神奈川県で住宅を購入し長期固定金利のローンを検討する家族のイメージ
神奈川県は東京大都市圏の一角で、人口は東京都に次ぐ全国第2位。横浜市・川崎市・相模原市と国内最多の3つの政令指定都市を抱える地域です。 そんな神奈川県で「フラット35」を利用するなら、どの金融機関がよいのでしょうか。「フラット35は同じ商品だから、どこで借りても同じでしょ?」と考える方もいますが、それは半分正解で半分間違いです。「フラット35」は同じ商品でも、取り扱う金融機関によって借入金利と融資事務手数料が異なります。しかも、この2つは連動していて、金利が低い商品ほど手数料が高いという関係になっていることがほとんどです。片方だけを見て選ぶと、総支払額で損をしかねません。 この記事では、神奈川県で「フラット35」を借りるときの選び方を、金利・融資事務手数料・団信を合わせた「総支払額」の視点で整理します。数字はすべて2026年8月時点の公表値です。

神奈川県で「フラット35」を扱う主な金融機関

神奈川県の地元銀行といえば、横浜市に本店を置く横浜銀行です。地方銀行としては国内トップクラスの規模で、現在はコンコルディア・フィナンシャルグループの中核を担っています。それに次ぐのが第二地方銀行の神奈川銀行ですが、規模・店舗網ともに横浜銀行とは差があります。 <神奈川県に本店がある地方銀行(平成31年=2019年3月時点)>
金融機関 預金額 貸出額 店舗数
横浜銀行143,209億円111,331億円208
神奈川銀行4,355億円3,492億円34
横浜銀行・神奈川銀行はいずれも「フラット35」を取り扱っており、住宅金融支援機構の金利情報サイトでも、両行の商品タイプ別の借入金利と融資事務手数料を確認できます。ここに、ネット系で金利水準が低い楽天銀行・SBIアルヒを加えた4機関で比べていきます。  

2026年8月のフラット35はいくらか(返済期間別)

2026年8月のフラット35の借入金利を返済期間別に示した棒グラフ。フラット20が2.970%、フラット35が3.290%、フラット50が3.500%。
返済期間が長いほど金利は高くなる。いずれも融資率9割以下・新機構団信付き(2026年8月資金受取分)。
住宅金融支援機構が公表している2026年8月資金受取分の借入金利(買取型・融資率9割以下・新機構団信付き)は、返済期間21年以上35年以下のフラット35が年3.290%、20年以下のフラット20が年2.970%、36年以上50年以下のフラット50が年3.500%です(いずれも最頻金利=最も多くの金融機関が採用している金利で、最低金利も同水準)。 直近の推移を並べると、2026年6月 年3.210% → 7月 年3.140% → 8月 年3.290%(いずれも21〜35年・融資率9割以下)。7月にいったん下がり、8月は0.150ポイント上がりました。フラット35の金利は毎月見直され、申込時ではなく資金を受け取る月の金利が適用されます。この点は借入時期の見通しを立てるうえで重要なので、必ず頭に入れておきましょう。 なお、住宅金融支援機構は2026年8月20日に、翌月の金利の原資となる「第232回 貸付債権担保住宅金融支援機構債券」の表面利率を年3.450%と発表しました。これを受けてダイヤモンド不動産研究所は9月のフラット35(買取型)は3.420%前後になると予想していますが、あくまで民間の予想であり、9月の適用金利が正式に公表されるのは9月1日ごろです。予想の数字を前提に資金計画を固めないようにしてください。  

融資率9割以下で借りると金利が下がる

比較の前に、「フラット35」で必ず押さえたいポイントを確認しておきましょう。フラット35は融資率が9割以下か9割超かで金利が変わります。融資率とは、住宅の建設費または購入価額に対して借入額が占める割合のことです。 2026年8月時点では、融資率9割以下が年3.290%なのに対し、9割超は年3.400%(21〜35年)。差は0.110ポイントですが、フラット35は完済まで金利が変わらないため、35年という時間をかけて効いてきます。自己資金を1割以上用意して融資率9割以下に収めることが、最も確実なコスト削減策です。 ちなみに借り換えの場合は、融資率にかかわらず9割以下の借入金利が適用されます(住宅金融支援機構)。  

