
長崎県は九州地方の北西端に位置し、五島列島・壱岐・対馬など数多くの離島を抱える、日本一島が多い県です。長崎県で「フラット35」を利用しようと思うと、まず地元の銀行が思い浮かぶでしょう。しかし、それが本当にベストな選択なのでしょうか。 多くの金融機関が扱う「フラット35」は、同じ商品でも金融機関ごとに金利と融資手数料が違います。金利の数字だけでなく、手数料まで含めた「総支払額」で見ていきましょう。
長崎県内で「フラット35」を利用できる金融機関は?
長崎県に本店を置く地方銀行は、県内最大シェアの十八親和銀行(2020年10月に十八銀行と親和銀行が合併して誕生)と、長崎銀行です。このほかたちばな信用金庫・九州ひぜん信用金庫・長崎三菱信用組合・九州労働金庫といった地域の金融機関も「フラット35」を取り扱っています。もちろん地元の窓口だけでなく、店舗を持たずに全国から申し込めるネット系(楽天銀行・SBIアルヒなど)も選べます。
ここで押さえておきたいのが、「フラット35」の金利は住宅金融支援機構が一律に決めているわけではなく、取扱金融機関がそれぞれ設定しているという点です。同じ月・同じ条件でも、金融機関によって金利は0.200%以上開くことがあります。長崎県で実際にどれだけ差がつくのか、機構が公表している金利情報で確かめてみましょう。
長崎県で選べる「フラット35」の金利・融資手数料・総支払額
下の表は、長崎県を取扱地域とする金融機関の【フラット35】(2026年8月資金受取分・融資率9割以下・新機構団信付き)を、住宅金融支援機構が算出した総支払額の少ない順に並べたものです。総支払額は借入2,000万円・返済期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしで、融資手数料を含めた機構の試算値です。
| 金融機関・手数料タイプ | フラット20 (20年以下) | フラット35 (21〜35年) | 融資手数料(税込) | 総支払額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行(定率型・ハッピープログラム適用) | 2.970% | 3.290% | 融資額×1.10% (最低110,000円) | 33,921,828円 |
| たちばな信用金庫(定率型) | 2.970% | 3.290% | 融資額×1.40% | 33,981,828円 |
| 十八親和銀行(定率型) | 2.970% | 3.290% | 融資額×1.52% | 34,005,828円 |
| 長崎三菱信用組合(定率型) | 2.970% | 3.290% | 融資額×1.52% | 34,005,828円 |
| イオン銀行 Aタイプ(定率型) | 2.970% | 3.290% | 融資額×1.87% | 34,075,828円 |
| SBIアルヒ(定率型) | 2.970% | 3.290% | 融資額×2.20% (最低220,000円)※1 | 34,141,828円 |
| 長崎三菱信用組合(定額型) | 3.140% | 3.460% | 55,000円 | 34,576,724円 |
| 十八親和銀行(定額型) | 3.170% | 3.490% | 55,000円 | 34,722,452円 |
| 長崎銀行 ながさきフラット35(定額型) | 3.190% | 3.510% | 55,000円 | 34,819,688円 |
出典:住宅金融支援機構「最新の金利情報」(2026年8月資金受取分・融資率9割以下・新機構団信付き/2026年8月7日確認)。総支払額は借入2,000万円・返済期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしで融資手数料を含めた機構の試算値で、概算です。このほか長崎県では九州ひぜん信用金庫(定率型 年3.290%/融資額×1.50%)、九州労働金庫(定額型 年3.510%/55,000円)なども取り扱っています。楽天銀行の1.10%は同行口座を返済口座に指定した場合の手数料です。金利・手数料は毎月改定されるため、最新は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
