
楽天銀行の住宅ローンで見落としやすい落とし穴は、フラット35なら手数料の引下げが「楽天銀行口座を返済口座にすること」とセットになっている点と、融資実行日が毎月11営業日以降に限られる点、金利選択型なら他のネット銀行より高めの金利水準と、審査結果で決まる金利の幅です。手数料の安さや無料の疾病保障といった長所が大きいぶん、こうした条件が後から効いてくるからです。
楽天銀行は預金口座数が2026年3月12日に1,800万口座を突破し、預金残高(単体)も2025年12月末に13兆円を超えたネット銀行です。住宅ローンでは全期間固定のフラット35と、変動金利を軸にした「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」などを取り扱っており、本記事では代表的なこの2つについて、長所と落とし穴を総額の視点で整理します。
楽天銀行は2023年11月7日に2023年4~9月期(上期)の決算を発表しています。その際、楽天銀行の社長は「金利が上がれば、住宅ローン関連の貸し倒れが増える可能性が高い。もともと、中所得・高所得の顧客に絞って住宅ローンを提供していたが、今後はターゲットとする所得層をもう一段上げる」と説明しています。また、楽天銀行の住宅ローン残高は2023年3月末から9月末にかけて46億円減少しているのですが、それに対しては「金利が上がったとしても確実に返済できる顧客に絞った結果、住宅ローンの実行件数が減った」とコメントしています。
あくまでも、2023年11月7日の楽天銀行の決算説明発表から当サイトが推察したものですし、戦略や考え方が変わる可能性がありますが、楽天銀行は住宅ローンの審査を厳しくして住宅ローンの貸出を絞っていると考えることがわかります。
SBI新生銀行・ドコモSMTBネット銀行など、住宅ローン利用者の獲得に積極的な銀行の住宅ローンに申し込んだ方がより良い条件で借りられる可能性が高いと考えられますので、これから住宅ローンを申し込む人、借り換えを検討中の人はそれらの住宅ローンの申込を検討すると良いでしょう。これらの銀行は住宅ローンに積極的でキャンペーンも頻繁に行っています。ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンは、銀行代理業者のSBIマネープラザの店舗で専門スタッフに相談しながら申し込むこともできます。
楽天銀行の住宅ローン(フラット35・金利選択型)の特徴
「フラット35」は住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している全期間固定金利の住宅ローンで、楽天銀行もその取扱金融機関の1つです。基本的な商品性や審査の枠組みはどの金融機関で申し込んでも共通ですが、申し込み方法や手数料、金利は金融機関ごとに違います。
ところが、金融機関同士での競争が進んだ結果、買取型のフラット35では大半の金融機関の金利が同じ水準に並び、いわば”どんぐりの背比べ”の状態です。
差がつきやすいのは、商品設計の自由度が高い保証型のフラット35です。16年連続でフラット35の実行件数1位のSBIアルヒが提供する「スーパーフラット」は保証型の独自商品で、自己資金の割合が多いほど金利が下がる仕組みになっており、通常のフラット35より低い金利で借りられる場合があります。
SBIアルヒではWeb申込と電子契約の利用で事務手数料が定額で割り引かれる制度があり、店舗に来店予約して「通常のフラット35」と「スーパーフラット」の違いを確認しながら申し込むこともできます。一部の店舗ではソニー銀行の住宅ローンも取り扱っているため、複数の住宅ローンを店舗スタッフに相談しながら比べることもできます。
楽天銀行の住宅ローンも有力な候補ですが、SBIアルヒの住宅ローンと総額で比較してから決めると判断の精度が上がります。
最大3回までのつなぎローン(つなぎ融資)の利用が可能
住宅ローンは家が完成してから融資が実行されるのが一般的で、分譲マンションなら引き渡しのタイミングに合わせて融資を実行してもらい、購入代金を支払います。
注文住宅では事情が異なり、着工時の着工金、上棟時の中間金、竣工時の竣工金と建築費用を分割で支払う必要があります。楽天銀行では「フラット35」・金利選択型のどちらでも、こうした完成前の支払いに使える「つなぎローン(融資)」を用意しています。
