
住宅ローンの借り換えを考えるとき、低金利と諸費用のわかりやすさで人気を集めているのがSBI新生銀行のパワースマート住宅ローンです。保証料0円・一般団信0円・一部繰上返済手数料0円といった「無料サービスの手厚さ」に加え、他の金融機関からの借り換えを対象にした優遇キャンペーンやプログラムを時期に応じて実施しています。
この記事はもともと2022年6月に始まった借り換えキャンペーンを解説したものですが、その2022年のキャンペーンはすでに終了しています。現在のキャンペーン内容(優遇金利・期間・条件)は時期によって変わるため、最新の内容は下記の表示や公式サイトでご確認ください。あわせて、借り換えで失敗しないための事務手数料・団信・金利タイプの選び方(総コストの考え方)を、いまの商品内容に沿って整理します。
SBI新生銀行の借り換え向け優遇キャンペーン・プログラムとは?
SBI新生銀行は、他の金融機関からパワースマート住宅ローンへ借り換える人を対象に、内容を入れ替えながら優遇キャンペーンやプログラムを継続的に実施しています。過去には選択した金利タイプに応じて当初借入金利を引き下げる形式が中心でした。
優遇の幅・対象・期間は実施時期によって異なります。現在の優遇内容・申込期間・融資実行期限は、上の案内または公式サイトで必ず最新をご確認ください。なお同行では、1つの取引に対して適用できるキャンペーン・プログラムが複数ある場合、原則としてどれか1つを選ぶことになります(同時適用が可能なものが用意される場合もあります)。「あれもこれも重ねて適用できる」とは限らない点は、借り換えの試算をする前に押さえておきましょう。
【キャンペーン・プログラムの基本的な仕組み(例)】
キャンペーン期間中に他の金融機関からSBI新生銀行のパワースマート住宅ローンへ借り換えると、選択する金利タイプや所定の条件に応じて、当初借入金利の引き下げなどの優遇を受けられます。
- 対象:変動金利(半年型)タイプ/当初固定金利タイプ/長期固定金利タイプ のいずれかを選択
- 主な条件(例):他行からの借り換えであること、借入金額が500万円以上であること(ペアローンは合算で500万円以上)など
※ 具体的な引き下げ幅・申込期間・融資実行期限・参加条件は時期により異なります。最新は公式サイトでご確認ください。
SBI新生銀行
事務手数料・諸費用は「定率2.20%」に一本化
借り換えの総コストを左右するのが事務取扱手数料です。SBI新生銀行はかつて「定額型(55,000円〜)」と「定率型(借入金額×2.20%)」がありましたが、変動金利(半年型)の手数料定額型は2024年10月31日で新規取扱を終了し、2024年11月1日以降は手数料定率型のみの取り扱いになりました。
現在の商品説明書でも、事務取扱手数料は借入金額の2.20%(税込)と明記されています(2026年3月2日現在)。借り換え時にかかる主な費用は次のとおりです。
| 費用の種類 | SBI新生銀行の取り扱い | ひとこと |
|---|---|---|
| 事務取扱手数料 | 借入金額の2.20%(税込) | 借入2,000万円なら44万円。総コストの中心 |
| 保証料 | 0円(不要) | 保証会社を使わない仕組み |
| 団体信用生命保険料 | 0円(銀行が負担) | ガン団信のみ金利+0.100% |
| 一部繰上返済手数料 | 0円 | ネットバンキングで1円から。期間短縮型のみ |
| 全額繰上返済手数料 | 0円 | 電話(パワーコール)で申し込み |
| 印紙税 | 電子契約なら0円 | 代わりに電子契約利用手数料5,500円(税込) |
| 抵当権設定登録免許税・司法書士報酬 | 実費(自己負担) | 金額は借入額・物件で変わる |
| 火災保険料 | 実費(加入必須) | 完済まで継続加入が条件 |
※返済が遅延した場合は年14%(1年365日の日割計算)の遅延損害金がかかります。
かつての「事務手数料0円〜」を前提にした選び方はできなくなったため、借り換えで減る利息と、借入額×2.20%(税込)の事務手数料・登記費用などを差し引いた“手取りの効果”で判断するのが、いまのSBI新生銀行の借り換えを考えるうえでの基本です。
