鹿児島県で住宅の購入とフラット35を検討する夫婦のイメージ

九州南部に位置する鹿児島県。世界遺産の屋久島や霧島山、桜島などの自然だけでなく、JAXAが運用する種子島宇宙センターなど、文化・観光・産業の面で豊富な資源を持つ県です。

鹿児島県に本店を置く地方銀行は鹿児島銀行と南日本銀行の2行で、なかでも県内企業の多くがメインバンクとする鹿児島銀行が最大のシェアを持ち、支店・出張所を含め多くの店舗を展開しています。

そんな鹿児島県で【フラット35】を利用する場合、どの金融機関を選べばよいのでしょうか。【フラット35】は同じ商品でも、提供する金融機関によって適用金利と融資事務手数料に差が出ます。この記事では表面金利だけでなく、「率」で決まる事務手数料と、それを下支えする「最低金額」まで含めた実質の負担という角度から、県内で借りられる選択肢を整理します。

2026年8月の【フラット35】金利は、現行制度で最も高い水準

比較の前に、いまの金利水準を確認しておきます。住宅金融支援機構によると、2026年8月の【フラット35】(買取型)の最頻金利は年3.290%(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)。前月から0.150%上がり、現行制度になった2017年10月以降で最も高い水準です(【フラット20】は年2.970%)。融資率が9割を超えると年3.400%(【フラット20】は年3.080%)となり、頭金の有無で適用金利そのものが変わります。

この最頻金利は「取扱金融機関が提示する金利のうち最も多いもの」で、実際の適用金利は金融機関ごとに決まります。金利が横並びになりやすい商品だからこそ、差がつくのは手数料——これが【フラット35】選びの基本構造です。金利は毎月改定されるため、申し込み前に最新の適用金利を公式サイトでご確認ください。

鹿児島県で借りられる【フラット35】を、事務手数料の「率」で並べる

当編集部が2026年8月20日に各行の公式サイトを確認したところ、県内2行はいずれも【フラット35】を取り扱っており、南日本銀行は適用金利と融資手数料を金利ボードで公表していました。以下は同日時点で確認できた条件です。

金融機関金利(返済21年以上/融資率9割以下)融資事務手数料一部繰上返済手数料公式サイト
鹿児島銀行公式サイトに金利の記載なし
(実行月の金利が適用)
公式サイト・店舗でご確認ください公式サイトでご確認ください公式サイト
南日本銀行フラット20 年2.970%
フラット35 年3.290%
借入額の1.50%(通常)公式サイトでご確認ください公式サイト
楽天銀行フラット20 年2.970%
フラット35 年3.290%
新規 借入額の1.10%(税込)
借換 借入額の0.990%(税込)※1
無料公式サイト
SBIアルヒフラット20 年2.970%
フラット35 年3.290%
借入額の2.20%(税込・最低220,000円)
※2 Web申込+電子契約で33,000円引き
無料公式サイト
※ 金利は2026年8月の【フラット35】(買取型)最頻金利(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き=年3.290%/【フラット20】年2.970%)および南日本銀行が金利ボード(2026年8月10日現在)で公表している適用金利です。融資率9割超の場合はこれより高くなります。
※ 南日本銀行の融資手数料は同行の金利ボードに「(通常)お借入金額×1.5%」と記載されているものです。税区分の明示がないため、詳細は同行へご確認ください。
※1 楽天銀行を返済口座に指定した場合の融資事務手数料です。楽天銀行以外を返済口座に指定した場合は借入額の1.430%(税込)。最低事務手数料は新規110,000円(税込)/借換165,000円(税込)です。
※2 SBIアルヒの融資事務手数料は借入額の2.20%(税込・最低220,000円)。2026年3月2日から2027年3月31日までにWeb申込(本申込)と電子契約を利用して借り入れた場合、1債権あたり33,000円(税込)が引き下げられます。かつての「ネット申込で事務手数料が半額(1.10%)」という割引は現在は行われていません。
※ 各金融機関の最新の適用金利・手数料は必ず公式サイトでご確認ください。

鹿児島銀行は【フラット35】の商品ページを設けていますが、適用金利と手数料の記載は見当たりませんでした(事前審査はWebから申し込め、電話相談の予約もオンラインで受け付けています)。南日本銀行は金利ボードに【フラット35】の欄を設け、借入期間・融資率別の適用金利と融資手数料まで公表しており、比較材料としては最も確認しやすい状態です。