楽天銀行のつなぎローン(融資)は、土地取得金・着工金・中間金の最大3回まで利用でき、融資事務手数料は一律110,000円(税込)です。つなぎローンには別途、利用期間に応じた利息がかかる点も資金計画に入れておく必要があります。
ハッピープログラムの会員ステージが1つ上がる
楽天市場でよく買い物をする人なら、楽天ポイントを貯めている人も多いはずです。
楽天銀行には「ハッピープログラム」という優遇制度があり、5つの会員ステージに応じて、ATM手数料や他行振込手数料の無料回数、楽天銀行の取引で貯まる楽天ポイントの倍率が変わります。
楽天銀行の住宅ローンを借りて返済口座を楽天銀行に設定すると、このハッピープログラムの会員ステージが1ステージアップします。フラット35・金利選択型のどちらでも対象です。
住宅ローンだけで最上位になるわけではありませんが、口座にある程度の残高を置いておけば上位ステージは比較的狙いやすくなります。VIP以上ならポイント獲得倍率が3倍になり、ATMや振込の無料回数も増えるため、手数料の節約とポイントの貯まりやすさの両方に効いてきます。ステージの判定条件や特典は見直されることがあります。
新規借入では楽天ポイントがもらえる機会もある
ハッピープログラムとは別に、楽天銀行では楽天会員を対象に、エントリーのうえ住宅ローンを新規で借り入れると楽天ポイントを進呈するキャンペーンを実施しています。付与ポイント数や対象商品、エントリーの期限は時期によって変わるため、事前審査の申込前にエントリーを済ませておくと確実です。
なお、2026年10月1日からは住宅金融支援機構の「フラットすまい・るポイント」も始まっており、借入日が2026年10月1日以降の【フラット35】などが対象です。こちらは取扱金融機関を問わない国の制度で、楽天ポイントとは別物です。
制度の詳細は住宅金融支援機構の【フラット35】公式サイトで公表されています。楽天ポイントの貯まり方は楽天銀行の住宅ローンで楽天ポイントが貯まる仕組みでも詳しく扱っています。
ここからは、楽天銀行の「フラット35」と「金利選択型」のメリット・デメリット、そして落とし穴を順に見ていきます。比較サイトでは良い点だけが紹介されがちですが、借りた後に気づいても遅い注意点まで含めて整理します。
楽天銀行の「フラット35」のメリット・デメリット
まずは楽天銀行の人気商品である「フラット35」のメリットからです。
「フラット35」の金利は取扱金融機関の中で最低水準
楽天銀行の「フラット35」が支持される理由の1つは、取扱金融機関の中で最低水準の金利を毎月提示している点です。
※楽天銀行と同じ水準の金利を提示している金融機関はほかにも多く、金利だけで楽天銀行に絞り込む決め手にはなりません。
楽天銀行 フラット35の2026年10月金利(融資率9割以下)
| 15~20年固定 | 21~35年固定 | |
|---|---|---|
| 団信に加入した場合 | 3.510% | 3.830% |
| 団信に加入しない場合 | 3.310% | 3.630% |
※2026年10月時点。団信に加入しない場合は、団信加入時の金利から年0.20%引き下げた金利です。
2026年10月の【フラット35】で最も多い金利は、融資率9割以下・返済期間21〜35年・団信付きで年3.830%で、前月から0.370%上がりました。全期間固定金利が3%台後半まで上がったことで、「フラット35=とにかく低金利」という前提はすでに成り立たなくなっています。総返済額への影響が大きいぶん、金利タイプの選択はこれまで以上に慎重に考えたい局面です。
フラット35の取扱金融機関の中には金利が高いところもありますが、多くは楽天銀行と同じ水準です。そのため金利の面では、数多くある「フラット35」の取扱金融機関の中で有力な選択肢の1つという位置づけになります。
変動金利との差は2%を超えている
【フラット35】の金利は超低金利期の底値から大きく上がり、変動金利との差は開いています。2026年10月時点では、後述する楽天銀行の金利選択型(変動)とのあいだにも2.083%(年3.830%と年1.747%)の開きがあります。固定と変動のどちらを選ぶかは、この差を「金利上昇に備える保険料」としてどこまで払えるかの判断になります。
より長期の推移は、住宅金融支援機構の「【フラット35】借入金利の推移」で公表されています。
