「フラット35」は、国土交通省が所管する独立行政法人・住宅金融支援機構が、銀行や住宅ローンの専門金融機関(モーゲージバンク)と提携して提供されている長期固定金利タイプの住宅ローンです。
長期固定金利住宅ローンは、住宅ローン契約時に返済終了までの借入金利・月々の返済額が確定する住宅ローンなので、金利上昇による返済額の増加リスクがなく、返済計画が立てやすいという特徴があります。一方で、変動金利タイプなど、金利変動リスクがある金利タイプよりも当初借り入れ時の金利水準が高いというデメリットがあります。
今回は記事では、そんな「フラット35」も仕組みや特徴をわかりやすく解説してきたいと思います。
目次
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住宅金融支援機構ってなに?
住宅金融支援機構は国土交通省の住宅局と財務省が所管していた住宅金融公庫という組織の業務を引き継いで、2007年に発足した独立行政法人です。
国土交通省が所管する行政法人として、国の戦略や意向に沿った住宅関連のサービスや事業を提供しています。
住宅金融公庫の時代は住宅ローンを直接貸す業務を積極的に行っていましたが、現在は窓口(フラット35の窓口)を提携する民間の金融機関(銀行など)にお願いする間接的な立場としての業務が大半を占めています。
「フラット35」の仕組み
住宅金融支援機構は住宅ローンを直接受け付けて貸しているわけではありません。 フラット35の窓口業務を担うのは銀行や信用金庫・モーゲージバンクなどの金融機関です。
それらの提携金融機関で「フラット35」を申し込むと、銀行は契約後にその住宅ローン債権を住宅金融支援機構に買い取ってもらう仕組みになっています。 住宅金融支援機構が金融機関からフラット35の債権を即座に買い取るので、一般的なフラット35は、正式名称でフラット35(機構買取型)と呼ばれています。
住宅金融支援機構は買い取った住宅ローン債権を提携の信託銀行に信託し、信託された債権を担保とする「貸付債権担保住宅金融支援機構債権」を投資家に発行しています。 発行された「貸付債権担保住宅金融支援機構債権」を投資家が購入して利益とリスクをとるという流れです。
住宅金融支援機構は、「フラット35」を取り扱っている数多くの民間金融機関から住宅ローン(フラット35)を買い取り、それを担保とする債券を発行することで長期の資金調達を行いながら、民間の金融機関が少し手を出しにくい長期固定金利の住宅ローンを一般消費者に提供するしくみを提供しているというわけです。
「フラット35」の特徴
続いて、「フラット35」の特徴をわかりやすく解説してきたいと思います。
1.金利が完済まで変わらない
フラット35は、完済まで金利が変わらない長期固定金利タイプの住宅ローンです。
毎月の住宅ローン返済額が固定できるので、中長期な家計の支出をコントロールしやすいというメリットがあります。
2016年に日銀が導入したマイナス金利政策で住宅ローンの金利は大幅に低下していますが、低金利下でこれから先30年以上の金利を確定できるのは、短期的な金利しか低金利が確約されていない変動金利タイプの住宅ローンと比べて大きなメリットと言えます。
上記は過去10年間の「フラット35」の金利推移です。10年前の半分以下の金利となっていることがわかりますね。
2.保証料、一部繰上返済手数料無料
メガバンクや地銀の住宅ローンで支払いが必要になる保証料はフラット35の場合かかりません。国が保証するという位置づけで運用されているためです。
3.アルバイト・パート社員、個人事業主、会社役員も利用可能
利用しやすい審査基準で幅広い国民がマイホームを持てるようにするという国の戦略を後押しすることも目的として持っている住宅ローンなので、一般的な住宅ローンでは利用が難しい、アルバイト・パート社員、個人事業主、会社役員でも利用しやすいという特徴があります。
「フラット35」の種類
「フラット35」は登場してから毎年様々なニーズに応える形で商品の改善を行っています。
- 「フラット35」(買取型)
- 「フラット35S」
- 「フラット35」(保証型)
- 「フラット35」借換え融資
- 「フラット35」リフォーム一体型
- 「フラット50」
最長35年の長期固定金利の住宅ローンです。(標準的な商品です)