金利タイプは3種類(+「5年ルール・125%ルール」を採用していない点は必ず確認)
SBI新生銀行の商品説明書・お客様ご説明資料(いずれも2026年3月2日現在)によると、パワースマート住宅ローンの金利タイプは「変動金利(半年型)タイプ」「当初固定金利タイプ」「長期固定金利タイプ」の3種類です。※以前の記事などで見かける「変動フォーカス」という区分は現在の商品説明資料には記載がありません。取扱商品の最新のラインアップは公式サイトでご確認ください。
| 金利タイプ | 借入期間(借り換えの場合) | 特徴 |
|---|---|---|
| 変動金利(半年型)タイプ | 5年以上35年以内 | 年2回(5月1日・11月1日が基準日)に利率を見直し。利率変更時に当初固定へ切り替え可(手数料5,500円・税込) |
| 当初固定金利タイプ | 5年以上35年以内 | 1・3・5・7・10・15・20年から選択。期間終了後は自動的に変動金利(半年型)へ |
| 長期固定金利タイプ | 21年以上35年以内 | 完済まで金利固定。借入時の年齢が59歳未満であることが条件。途中で他タイプへ変更不可 |
そして、借り換えを検討する人がいちばん見落としやすいのがここです。
SBI新生銀行の住宅ローンは、変動金利にありがちな「5年ルール」「125%ルール」を採用していません。同行のお客様ご説明資料には、変動金利(半年型)タイプおよび当初固定金利タイプに共通の留意事項として、次のように明記されています。
- 毎月返済額は、適用利率が変更されるたびに変更されます(返済額を5年間据え置く「5年ルール」は採用していない)。
- 返済額の変更幅に上限も下限もありません(見直し後の返済額を前回の1.25倍までに抑える「125%ルール」も採用していない)。
つまり金利が上がれば、その分だけ次の見直しで毎月の返済額がそのまま増えます。5年ルール・125%ルールは「返済額の増加を先送りする」仕組みであり、採用していないことは一概に不利とは言えません(先送りされた利息が未払利息として積み上がることもないため)。ただし家計の側で「返済額が半年ごとに動く前提」で備えておく必要があるのは確かです。低い金利だけを見て借り換え、金利上昇時の返済額増をそのまま受ける形になっていないか、必ず確認してください。
※同社の資料には、借入3,000万円・期間30年・当初3年間を年3.000%で借りた場合の試算例として、4年目以降の適用利率が年4.000%になれば毎月返済額は約12.6万円から約14.1万円へ(+約24.9%)、年5.000%なら約15.8万円へ(+約38.4%)増える例が示されています。
SBIハイパー預金の開設で年0.090%引き下げ(対象外の取引に注意)
SBI新生銀行では、「SBIハイパー預金」を開設している人が「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」を借り入れる場合、当初借入金利から年0.090%を引き下げる金利優遇プログラムがあります。借り換えも対象で、金利タイプの変更がなければ当初借入金利適用期間の終了後も引き下げ幅は継続します。
ただし、次の取引は対象外です(2026年3月2日現在)。
- 提携不動産経由での住宅ローン、つなぎ融資
- 当初固定金利・長期固定金利(=変動金利〈半年型〉を選ぶことが条件)
- 他の住宅ローンのキャンペーンおよびプログラム、自己資金10%以上金利優遇を利用中の方
参加には本審査後、住宅ローンの契約手続き内容が確定するまでにSBIハイパー預金を開設していることが必要です。SBI証券口座の開設を伴うため反映に時間がかかることがあり、早めに手続きを進めるのが安全です。参考として、当社が2026年8月に確認した時点では、借り換えの変動金利(半年型)は年1.080%、この優遇の適用後で年0.990%でした。金利は毎月見直されるため、実際の適用金利は必ず公式サイトでご確認ください。
団信は3プラン ── 保障を厚くしても金利が上がらない枠がある