「フラット35」のメリットは、返済終了まで金利が変わらず、金利上昇のリスクを負わない点です。変動金利より金利が高いという弱みはありますが、借入時点で35年分の返済額を確定できます。
楽天銀行の「フラット35」の事務手数料
楽天銀行の「フラット35」は融資事務手数料が低い水準にあります。金利の低いフラット35にありがちな高額の事務手数料が、楽天銀行では抑えられているからです。
楽天銀行と同じ水準の金利を提示している金融機関の多くは、事務手数料を借入金額の2.20%(税込)に設定しています。3,000万円なら66万円、4,000万円なら88万円と、借入額に比例して大きくなる費用です。
事務手数料は支払っても住宅ローンの残高が減るわけではありません。いざ支払う段になると、まるで家の価格が上がったように感じる人もいるほどです。
楽天銀行では、返済口座を楽天銀行にすると、事務手数料が新規借入で借入額の1.10%(税込)、借り換えで0.990%(税込)まで下がり、数十万円単位の節約になります。最低融資事務手数料は新規110,000円(税込)・借り換え165,000円(税込)で、楽天銀行以外を返済口座に指定すると新規・借り換えとも1.430%(税込)になります。
残高を減らさない費用を小さくできることは、楽天銀行の住宅ローンの大きなメリットです。
| 「フラット35」の事務手数料の違い | |||
|---|---|---|---|
| 借入額 | 一般的な 「フラット35」 | 楽天銀行 「フラット35」 | 差額 |
| 2,000万円 | 440,000円 | 220,000円 | 220,000円 |
| 3,000万円 | 660,000円 | 330,000円 | 330,000円 |
| 4,000万円 | 880,000円 | 440,000円 | 440,000円 |
| 5,000万円 | 1,100,000円 | 550,000円 | 550,000円 |
料率の差は1.10%でも、金額にすると数十万円になります。借り換えでは0.990%(税込)まで下がるため、この差はさらに広がります。
では、デメリットはないのでしょうか。
楽天銀行「フラット35」の落とし穴① 手数料の引下げは返済口座が条件
先ほどの1.10%(税込)・0.990%(税込)という手数料は、楽天銀行を返済口座にすることが条件です。
楽天銀行は口座数1,800万を超えるネット銀行ですが、給与の受け取りや生活費の口座が別の銀行という人は少なくありません。給与口座がメガバンクや地方銀行のままだと、毎月の返済資金を楽天銀行へ移す手間がかかります。
その資金移動に毎月手数料がかかる銀行をメインバンクにしている場合、35年分の振込手数料が積み上がることが1つ目の落とし穴になります。もっとも、振込手数料やATM手数料は条件を満たせば無料にできることが多く、定額自動入金などの仕組みを使えば負担はほとんど生じません。
楽天銀行「フラット35」の落とし穴② 団信の保険料は金利に含まれている
団体信用生命保険の保険料は、楽天銀行に限らず「フラット35」全般に共通する問題です。
住宅ローンの借り入れでは、返済中に亡くなった場合に残債が保険金で支払われる団信への加入が原則です。銀行にとっては滞納リスクを減らせ、借り手にとっては残された家族が返済に苦しまずに済むため、双方にとって意味のある仕組みです。
民間金融機関の住宅ローンでは一般団信の保険料を銀行が負担することが多いのに対し、「フラット35」では団信の保険料が金利に含まれており、実質的に借り手が負担しています。この点は見落とされやすい落とし穴です。
団信に加入しない場合は金利が年0.20%下がるため、保険料はおおむね金利の年0.20%分にあたります。2026年10月の金利水準で、借入金額3,000万円・返済期間35年・ボーナス返済なしの元利均等返済の場合、この0.20%分は総額で約148万円、毎月に均すと約3,500円になります。
「フラット35」は団信に加入せずに借りることもできるため、この費用を省く選択肢もあります。ただしその場合、契約者に万一のことがあれば残された家族が返済を続けることになり、最悪の場合はマイホームを手放すことになりかねません。
