山口県でフラット35による住宅購入を検討する家族のイメージ

山口県は本州の最西端に位置し、南を瀬戸内海、西と北を日本海に囲まれながら、中央を中国山地が横断する自然に恵まれた県です。

山口県に本店を置く地方銀行は山口銀行と西京銀行です。山口銀行は県内最大のシェアを持ち、預金額・貸出額ともに西京銀行を上回ります。両行ともフラット35を取り扱っており、住宅金融支援機構が公表する金利情報でも、それぞれの借入金利と融資手数料を確認できます(2026年8月資金受取分)。

山口銀行と西京銀行の「フラット35」

山口銀行は公式サイトに専用ページを設け、金利や融資条件などの情報を確認できます。一方の西京銀行は、公式サイトの住宅ローン案内ではフラット35の条件が読み取りにくいものの、住宅金融支援機構の金利情報には「さいきょう長期固定金利型住宅ローン フラット35(機構買取型)」として掲載されており、借入金利・融資手数料まで公表されています。取扱いの有無や条件を確認したい場合は、同機構の金利情報検索を使うのが確実です。

では山口県でフラット35を利用するなら山口銀行が一番なのでしょうか。フラット35は提供する金融機関によって金利と事務手数料が異なり、比較せずに選ぶと高い金利や事務手数料を払うことになりかねません。しかも山口県の場合、同じ山口銀行のなかでも2つのコースがあり、選び方で総支払額が約68万円変わります。表面金利でも手数料でもなく、総支払額で考えてみましょう。

山口県でフラット35を利用できる金融機関と、その条件

山口銀行・西京銀行に加えて、県内の信用金庫、労働金庫、そして全国どこからでも申し込めるネット系の取扱機関も選択肢になります。住宅金融支援機構の金利情報検索では、山口県で利用できる【フラット35】(新規・返済期間21〜35年・融資率9割以下)として47件が掲載されています(2026年8月資金受取分)。

2026年8月のフラット35(買取型・融資率9割以下・新機構団信付き)の最も低い金利は年3.290%、フラット20(20年以下)は年2.970%です。以下、山口県で借りられる主な機関の条件を、金額まで含めて並べます。

金融機関・商品借入金利(年)融資手数料(税込)総支払額の目安
楽天銀行3.290%融資額×1.10%(最低110,000円)33,921,828円
山口銀行(定率コース)3.290%融資額×2.20%34,141,828円
SBIアルヒ3.290%融資額×2.20%34,141,828円
中国労働金庫3.310%融資額×2.20%34,237,876円
西中国信用金庫(定率)3.360%融資額×2.20%34,478,125円
山口銀行(定額コース)3.510%55,000円34,819,688円
西京銀行3.510%融資額×0.55%34,874,688円
西中国信用金庫(定額)3.550%33,000円34,993,027円
東山口信用金庫3.610%55,000円35,308,822円
※住宅金融支援機構「最新の金利情報」の山口県・新規・返済期間21〜35年・融資率9割以下(2026年8月資金受取分・新機構団信付き)の掲載情報にもとづく。総支払額は同機構が示す借入額2,000万円・借入期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしの場合の目安で、融資手数料を含みます(登記費用・物件検査手数料・火災保険料等は含みません)。
※楽天銀行の融資事務手数料は、借り換えの場合は融資額×0.99%(最低165,000円)です。返済口座を楽天銀行に指定しない場合は料率が異なります。
※SBIアルヒはWeb申込・電子契約の利用で融資事務手数料が1債権あたり33,000円引き下げられます(2026年3月2日〜2027年3月31日)。
※掲載条件は毎月見直されます。申込前に必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

手数料がいちばん安い西京銀行が、総支払額ではほぼ最下位

この表でまず目を引くのは、西京銀行の融資手数料が融資額×0.55%という点です。借入2,000万円なら110,000円で、山口銀行の定率コース(2.20%=440,000円)より33万円も安く済みます。定率型としては県内で群を抜いた安さです。

ところが総支払額を見ると、西京銀行は34,874,688円。山口銀行の定率コースより約73万円も多くなります。理由は借入金利です。西京銀行は年3.510%で、最低水準の年3.290%より0.220ポイント高く、その差が35年ぶん積み上がると、入口で節約した33万円をはるかに超えてしまうのです。

借入2,000万円の場合の融資事務手数料を金融機関別に比較した棒グラフ
入口で一度だけ払う現金支出。山口銀行の定額コースと西京銀行が安く見えます。
同じ4つの金融機関について借入2,000万円・35年の総支払額の差を比較した棒グラフ
手数料の順番とほぼ逆さま。35年ぶんの金利差が入口の手数料差を上回ります。

2つのグラフを見比べると、手数料の順番と総支払額の順番がほぼ逆さまになっていることがわかります。事務手数料は「入口で一度だけ払う現金支出」なので目立ちますが、金利は「35年間ずっと乗り続ける負担」です。借入額が大きく、返済期間が長いほど、金利差のほうが効いてくると覚えておいてください。

同じ山口銀行でも、コース選びで約68万円変わる

もう一つ、山口県ならではの注目点があります。山口銀行は「やまぎん機構買取型住宅ローン フラット35」として、金利年3.290%+手数料2.20%の定率コースと、金利年3.510%+手数料55,000円の定額コースの2種類を掲載しています。同じ銀行・同じ商品名でありながら、総支払額は34,141,828円と34,819,688円で、その差は約68万円です。