手数料の率をそのまま金額に直すと、次のようになります(借入3,000万円の場合)。

同じ物件・同じ金利で借りても、入口で払う現金は率の違いだけで33万円動きます。しかも事務手数料は元金が減るわけではない費用です。表面金利が横並びの商品では、この差がそのまま総コストの差になると考えてください。

率だけでは足りない:「最低事務手数料」で実質の負担率が変わる

ここが見落とされやすいところです。事務手数料には率とは別に「最低金額」が設定されていることがあり、借入額が小さいと率のメリットが消えてしまいます。楽天銀行の場合、最低事務手数料は新規110,000円(税込)・借換165,000円(税込)です。

借入額率どおりの計算(借換0.990%)実際に払う額実質の負担率
3,000万円297,000円297,000円0.990%
2,000万円198,000円198,000円0.990%
1,600万円158,400円165,000円約1.03%
1,000万円99,000円165,000円1.65%
500万円49,500円165,000円3.30%

※ 楽天銀行の借換時の融資事務手数料(借入額の0.990%・税込/最低165,000円・税込/楽天銀行を返済口座に指定した場合)をもとに当編集部が計算。実質の負担率は「実際に払う額÷借入額」です。

借換えで残高1,000万円台まで減っている場合、率で見れば0.990%でも、実質は1.65%を払っていることになります。この水準になると、率が高くても最低金額の設定が低い金融機関のほうが安く済むこともあります。借入額が2,000万円を下回るなら、率ではなく「実際に払う金額」で見積もりを取り直すのが確実です。新規借入でも同じ構造で、楽天銀行の新規は最低110,000円のため、借入1,000万円未満で率のメリットが薄れ始めます。

2026年9月から、中古住宅+簡易リフォームがまとめて借りられるようになる

住宅金融支援機構は2026年8月18日、2026年9月1日の借入分から、中古住宅の購入資金に「簡易なリフォームの工事費用」をまとめて融資できるようになると発表しました(当編集部が2026年8月20日に機構公式サイトで確認)。中古住宅を購入して手を入れたい人にとっては、資金計画の組み方が変わる制度改正です。

  • 対象となるのは【フラット35】の適合証明の内容に影響を与えない工事に限られます。柱位置の変更・間取り変更・床面積の増減・断熱材の交換などは対象外です。
  • 【フラット35】リノベ(リフォーム一体タイプ)の金利引下げは適用されません
  • 適合証明検査はリフォーム工事前の1回のみで、工事後の検査は不要です。
  • 借入対象に含めた工事の一部または全部を実施しなかった場合は、その費用に相当する額を繰上返済することになります。

リフォームローンを別に組むと金利も手数料も二重にかかります。全期間固定の低くない金利をどう見るかは別として、資金を一本化できること自体は総コストを押し下げる方向に働きます。工事内容が対象になるかどうかは請負契約書などで確認されるため、検討する場合は早めに取扱金融機関へ相談してください。

2026年10月開始のポイント特典は「借換えも対象」

もうひとつ、2026年8月18日に発表されたのが「フラットすまい・るポイント」です。2026年10月1日以降に【フラット35】を借り入れた人に、借入額に応じて楽天ポイントを進呈するサービスで、機構の特設サイトで内容が公開されています(当編集部が2026年8月20日に確認)。

  • 借換えも対象です(【フラット20】【フラット50】も対象)。上の「最低事務手数料」の話とあわせて考えると、借換えを検討している人には無視できない要素です。
  • 進呈ポイントは借入額に応じて2,000ポイント〜150,000ポイント。2,000万円以上4,000万円未満で50,000ポイント、8,000万円以上で150,000ポイントです。
  • 自動では付与されず、借入日から6か月を経過する日までにポイント申請サイトで申請が必要。楽天IDが必要で、買取型は「住・My Note」のIDも要ります。
  • これは2026年度に借り入れた人に適用される内容で、予算の上限に達する見込みとなった場合は年度の途中でも終了・変更される場合があると明記されています。

