この記事では、フラット35を取り扱う金融機関の中でも、特に実績もあり有名なSBIアルヒと楽天銀行のフラット35について金利や事務手数料を比較しながら解説しています。

 

フラット35は、住宅ローンの契約期間中の金利を固定する超長期の固定金利タイプの住宅ローンです。今、人気を集めている変動金利タイプの住宅ローンと比べると金利は高くなってしまいますが、フラット35の場合、完済までの金利が最初から確定できるという大きな安心感があります。20年後の金利も30年後も金利も確定しているわけです。

 

一度契約してしまえば、世の中の金利がどんなに上昇しても、住宅ローンの金利があがったり、返済額があがることはありません。

 

また、フラット35は一般的な銀行が提供している住宅ローンよりも通りやすい審査基準が定められていると言われており、自営業、個人事業主、会社経営者、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなど、住宅ローンの審査では不利と言われる働き方でも利用しやすい存在です。

 

 

フラット35

 

300社を超えると言われているフラット35取扱金融機関の中で14年連続でフラット35の融資実行件数で圧倒的な1位を維持しているのは住宅ローン専門の金融機関(モーゲージバンク)のSBIアルヒです。

 

楽天銀行とSBIアルヒの「フラット35」の違いは?

最初に「金利」と「手数料」の違いについて確認しておきましょう。

「フラット35」の金利は?

「フラット35」の金利は毎月変わります。毎月、住宅金融支援機構が定める一定のルールに沿って提携している各金融機関が決定します。

本来であれば金融機関によって金利が違うのですが、金利引き下げ競争が進んだ結果、大半の金融機関の金利が横並びです。

 

金利水準が横並びなのは、「機構買取型」と呼ばれる一般的なフラット35です。国内で数社しか取り扱っていない「機構保証型」というフラット35は通常のフラット35よりも低い金利で提供されているため、普通のフラット35より低い金利になっています。例えば、「ARUHIスーパーフラット」というSBIアルヒ独自の商品で、フラット35取り扱い件数でダントツ1位のSBIアルヒが独自で提供している住宅ローンで、通常のフラット35よりも低い金利で借り入れできるケースが大半です。

 

ARUHIは14年連続でフラット35の取り扱い件数1位を獲得している最大手ですが、この実績を残すことができている最大の理由は「ARUHIスーパーフラット」という独自のフラットを開発・提供していることです。

ARUHIスーパーフラットの特徴
  • 自己資金の割合次第で金利が下がる
  • 団信に加入しない場合の金利の引き下げ幅が大きい(年0.28%も低い金利で借りることができる)
  • ワイド団信にも加入可能
  • フラット35Sの優遇制度にも対応

 

ARUHIスーパーフラットの審査の基準は通常のフラット35とほとんど変わりませんが、自己資金の割合条件など商品性は大きく違います。商品を決定する前にSBIアルヒが独自に提供しているARUHIスーパーフラットの金利水準や商品性も確認しておくようにしましょう

アルヒ(ARUHI)のスーパーフラットの金利比較
商品名借入期間金利
(団信加入なし)
金利
(団信加入あり)
フラット35
(借入額の占める割合が90%以内の場合)
21年~35年1.620%1.840%
スーパーフラット515年~35年1.400%1.680%
スーパーフラット61.410%1.690%
スーパーフラット71.420%1.700%
スーパーフラット81.430%1.710%
スーパーフラット91.550%1.830%
スーパーフラット借換1.550%1.830%
2024年11月の金利

 

「フラット35」の事務手数料は?