団信に加入しない代わりに、残債をまかなえる金額の生命保険を個別に契約するという方法もあります。年齢や健康状態によっては団信より保険料を抑えられることもあるため、団信の負担が気になる人は、民間の生命保険会社の見積もりと金利0.20%分を総額で比べてみると判断しやすくなります。
楽天銀行「フラット35」の落とし穴③ 申込から融資実行まで最短35日程度
楽天銀行のフラット35は、WEB申込から借り入れまで最短で35日程度かかります。審査は提出した申込書類一式をもとに楽天銀行と住宅金融支援機構が行い、その期間だけで1〜2週間程度が目安です。楽天銀行の口座をまだ持っていない人は、口座開設の時間も見込んでおく必要があります。
引き渡しまでの日程に余裕がない場合は、店舗で手続きできる金融機関も並行して検討すると安心です。たとえばSBIアルヒは店舗で申し込むと事前審査が最短当日、本審査が最短3営業日で回答が出るとしています。
楽天銀行「フラット35」の落とし穴④ 選べるのは買取型だけ
楽天銀行で借りられるのは買取型の【フラット35】です。SBIアルヒの「スーパーフラット」のように、自己資金の割合に応じて買取型より低い金利を狙える保証型の独自商品は、取り扱いのある金融機関でなければ選べません。頭金を2割・3割と用意できる人ほど、この差は総返済額に効いてきます。
もっとも保証型は融資事務手数料の設定が異なることもあるため、手数料まで含めた実質的な負担で比べることが欠かせません。自己資金を厚めに用意できる人は、買取型だけで判断せず保証型も含めて試算しておくと選択を誤りにくくなります。
楽天銀行「フラット35」の落とし穴⑤ 融資実行日は毎月11営業日以降
楽天銀行のフラット35は、融資実行可能日が毎月11営業日以降に設定されており、月の上旬の融資実行には対応していません。売買契約で決済日が月の上旬に指定されている場合はとくに注意が必要で、上旬の実行が欠かせないなら、ほかの金融機関への申し込みも並行して進めておくと安全です。
「フラット35S」に関する落とし穴
省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅向けに、「フラット35」の金利を一定期間引き下げるのが「フラット35S」で、楽天銀行も取り扱っています。
「フラット35S」は誰でも使えるわけではなく、適合証明機関が発行する適合証明書を融資実行までに提出する必要があります。また「フラット35S」には国の予算枠があり、条件を満たしていても受付が終了していて利用できない可能性があります。
楽天銀行「フラット35」のまとめ
「フラット35」での借り入れを考えているなら、楽天銀行は候補に入れておくべき金融機関の1つです。
一方で、ここまで見た落とし穴もあるため、商品性を理解したうえで借り入れ後に後悔しないよう準備しておく必要があります。事務手数料・金利・一部繰上返済手数料などを総合すると、魅力的な住宅ローンの1つであることは確かです。
楽天銀行の「フラット35」が向いているのは、次のような人です。
- 普段から楽天市場など楽天グループのサービスを使う人
返済口座を楽天銀行にするとハッピープログラムのステージが上がり、楽天ポイントが貯まりやすくなります。
- 「フラット35」で金利と手数料の両方を抑えたい人
金利は取扱金融機関の中で最低水準、事務手数料も1.10%(税込)と低いため、フラット35の中で総額を抑えやすい部類に入ります。楽天のサービスを使わない人でも、フラット35を探しているなら比較に入れておかないと損をする可能性があります。
店舗で相談できるSBIアルヒの「フラット35」
楽天銀行の「フラット35」はネットや郵送で手続きできるのが長所ですが、借入の際に専門スタッフと対面で相談したい人には、16年連続で「フラット35」のシェアNo.1のSBIアルヒも選択肢になります。
SBIアルヒなら専門スタッフに相談しながら申し込みを進められ、自己資金の割合に応じて通常の「フラット35」より低い金利で借りられる保証型の「スーパーフラット」も用意されています。
対面相談ができるSBIアルヒの「フラット35」や「スーパーフラット」と、楽天銀行のフラット35を総額で比べてみる価値はあります。
楽天銀行の金利選択型住宅ローンのメリット・デメリット
楽天銀行では「フラット35」のほかに金利選択型住宅ローンも取り扱っています。変動金利と固定金利を選べ、変動金利の利用中はいつでも固定金利へ変更できる設計です。
楽天銀行の金利選択型住宅ローンの金利は高い?
