン・定額プランを選ぶときにもそのまま応用できます。

比較の観点Aプラン(手数料定率)Bプラン(手数料定額)
融資手数料(税込)借入額×2.20%55,000円
金利(返済21年以上・融資率9割以下)年3.830%年4.100%
金利(返済20年以下・融資率9割以下)年3.510%年3.780%
3,000万円借りたときの手数料660,000円55,000円
向いている人完済まで長く持ち続ける人初期費用を抑えたい人/早期の売却・完済を見込む人

※ 琉球銀行「フラット35」(2026年10月時点・公式サイトにて確認)の条件をもとに当編集部が整理。融資率9割超の場合はAプランが年3.940%(20年以下は年3.620%)、Bプランが年4.210%(同 年3.890%)です。

では、実際にどこで損得が入れ替わるのか。借入3,000万円・返済35年・元利均等・ボーナス返済なしという条件で、「その時点までに払った返済額+残っている元金+手数料」を当編集部の試算で比べたのが次の図です。プラス側にある期間はAプランが有利、マイナス側にある期間はBプランが有利です。

結果はかなり明快でした。おおよそ7〜8年目までに手放す(売却・完済・借り換える)ならBプランが有利で、それより長く持つならAプランが有利です。毎月の返済額はAプランが129,790円、Bプランが134,637円で、完済まで35年持ち続けた場合、Bプランは手数料を60万円以上節約できる一方、総支払額はAプランより約143万円多くなります。

手数料は借入時に一度きりですが、金利差は返済期間の長さだけ毎月の利息に上乗せされ続けるからです。そのため、事務手数料が安いからといって総コストが安いとは限りません。定額プランを検討するなら、この家に何年住み、何年でこのローンを終える見込みかを先に決めておく必要があります。

※ 当編集部による試算です。元利均等返済・ボーナス返済なし・金利は全期間一定・登記費用や物件検査手数料などの諸費用は含みません。月々の返済額は円未満を切り捨てているため、金融機関の公式シミュレーションと数円〜数十円の差が出ることがあります。

県内3行とネット系2社の金利・手数料・繰上返済

次に、県内3行に加えて全国どこからでも申し込めるネット系の2社を比べます。【フラット35】の金利は取扱金融機関ごとに決まりますが、2026年10月は手数料が定率のプランがそろって最頻金利の年3.830%を採用しており、差がつくのは手数料のほうです。

金融機関金利(2026年10月・返済21年以上/融資率9割以下)融資事務手数料(税込)一部繰上返済手数料―
琉球銀行
(Aプラン)
フラット20 年3.510%
フラット35 年3.830%
借入額の2.20%無料―
琉球銀行
(Bプラン)
フラット20 年3.780%
フラット35 年4.100%
55,000円無料―
沖縄銀行フラット35 年3.830%借入額の2.20%窓口で確認―
沖縄海邦銀行フラット35 年3.830%(手数料定率)
フラット35 年4.130%(手数料定額)
借入額の2.20%
または55,000円
窓口で確認―
楽天銀行フラット20 年3.510%
フラット35 年3.830%
新規 借入額の1.10%(最低110,000円)
借換 借入額の0.990%(最低165,000円)※1
無料―
SBIアルヒフラット20 年3.510%
フラット35 年3.830%
借入額の2.20%(最低220,000円)
※2 Web申込+電子契約で33,000円引き
無料公式サイト

※ 2026年10月の金利です(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き。最頻金利は【フラット35】年3.830%/【フラット20】年3.510%)。沖縄銀行・沖縄海邦銀行は住宅金融支援機構の金利情報サイトの掲載値、琉球銀行は同行の公表値です。融資率9割超はこれより高くなります。
※1 楽天銀行を返済口座に指定した場合の融資事務手数料です。楽天銀行以外を返済口座に指定した場合は借入額の1.43%(税込)となります。
※2 SBIアルヒの融資事務手数料は借入額の2.20%(税込・最低220,000円)です。2026年3月2日から2027年3月31日までの間にWeb申込(本申込)と電子契約を利用して借り入れた場合、1債権あたり33,000円(税込)が引き下げられます。かつて実施されていた「ネット申込で事務手数料が半額(1.10%)」の割引は現在は行われていません。

事務手数料は借入額に対する割合で決まるため、率の違いはそのまま金額の差になります。3,000万円を借りる場合で比べると、次のとおりです。

借入額2.20%(税込)の場合1.10%(税込)の場合差額
2,000万円440,000円220,000円220,000円
3,000万円660,000円330,000円330,000円
4,000万円880,000円440,000円440,000円
5,000万円1,100,000円550,000円550,000円

※ 手数料率の差による負担のイメージです。手数料率は金融機関・時点で異なります。

金利が同じ年3.830%どうしなら、比べるべきは残りの条件です。県内3行の定率プランと楽天銀行は金利が同水準ですが、手数料率は2.20%と1.10%で倍の開きがあります。一方で、地元の銀行には対面で相談できる・つなぎ融資まで一括で任せられるという、金額に表れない価値があります。330,000円の差に見合う相談価値があるかという形で考えると判断しやすくなります。

