
※本記事は、損害保険料率算出機構が公表した2016年度の地震保険付帯率にもとづく内容です。 損害保険料率算出機構は28日、2016年度に火災保険を契約した人のうち、地震保険に入る割合(付帯率)が全国平均で62.1%だったと発表しました。2015年度比で1.9ポイント増え、全都道府県で上昇しています。2016年4月に発生した熊本地震を教訓に、地震保険への認知が高まっているのが要因とみられます。 都道府県別にみると、2015年度と比べて伸び率が最も高かったのは熊本で10.5ポイント増、長崎は5.8ポイント増、佐賀は5.4ポイント増となり、熊本地震により九州全域で「保険で備える」という意識が高まり加入が増えています。 付帯率が70%を超えたのは9県で、最も高かったのは宮城の86.4%となっています。全国では付帯率は着実に増えていますが、地震保険に入っている世帯の割合は3割程度に留まっています。
なお、ここでいう付帯率は「その年度に新たに契約された火災保険のうち、地震保険を付帯した割合」です。これに対して「全世帯のうち地震保険に加入している割合(世帯加入率)」は3割程度という意味で、両者は異なる指標です。
地震保険とは政府が主導する保険
住宅を購入すると火災保険に加入する必要がありますが、火災保険では地震・噴火・津波によって生じた火災による損害は免責事由として補償されません。それは大規模な地震が発生した場合に、保険会社の支払能力を超える保険金が必要になるからです。かといって保険料を値上げすれば加入する人はいないでしょうし、そもそも地震の規模や発生時期・場所、被害規模を予測できないため保険料も算出できません。つまり、民間だけでは保険商品として成立しにくいものなのです。
しかし
地震やそれに伴う災害による被災者の生活の安定を目的として、民間保険会社が負う地震保険責任のうち一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することで成り立っているのが地震保険です。 地震保険は、建物は5,000万円まで、家財は1,000万円までの上限がありますし、同等の物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、使用による消耗分および経年劣化分を控除して算出した金額が補償の対象となるため、家が全損した場合でも購入金額の全てが補償されるわけではありません。
しかし万が一地震で家が全損となった場合には、購入金額の一部でも保険で戻ってくることが生活の再建に重要なことは言うまでもありませんね。地震保険は使用による消耗分および経年劣化分を控除して算出した金額が補償の対象であるため、特に家を新築した場合や、まだ住宅ローン残高が多く残っている方は、火災保険と合わせて加入しておくべき保険です。