2016年1月に日銀はマイナス金利の導入を決定、翌月2月から導入しました。

5年半経過した現在もこの政策は継続されており、出口が見えない状況です。今回は改めて、マイナス金利政策導入の経緯、その効果、住宅ローン金利への影響、いつまでマイナス金利政策が続くのかを予想していきたいと思います。

マイナス金利政策とは

日銀と当座預金取引のある銀行には、「準備預金」として一定割合の現金を日銀の当座預金口座に預けることが法律で義務付けられています。しかし、長引く景気低迷で資金需要の低迷で法律で義務付けられている割合以上に「準備預金」が預けられていました(超過準備預金)。超過準備預金には年0.1%の利息が付くためで、貸し倒れリスクのある融資を行うより、簡単に利益を上げられる状態が発生していました。

2016年1月に決定したマイナス金利政策で日銀はこの当座預金に預けられる銀行の資金に3段階の金利を設定しました。

  1. 現在預けられている超過準備預金は0.1%の金利が付く
  2. これから預けられる当座預金のうち法律で定められた所要準備額については、金利を0%とする
  3. 新たな超過準備預金は金利をマイナス0.1%とする

日銀にお金を預けるだけで利益を得ていた銀行は、そのお金を得られなくなるたり、逆にコストとなるため銀行は資金を企業や個人の融資に回し、経済が活性化するというのがもくろみです。

日本銀行のマイナス金利政策

マイナス金利政策の導入の背景

バブル崩壊以後、失われた30年とされる経済の低迷にともない、金利も低下傾向にありました。

この30年の間にも日銀は金融緩和を続けてきたわけですが、結果的には経済をうわむかせるには至らなかった状況です。

具体的には

  • 1999年から2000年にかけて「ゼロ金利政策」が導入
  • 2001年から2006年には「量的金融緩和」が実施
  • 2010年には、無担保コール翌日物を0%とし、ETFやREITの購入に踏み切る「包括的金融緩和政策」を導入
  • 2013年は第2次安倍政権発足に伴う「量的・質的金融緩和」を導入

という流れがありました。

 

マイナス金利政策の狙い

過去30年、いくら金融緩和を実施しても、金利をゼロにしても市中にお金が回らず経済が活性化しないため、滞留している資金(日銀に預けられている預金)から罰金を取るというのがマイナス金利の考え方です。

マイナス金利政策は金利の低下につながるため借り手に有利で貸し手に不利となる毒薬の性質もありますが、日銀としてはこのマイナスの側面よりも日本経済全体を活性化させたいというのが狙いです。

マイナス金利政策により金融機関の収益が低下したため、2016年9月にはこれを緩和する政策も導入されています。

 

マイナス金利政策はいつまで続く?

結論からいうとマイナス金利政策は少なくとも今後数年間は続く可能性が高いでしょう。

2013年の「量的・質的金融緩和」では2年で物価上昇率2%を目標にしてきましたが、2021年になった今でも全く達成できる状況ではなく、逆に2020年3月には新型コロナウイルスのパンデミックを受け、更なる金融緩和が実施されている最中です。

また、日本は少子高齢化による人口減という構造的な問題を抱えており、簡単に経済が上向く状況にはなく、金融緩和政策がさらに長期化する可能性も無視できません。

 

住宅ローンへの影響

マイナス金政策の導入により、2016年春から夏にかけて住宅ローン金利は固定金利を中心に急激な金利低下がおきました。

同年は歴史的な借換えブームも発生しています。

2016年夏で住宅ローン金利は底打ちし、当事よりは若干金利が上昇していますが、過去の推移からみれば住宅ローン金利は底にあり、2016年夏からの金利上昇も誤差と言ってよい範囲です。

 

 

 

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