インターネット上では、楽天銀行の住宅ローン金利は高いという口コミが散見されます。実際の水準を2026年10月の金利で確かめます。
楽天銀行 住宅ローン(金利選択型) 2026年10月適用金利(新規借入・最優遇)
| 金利タイプ | 2026年10月 |
|---|---|
| 変動金利 | 年1.747%~ |
| 10年固定金利 | 年4.074%~ |
楽天銀行の金利選択型の金利は、変動金利・10年固定金利ともにネット銀行の最低水準より高めの設定です(2026年10月時点)。楽天銀行以外の口座を返済口座に指定すると、さらに年0.3%が上乗せされます。
また、金利引下げ幅は借入内容や審査結果によって決まるため、最も低い金利を前提に検討していても、実際にはそれより高い金利になる場合があります。金利だけを見れば、楽天銀行の金利選択型に目立った優位性はありません。
一方で、融資事務手数料が330,000円(税込)の定額であるため、借入額が大きい人や、住み替えなどで早めに完済する予定がある人には、条件しだいで使い勝手のよい住宅ローンになります。
楽天銀行の金利選択型の長所は、定額の事務手数料と、保険料の負担なしで付く「全疾病特約」と「がん保障特約(50%保障)」です。
金利選択型住宅ローンの事務手数料は借入額にかかわらず定額
楽天銀行の金利選択型は、事務手数料を一般的な銀行より抑えやすい商品です。多くのネット銀行が借入額の2.20%(税込)であるのに対し、楽天銀行は借入額にかかわらず一律330,000円(税込)だからです(ペアローンは495,000円(税込))。
2.20%(税込)の手数料が330,000円になるのは借入額1,500万円のときなので、1,500万円を超えて借りるなら定率型のネット銀行より手数料は安くなり、借入額が大きいほど差が広がります。
| 楽天銀行(金利選択型)とネット銀行の事務手数料の違い | |||
|---|---|---|---|
| 借入額 | 一般的な 金融機関 | 楽天銀行 の場合 (税込) | 差額 |
| 2,000万円 | 440,000円 | 330,000円 | 110,000円 |
| 3,000万円 | 660,000円 | 330,000円 | 330,000円 |
| 4,000万円 | 880,000円 | 330,000円 | 550,000円 |
| 5,000万円 | 1,100,000円 | 330,000円 | 770,000円 |
契約時の諸費用の中でも大きな割合を占める事務手数料を、数十万円単位で抑えられるのは大きなメリットです。ただし金利が高めであるぶん、手数料の差は完済までの利息の差で相殺されることがあるため、総返済額で比べることが前提になります。
楽天銀行よりも事務手数料が安い住宅ローンは?
初期費用を抑えるには、その大部分を占める事務手数料から見ていくと効率的です。楽天銀行の金利選択型も借入額が1,500万円を超えれば定率タイプの銀行より安くなりますが、ソニー銀行ならさらに手数料を抑えられる場合があります。ソニー銀行の「住宅ローン」は事務取扱手数料が一律44,000円(税込)で、借入額によっては楽天銀行より初期費用を小さくできます。
ただし変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローンは借入額×2.2%(税込)で、定額の「住宅ローン」はその分金利が高めに設定されています。手数料の方式と金利差を合わせた総額で比べることが欠かせません。
保険料0円の「全疾病特約」と「がん保障特約(50%保障)」
楽天銀行の金利選択型には、団信に「全疾病特約」と「がん保障特約(50%保障)」が保険料の負担なしで付きます。全疾病特約は2018年に「8疾病就業不能保障」から切り替わり、がん保障特約は2020年に加わりました。
楽天銀行の「全疾病特約」とは?
「全疾病特約」は、病気やケガで所定の就業不能状態が15日を超えて続いたとき、毎月の返済額を最大36か月保障し、就業不能状態が1年を超えて続いたときには残りのローン残高に保険金が充てられる保障です。精神障害や妊娠・分娩などは対象外です。団信の基本保障として、死亡・高度障害に加え、余命6か月以内と判断されたときにも残高が0円になります。
楽天銀行の「がん保障特約」とは?
「がん保障特約」は、所定のがんと診断確定されると住宅ローン残高の50%が保障される特約です。100%保障を選ぶ場合は年0.2%の金利上乗せが必要になります。保障開始日から90日以内にがんと診断確定された場合は対象外で、皮膚がん(悪性黒色腫以外)や上皮内がんも対象になりません。
他の銀行でも3大疾病保障や8疾病保障を付けることはできますが、金利に年0.2%前後の上乗せが必要な商品が多くあります。
楽天銀行の変動金利の水準で3,000万円・35年なら、年0.2%の上乗せは総額で約128万円にあたります。就業不能時の返済と残高の両面に加え、がんの50%保障まで保険料の負担なしで用意されている点は、楽天銀行の金利選択型の大きなメリットです。
ただし、がん保障特約に加入できるのは融資実行日時点で満20歳以上・満50歳以下の人に限られ、51歳以上は全疾病特約のみとなる点に注意が必要です。
楽天銀行の金利選択型のデメリットは?
