
この記事では、兵庫県で「フラット35」の利用を検討している方に向けて、利用できる金融機関と、選ぶときに見落としがちな総支払額(金利+諸費用)の差を整理して解説します。
兵庫県は大阪府や京都府と並ぶ関西圏の経済の中心地です。経済規模が大きく金融機関も数多く進出しているため、「フラット35」の取扱窓口にも選択肢があります。
「フラット35」は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型の住宅ローンで、どの窓口で借りても基本的な仕組みは同じ商品です。ただし金利や事務手数料には金融機関ごとに違いがあるため、窓口選びで総支払額が変わってきます。
なお、2026年6月の「フラット35」(買取型・融資率9割以下・借入期間21〜35年)の最頻金利は年3.210%と、現行制度になった2017年以降で初めて3%を超え、過去最高水準まで上昇しています(住宅金融支援機構・2026年6月1日発表)。長期金利の上昇を背景に固定金利が上がっている局面のため、申込時ではなく「実行(融資実行)月」の金利が適用される点にも注意して検討しましょう。
兵庫県で「フラット35」が借りられる銀行は?
まず、兵庫県内で「フラット35」を取り扱っている主な銀行を確認しましょう。下表は規模感の参考として、兵庫県で高いシェアを持つ銀行を示したものです(金額は2020年3月時点の参考値)。
| 銀行名 | 預金額 | 貸出額 | 店舗数 |
|---|---|---|---|
| 三井住友銀行 | – | – | 194 |
| 但馬銀行 | 10,337億円 | 8,576億円 | 69 |
| みなと銀行 | 33,770億円 | 27,132億円 | 106 |
※預金額・貸出額・店舗数は2020年3月時点の参考値です。
兵庫県で利用者が多いのはメガバンクの三井住友銀行です。地方銀行よりも三井住友銀行の利用者が多い背景には、その成り立ちがあります。
- 神戸銀行と太陽銀行が合併
- 三井銀行と合併して「太陽神戸三井銀行」に
- その後、現在の三井住友銀行に
このように、兵庫県で圧倒的なシェアを誇っていた神戸銀行が三井住友銀行の前身です。神戸銀行の営業基盤を受け継いでいるため、兵庫県では三井住友銀行の基盤が強くなっています。
三井住友銀行に続いて兵庫県で大きなシェアを持つのが、神戸市に本店を置く第二地方銀行のみなと銀行です。みなと銀行は「みなと機構提携型住宅ローン フラット35」として取り扱っており、専用ページで利用条件や金利を確認できます。
みなと銀行に次ぐ規模の地方銀行但馬銀行でも、「たんぎん固定金利住宅ローン フラット35」として販売されています。問題は、フラット35を比較する理由である金利や事務手数料がどれだけ違うのかという点です。
ここでは、フラット35で高い取扱実績を持ち、兵庫県内に拠点もあるSBIアルヒ(旧ARUHI)のフラット35と比較してみましょう。
兵庫県で利用できる「フラット35」を比較
みなと銀行・但馬銀行・SBIアルヒ(旧ARUHI)のフラット35について、金利と融資事務手数料の特徴を整理します。フラット35は同じ商品のため、金利は実行月の最頻金利に集約されやすく、差がつきやすいのは融資事務手数料です。
| 金融機関 | フラット35の金利 (融資率9割以下) | 融資事務手数料(税込) |
|---|---|---|
| みなと銀行 (みなと機構提携型) | 全期間固定 ※2026年6月の買取型最頻金利は年3.210% | 借入額の2.20% |
| 但馬銀行 (たんぎん固定金利) | 全期間固定 ※2026年6月の買取型最頻金利は年3.210% | 借入額の2.20% |
| SBIアルヒ(旧ARUHI) | 全期間固定 ※2026年6月の買取型最頻金利は年3.210% | 借入額の2.20%(税込・最低22万円) |
| ※金利は2026年6月時点の住宅金融支援機構公表の最頻金利(融資率9割以下・借入期間21〜35年)。実際の適用金利・事務手数料は金融機関や申込方法で異なるため、最新の数値は各社公式サイトで必ずご確認ください。SBIアルヒの事務手数料は店頭・ARUHIダイレクトいずれも2.20%(税込・最低22万円)が標準です(以前のWeb半額優遇は終了)。ARUHIスーパーフラット等は別料率です。 | ||
総支払額は「事務手数料」で数十万円の差がつく
フラット35は同じ商品でも、融資事務手数料の料率が異なれば初期費用が大きく変わります。事務手数料は原則として現金で一括払いが必要で、住宅ローンの諸費用の中でも大きなウェイトを占めます。しかも借入額に対する料率なので、借入額が大きいほど差が広がります。
仮に事務手数料が「借入額の2.20%」と「借入額の1.10%」で異なる場合、借入額ごとの差額は次のとおりです(料率差ぶんの単純比較)。
| 借入額 | 2.20%(税込)の場合 | 1.10%(税込)の場合 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 440,000円 | 220,000円 | 220,000円 |
| 3,000万円 | 660,000円 | 330,000円 | 330,000円 |
| 4,000万円 | 880,000円 | 440,000円 | 440,000円 |
| 5,000万円 | 1,100,000円 | 550,000円 | 550,000円 |
このように、「フラット35」という同じ商品でも、申し込む金融機関によって数十万円単位で諸費用が変わります。金利が同水準であれば、事務手数料の料率が低い窓口を選ぶほど総支払額を抑えやすいというのが、フラット35選びの基本です。兵庫県内で利用を検討している方は、SBIアルヒ(旧ARUHI)のように事務手数料の料率が低い窓口も比較候補に入れてみるとよいでしょう(最新の料率は各社公式でご確認ください)。
三井住友銀行の「フラット35」はどうなの?
