住宅ローンを申し込むと銀行による審査を受けることになります。これは銀行が、貸し倒れを回避するために、きちんと返済ができる人物か、相応の物件かどうかを判断するものです。
この審査に通らなければお金を借りることは出来ませんが、この審査の内容は各銀行の重要な機密事項で一般に公表はされておらず、銀行によって審査基準は違います。また、審査に落ちた理由を教えてくれることもありません。
そのため、審査に落ちた場合にはその理由を推測することしか出来ないのが現状です。

審査に通らなかった時に見直した内容は?

住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクストが、「住宅ローンの審査に通らなかったことがあるが、住宅ローンを借りられた」を対象とした住宅ローン調査を行いました。
内容を見てみましょう。

審査に落ちた理由は?

「住宅ローンの審査に落ちた理由」について思い当たること上位をみて、国土交通省が全国の民間金融機関1389社を対象に住宅ローン審査に関する調査を行った結果から対応策を考え得てみましょう。

1位「年収が少なかったから」(30.0%)

住宅ローンの審査では収入に対する借入額の割合に基準を設けています。細かい数字は銀行によって異なり公表されることはありません。一般的に借入額は年収の5倍、月の返済額が月給の25%以内など基準があり、住宅ローンの審査に落ちた場合、借入額を考え直してみる必要がありそうです。

国土交通省が行った調査では、借り入れするに辺り最低年収を150万円以上としている金融機関が648社と半数を占めています。

2位「勤続年数が短かったから」(22.0%)

銀行のホームページには「安定した収入のある方」という記述があり、やはり就職や転職したばかりの方は落ちる要因になりそうですね。さらに派遣社員や契約社員も正社員と比べると不利になる要素と言えそうです。

国土交通省が行った調査では、最低の勤続年数を1年以上としている金融機関が639社、3年以上としてる金融機関が366社となっていて転職直後でも審査には問題無さそうですが、それでも落ちた場合には勤務先の規模なども関係しているかもしれません。その場合には少し勤続年数を伸ばしてみる必要がありそうです。

3位「自営業だったから」(10.0%)

これも「安定した収入のある方」に関連する事項になりますね。自営業の方の場合には過去3年の収支報告書の提出を求められるなど、会社員に比べて住宅ローン審査では不利になる可能性が高いようです。

国土交通省が行った調査では、派遣社員や契約社員を住宅ローン融資の対象外する銀行が半数を占め、正社員・公務員を対象とする金融機関が大半です。さらに少ないですが自営業者が対象外としている銀行もあり、雇用形態ははやり「正社員」が有利ですね。

「思い当たることがない」(23.0%)

返済能力をみるため収入はもちろんですが、やはり勤務年数や雇用形態、勤めている企業規模も重要な要素になるようです。ちなみに、「思い当たることはまったくない」という人も23.0%とかなりの割合でいるようです。

「思い当たることはまったくない」という方は、一度ご自身の信用情報を確認してみるのもいいかもしれません。最近ではスマホ代金の割賦などの初回の支払を忘れるなど、些細な事で金融事故扱いになっていることも最近増えてきているようです。金融事故の場合にはまず住宅ローンの審査に通ることはありません。
気になる場合には個人で信用情報を問合せて見ましょう。

審査に落ちて見直したことは?

「住宅ローンの審査に通らなかったことがあるが、住宅ローンを借りられた」ということで、審査に落ちた後に住宅ローンを借り入れるために何を見直したか聞いてみると、こんな順位になっています。

  1. 「購入する物件を見直した」(19.0%)
  2. 「依頼する施工会社を見直した」(13.0%)
  3. 「購入する土地を見直した」(12.3%)

 

無理なく融資を受けられるように物件条件や取引会社を変更する人が多いようです。
そのほか、未払いの税金の支払いカードローンやカーローンの完済や、使用していないクレジットカードを処分するなど身辺整理を上げる方も多いようですね。

審査の内容はそれぞれの銀行によって違うため、同じ条件でもA銀行では審査に落ちたけど、B銀行では審査を通ったということが起きます。対策の1つとして、住宅ローンを申し込むときは、3つくらいの候補を決めて複数申し込んでおくことをおすすめします

比較的に審査に通りやすいのはやはり「フラット35」

自営業者だけでなく契約社員や派遣社員でも借入れが可能なのは「フラット35」です。
「フラット35」にももちろん住宅ローン審査はありますが、「フラット35」を提供している住宅金融支援機構の目的は「国民が家を持てるように支援すること」です。住宅ローン審査に不安がある方や審査に落ちてしまった方は利用するための条件なども厳しくない「フラット35」での借入れを検討して見るの良いかもしれませんね。

ここで「フラット35」でも人気の高い3行と審査のポイントを挙げておきましょう。

銀行名住宅ローン審査基準のポイント
楽天銀行 フラット35住宅支援金融機構と楽天銀行が共同で提供するフラット35。アルバイト、契約社員、派遣社員、自営業でも融資可能。
住信SBIネット銀行 フラット35住宅支援金融機構と住信SBIネット銀行が共同で提供するフラット35。アルバイト、契約社員、派遣社員、自営業でも融資可能。
ARUHI フラット35 フラット35の取り扱いシェア1位!アルバイト、契約社員、派遣社員、自営業でも融資可能。
auじぶん銀行勤続年数の制限無し、年収200万円以上から。ワイド団信も取り扱い。

審査には通常1ヶ月から2ヶ月程度の時間がかかるので、融資の実行までにあまり時間が無い方は複数の借り入れ候補に申し込んでおくことを強くおすすめします。
住宅ローンの新規借入れや借り換えの際に参考にされば幸いです。

<審査基準や落ちてしまった場合の対策の記事>
>>住宅ローン審査基準 通らない理由、落ちた理由とは?/国土交通省 調査結果<最新平成29年度版>

>>住宅ローン審査に落ちてしまった場合の対策

 

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