メリットの次は、デメリットを確認します。
変動金利・10年固定の金利が高め
楽天銀行の金利選択型の変動金利は年1.747%(2026年10月・新規借入の最優遇金利)で、ネット銀行の中では低い側ではありません。10年固定金利も同様に高めです。手数料の安さや無料の疾病保障といった長所はあるものの、肝心の金利が高めである点がデメリットになります。
とくに変動金利や10年固定で借りることを考えているなら、ほかのネット銀行の住宅ローンと総返済額で比べておくと安心です。がんを含む疾病保障を保険料の負担なしで付けられる住宅ローンには、次のようなものもあります。
| SBIマネープラザ | ドコモSMTBネット銀行の住宅ローン(対面相談コース)を相談可能。3大疾病50%保障と全疾病保障が金利上乗せなしで付帯 ※50歳以下。 |
※PR SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行を所属銀行とする銀行代理業者です。
「全疾病特約」で残高が0円になるまでには1年かかる
金利選択型で見落とされやすい落とし穴は、この「全疾病特約」の支払条件にあります。保険料の負担なしで付く保障なので過度に期待しすぎないことも必要ですが、内容は正確に把握しておく必要があります。
まず、ローン残高に保険金が充てられるのは、就業不能状態が1年を超えて続いたときです。それまでの期間は毎月の返済額の保障(就業不能状態が15日を超えてから最大36か月)で支える仕組みのため、短期間で回復した場合は残高が減りません。
一方で、旧来の「8疾病保障」では対象外だった病気やケガでも就業不能時の返済が保障されることや、余命6か月以内と判断された場合にも残高が0円になることなど、保障の範囲は広がっています。
さらに「がん保障特約」は、所定のがんと診断確定されれば支払対象になるという分かりやすい条件です。
保険料の負担なしで2つの疾病保障が付くことは、条件の細部を理解したうえでなら十分なメリットといえます。
申し込みから借り入れまで最短26日程度かかる
ネット銀行を含め、住宅ローンの審査期間は短くなる方向にあります。
楽天銀行の金利選択型は、WEB申込から借り入れまで最短で26日程度が目安で、急ぎの購入では日程が窮屈になることがあります。楽天銀行の口座を持っていない人は、借入希望日の2週間前までに口座を開設しておく必要もあります。
早めに申し込みを済ませれば回避できる問題で、万が一審査に通らなかった場合に備えて、複数の候補に並行して申し込んでおくのも有効です。審査の基準や期間の詳細は楽天銀行の住宅ローン審査の解説でまとめています。
楽天銀行の金利選択型住宅ローンのまとめ
とくに変動金利は高めで、かつ審査結果によって金利に幅があることから、変動金利比較ランキングでは圏外となっています。
2つの疾病保障と定額の事務手数料が楽天銀行の金利選択型の強みですが、肝心の金利が高めであることから、ほかのネット銀行とも比較しておくと安心です。初期費用を抑えたい人は、前述のソニー銀行の定額型なども総額で比べてみる価値があります。商品全体の比較は楽天銀行のフラット35と金利選択型の総コスト比較でも整理しています。
それが当てはまるのは、商品設計の自由度が低い買取型のフラット35の場合です。16年連続でフラット35の実行件数1位のSBIアルヒが提供する「スーパーフラット」は保証型の独自商品で、自己資金の割合が多いほど金利が下がる仕組みが用意されており、通常のフラット35より低い金利で借りられる場合があります。
SBIアルヒではWeb申込と電子契約の利用で事務手数料が定額で割り引かれる制度があり、来店予約して店舗で「通常のフラット35」と「スーパーフラット」の違いを確認しながら申し込むこともできます。一部の店舗ではソニー銀行の住宅ローンも取り扱っているため、複数の住宅ローンを店舗スタッフに相談しながら比べることもできます。
楽天銀行の住宅ローンも有力な候補ですが、SBIアルヒの住宅ローンと総額で比較してから決めると判断の精度が上がります。
※本記事の金利・手数料・保障内容は2026年10月時点の内容です。手数料・団信の条件は改定されることがあります。総額で比べる際は、各金融機関の最新の条件表を基にしてください。
