中国・武漢での大流行後の都市ごと封鎖して1ヶ月以上がたちますが、コロナウイルスは封じ込めどころか世界的な流行のリスクが高まっていると言われています。

コロナウイルスの感染はアジアのみならず、中東のイランをはじめヨーロッパのイタリアでも乾癬患者の死亡例が出たことで、世界同時株安が起きるなど経済的にも影響を及ぼしてきています。

今後このコロナウイルスが大流行した場合に、特に住宅ローン関連ではどのよな影響が出るでしょうか。

コロナウィルスの経済的な影響

コロナウイルスの流行により、訪日外国人観光客が減少している観光業や製造部品を中国から輸入している自動車メーカーへの影響が取り沙汰されています。

コロナウイルスによる初の経営破綻

中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだことで愛知県の老舗旅館、冨士見荘が経営破綻を発表しました。
コロナウイルスの影響による初の経営破綻と言われていますが、インバウンド(訪日外国人)の減少に加え、国内でも日本人が外出を控える動きが続出していることや、感染の拡大を懸念してイベントの開催中止が相次いでいます。

コンサートの中止、プロ野球ではオープン戦の開催可否を検討していますし、Jリーグでは2月28日(金)~3月15日(日)に開催予定の2020明治安田生命Jリーグおよび2020JリーグYBCルヴァンカップのすべての試合について早々に開催延期を決定するなど、イベントの中止や延期が相次いでいます。

観光地のお土産屋さんや旅館だけでなく、大きなイベントや催し物にも影響がでています。

今後も感染が長引くことで大きく広く影響が出ることになりそうです。

大手広告代理店では在宅勤務へ

大手広告代理店電通は本社に勤務する50代の男性社員が新型コロナウイルスへの感染検査で「陽性」であると確認されたと発表しました。
これを受けて本社勤務の全社員約5000人が26日から在宅勤務を行うことも合わせて発表しています。

職場だけでなく学校などでも感染者がでた場合には、在宅での勤務や学級閉鎖となることが想定されます。

世界的に株価下落が連鎖

24日のアジアの株式市場から、欧州、米国へと世界的に株価下落が連鎖しました。

アメリカのニューヨーク株式市場では、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が前週末比1031.61ドルの大幅安となり、下げ幅は2018年2月以来約2年ぶりの大きさで史上3番目の大幅下落となっています。

日本でも前週末からの下げ幅は一時1051円53銭になり千円を超える値下がりは18年12月25日以来と、コロナウイルスの感染拡大を懸念して世界経済は不安定な状況となっています。

>>日経平均株価が大暴落!住宅ローン金利に与える影響とは?

日経平均株価のチャートです

全国すべての公立小中高休校へ

安倍首相は27日、「感染拡大を抑制し、国民生活や経済に及ぼす影響を最小とするため必要な法案を準備してもらいたい」と、3月2日から春休みが明けるまで、全国の小中高校や特別支援学校を臨時休校にするよう指示しました。
ただし、保育所は一斉臨時休園の要請対象外となっているようです。

同時に、入試や卒業式を実施する場合には感染防止の措置を講じ、必要最小限の人数に絞って開くなど万全の対応をするよう求めました。

感染拡大のためとはいえ、共働きの家庭はもちろん、昼間に親がいる専業の世帯でも子供の面倒をどうするのか頭を悩ませる大きな問題となり、住宅ローンを選んでいる場合ではないかもしれません。
特に小学校の小さなお子さんの面倒をみるのか、早急に対応策を考えておくべきでしょう。

コロナウイルスによる住宅ローンへの影響は?

コロナウイルスによる経済の混乱は住宅ローン金利にどんな影響を与えるでしょうか。

経済が混乱すると金利は下がる

これまでコロナウイルスが経済に与える負の側面をみてきましたが、こと”金利”に関しては経済の混乱や不況というのはマイナスではありません。

経済的に混乱が起きると投資家はより安全な資産へ投資します。
株式はリスクが大きい商品のため、今回のようにコロナウイルスの流行で世界的な株安が起きています。

ではリスクが強まった今、株式に投資していた資金はどこへ行くのかというと、リスクが少ない比較的安全な資産と言われる日本の円や国債に投資されます。

今までにも世界経済が不安定になると、日本では円高・債権高(利率安)となってきています。
住宅ローン金利の指標となる日本の新発10年物国債利回りである長期金利は、25日のリスクオフの流れを受けて取引開始と同時に大きく低下しました。

この長期金利は毎月発表している来月の金利予想でも需要な指標として確認しているものです。
コロナウイルスの流行により経済への影響が大きくなると、長期金利はさらに低下し、結果、住宅ローン金利も低下することになります。

金融緩和も継続して行われる

これまで住宅ローン金利が低下した要因は日銀による金融緩和です。

コロナウイルスによる影響がなくても、現在は日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」により長期金利が大きく上昇しないようにコントロールしています。

この「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は2016年9月から実行されていますが、この間住宅ローン金利がどうなったかはご存知でしょう。
住宅ローン金利は歴史上最低水準で推移しています。

つまり今後も住宅ローン金利は低くなる要素はあっても、継続して上昇するような要因は見当たらないことになります。

ただこれまでの金融緩和により住宅ローン金利のひきさげよちはそれほどありません。
2020年は借りたいときが借り時の、住宅ローンを借りるにはベストなタイミングと言えます。

新規の借り入れでも借り換えでも積極的に申し込みをおこないましょう。

コロナウイルスの国外の発生状況

海外の国・地域の政府公式発表に基づくと2月25日9:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおりとなっています。
(厚生労働省HPより引用)

国・地域感染者数死亡者数
中国 ※77,658名2,663名
香港81名2名
マカオ10名0名
台湾30名1名
タイ35名0名
韓国833名7名
米国35名0名
ベトナム16名0名
シンガポール90名0名
フランス12名1名
オーストラリア22名0名
マレーシア22名0名
ネパール1名0名
カナダ10名0名
カンボジア1名0名
スリランカ1名0名
ドイツ16名0名
アラブ首長国連邦13名0名
フィンランド1名0名
イタリア229名6名
インド3名0名
フィリピン3名1名
英国13名0名
ロシア2名0名
スウェーデン1名0名
スペイン2名0名
ベルギー1名0名
エジプト1名0名
イラン61名12名
レバノン1名0名
クウェート3名0名
バーレーン1名0名
オマーン2名0名
アフガニスタン1名0名
イラク1名0名

※ 中国:2/13より診断基準変更(湖北省においては、臨床診断病例が追加)

 

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