※1 SBIアルヒの融資手数料は借入額の2.20%(税込・最低220,000円)です。以前あったWeb申込での半額(1.10%)優遇は終了しています。現在はWeb申込(本申込)+電子契約の利用で1債権あたり事務手数料を33,000円(税込)引き下げるキャンペーンを実施中です(2026年3月2日〜2027年3月31日/スーパーフラットの新規借り入れ時を除く)。

並べてみると、金融機関の違いは「金利」ではなく、まず「手数料タイプ」で決まっていることがわかります。融資額に対して料率で払う定率型は金利がそろって年3.290%、一方で手数料55,000円の定額型は金利が年3.460〜3.510%と、0.170〜0.220%高く設定されています。定額型は「借入時の出費が少ない代わりに、金利を上乗せする」設計になっているわけです。
長崎で「定率型」と「定額型」、どちらが得になるのか
十八親和銀行は同じ「フラット35」で定率型(年3.290%/融資額×1.52%)と定額型(年3.490%/55,000円)の両方を用意しています。同じ銀行の同じ商品なので、比較材料としてわかりやすい例です。
機構の試算(借入2,000万円・35年)では、定率型が34,005,828円、定額型が34,722,452円で、その差は約71.7万円。借入時にいったん304,000円(2,000万円×1.52%)を払う定率型のほうが、35年トータルでは大きく有利という結果になります。手数料の差は約25万円ですが、0.200%の金利差が35年間積み上がると、それを大きく上回るためです。
ただし、これは「借入額が大きく、返済期間が長い」ケースの結論です。定率型の手数料は借入額に比例して増えるのに対し、定額型は55,000円で固定されます。したがって、
- 借入額が大きい/35年など長期で借りる → 金利の低い定率型が有利になりやすい
- 借入額が小さい/返済期間が短い/早期に繰上返済する予定がある → 初期費用を抑えられる定額型にも出番がある
という整理になります。「手数料が安い=総支払額が安い」とは限らないという点が、フラット35選びで最初につまずきやすいポイントです。自分の借入額・返済期間を入れて、必ず両方のタイプで試算してから決めましょう。
なお、長崎銀行の「ながさきフラット35」は定額型のみの取り扱いで、金利は年3.510%(2026年8月資金受取分)です。県内の定額型どうしで比べると、長崎三菱信用組合(年3.460%)や十八親和銀行(年3.490%)のほうが低い水準になっています。窓口の近さや取引実績も含めて、総合的に判断してください。
SBIアルヒの「フラット35」が候補になる理由
「フラット35」は住宅金融支援機構が金融機関と提携して提供する住宅ローンで、取扱金融機関は300を超えます。そのなかでSBIアルヒは16年連続で取り扱いシェアNo.1を続けている人気の金融機関です。融資手数料は2.20%(税込)と定率型のなかでは高めですが、次のような強みがあります。
・金利は「フラット35」の最低水準(2026年8月:21〜35年・融資率9割以下で年3.290%)
・自己資金に余裕があれば、より金利が低い独自商品「スーパーフラット」も選べる
・Web申込(本申込)+電子契約で事務手数料が1債権33,000円(税込)割引になるキャンペーンあり
・全国最大級の店舗網(約90拠点・2026年3月末現在)で専門家に直接相談が可能
・自営業・個人事業主やアルバイトの方も相談可能
・スピーディな審査で、つなぎ融資にも対応
※シェアの根拠:2010年度〜2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)。
SBIアルヒは、申し込みから契約までWeb(アルヒダイレクト支店)や郵送で完結できる一方、対面で相談したい人向けの店舗網も持っており、長崎県内にも相談店舗があります(店舗の所在地・営業時間は変わることがあるため、最新は公式の店舗検索でご確認ください)。自己資金を2割以上用意できるなら、独自商品「スーパーフラット」で【フラット35】より低い金利を狙える点も、総支払額を抑えたい人にとっては見逃せない選択肢です。SBIアルヒの「フラット35」や「スーパーフラット」が気になった方は、公式サイトで借り入れシミュレーションを試してみましょう。
長崎ならではの確認ポイント
長崎県で「フラット35」を検討するときは、金利と手数料のほかに、次の3点をあらかじめ確認しておくと手戻りが減ります。