2026年10月開始の「フラットすまい・るポイント」も総コストの一部

住宅金融支援機構の新サービス「フラットすまい・るポイント」が2026年10月1日から始まりました。【フラット35】を借りた人に楽天ポイントを進呈するもので、取扱金融機関を問わず対象になります。総支払額を左右する要素がひとつ増えたので、県内で検討中の方も内容を知っておいて損はありません。

  • 対象は2026年10月1日以降に【フラット35】を借り入れた方(借換えも含む。【フラット20】【フラット50】も対象)。それ以前の借入は対象外です。
  • 「ご利用ありがとう特典」は借入額に応じて2,000ポイント〜150,000ポイント。150,000ポイントは借入額8,000万円以上の場合で、たとえば2,000万円以上4,000万円未満なら50,000ポイントです。
  • 借入後に子どもが生まれた場合の「お子さまご誕生特典」、アンケート回答特典もあります。
  • いずれも自動でもらえるものではなく、申請が必要(ご利用ありがとう特典は借入日から6か月を経過する日まで)。楽天IDが必要で、買取型は「住・My Note」のIDも要ります。
  • 上記は2026年度に借り入れた方に適用される内容で、予算の上限に達する見込みとなった場合は年度の途中でも終了・変更される場合があると明記されています。

金額に直すと、3,000万円の借入で50,000ポイント、つまり50,000円相当です。前段で見た手数料差330,000円や、AプランとBプランの総支払額差約143万円に比べれば小さい額なので、ポイントを理由に商品を選ぶのではなく、金利・手数料・団信で比べたうえで最後に加算する要素として扱うのが実際的です。

沖縄で【フラット35】を使うときの注意点

頭金なしで融資率10割まで借りると金利も上がる

借入額が増えることに加えて、適用金利そのものが上がります。2026年10月の最頻金利で見ると、融資率9割以下が年3.830%なのに対し、9割超は年3.940%。0.110%の差ですが、35年で見れば無視できない金額になります。

琉球銀行は新規融資の上限を10割まで拡大していますが、「借りられる」と「有利に借りられる」は別です。自己資金を1割用意して9割以下に収めれば、金利差と事務手数料の両面で負担が軽くなります。

自営業や転職直後でも勤続年数の要件はない

【フラット35】の申込要件には勤続年数の定めがありません。収入面の基準は、年収に占めるすべての借入金の年間返済額の割合(総返済負担率)が年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下であることです。

観光業や飲食業など、年によって所得の波がある働き方の方にとって、この基準の分かりやすさは実務的な利点といえます。ただし取扱金融機関の審査もあるため、条件を満たせば必ず借りられるというものではありません。

台風の多い沖縄では火災保険の風災・水災補償を確認する

【フラット35】では返済期間以上の火災保険への加入が必要です(琉球銀行の商品概要説明書にも明記されています)。風災・水災の補償が付いているかどうかは契約内容によって異なるため、「火災保険に入っているから大丈夫」と考えず、補償の範囲と免責金額を保険会社・代理店に確認しておくことをおすすめします。物件検査手数料や登記費用も自己負担となるため、諸費用は手数料だけで見積もらないようにしてください。

県外に住みながら沖縄に家を建てるなら手続きの場所が先

金融機関ごとに条件が異なります。沖縄海邦銀行はWebでの仮審査申込を沖縄県内在住者に限っており、正式申込と契約は来店が必要です。一方でネット系の金融機関は全国から申し込めるのが一般的です。UターンやIターンで沖縄に住宅を取得する場合は、金利や手数料より先に、その金融機関で手続きを完結できるかを確認したほうが早いケースもあります。

まとめ:沖縄で総コストを抑えるための順番

沖縄県内で【フラット35】を検討するなら、次の順で絞り込むのが合理的です。

  1. 返済期間をどう見込むかを先に決める。長く持つなら金利の低い定率プラン、短期で終える見込みなら手数料の安い定額プラン。
  2. 融資率を9割以下に収められるかを確認する。金利が0.110%変わる境目です。
  3. そのうえで金利と事務手数料を比べる。2026年10月は県内3行の定率プランと楽天銀行が同じ年3.830%で、差が出るのは手数料率です。
  4. 最後に相談のしやすさ・つなぎ融資・ポイント特典といった、金額に表れにくい要素を足し引きする。

県内では琉球銀行が金利・手数料・つなぎ融資まで公表しており、対面で相談しながら進めたい方の有力な候補です。一方、事務手数料の負担を抑えることを優先するなら、金利が同水準で手数料率が半分の楽天銀行のような選択肢が総支払額では有利になります。楽天市場をよく利用する方であれば、楽天ポイントの面でもメリットが重なります。

全期間固定にこだわらず変動金利も含めて総コストで選びたい場合は、SBI新生銀行も比べる候補になります。保証料と一部繰上返済手数料は0円で、一般団信と全疾病保障付団信の上乗せもなく、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率だけです。同行は店頭での相談会を行っておらず、相談は電話か、銀行代理業者の店舗・オンラインが窓口になります。

手数料・団信の条件は改定されることがあります。総額で比べる際は、各金融機関の最新の条件表を基にしてください。

楽天銀行の「フラット35」の金利・事務手数料以外のメリットや注意点は、楽天銀行の住宅ローンの落とし穴とフラット35の注意点の記事で紹介しています。同じ九州・沖縄の比較として、鹿児島県のフラット35の金利・事務手数料の比較も参考になります。

   

住宅ローン比較ネット 編集部

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