転職を機にマイホーム購入と住宅ローンを検討する人のイメージ
総務省の労働力調査によると2019年の転職者数は351万人と、調査がはじまった2002年以降で過去最多となりました。就業者に占める転職者の割合も、年齢、性別を問わず近年顕著に増加しています。総務省・労働力調査

その後も転職は一般的になり続けており、マイホームの購入を転職を機に検討する人は少なくありません。住宅購入のきっかけは「結婚」「子供の出生」「転勤」に次いで「転職」が多いと言われています。転職で年収が上がったことを機に購入したり、新しい勤務先に通いやすい場所に住み替えたりするケースは十分に考えられます。

この記事では、転職後の人でも住宅ローンは利用できるのか、転職したばかりでも使える住宅ローンを、当サイトの視点(金利だけでなく審査条件・総コストまで含めて)でご紹介します。

転職後でも住宅ローンは利用できるのか?

転職すると、基本的に勤続年数がリセットされ、新しい職場での勤続が新たにカウントされます。転職後の住宅ローン利用は金融機関ごとに条件が異なるため一概には言えませんが、転職後はこの「勤続年数」に気をつける必要があります。

国土交通省の発表した「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、勤続年数を「融資を行う際に考慮する項目」とした金融機関の割合は、全体の95.3%(1,141金融機関のうち1,087社)という結果になりました。国土交通省

この調査で必要とする勤続年数の目安を「1年以上」としている金融機関は約60%、「2年以上」としているところは約5%、「3年以上」としているところも約20%でした。多くの金融機関で1年以上の勤続が融資条件になっていることがわかります(最新の調査結果は国土交通省の公表資料でご確認ください)。

住宅ローンの審査では、金融機関は申込人の職業の安定性と所得の継続性を重視します。転職で収入が減った、転職した会社をすぐ退職して収入が途絶える、といったリスクを避けるため、転職直後の人は慎重に審査される傾向があります。

その一方で、転職したばかりでも住宅ローンの申込を可能としている金融機関もあります。転職後に住宅ローンを利用したい場合は、勤続年数の条件について最初に確認するようにしましょう。

転職後の住宅ローン利用における注意点

転職後に住宅ローンを利用する場合、転職後の収入証明として以下の書類の提出を求められることがあります。金融機関によっては職歴書(学校卒業後からの職歴・転職理由)の作成・提出が必要な場合もあるため、申込時に必要書類を確認しておきましょう。

・雇用契約書、オファーレター(採用通知書)

・年収証明書(年収見込証明書)

・給与明細

同業種へのキャリアアップ転職など、収入の継続性を説明できるケースでは、前職の経験を考慮してもらえることもあります。勤続年数が短い場合は、事情を相談してみるとよいでしょう。

転職したばかりでも利用できる住宅ローン

転職したばかりの人に対応した住宅ローンを提供している金融機関はそれほど多くありませんが、ネット銀行等を中心にいくつか取り扱いがあります。特徴やおすすめのポイントを紹介します。

※細かな条件・適用金利は金融機関や時点によって異なります。2026年6月時点では日銀の利上げを受けて金利が上昇局面にあるため、最新の金利・条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

SBI新生銀行の住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローンは、勤続年数の条件を「連続した就業2年以上」としています。これは同一企業での就業実績が2年以上必要という意味ではなく、前職の就業実績も加味できるのが特徴です(就業形態は正社員・契約社員に限られます)。公式でも転職したばかりの方の申込ができることを案内しており、転職歴の有無で適用金利や諸費用などのコストが変わらないため、転職直後の方はまず検討してみる価値があります。事務手数料は借入額の2.20%(税込)の定率型で、保証料は0円、一般団信の上乗せも0円です。

金利

変動金利・固定金利ともに取扱いあり。最新の適用金利は公式サイトでご確認ください(2026年6月時点では金利が上昇しています)。

年齢

借入申込時の年齢が20歳以上65歳以下で、かつ、完済時年齢が80歳未満であること

借入金額

500万円以上3億円以下(10万円単位)

借入期間

5年以上35年以内(1年単位)

年収基準

連続した就業2年以上、かつ前年度税込年収が300万円以上の正社員または契約社員であること。自営業の方については業歴2年以上、かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後の金額)を有すること。

転職者の申し込みに際しての注意点

通常の審査申込時の必要書類の他に、次のうちのいずれかを提出する必要があります。

・年収記載の雇用契約書・採用通知書

・年収見込証明書

・給与明細書

ソニー銀行の住宅ローン

ソニー銀行の住宅ローンは、勤続年数による申し込み条件を設けていません(勤続1ヶ月でも申込可能)。年収基準は400万円以上と他金融機関に比べると高めですが、キャリアアップ転職などで年収基準を満たす方なら積極的に検討できます。AIを活用した仮審査は最短60分で回答が得られます(2026年6月時点・公式で確認)。

金利

変動セレクト・固定セレクトなどを取扱い。最新の適用金利は公式サイトでご確認ください(2026年6月時点)。

年齢

申し込み時の年齢が満20歳以上、借り入れ時満65歳未満で、完済時満85歳未満であること

借入金額

500万円以上2億円以下(10万円単位)

