地方で住宅を取得しフラット35の借入先を比較検討するイメージ

徳島県は四国の東部に位置する県で、県内に本店をおく地方銀行は地銀の阿波銀行と第二地銀の徳島大正銀行です(徳島大正銀行は2020年に徳島銀行と大正銀行が合併して誕生しました)。

どちらの銀行も「フラット35」を取り扱っていますが、同じ「フラット35」でも、取扱金融機関によって適用金利や手数料の体系、申込のしやすさは異なります。商品名が同じだからといって条件まで同じとは限らないため、申込前に必ず比較することが大切です。

徳島市にはフラット35取扱い最大手のSBIアルヒの店舗もあり、地元の地方銀行のほかにSBIアルヒを活用するという選択肢もあります。地域に密着した地方銀行と、フラット35専門のSBIアルヒを、金利や事務手数料、さらに自己資金を活かせる独自商品や申込のしやすさまで含めて比較してみましょう。

徳島県のフラット35は「標準金利型」と「特別金利型」の2本立て

最初に、徳島県で借りる方がいちばん最初に決めることになる分岐点をお伝えします。阿波銀行・徳島大正銀行のフラット35は、どちらも「標準金利型」と「特別金利型」という2つのタイプに分かれており、金利と事務手数料がセットで入れ替わる仕組みになっています。

金融機関・タイプ適用金利(21年以上35年以下・融資率9割以下)事務手数料(消費税込)
阿波銀行 標準金利型年3.610%55,000円(定額)
阿波銀行 特別金利型年3.310%融資金額×2.20%
徳島大正銀行 標準金利型年3.610%33,000円(定額)
徳島大正銀行 特別金利型年3.310%融資金額×2.20%
※阿波銀行は2026年8月3日現在、徳島大正銀行は2026年8月12日現在の各行公式サイト掲載の利率。いずれも新機構団信付き・買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下の場合。融資率が9割を超えると金利は上がります(両行とも標準金利型 年3.720%/特別金利型 年3.420%)。適用されるのは申込時ではなく融資実行時の金利です。

2つのタイプの金利差は年0.300%。そして、その差と引き換えに事務手数料の体系が「定額」から「定率(借入額の2.20%)」へ切り替わります。金利だけを見て「標準金利型は高い」と判断するのは早計で、手数料までセットで見なければ損得は分かりません。

住宅金融支援機構の最頻金利と、阿波銀行・徳島大正銀行のフラット35の標準金利型・特別金利型の適用金利を比較した棒グラフ
特別金利型は最頻金利に近い水準、標準金利型はそこから0.3%程度高い。ただし標準金利型は事務手数料が定額。

比較の起点は「機構が公表する最頻金利」

ここで前提を整理しておきます。フラット35(買取型)の2026年8月の最頻金利は年3.290%(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き、住宅金融支援機構公表)です。

これと上の表を並べると、徳島県の2行の「特別金利型」(年3.310%)は最頻金利にほぼ近い水準、「標準金利型」(年3.610%)はそこから0.3%程度高い水準にあることが分かります。「フラット35はどこで借りても金利は同じ」と説明されることがありますが、実際には取扱金融機関ごとに独自の金利が設定されており、同じ銀行の中でもタイプによって違うのが実情です。比較の起点として最頻金利を押さえたうえで、各行の実際の適用金利を見るのが正確な進め方です。

どちらのタイプが有利かは「借入額」と「返済期間」で変わる

では、どう選べばよいのでしょうか。まず、契約時に現金で支払う事務手数料の差を確認しましょう(借入額×2.20%と定額との比較)。

借入額特別金利型の事務手数料
(2.20%)
阿波銀行 標準金利型
(55,000円)との差
徳島大正銀行 標準金利型
(33,000円)との差
1,500万円330,000円275,000円297,000円
2,000万円440,000円385,000円407,000円
3,000万円660,000円605,000円627,000円
4,000万円880,000円825,000円847,000円

3,000万円を借りるなら、特別金利型を選んだ時点で契約時の現金負担が60万円ほど重くなる計算です。その代わり、返済が終わるまでずっと年0.300%低い金利が適用されます。