神奈川県の4機関を「金利+手数料+総支払額」で比較

横浜銀行・神奈川銀行・楽天銀行・SBIアルヒの2026年8月の条件を並べます(いずれも新規借入・融資率9割以下・新機構団信付き)。
金融機関・商品タイプ借入金利(2026年8月)融資事務手数料(税込)総支払額の目安※1公式サイト
横浜銀行
金利標準タイプ
3.460%33,000円(定額型)34,554,724円公式サイト
横浜銀行
金利引き下げタイプ
3.290%融資額×1.56%(最低33,000円)34,013,828円公式サイト
神奈川銀行
定額型
3.440%33,000円(定額型)34,457,752円公式サイト
神奈川銀行
定率型
3.290%融資額×1.10%33,921,828円公式サイト
楽天銀行3.290%(業界最低水準)融資額×1.10%(最低110,000円)※2公式サイト
SBIアルヒ3.290%(引き下げ期間終了後)融資額×2.20%(最低220,000円)※3公式サイト
※1 総支払額は住宅金融支援機構が公表している試算値で、借入額2,000万円・借入期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしの場合の「元金+利息+融資事務手数料」の概算です(2026年8月資金受取分)。楽天銀行・SBIアルヒは同サイトの神奈川県内の検索結果に掲載がないため「―」としています。
※2 楽天銀行は購入・建築で借入額×1.10%(税込・最低110,000円)、借り換えで借入額×0.990%(税込・最低165,000円)。楽天銀行以外を返済口座に指定する場合はいずれも借入額×1.430%(税込)です。
※3 SBIアルヒの融資事務手数料は借入額×2.20%(税込・最低220,000円)。2026年3月2日〜2027年3月31日の申込分は、Web申込かつ電子契約の利用で1債権あたり33,000円が差し引かれます(2026年8月時点。条件は公式サイトでご確認ください)。
※SBIアルヒは【フラット35】実行件数シェア16年連続No.1(2025年度27.7%)。※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)。
※一部繰上返済手数料はフラット35共通で無料です(住・My Note利用時は10万円以上、窓口は100万円以上から)。
※金利・手数料は毎月見直されます。最新の適用条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
神奈川県内の2行4タイプのフラット35の総支払額を比較した棒グラフ。神奈川銀行の定率型が最も少ない。
元金・利息・融資事務手数料の合計(元利均等返済・ボーナス払いなし)。住宅金融支援機構の試算値。
同じ神奈川県内の2行を比べただけでも、総支払額に約63万円の差(横浜銀行の金利標準タイプ34,554,724円と神奈川銀行の定率型33,921,828円)が出ています。表面金利の差は0.170ポイントですが、それが35年分の利息として積み上がった結果です。

定額型と定率型、どちらを選ぶべきか

融資事務手数料には2つのタイプがあり、住宅金融支援機構は次のように整理しています。
  • 定額型:借入額にかかわらず手数料が一定。借入時の諸費用が少なくて済むが、そのぶん借入金利は高めに設定される
  • 定率型:借入額に一定率をかけるため手数料は大きくなるが、借入金利が低めに設定され、総支払額は少なくなりやすい
上の表がまさにその通りの構造になっています。横浜銀行なら、金利標準タイプ(3.460%+33,000円)より金利引き下げタイプ(3.290%+1.56%)のほうが、2,000万円・35年では総支払額が約54万円少ない計算です。 ただし、この関係は借入額と借入期間で逆転します。借入額が小さい、あるいは早期に完済する見込みが強いほど、定率型の手数料負担が重く感じられ、定額型が有利になる場面があります。「金利が低いほうを選べばよい」と単純化せず、自分の借入額・期間で総支払額を試算して比べること——これがフラット35選びの本質です。

団信の選び方でも金利は動く

見落とされがちですが、加入する団体信用生命保険の種類によっても適用金利は変わります。住宅金融支援機構の公表値は次のとおりです(掲載金利に対する増減)。
団信の種類金利への影響考え方
新機構団信(一般)掲載金利のまま保険料は金利に含まれ、別途の負担はありません
新機構団信(デュエット=ペア連生団信)+0.18%夫婦どちらかに万一のことがあった場合に残債が0になるタイプ
新3大疾病付機構団信+0.24%死亡・高度障害に加え、所定の3大疾病の保障が付きます
団信に加入しない場合▲0.20%健康上の理由等で加入できない場合でもフラット35は利用できます
つまり、ペアローン・収入合算で組む世帯がデュエットを選べば実質の金利は年3.470%(3.290%+0.18%)になります。金利の比較は「同じ団信の条件で」そろえないと意味がありません。他行の変動金利には団信の保障が金利上乗せなしで付くケースもあるため、比較のときは保障内容までそろえて並べてください。  

