国税庁が発表した令和2年分の「民間給与実態統計調査」によると日本には5,900万人あまりの給与所得者(正規雇用、非正規雇用を含む)がいるとされており、男女合算の平均年収は433万円とされています。

「民間給与実態統計調査」によると35歳程度で年収500万円を突破し、40代前半で500万円台後半に昇給していくことがわかります。

本ページを閲覧いただいている方は年代を問わず年収500万円台の方々で、住宅ローンを借りることを検討されていると思います。

本ページでは年収500万円台の方の月々の返済額、平均・適正の借入額、いくらまで借りれるのか、住宅ローン控除など、マイホーム購入や住宅ローン借り換えをお考えの方に少しでも有意義な情報を提供できれば幸いです。長文ですが最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

民間給与実態統計調査(年齢階層別の年収)

引用;国税庁

 

年収500万円で申し込みができる金融機関は?

早速ですが、年収500万円の方々が利用できる住宅ローンを見て行きたいと思います。国内主要な金融機関の中でもっとも年収基準が厳しいソニー銀行でも年収400万円以上あれば申し込み可能となっており、年収500万円あれば審査に申し込めない金融機関はなさそうです。

年収職業・雇用形態勤続年数年齢
auじぶん銀行のロゴ画像です200万円個人事業主も可能規定なし(個人事業主、会社役員は3年)満18歳以上満65歳未満、完済時年齢80歳
ARUHIのロゴ画像です
100万円程度でも可能パート、アルバイト、個人事業主、契約社員、派遣社員、会社役員も可能規定なし(個人事業主、会社役員は2年)70歳未満、完済時年齢が満80歳未満
ジャパンネット銀行のロゴ画像です200万円以上正社員、契約社員規定なし20歳以上65歳未満で、完済時に80歳未満の方
300万円以上個人事業主、契約社員、会社役員も可能2年以上20歳以上65歳未満、完済時年齢が満80歳未満
100万円以上個人事業主、契約社員、派遣社員、会社役員も可能半年以上(個人事業主、会社役員は3年)満20歳以上71歳未満、完済時年齢が満80歳未満
ソニー銀行のロゴ画像です400万円以上個人事業主、会社役員(経営者)も可能規定なし(個人事業主、会社役員は3年)満20歳以上満65歳未満、完済時年齢が満80歳未満
三菱UFJ銀行のロゴ画像です200万円以上個人事業主も可能1年(個人事業主、会社役員は3年)65歳6ヶ月未満で、完済時年齢が満80歳未満
みずほ銀行のロゴ画像です安定かつ継続的な収入があること個人事業主・契約社員・派遣社員も可基準なし(個人事業主・法人代表は2年以上)満20歳以上71 歳未満、完済時年齢が満81歳未満
三井住友銀行のロゴ画像です安定かつ継続的な収入があること個人事業主・契約社員・派遣社員も可基準なし(個人事業主・法人代表は3年以上)満20歳以上70 歳未満、完済時年齢が満80歳未満

 

年収500万円台のみんなの平均的な住宅ローン借入額は?

ARUHIなどの民間金融機関と提携し、フラット35を提供している住宅金融支援機構が平均的な住宅ローン借入額を計算できる調査を行っています。

「民間住宅ローン利用者」の実態調査における返済負担率であり、この調査項目によると全体の7割以上の住宅ローン利用者が20%以下に抑えています。これは年収500万円の方であれば年間の住宅ローン返済額を100万円以下にしているという意味合いです。

返済負担率というのは年収に締めるローンの返済割合を示したものです。

では、返済負担率を20%で35年ローン返済前提で変動金利にて住宅ローンを組んだ場合の平均的な借入額を算出してみたいと思います。

変動金利についてはとあるネット銀行で借り入れをする場合のシミュレーションとなります。

年収500万円台ですと3,000万円から3,800万円が平均的な借り入れ額といえるでしょう。

年収

年間返済額(月々の返済額)

想定される平均的な借入額
500万円

100万円(約8.3万円)

約3,100万円
520万円

104万円(約8.6万円)

約3,2500万円
540万円

108万円(9万円)

 約3,490万円
560万円 

112万円(約9.3万円)

 約3,600万円
580万円

116万円(約9.6万円)

 約3,880万円

 

年収500万円台の適正および上限となる住宅ローン借入額は?

金融機関の年収500万円台の方の返済負担率の上限は35%とされています。前述の平均値20%以下とは大きな乖離がありますね。

返済負担率の説明

では実際に返済負担率35%で計算するとどの程度の借り入れが可能なのでしょうか?住宅ローン審査に最も寛容といえる公的な住宅ローンフラット35より借入れ可能額を算出してみました。

より細かい年収で計算したい方はARUHIの公式サイトを確認をお願いします。 https://www.aruhi-corp.co.jp/service/simulation/

ARUHIフラット35の2021年12月の適用金利1.330%より算出しています。

税込み年収で住宅ローンの借り入れ限度額を試算

税込み年収上限月々の返済額
500万円4,894万円約14.6万円
520万円5,090万円約15.1万円
540万円5,286万円約15.7円
560万円5,482万円約16.3万円
580万円5,578万円約16.9万円

年収540万円は税込みですので、手取りであれば420万円程度となり、月々では35万円あまりですね。

35万円の手取りから毎月15万円以上も住宅ローン返済をすると家計が厳しいことんありそうですね。

マイホームを購入するということは月々の住宅ローンの返済だけではありません。毎年発生する固定資産税、火災・地震保険などの費用のほかに、マンションであればこれに管理費・共益費、修繕積立金が必要になりますので、これらを含めると手取りの50%は住宅関連費用として消えていくことになります。これはやはり現実的ではないでしょう。

 