諸費用と並んで総支払額を動かすのが団信です。SBI新生銀行では次の3プランから選びます(お客様ご説明資料・2026年3月2日現在)。
| プラン | 上乗せ金利 | 主な保障 | 加入年齢の条件 |
|---|---|---|---|
| 一般団信 | なし(0円) | 死亡・高度障害+リビングニーズ特約+重度がん保険金前払特約 | 完済時80歳未満 |
| 全疾病保障付団信 | なし(0円) | 一般団信+就業不能保障特約(就業不能時に返済額を保障、一定期間超で残高0円) | 借入時点で満50歳未満 |
| ガン団信 | 年+0.100% | 死亡・高度障害+がん診断確定で残高0円+リビング・ニーズ特約 | 借入時点で満50歳未満 |
注目したいのは、全疾病保障付団信が上乗せ金利0円で選べる点です。就業不能保障は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中・高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の8疾病なら就業不能状態が12か月を超えて続いた場合に残高相当額が保険金で支払われ、8疾病以外の病気やケガでも3か月経過後から24か月を超えて続いた場合に同様の保障が働きます。
一方で、ガン団信は上乗せ0.100%がかかります。借入2,000万円・期間25年なら、0.100%の差は総支払額で数十万円規模になります。「がんへの備え」と「上乗せ0円で就業不能まで広くカバーする」のどちらを取るかは、既に加入している医療保険・就業不能保険との重複も踏まえて決めるのが合理的です。なお借入日から90日以内に生じた就業不能・がん診断は保障の対象外である点、借入後に保障内容を変更できない点にも注意してください。
借り換え特有の「条件のズレ」を先に確認する
借り換えは新規購入と条件が違う部分があり、ここを知らずに試算すると計画が崩れます。
- 借り換えの借入期間は最長35年:変動金利(半年型)で50年まで選べるのは住宅購入・建設資金の場合で、住宅ローン借換資金は5年以上35年以内です(完済時年齢80歳未満も条件)。
- SBI新生銀行で借入中の人は、同行内での借り換えはできません。
- 一部分だけの借り換えはできません(現在のローンを全額借り換える形になります)。
- 借入金額は500万円以上3億円以下(10万円単位)。残高が500万円を下回っていると利用できません。
- 返済期間が10年未満になると住宅ローン控除の対象外になります。借り換えで期間を短くする場合、また繰上返済で期間短縮する場合は要注意です。
- 申し込みから融資実行まで1か月半以上かかることがあります。現在のローンの繰上返済手数料・抵当権抹消費用も別途必要です。
属性別 ── 申し込みの前に自分の条件を確かめる
SBI新生銀行の商品説明書には、申込資格が具体的に書かれています。年収や働き方に不安がある人ほど、ここを先に読んでおくと無駄がありません。
- 会社員・契約社員:前年度の税込年収が300万円以上の正社員または契約社員であることが条件です。
- 自営業・個人事業主:業歴2年以上、かつ2年平均で300万円以上の所得(経費控除後)が必要です。所得を圧縮した申告をしていると条件を満たさない可能性があるため、直近2期の確定申告書で確認しておきましょう。
- 年齢:借入申込時20歳以上65歳以下、完済時80歳未満。長期固定金利タイプはさらに借入時59歳未満が条件です。
- 国籍:日本国籍または永住許可が必要です。永住許可がない場合は、配偶者が日本国籍または永住許可を有し、その配偶者が連帯保証人になることが条件になります。
- ペアローン・収入合算:どちらも取り扱いがあり、ペアローンでは相互に連帯保証人となります。
なお連帯保証人は原則として不要(収入や担保の状況によって必要になる場合あり)で、SBI新生銀行は原則として事前審査(仮審査)を行わず、本審査で完結するのが特徴です。他行と併願するなら、他行側の仮審査を先に済ませておくと段取りがよくなります。
どの金利タイプを選ぶ?(総コストと家計の耐性で考える)