金額に置き換えれば、3,000万円の借入で50,000円相当。手数料率の差(3,000万円で最大33万円)に比べれば小さいので、ポイントを理由に商品を選ぶのではなく、金利と手数料を比べたうえで最後に足す要素として扱うのが現実的です。

団信の選び方でも総支払額は動く

【フラット35】は保証料が不要で繰上返済手数料もかからない一方、団体信用生命保険(機構団信)の内容によって適用金利が上下します。目安は次のとおりです(取扱金融機関により表示が異なる場合があります)。

  • 新機構団信(一般)…上乗せなし。掲載されている金利がそのまま適用されます。
  • デュエット(夫婦連生団信)…おおむね+0.180%。夫婦どちらかに万一のことがあれば残債がなくなる仕組みです。
  • 新3大疾病付機構団信…おおむね+0.240%
  • 団信に加入しない場合…おおむね−0.200%

注意したいのは、「加入しないと0.200%下がる」を単純な値引きと考えないことです。3,000万円・35年で0.200%は総額にして100万円を超える差になりますが、そのぶん万一のときに残債が残ります。健康上の理由で加入できない場合を除けば、民間の収入保障保険などで同等の備えを用意する費用と比べて判断するのが筋道です。手数料の数十万円より、団信の選択のほうが総支払額への影響は大きくなり得ます。

鹿児島で【フラット35】を選ぶときによくある疑問

手数料が安い金融機関を選べば、必ず総額も安くなりますか?

金利が同じ水準であればそのとおりです。ただし金利が0.100%でも違うと話は変わります。3,000万円・35年なら0.100%の金利差は総返済額でおよそ50万円前後の違いになり、手数料の差を上回ることがあります。比較の順番は「①適用金利 → ②事務手数料(率と最低金額)→ ③団信 → ④その他の特典」。この順で並べれば、判断を間違えにくくなります。

審査の手続きはどこまでオンラインでできますか?

鹿児島銀行は住宅ローンの事前審査をWebから申し込めるほか、担当者からの電話相談の予約もオンラインで受け付けています。南日本銀行もローンの仮審査申込の案内をサイトに掲載しています。一方、ネット系の金融機関は申込みから契約まで郵送・オンラインで完結できるのが一般的です。離島や県外にお住まいで来店の負担が大きい場合は、金利や手数料の前に「どこまで来店せずに進められるか」を確認しておくと、手戻りが減ります。詳しい手続きは各金融機関の公式サイトでご確認ください。

いま固定金利で借りる意味はありますか?

2026年8月の【フラット35】の最頻金利は年3.290%で、たしかに数年前と比べれば高い水準です。ただし全期間固定の価値は「借入時に完済までの返済額が確定する」ことにあります。日本銀行が2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げ、その後も金利の先行きに関する見方が揺れている局面では、返済額が動かないこと自体を金利上昇に対する保険と捉える考え方もあります。変動か固定かは、家計の余力と金利が上がったときの許容度で判断してください。どちらが正解と決まっているわけではありません。

鹿児島で選ぶなら、どこから手をつけるか

県内では南日本銀行が適用金利と融資手数料(借入額の1.50%)を公表しており、地元で相談しながら進めたい人が条件を確認しやすい状態にあります。鹿児島銀行は金利・手数料の掲載こそありませんが、事前審査をWebから始められるため、まず相談してみる価値はあります。

そのうえで、金利が同水準なら手数料率が低いほど総コストは下がります。楽天銀行の【フラット35】は新規1.10%(税込)・借換0.990%(税込)と低く、一部繰上返済手数料も無料です。楽天市場をよく利用する方であれば、ポイント面のメリットも重なります。ただし前述のとおり借入額が小さいときは最低事務手数料が効くため、必ず金額ベースで見積もりを取ってください。

また、全期間固定にこだわらず変動金利も含めて総コストで選びたい場合は、SBI新生銀行のように保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、一般団信と全疾病保障付団信の上乗せが0円、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型に一本化されている銀行もあります。店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、比較の候補に入れておくと選択の幅が広がります。

金利は毎月、手数料や特典は年度ごとに変わります。最終的な条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

楽天銀行の「フラット35」をより詳しく分析したこちらの記事も参考にしてみてください。

>>楽天銀行の住宅ローンの落とし穴とデメリット(フラット35・金利選択型)    

住宅ローン比較ネット 編集部

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