手取り年収で住宅ローンの借り入れ限度額を試算

では、手取りベースで借入限度額を算出するとどうなるのでしょうか。

計算にあたってはこちらも楽天銀行フラット35の2021年12月の適用金利1.330%より算出しています。

年収上限月々の返済額
500万円(手取り400万円)3,915万円約11.6万円
520万円(手取り410万円)4,013万円約11.9万円
540万円(手取り420万円)4,111万円約12.2万円
560万円(手取り440万円)4,307万円約12.8万円
580万円(手取り450万円)4,405万円約13.1万円

いかがでしょうか。税込み年収と手取り年収ベースの借り入れ限度額では1,000万円以上の差異があることが分かります。

 

結果、金融機関が提示する借り入れ可能額と実際に返済している金額では違うということが理解いただけれると思います。

考え方としては

①税込み年収の20%の返済負担額の上限と考える

②手取りの年収を用い金融機関が提示する借入れ可能額を算出する

が適正といえ、間違いなさそうですね。

 

【判定】年収500万円台の住宅ローン借入額を判定!

インターネット上ではご自身の「年収+借り入れ可能額」で検索し、情報を得る方が多いようです。またそういったテーマのブログも多く目にします。

せっかくですので、今回は実際のインターネットユーザーが検索している「年収400万円+○○○○万円」というキーワードごとに借り入れ可能なのかを判定したいと思います。

※いずれも頭金なしを前提で試算しています。

 判定コメント
年収500万 住宅ローン 2000万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収500万 住宅ローン 2500万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収500万 住宅ローン 2700万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収500万 住宅ローン 3000万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収500万 住宅ローン 3500万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収500万 住宅ローン 4000万年収500万円台後半であれば可能と思われます。

 

年収500万円で頭金なしの住宅ローンは避けるべき?

都市伝説のように住宅購入時には20%程度の頭金が必要とされています。

実際はどうなのでしょうか?住宅金融支援機構が発表しているフラット35利用者の実態調査によると、建売住宅を購入する場合の頭金は約10%、マンションを購入する場合の頭金は約20%となっています。

あくまで平均値でみると頭金を用意するのが一般的ですが、auじぶん銀行のように金利が変わらずに住宅ローン融資事務手数料や不動産屋の仲介手数料なども住宅ローンとして借り入れ可能な金融機関が増えており、頭金なしでもマイホームを購入できるようになっています。

過度に頭金があるか無いかよりも継続的な返済が可能か?マイホームを購入するタイミング、物件の妥当性などを優先的に考えられてはいかがでしょうか?

 

年収500万円台の方々が選んでいる人気の住宅ローンとは?

年収500万円以上であれば国内ほぼすべての住宅ローンの審査に申し込むことが可能です。過剰に住宅ローン審査を心配する必要も無いと思われますので、低金利、疾病保障などメガバンクでは実現できていない高いコストパフォーマンスの住宅ローンの是非選んでみてはいかがでしょうか。

住宅ローン申し込み時にはぜひ複数の住宅ローンに申し込み、仮審査を通過した後複数の金融機関からご自身が納得いくものを申し込むようにしたいですね。

 

がんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分に減額されるauじぶん銀行の住宅ローン

ネット専業銀行のauじぶん銀行が提供している、住宅ローン契約の手続きがネット完結型になっている住宅ローン。

auじぶん銀行の住宅ローンの特徴はがんと医師に診断されるだけで住宅ローン残高が半分になる疾病保障が無料で付帯される点です。

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がんへの備えが徹底できるソニー銀行の住宅ローン

ソニー銀行の住宅ローンは無料でがん団信50が付帯されますが、0.1%の金利上乗せで「がん団信100」へのアップグレードが可能です。

「がん団信100」はがんと診断されると100万円の給付金が支給されるとともに住宅ローン残高がゼロになり、がん先進医療給付金もついておりがん保険の代替にもなりえるものです。

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ソニー銀行のがん100%保障の内容

 

すべてのケガや病気を保障する全疾病保障を無料で付帯する住信SBIネット銀行

メガバンクに次ぐ住宅ローンシェアを拡大しているのが住信SBIネット銀行。2021年8月には住宅ローンの累計取扱額7兆円を突破し、勢いに陰りはありません。

低金利はもちろんすべての病気や怪我を保障する全疾病保障を無料で付帯させています。

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全疾病保障の説明図です

 

年収500万円台の住宅ローン控除

住宅ローン控除は納めた所得税や住民税が住宅尾ローン残高に応じて還付される仕組みです。具体的には住宅ローン残高の1%(年間40万円)まで控除が受けれます。

ただし、ここで重要なのは住宅ローン控除は納めた税金が還付される仕組みであること。

では、年収500万円台の方はどの程度の税金を納め、また住宅ローン控除を得ることができるのでしょうか。

住宅ローン減税(控除)の仕組み

年収500万円台の方が住宅ローンを3,500万円組んだ場合の初年度の住宅ローン控除(減税)で還付される金額を試算してみました。

【前提】扶養家族2名(配偶者および18歳未満の子供1名)、生命保険・地震保険、個人年金などの保険控除、医療費控除、ふるさと納税が無いものとする。 

年収納める所得税納める住民税住宅ローン控除額・還付(減税額)使えない枠
500万円約10万円約21万円約26.9万円(所得税10万円+住民税16.9万円)約8.1万円
520万円約11万円約22万円約28.8万円(所得税11万円+住民税17.8万円)約6.2万円
540万円約12万円約23万円約30.7万円(所得税12万円+住民税18.7万円)約4.3万円
560万円約14万円約25万円約33.6万円(所得税14万円+住民税19.6万円)約1.4万円
580万円約15万円約26万円約35万円(所得税15万円+住民税20万円)0万円

※住民税からの還付は課税所得の7%が上限となります。