2026年6月に日本銀行が政策金利を1.0%程度へ引き上げ、7月の金融政策決定会合は据え置きとなりました。2026年8月27日には氷見野副総裁が埼玉県金融経済懇談会で「最近の金融経済情勢と金融政策運営」と題した挨拶を行っています。先々の金利は毎回の決定会合で判断されるもので、いま確定しているわけではありません。だからこそ、借り換え先の選び方は「予想を当てる」よりも「どちらに転んでも耐えられる形にする」が現実的です。
- 金利の低さを最優先する人:変動金利(半年型)。SBIハイパー預金の開設で年0.090%の引き下げも受けられます。ただし5年ルール・125%ルールがないため、金利上昇がそのまま返済額に反映されます。半年ごとに返済額が動く前提で家計に余裕を持たせられることが条件です。
- 数年先までの返済額を固めたい人:当初固定金利タイプ。1〜20年から選べます。ただし固定期間が終われば自動的に変動金利(半年型)に移り、そこから先はルールなしの見直しになります。「固定が切れたあと」の返済額まで試算しておきましょう。
- 完済まで返済額を確定させたい人:長期固定金利タイプ、または全期間固定のフラット35。金利水準は高くなりますが、返済額は動きません。
当サイトの視点で大切なのは、表面金利の低さだけで決めず、事務手数料(借入額×2.20%)・登記費用・団信・返済額ルールまで含めた「総コストと家計の耐性」で選ぶことです。残高が多く、残期間が長く、現在の金利との差が大きいほど、低金利の効果が事務手数料を上回りやすくなります。SBI新生銀行のサイトに借り換えシミュレーターがあるので、ご自身の借入額・期間で一度試算してみることをおすすめします。
よくある質問(SBI新生銀行の借り換え)
Q. 2022年6月のキャンペーンはまだ使えますか?
A. 使えません。2022年6月に始まった借換キャンペーン(申込期限2022年12月16日・融資実行2023年2月28日まで)は終了しています。SBI新生銀行はその後も内容を変えながら借り換え向けのキャンペーン・プログラムを実施しているため、現在の優遇内容は公式サイトでご確認ください。
Q. 事務手数料が0円のタイプはありますか?
A. 現在はありません。変動金利(半年型)の手数料定額型は2024年10月31日で新規取扱を終了し、2024年11月1日以降は事務取扱手数料は借入金額の2.20%(税込)の定率型に一本化されています。一方で保証料0円・団信保険料0円・繰上返済手数料0円は維持されています。
Q. 変動金利で借り換えたあと、金利が上がったら返済額はいつ増えますか?
A. SBI新生銀行の変動金利(半年型)タイプは、毎年5月1日・11月1日を基準日として年2回利率を見直し、新しい利率は基準日の翌月(6月・12月)の約定返済日翌日から適用されます。5年ルール・125%ルールを採用していないため、適用利率が変わればその都度、毎月の返済額も変わります。返済額の増加幅に上限はありません。
Q. いま借り換えると得をするのはどんな人ですか?
A. 一般に「借り換え後の金利差が年1%以上・住宅ローン残高が1,000万円以上・返済期間が10年以上」の3条件を満たすほど効果が出やすいとされ、SBI新生銀行の公式サイトでも同様の目安が示されています。ただし同行は事務手数料が借入額×2.20%(税込)かかるため、利息の軽減額からこの諸費用と登記費用を差し引いた“手取りの効果”で判断しましょう。
Q. 借り換えで返済期間を延ばせますか?
A. 借り換え時に期間を組み直すことは可能ですが、借り換え資金の借入期間は5年以上35年以内で、完済時年齢80歳未満という条件もあります。期間を延ばせば毎月の返済額は下がりますが、総支払額は増えます。また返済期間が10年未満になると住宅ローン控除の対象から外れる点にも注意してください。
SBI新生銀行の住宅ローンの商品性の詳細は、「SBI新生銀行の住宅ローンの落とし穴やデメリットを徹底解説」も参考にしてください。
※内容の正確性には万全を期していますが、金利・手数料・キャンペーン内容は変わります。詳しくは各金融機関の公式サイトから必ずご確認ください。