次に事務手数料について確認していきましょう。

先ほど解説した金利と同じように事務手数料もそれぞれの金融機関が決定しています。この事務手数料は金融機関の重要な収益源とも言えますし、私たちフラット35の利用者の視点では、住宅ローン利用時の諸費用の大半を占める大きなコストです。

楽天銀行は、新規借入で楽天銀行を返済口座に指定すると借入額の1.10%(税込)※1、借り換えならば0.99%(税込)※1、ARUHIは新規借入でも借り換えでもWEBからの申込み・契約で借入額の1.10%(税込)※2となっています。WEBから申し込む分にはほぼ同じ手数料水準と言えます。

※1 楽天銀行で手数料を割り引くには返済口座を楽天銀行に指定する必要があります。最低事務手数料110,000円(税込)

※2 ARUHIスーパーフラットの借り換えを除く、最低事務手数料220,000円(税込)

 

審査時間は?

次に申し込んでから契約を締結するまでの期間、つまり、審査にかかる時間について確認しておきましょう。

 

審査に時間がかかって物件購入が遅れたり、お気に入りの物件を他者に先を越されることもあるので審査時間については事前に確認して手続きを進めることが重要です。

 

楽天銀行は、事前審査は8日~11日本審査は7日~14日を目安としてます。ARUHIは、WEBから申込みの場合、事前審査は最短で当日本審査は1~2周間程度です。店頭申込の場合も事前審査は最短で当日本審査は最短で3営業日とかなりのスピード審査を実現しています。購入希望の物件を他者に越されないという意味では、楽天銀行の利用は難しく、ARUHIの店頭での審査を活用したほうが良いですね。

 

また、有料サービスとなりますが申込受付から最短3営業日で融資実行まで行うARUHIファストパスというサービスも提供しています。ファストパスの利用には22万円(税込)が必要で、取り扱いはアルヒの直営店舗など限られた店舗のみとなっていること、また店舗での審査・手続きが前提なので事務手数料は2.20%(税込)となることなど注意が必要です。ファストパスを利用することでかなり多くの手数料を支払う必要がでてきますので、住宅ローンの申し込みは余裕を持ったスケジュール感で進めていくようにしましょう。

 

とにかく早く審査を終わらせたいという方は事前審査をすぐにARUHIダイレクトで行い、本審査を店舗で行うのが良いでしょう。

 

このように、審査スピードの早さではARUHIが圧倒的な印象です。

ARUHIダイレクトの仮審査

専門スタッフに悩みを相談したいときは?

住宅ローンは借りる金額も大きく、物件や職業・収入・家族構成など条件のパターンも複雑で、住宅ローンのプロに相談しながら申し込みたいという人は今でもたくさん存在しています。

 

楽天銀行は店舗がないネット銀行なので店舗では相談はできません。その代わりZoomとSkypeを使った「オンライン住宅ローン相談」を実施しています。

 

この点でも強みがあるのはSBIアルヒで、SBIアルヒは全国の住宅ローン取り扱い店舗で対面で相談できるのが大きな魅力です。楽天銀行のようにビデオチャットでの相談も可能です。

ARUHIのビデオチャット相談

不安な点の相談や住宅ローンのシミュレーション・書類の記入方法や準備すべき書類の詳細などまとめて専門の担当者と話せるのは手続き上は非常に便利です。

 

「フラット35」金利と事務手数料の比較のまとめ

楽天銀行とSBIアルヒ・それぞれについてポイントを整理しておきましょう。

 

楽天銀行「フラット35」のポイント

金利も諸費用も業界最低水準だが「独自のフラット35(保証型)」を提供していない

無料の「オンライン相談」で平日土日の夜22時まで相談が可能

・審査にはやや時間がかかる

 

楽天銀行の「フラット35」の場合は、楽天市場で使用できるポイント「楽天スーパーポイント」のプレゼントキャンペーンやポイントが貯まりやすくなるサービスも忘れてはいけません。

 

SBIアルヒの「フラット35」のポイント

金利・諸費用どちらも最低水準・保証型のフラット35はさらに低金利

圧倒的に審査スピードが早い(店舗での審査の場合)