一般論として、次のように整理できます。

  • 借入額が大きく、返済期間が長いほど——金利0.300%の差が効く期間が長くなるため、特別金利型(定率手数料)が有利になりやすい。
  • 借入額が小さい、返済期間が短い、あるいは数年以内に大きな繰上返済を予定している——金利差の恩恵を受ける期間が短いため、標準金利型(定額手数料)が有利になりやすい。

ただし、これは考え方の目安であって、実際の分かれ目は借入額・期間・繰上返済の予定で変わります。両行とも窓口で返済額を試算してもらえ、公式サイトにローンシミュレーションも用意されています。「両方のタイプで、事務手数料を含めた総額を出してもらう」——これを申込前に必ず依頼してください。手数料と金利がセットで動く商品では、片方だけを比べても答えは出ません。

地方銀行とフラット35専門機関(SBIアルヒ)を比べる

次に、地元の2行とフラット35取扱い最大手のSBIアルヒを並べてみます。

金融機関フラット35の金利(21年以上・融資率9割以下)融資事務手数料(消費税込)一部繰上返済手数料公式サイト
阿波銀行標準 年3.610%/特別 年3.310%標準 55,000円/特別 融資金額×2.20%不要公式サイト
徳島大正銀行標準 年3.610%/特別 年3.310%標準 33,000円/特別 融資金額×2.20%不要公式サイト
SBIアルヒ最頻〜最低水準(自己資金があれば独自商品「スーパーフラット」で金利引き下げ※公式で要確認)借入額の2.20%(最低220,000円)※1無料公式サイト
※各行公式サイトを2026年8月に確認(阿波銀行は2026年8月3日現在、徳島大正銀行は2026年8月12日現在の掲載)。適用金利・手数料は変動するため申込前に公式サイトでご確認ください。
※1 SBIアルヒの事務手数料はスタンダードタイプで融資金額の2.20%(税込・最低220,000円)です。かつてWeb申込で半額(1.10%)となる優遇がありましたが終了しています。現在はWeb申込+電子契約の利用で1債権あたり33,000円の定額引き(2026年3月2日〜2027年3月31日)が案内されています。最新の適用条件は公式サイトでご確認ください。

手数料の水準だけを見ると、SBIアルヒの2.20%は地元2行の「特別金利型」と同じ体系です。以前あったWeb申込での半額優遇はすでに終了しているため、「手数料の安さ」だけでSBIアルヒを選ぶ理由は薄くなっています

むしろSBIアルヒの強みは、フラット35を専門に扱う実行件数トップクラスの実績と、自己資金を多く用意できるときに金利が下がる独自商品「スーパーフラット」にあります。自己資金の割合に応じて複数の区分が用意されており、頭金を厚めに出せる方ほど効果が大きくなります(適用条件・金利は公式サイトでご確認ください)。

SBIアルヒの申込の流れは2026年7月に変わっている

「Webで完結できるから手軽」というイメージでSBIアルヒを検討している方は、手続きの流れが変わった点を知っておいてください。当編集部が2026年7月に公式サイトの申込案内を確認したところ、次のように案内されていました。

  • ダイレクト支店のWeb事前審査は2026年7月1日で取扱いを終了し、Web経路は本申込のみになっています。事前審査の申込を希望する場合は、最寄りの店舗へ連絡する流れです。
  • フラット35(買取型・保証型)の借り換えは事前審査を取り扱っていないと明記されています。
  • Web本申込なら来店は不要ですが、司法書士との面談は必要です(抵当権設定登記は指定の司法書士が担当)。
  • Web本申込の審査期間は1〜2週間、本申込の受け付けから融資実行予定日までは6週間以上の期間が必要と案内されています。

つまり「思い立ってすぐ借りられる」商品ではありません。物件の引き渡し日が決まっている方は、逆算してかなり早めに動く必要があります。最新の手続き・必要書類は公式サイトでご確認ください。

地方銀行はどうか

阿波銀行はWebでの「かんたん事前審査」を用意しており、事前審査までならオンラインで進められます。一方で、フラット35は物件検査(適合証明書の取得)が必須で、その費用は申込者負担です。書類の準備そのものは、どの金融機関を選んでも軽くはありません