離島の物件は「適合証明」の段取りを早めに
「フラット35」は物件が機構の定める技術基準を満たしていることが条件で、適合証明検査機関などが発行する「適合証明書」が必要です。五島・壱岐・対馬などの離島や、県北・半島部の物件では、検査機関の対応可否や日程の調整に時間がかかることがあります。物件を決めた段階で、検査機関と金融機関の両方に早めに相談しておきましょう。
中古住宅は「築年数」ではなく「基準を満たすか」で判断される
長崎市の斜面地や旧市街には、古い戸建てや長屋形式の住宅も多くあります。「フラット35」は中古住宅にも使えますが、住宅の規模(床面積)や耐久性などの技術基準を満たしているかどうかが判断の分かれ目になります。リフォームとあわせて借りる場合は【フラット35】リノベなどの制度も含めて、取扱金融機関に確認してください。
注文住宅は「つなぎ融資」の有無で使える金融機関が変わる
「フラット35」は住宅の完成・引き渡し時に融資が実行されるため、土地代金や着工金・中間金の支払いには別途「つなぎ融資」が必要になることがあります。つなぎ融資や併せ融資の取り扱いは金融機関ごとに異なるため、注文住宅を建てる場合は金利・手数料だけで決めず、資金の流れ全体で比較しましょう。
長崎県の「フラット35」に関するよくある質問
Q. 長崎県の離島にある住宅でも「フラット35」は使えますか?
A. 物件が機構の技術基準を満たし、適合証明書を取得できれば利用できます。所在地が離島だからという理由で対象外になるわけではありません。ただし前述のとおり、適合証明検査機関の対応エリアや現地調査の日程は事前に確認が必要です。また、金融機関によっては営業エリアの制限がある場合があるため、申し込み前に取扱金融機関へ問い合わせてください。
Q. 十八親和銀行の「定率型」と「定額型」は、どちらを選べばよいですか?
A. 借入額が大きく返済期間が長いほど、金利の低い定率型(年3.290%/融資額×1.52%)が有利になりやすいです。機構の試算では借入2,000万円・35年で定率型が約71.7万円少ない結果でした。逆に借入額が小さい、返済期間が短い、早期に繰上返済する予定があるといった場合は、初期費用55,000円で済む定額型にも合理性があります。必ず自分の借入額・期間で試算してください。
Q. 地元の金融機関とネット系で、フラット35の借入条件は変わりますか?
A. 借入額の上限・返済期間・年収に対する返済負担率といった基本条件は機構が定めており、どの取扱金融機関でも共通です。変わるのは金利・融資手数料・団信の選択肢、そして申込方法や必要書類の運用面です。窓口で相談しながら進めたい人は地元の金融機関、手数料や金利を優先したい人はネット系、と使い分けるのが現実的でしょう。
Q. 「フラット35」S を使うと、長崎でも金利は下がりますか?
A. 省エネルギー性・耐震性などの基準を満たす住宅であれば、【フラット35】Sにより当初一定期間の金利引き下げを受けられます(表の金利は引き下げ前の水準です)。引き下げ幅や期間はプランや年度の制度によって異なり、予算金額に達すると受付が終了する場合もあります。適用の可否と最新の条件は、住宅金融支援機構の公式サイトと取扱金融機関で必ずご確認ください。
まとめ:長崎では「金利」より先に「手数料タイプ」を決める
長崎県で使える「フラット35」を並べてみると、定率型はどこも年3.290%で横並び、差がつくのは融資手数料、そして定額型は初期費用が安い代わりに金利が0.200%前後高いという構造が見えてきます。機構の試算でも、県内で最も総支払額が少ない選択肢と多い選択肢では約90万円の開きがありました。
まずは「定率型か定額型か」を自分の借入額・返済期間から決め、そのうえで金利と手数料を比べる——この順番で見ると迷いにくくなります。なお、フラット35以外に変動金利まで視野を広げるなら、事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率型に一本化されていて諸費用の見通しを立てやすく、一般団信・全疾病保障付団信を金利の上乗せなしで選べるSBI新生銀行なども、総コストで比べる候補に入れておくとよいでしょう。最新の金利・手数料・取り扱い条件は、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