全国に店舗がある

実店舗での対面相談や「ビデオチャット」での相談も可能で安心

さらに自己資金の割合でより低い金利で借りれを行えるSBIアルヒ スーパーフラット「フラット35」よりも低金利で借り入れることが可能です。
それだけでなく子育て支援型・地域活性化型など幅の広いタイプの「フラット35」を扱っているのもSBIアルヒの特徴です。

なお、SBIアルヒでは2022年8月1日からフラット50の取り扱いも開始しており、借り入れ期間を延ばすことで月々の返済が抑えらたり、親子で住宅ローンを返済してくことが可能となります。

フラット50

 

「フラット35」は低水準で推移

「フラット35」の金利は一時期に比較すると上昇傾向にありますが、14年前の2.5%を超えている時代を感じるとまだ低水準で推移しています。世界的なインフレによる利上げの影響を受けて日本の長期金利も上昇傾向となっており、足元では変動金利から固定金利への借り換えを行う方も出始めています。

フラット35は返済終了まで金利が変わらないからこそなるべく低い金利で借りることで返済額も減らすことが可能になります。更にどうしても気になる「金利上昇リスク」が一切ないことも「フラット35」の特徴の一つです。低金利の状況下では固定金利にして、高金利の状況下では変動金利を選択するという教科書どおりの考え方であれば、相対的に金利が低い今こそ「フラット35」での借り入れを考えるときかもしれません。

フラット35の金利推移

 

金利が非常に魅力的な水準で審査時間の短いSBIアルヒがおすすめ

楽天銀行とSBIアルヒのどちらの「フラット35」も最低水準の金利ですが、両者の大きな違いは審査にかかる時間です。

SBIアルヒでは、店舗を使った仮審査は最短で当日に回答、本審査についても最短で3営業日で回答と他にはないスピード感です。(審査を急ぎたい場合にはまずはARUHIダイレクトで審査の申し込みを行い、仮審査後は店舗で手続きを行うことをオススメします。)

申込みから審査の結果が出るまで、どうなるのか心配になるのは言うまでもありません。購入した住宅の引き渡し期限が迫ってくればなおさらです。そんなときに素早く審査の結果がわかるのがSBIアルヒです。

楽天銀行のフラット35の場合、仮審査で8~11日、本審査で7~14日、契約手続きで20~30日と借り入れ実行までおおよそ1ヶ月半程度の時間が必要になります。ARUHIの場合には店舗で手続きすれば最短3週間程度あれば融資実行まで可能になりますので決済をお急ぎの方には大きな違いとして感じられるでしょう。

「フラット35」での借入れを検討している方は14年連続でフラット35の融資実行件数で圧倒的な1位を維持しているSBIアルヒの「フラット35」をチェックしてみることをおすすめします。

 

SBIアルヒには「フラット35」よりも低い金利の「スーパーフラット」もあり

通常の「フラット35」はどちらも最低水準の金利で提供されていますが、SBIアルヒにはその通常の「フラット35」よりも金利が低い「スーパーフラット」が用意されています。

SBIアルヒの「スーパーフラット」とは「フラット35」(保証型)を用いたSBIアルヒ独自の商品で、自己資金の割合で8つの商品タイプがあり、金利は「フラット35」よりも低いことが大きな特徴の1つです。例えば、住宅ローンの借り入れ希望額が住宅購入価額の5割以下の場合、「スーパーフラット5」という商品を利用することができます。自己資金を出す予定の方で「フラット35」の借入先に迷っている方は、SBIアルヒの「スーパーフラット」を確認してみましょう。

 
楽天銀行とSBIアルヒは「フラット35」での借入れや借り換えを考えている方は絶対に申込み候補にするべき住宅ローンであることは間違いありません。

どちらもそれぞれに特徴があり、「フラット35」を利用するのであればどちらも申込んで万全の体制を整えておくのも良いかもしれませんが、現状では審査のスピード感や独自の「スーパーフラット」などを用意するSBIアルヒが一歩リードしている印象です。

「フラット35」の利用を検討している場合には、まずはSBIアルヒをチェックしてみることをおすすめします。