店頭で相談するか、ネットで完結するか

神奈川県内で「フラット35」を借りる場合、手続きの進め方にも違いがあります。 横浜銀行の「住宅ローン(フラット35)」はインターネットからの申し込みができません(公式サイトに明記)。支店併設の住宅ローンセンターでの相談か、ダイレクト住宅ローンセンターへの電話が入口になります。県内に住宅ローンセンターが広く配置されているため、対面でじっくり相談したい方には向いています。保証料0円・保証人不要・繰上返済手数料0円という点も、フラット35共通の分かりやすさです。 一方、楽天銀行・SBIアルヒはインターネットから自宅で申し込めます。楽天銀行は電話相談を毎日9時から17時まで(年末年始を除く)、予約制のオンライン相談を21時の予約枠まで受け付けており、平日日中に窓口へ行けない共働き世帯でも進めやすい体制です。 神奈川銀行は店舗数が34(2019年3月時点)と横浜銀行に比べて少なく、居住エリアによっては通いにくい可能性があります。ただし定率型の総支払額は今回比べた中で最も少なく、「近くに支店があるかどうか」で候補から外す前に、条件を確認する価値はあります。 楽天銀行の「フラット35」については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。 >>楽天銀行の住宅ローンの落とし穴とデメリット(フラット35・金利選択型)

神奈川県のフラット35でよくある質問

Q. 横浜銀行の「金利標準タイプ」と「金利引き下げタイプ」は何が違うのですか?

借入金利と融資事務手数料の組み合わせが違います。標準タイプは年3.460%で手数料33,000円(定額)、引き下げタイプは年3.290%で融資額×1.56%(最低33,000円)です(2026年8月)。借入額が大きく期間が長いほど引き下げタイプが有利になり、借入額が小さいほど標準タイプの定額手数料が効いてきます。同じ銀行の中でも選択によって総支払額が変わるため、申込時にどちらのタイプかを必ず確認してください。

Q. 都心へ通勤するために神奈川県内で家を買います。物件価格が高いと不利になりますか?

フラット35の借入限度額は1億2,000万円で、建設費・購入価額の100%まで借りられます。ただし融資率が9割を超えると金利が年3.290%から3.400%に上がります(2026年8月・21〜35年)。物件価格が高いほど、この0.110ポイントが金額として大きくなるため、頭金を1割まで積み上げる意味は都市部ほど大きくなります。また借入額が増えると定率型の融資事務手数料も比例して増えるので、諸費用を含めた自己資金計画は物件価格の1割+諸費用で見積もるのが安全です。

Q. 中古マンションを買う予定ですが、フラット35は使えますか?

使えますが、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることが条件で、物件検査に合格して適合証明書を取得する必要があります。この物件検査手数料は申込者の負担です。マンションは住宅部分の面積30㎡以上(一戸建ては70㎡以上、2026年4月以降の物件検査申請分は50㎡以上)という要件もあります。中古物件では売買契約の前に、その物件が適合証明を取得できるかを不動産会社に確認しておくことが失敗を防ぐ最大のポイントです。

Q. 神奈川県内の地方銀行で借りると、地元ならではの優遇はありますか?

フラット35は住宅金融支援機構の買取要件が共通なので、審査基準そのものが「地元だから緩くなる」ことはありません。差がつくのは金利・融資事務手数料・付帯サービス・相談体制です。一方で、地方銀行はフラット35以外の自行の住宅ローン(変動金利型など)も併せて提案してくれるため、選択肢を並べて相談したい場合には店頭が使いやすいという利点があります。

フラット35以外の選択肢も並べて考える

2026年8月は、主要13行のうち13行すべてが10年固定金利を引き上げ、35年固定も主要7行すべてが引き上げた一方、変動金利は主要14行のうち4行の引き上げ・9行が据え置きという状況でした(ダイヤモンド不動産研究所調べ・2026年8月時点)。固定と変動では基準になる金利が違う(固定は長期金利、変動は短期プライムレート)ため、動くタイミングも幅も一致しません。 したがって、「全期間固定の安心」と「足元の低金利」を両にらみで比べるのが現実的です。変動金利型を含めて検討するなら、保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ0円と諸費用の分かりやすさに定評があり、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているSBI新生銀行なども、検討に値する選択肢の一つです。フラット35と民間ローンを、金利だけでなく諸費用・団信を含めた総支払額で並べて比べてみてください。