西中国信用金庫も同様に定率(3.360%/2.20%)と定額(3.550%/33,000円)の2コースを掲載しており、こちらは約51万円の差があります。「どの銀行で借りるか」を決めたあとに「どのコースで借りるか」でもう一度差がつく——これが、フラット35を総支払額で比べるべき最大の理由です。

ただし、これはあくまで借入2,000万円・35年という前提での計算です。借入額が小さく期間が短いほど、定率型の手数料負担(借入額×料率)が重くなり、定額コースが逆転する余地は大きくなります。実際の借入額でご自身の試算を行ってください。

信用金庫・労働金庫という選択肢

山口県では、山口銀行・西京銀行のほかに、西中国信用金庫・東山口信用金庫といった地域密着型の信用金庫、中国労働金庫でもフラット35を借りられます。とくに中国労働金庫は年3.310%と最低水準に近く、団体会員・生協会員の構成員であれば融資手数料の優遇が受けられる設計になっています。どこで借りても商品性は同じなので、金利・事務手数料・総支払額をしっかり見比べることが大切です。

山口県でフラット35を利用するなら楽天銀行が有力な理由

2026年8月の掲載条件では、楽天銀行が最低水準の年3.290%と、融資手数料1.10%の組み合わせで総支払額がもっとも小さくなりました。地元の山口銀行の定率コースとは借入金利が同じで、差がつくのは手数料率だけ(2,000万円で22万円)です。有力な理由はそれだけではありません。

相談体制が充実している

地方銀行の住宅ローン相談は、限られた店舗の相談コーナーで受け付けることが多く、平日に来店時間を作るのが難しい場合があります。一方、楽天銀行は電話やオンラインでの相談に力を入れており、平日も土日も夜まで相談できる体制を整えています。仕事から帰宅後でも相談しやすく、特定の店舗に出向く必要がない点は、忙しい人にとって大きなメリットです。

団信・保障も含めて総支払額で考える

フラット35は新機構団信付きの金利が基本で、団信に加入しない場合の借入金利は「新機構団信付きの借入金利-0.2%」とされています(住宅金融支援機構)。健康上の理由などで一般の団信に入りにくい場合でも借りられる選択肢がある点は、フラット35の大きな強みです。

反対に保障を厚くする場合は、デュエット(ペア連生団信)で+0.18%、新3大疾病付機構団信で+0.24%が掲載金利に上乗せされます。誰の名義でどう借りるか、どこまで保障を付けるかによって、実際に負担する金利は変わります。金利の数字だけでなく、団信や保障まで含めた総支払額で比べましょう。

属性に不安がある人のフラット35Q&A

Q. 自営業・個人事業主でも申し込めますか?

フラット35は勤続年数の最低要件がなく、自営業・個人事業主でも申込みできます。審査では確定申告の所得などから返済負担率を確認します。会社員と同じ基準で判断される間口の広さは、属性に不安がある人にとって心強い選択肢です。

Q. 健康に不安があり、団信に入れないかもしれません。

フラット35は団信に加入しなくても利用できる数少ない住宅ローンで、その場合の借入金利は新機構団信付きの金利から0.2%引き下げられます。ただし、万一のときにローンの返済義務が家族に残る点は理解しておく必要があります。生命保険などで別に備えられているか、また残された家族が返済を続けられるかをあわせて検討してください。

Q. 山口銀行の2つのコース、どちらを選べばいいですか?

借入2,000万円・35年という前提なら、金利の低い定率コース(年3.290%/手数料2.20%)のほうが総支払額は約68万円少なくなります。一方で、入口で用意する現金は定額コース(55,000円)のほうが38万5,000円少なく済みます。自己資金に余裕がなく初期費用を抑えたいのか、35年間の総額を抑えたいのかで判断が分かれます。借入額が小さい場合は定額コースが有利になることもあるため、実際の条件で試算してから決めましょう。

Q. 金利が上がっている今、固定で借りる意味はありますか?

2026年8月のフラット35の最も低い金利は年3.290%と、2026年6月の年3.210%から上昇しています。それでも全期間固定は契約時に完済までの返済額が確定するのが最大の強みで、返済計画が読める安心感は数字に表れない価値です。金利上昇への許容度が高く、当面の返済額を抑えたい場合は変動金利型も選択肢になります。たとえば、保証料や一部繰上返済手数料が0円で諸費用の内訳がわかりやすいSBI新生銀行のように、変動・固定の両方を総支払額で並べて比べられる先も検討に値します。家計の余力と金利上昇への許容度で判断しましょう。

住宅ローンは大きな金額を借りるため、相談したいことも多いはずです。相談体制が整った楽天銀行のフラット35を候補に入れてみてはいかがでしょうか。

楽天銀行の「フラット35」を詳しく分析したこちらの記事も参考にしてみてください。

>>楽天銀行の住宅ローンの落とし穴とデメリット(フラット35・金利選択型)

※本記事の金利・手数料・総支払額は、住宅金融支援機構および各金融機関の公式サイトで2026年8月に確認した内容です。※最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。