兵庫県で銀行取引のシェアが大きい三井住友銀行のフラット35はどうでしょうか。メガバンクのフラット35には、融資事務手数料が定額(従来は一律33,000円・税込)で初期費用を抑えやすいという特徴があります。
ただし、事務手数料が定額の窓口は、その代わりに適用金利が最頻金利より高めに設定される傾向があります。金利が高いと毎月の返済額・総返済額に効いてくるため、超短期で住み替える予定があるなど特別な事情がない限り、総返済額で見ると金利が低い専門金融機関のほうが有利になりやすいのがフラット35の一般的な傾向です。
「メガバンクだから」「普段使っている銀行だから」という理由だけで決めると、知らないうちに総支払額で損をしてしまうことがあります。最新の適用金利・事務手数料は各行で異なり改定もあるため、申込前に必ず公式サイトで最新の金利・手数料を確認したうえで、初期費用(事務手数料)と総返済額(金利)の両面で比較しましょう。
金利だけでなく「団信」と「諸費用」も含めて比較する
フラット35を比較するときは、表面金利だけでなく総支払額(金利+事務手数料+団信)でとらえると失敗しにくくなります。
- 団体信用生命保険(団信):現在のフラット35は新機構団信付きの金利が標準です。夫婦で加入できる「デュエット(夫婦連生団信)」や、金融機関によってはがん保障などのオプションを上乗せできる場合があります。上乗せ金利の有無で実質負担が変わるため、必要な保障を見極めましょう。
- 融資事務手数料:上表のとおり「借入額×料率(定率型)」か「定額型」かで初期費用が大きく変わります。フラット35は保証料が原則不要な点はどの窓口でも共通です。
- 付帯サービス・繰上返済:フラット35の一部繰上返済は、窓口(インターネット手続き)によって最低額や手数料の扱いが異なります。繰上返済を活用する予定があるなら、この条件も確認しておくと安心です。
表面金利が同じでも、事務手数料と団信を含めた「総コスト」で見ると順位が入れ替わることがあります。金利の高低だけで決めないことが、兵庫県でフラット35を選ぶときのポイントです。
自営業・転職直後でも申し込みやすいのがフラット35の強み
フラット35が幅広い人に選ばれている理由のひとつが、勤続年数や雇用形態の要件が民間の住宅ローンより柔軟な点です。民間ローンでは勤続年数や正社員かどうかが重視されがちですが、フラット35は勤続年数の長さを一律の条件にしておらず、自営業・個人事業主や転職直後の方でも申し込めます。
審査では、年収に対する総返済負担率(すべての借入の年間返済額が年収に占める割合)が基準とされ、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下が目安です(住宅金融支援機構)。属性に不安がある方ほど、フラット35は前向きに検討する価値があります。最新の利用条件は住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。
よくある質問(兵庫県のフラット35)
Q. フラット35は窓口によって金利が違うのですか?
A. 取り扱う金融機関ごとに金利を設定できますが、多くの窓口は住宅金融支援機構が公表する最頻金利に近い水準になります。2026年6月の買取型(融資率9割以下・21〜35年)の最頻金利は年3.210%です。大きく差がつくのは融資事務手数料のため、金利と手数料の両方を比べましょう。
Q. 事務手数料は「定率型」と「定額型」のどちらが得ですか?
A. 借入額が大きいほど、定率型(借入額×料率)は手数料が膨らみます。一方で定額型は初期費用が安い反面、金利が高めに設定される傾向があります。借入額・借入期間・総返済額を含めて比較するのがおすすめです。
Q. フラット35の金利は申込時に決まりますか?
A. フラット35は融資実行(資金受取)月の金利が適用されます。金利が上昇している局面では、申込時より実行時の金利が高くなることがあるため、実行予定月の金利動向に注意しましょう。
まとめ:兵庫県でフラット35を選ぶなら「総支払額」で比較
兵庫県でフラット35を利用するなら、金利が同水準である以上、事務手数料の料率が低い窓口ほど総支払額を抑えやすいのが基本です。SBIアルヒ(旧ARUHI)のようにダイレクト申込で事務手数料を抑えられる窓口は、兵庫県でも有力な候補になります。一方で、団信の保障や繰上返済のしやすさも含めて自分に合うかを確認しましょう。
また、全期間固定のフラット35だけでなく、変動金利や独自の長期固定を扱う民間の住宅ローン(保証料・事務手数料0円や団信が手厚いSBI新生銀行など)も、諸費用・団信を含めた総コストで一度比較してみると、自分にとって本当に有利な選択肢が見えてきます。金利が上昇している今だからこそ、表面金利だけでなく総支払額で冷静に見比べることが大切です。