省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得される場合に、フラット35の借入金利を一定期間引き下げる制度です。
住宅金融支援機構が金融機関から債権を買い取るのではなく、保障する形で実現されているフラット35です。通常の「フラット35」と同様、長期固定金利の住宅ローンですが、手数料や金利設定や付帯サービスなど金融機関が自由に決められる領域が広くなっています。「保証型」のフラット35の種類は少なく、代表的な商品にARUHIが提供するARUHIスーパーフラットがあります。
新規の借入れだけでなく、長期固定金利の住宅ローンへの借り換えにも対応しています。(最初は借り換えには対応していませんでした)
中古住宅の購入と併せて行うリフォーム工事の費用もフラット35で借り入れできるフラット35です。 リフォーム工事の内容は限定されていないので自由にリフォームできます。
長期優良住宅の認定を受けた住宅について、償還期間の上限を50年間とする制度です。
「フラット35」は制度改正で利用できる条件が何度も緩和されながら本日に至っています。借り換え時にも利用できるようになったのもその一環ですし、すでに契約している民間の住宅ローンから「フラット35」へと借り換えすることも、フラット35からフラット35に借り換えることもできます。
「フラット35」の利用条件
「フラット35」を利用するにはいくつかの条件を満たす必要があります。
申し込みできる方の条件
- 申込時年齢が満70歳未満であること(親子リレー返済の場合は満70歳以上でも可能)
- 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者
返済割合の条件
年収に占めるすべての借入れの年間合計返済額の割合が以下の範囲内であること
年収400万円未満 | 年収400万円以上 |
---|---|
30%以下 | 35%以下 |
「すべての借り入れ」は住宅ローンだけではなく、マイカーローン・教育ローン・カードローン・クレジットカードを含みそれら全ての返済額を合計した金額で計算されます。
対象となる建物の条件
- 借入れの対象となる住宅及びその敷地を共有する場合は、申込み本人が共有持分を持つこと
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している住宅
- 一戸建て住宅、連続建て住宅、重ね建て住宅の場合:70㎡以上
- 共同建ての住宅(マンションなど)の場合:30㎡以上
「フラット35」は、一定の技術基準を満たした住宅が融資の対象になっているので、購入する住宅の性能が悪い(年数が経過した中古住宅など)によっては利用できないことがあります。 最近の新築住宅の場合、ほぼ基準を満たしていますが念のため利用できる物件かどうかは不動産会社や販売会社に確認するようにしてください。
「フラット35」は同じじゃない?「フラット35」の選び方
多くの金融機関が住宅金融支援機構と提携して提供している「フラット35」ですが、どこで借りても同じではありません。
『金利』と『事務手数料』という支払うお金に関することで提供する金融機関により違いがあります。 そのため、適用に選んだ金融期間で「フラット35」を借りると必要以上に多く返済しなければならなかったり、事務手数料も多く支払うことになり損をしてしまいます。 「フラット35」を選ぶときは、『金利』と『事務手数料』のどちらも最低水準で提供している金融機関を選ぶことが最も重要です。
おすすめは SBIアルヒの「フラット35」
「フラット35」の取り扱いシェアが14年連続No.1のSBIアルヒ。そのSBIアルヒのフラット35の人気の秘密をまとめてみました。。
・金利は非常に魅力的な水準
・WEBから申込み・契約を行うと事務手数料も安い
・全国に150以上の店舗を展開し、専門家に直接相談できる
・通常のフラット35より金利が低い「スーパーフラット」を提供
・自営業、個人事業主の相談にも親身に対応
・審査スピードも早く、注文住宅に必要なつなぎ融資にも対応
アルヒのフラット35は、借入額の2.20%(税込)の事務手数料が必要ですが、WEBから申込んで契約する場合、借入額の1.10%(税込)と半分になるようなサービスも提供しています。
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