地元の銀行を選ぶ価値は、手数料の安さよりも「相談しながら進められること」にあります。フラット35は物件の技術基準や適合証明が絡み、初めての方には分かりにくい部分が多い商品です。対面で確認しながら進めたいか、書類のやり取りを自分で完結させたいか——ここが地銀と専門機関を分ける実質的な判断軸になります。

フラット35の金利は「実行時点」で決まる

もうひとつ、徳島県に限らず必ず押さえておきたい点があります。フラット35の金利は、申込時ではなく「資金を受け取る(実行)時点」の金利が適用されます

フラット35(買取型)の最頻金利は、2026年6月が年3.210%、7月が年3.140%、2026年8月は年3.290%と、月ごとに動いています。背景には日本銀行の利上げ(2026年6月に政策金利を1.0%程度へ)や長期金利の動きがあります。申し込んだ月の金利で確定するわけではないため、引き渡し・実行の時期が数か月先になる新築の場合はとくに注意が必要です。

両行とも公式サイトに「融資実行時の金利が適用される」と明記しています。資金計画は、申込時点の金利ではなく「少し高くなっても返せるか」で組んでおくと安心です(最新の金利は公式サイトでご確認ください)。

よくある質問(FAQ)

Q. 標準金利型と特別金利型、どちらを選べばよいですか?

A. 借入額と返済期間で変わります。特別金利型は金利が年0.300%低い代わりに事務手数料が借入額の2.20%(3,000万円なら66万円)かかり、標準金利型は事務手数料が定額(阿波銀行55,000円/徳島大正銀行33,000円)の代わりに金利が高くなります。借入額が大きく期間が長いほど特別金利型、借入額が小さい・期間が短い・早期の繰上返済を予定しているなら標準金利型が有利になりやすい傾向です。必ず両方のタイプで、事務手数料を含めた総額を窓口で試算してもらってください。

Q. 阿波銀行や徳島大正銀行の金利は、機構が公表する最頻金利と同じですか?

A. 同じではありません。2026年8月の最頻金利は年3.290%(21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)ですが、両行の実際の適用金利は特別金利型が年3.310%、標準金利型が年3.610%と案内されています。フラット35は取扱金融機関ごとに金利が設定される商品なので、「どこでも同じ」と考えず、必ず各行の掲載金利を確認してください。

Q. 自己資金が少ない場合はどうなりますか?

A. 融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割を超えると金利が上がります。徳島県の2行では、21年以上35年以下の場合、9割以下なら標準金利型 年3.610%/特別金利型 年3.310%のところ、9割超では標準金利型 年3.720%/特別金利型 年3.420%になります。逆に自己資金を多く用意できる方は、SBIアルヒの「スーパーフラット」のように自己資金の割合に応じて金利が下がる独自商品を検討する価値があります。

Q. 転勤の可能性がありますが、地元の銀行で借りられますか?

A. 徳島大正銀行のフラット35は商品概要説明書で「お申込いただく店舗の営業区域内で居住または勤務されているか、住宅を取得される方」が利用条件と明記されています。住宅を徳島県内に取得するのであれば条件を満たしますが、細かな取り扱いは店舗によって判断が分かれることがあるため、事前に窓口で確認しておくと確実です。借入後の転勤時の取り扱い(住み続けられなくなった場合の手続き)についても、あわせて聞いておくと安心です。

Q. 自営業や勤続年数が短くてもフラット35は使えますか?

A. フラット35は、勤続年数や雇用形態の条件が民間ローンより比較的やわらかいのが特徴で、安定的・継続的な収入があれば自営業や転職直後でも申し込みやすい商品です。徳島大正銀行では自営業の方に2年分の公的所得証明書に加えて2年間の納税証明書の提出を求めると明記されています。また年間返済比率(年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下)は両行共通の条件です。物件の技術基準(適合証明)も審査の重要なポイントなので、収入と物件の両面で準備しておきましょう。


住宅ローン比較ネット 編集部

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