借入期間

1年以上35年以内(1ヶ月単位)

年収基準

前年度の年収(自営業の方は申告所得)が400万円以上あること

転職者の申し込みに際しての注意点

昨年または今年転職をされた方は、本審査申し込みにあたり、以下の書類を提出する必要があります。

①転職時に新勤務先の人事部などから提示された雇用契約書、採用通知書、あるいは本年度の年収見込証明書等、収入金額記載の書類

②転職後の給与明細・賞与明細(支給がない場合は不要)

auじぶん銀行の住宅ローン

三菱UFJ銀行とKDDIの共同出資で生まれたネット銀行であるauじぶん銀行。ネット銀行の中でもトップクラスの低金利水準の住宅ローンを取り扱っていますが、転職したばかりの方の申し込みも受け付けています。ただし本審査時に職歴書の提出が必要で、通常の申し込みよりも慎重に審査される点には留意しましょう。

金利

変動金利:1.134%(全期間引下げプラン)

10年固定金利:[jibun-10nenkotei](当初期間引下げプラン)

※2026年7月適用金利

年齢

申し込み時の年齢が満20歳以上満65歳未満で、最終返済時が満80歳の誕生日までであること

借入金額

500万円以上2億円以下(10万円単位)

借入期間

1年以上35年以内(1ヶ月単位)

年収基準

前年度の年収(自営業の場合は申告所得)が200万円以上

転職者の申し込みに際しての注意点

転職後3年未満の場合は、本審査時に職歴書の提出が必要になります。職歴書には、学校卒業後の現職も含むすべての職歴、転職理由をご記入ください。

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません。

SBIアルヒのフラット35

住宅金融支援機構の「フラット35」は民間の金融機関とは異なり、勤続年数や雇用形態が申し込み要件になっていないため、転職直後で勤続年数が短くても、その他の申し込み要件を満たせば利用できるのが特徴です。一方でフラット35は全期間固定金利のため、ネット銀行などの変動金利商品と比べると金利は高めに設定されている点には注意が必要です。SBIアルヒ(旧ARUHI)はフラット35の取扱実績で長年トップクラスのシェアを持ち、SBIアルヒ ダイレクト(Web本申込)の事務手数料は対象商品で2.20%(税込・最低220,000円)です(以前あったWeb申込での半額優遇は終了しています)。

金利

全期間固定(フラット35・フラット20など)。2026年6月の買取型・融資率9割以下の最頻金利は年3.21%(21〜35年)、フラット20(15〜20年)は年2.89%。最新の適用金利は公式でご確認ください(実行時の金利が適用)。

年齢

申し込み時の年齢が満70歳未満

借入金額

100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)

借入期間

15年以上35年以内(1年単位)

年収基準

最低年収等の制限はなし(返済負担率の基準あり)

転職者の申し込みに際しての注意点

転職後、1回以上給与受給があれば申し込みできます。勤務先に「転職後の収入を証明する書類」を作成してもらい、その書類に記入された転職後の収入を、給与の支給された月数で割り戻し、その金額を年収とみなします。

属性別の注意点(よくある質問)

Q. 転職直後(勤続1年未満)でも申し込める?
A. 勤続年数を条件にしない金融機関(ソニー銀行など)や、前職を加味する金融機関(SBI新生銀行)、雇用形態・勤続を問わないフラット35なら、転職直後でも申込が可能です。年収見込証明書や雇用契約書など、収入の継続性を示す書類を準備しましょう。

Q. 自営業・フリーランスになったばかりだと?
A. 多くの金融機関は自営業に「業歴2年以上・2年平均の所得」を求めます(SBI新生銀行も業歴2年以上・2年平均300万円以上)。開業直後は審査が通りにくいため、確定申告の実績を積んでから検討するか、年収・所得基準のないフラット35を軸に考えるとよいでしょう。

Q. 金利が低い銀行を選べば総支払額も安い?
A. 必ずしもそうとは限りません。表面金利が同じでも、事務手数料(定率型か定額型か)・保証料・団信の上乗せで総支払額は変わります。転職直後で選択肢が限られる場合こそ、金利・諸費用・団信を含めた総コストで比べることが大切です。

まとめ

転職後・転職したばかりの人でも申し込みできる住宅ローンを紹介してきました。転職者の申込を可としている金融機関でも審査は慎重に行われるため、転職者の申込を積極的に受け入れているSBI新生銀行を有力候補としつつ、他のネット銀行等にも並行して申し込むと安心です。勤続年数や雇用形態が不問のフラット35は、審査に不安がある方にもおすすめできます。

2026年6月は金利が上昇局面にあり、変動・固定とも金利が動いています。転職という事情で選択肢が絞られるときほど、金利だけでなく審査条件・必要書類・総コストを見比べて選びましょう。追加書類の提出など一定の条件を満たせば住宅ローンは利用できますので、躊躇せず申し込んでみる気持ちも大切です。最新の金利・条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。