ソニー銀行は2002年に日本のネット銀行として初めて住宅ローンの取り扱いを開始しました。当時はネット銀行自体が世の中に知られていなかったほどなので、当然、ネット銀行で住宅ローンを借りる発想がほとんどなかった時代です。

ソニー銀行はネット銀行として初めて住宅ローンを取り扱ったという事実だけではなく、保証会社を利用しない、来店不要型、金利タイプの変更が可能などサービス面でも画期的な体系を打ち出し、今日のネット銀行の住宅ローンの基礎を築いたと言ってよいでしょう。

 

ソニー銀行はこうしたまだまだインターネットが普及していない時代から住宅ローンを開始し、2021年3月末時点の住宅ローンの残高は2兆3,000億円を超えるほどまでに利用者を増やしてきました。

 

ただ、ソニー銀行の住宅ローンは常に順風満帆だったわけではありません。他のネット銀行が次々と住宅ローンの取り扱いを開始したことでソニー銀行の住宅ローンに注目が集まらない時代もありました。また、ソニー銀行の住宅ローンは利用するための年収基準が高いこともあって、審査が厳しい・審査に落とされるという評判を耳にすることも多くありました。

 

最近は金利引き下げや疾病保障の付帯などでソニー銀行の住宅ローンの魅力は再び高まっているだけでなく、「極端に金利が低い他のネット銀行の住宅ローンの審査の方が厳しい」と正しく評価されるようになりました。

 

実際、ソニー銀行の住宅ローンは年収基準が高いため審査が厳しいと思われがちですが、総合的な審査基準は実は厳しいわけではないというのが筆者の印象です。また、ソニー銀行の住宅ローンには安価な手数料・保証料無料、金利タイプ変更時の利便性などのメリットが多数あります。

 

ただ、どんなに優れた住宅ローンでも自分自身が審査に通らなければ意味がありませんので、この記事ではソニー銀行の住宅ローンの審査基準が厳しいのか、どのような対策が有効なのかについて解説していきたいと思います。

 

なお、ソニー銀行の住宅ローンの最新の金利やキャンペーン上のなど商品の解説はあまり行っていませんので、ソニー銀行の住宅ローンの商品性を把握できていない人は以下から事前に確認しておくようにしてください。

ソニー銀行の住宅ローン審査基準

年収と職業

まず年収基準から確認しておきましょう。

ソニー銀行の住宅ローンの年収基準は400万円以上です。100万円以上としているイオン銀行などと比べればかなり厳しい基準ですし、一般的に300万円程度と言われているメガバンクや、300万円と明示としている新生銀行などの住宅ローンよりも厳しい年収基準になっています。

 

また、ソニー銀行の住宅ローンは雇用形態も少し厳しくて契約社員や派遣社員は利用することはできません。ネット銀行の住宅ローンには、契約社員でも利用できる住宅ローンはいくつかありますので、それらの住宅ローンと比較するとやや厳しい部類と言えます。

ソニー銀行の住宅ローンの申し込み条件(ソニー生命のホームページより)

ソニー銀行の住宅ローンを利用できる基準

 

銀行も営利企業なので住宅ローンを貸して利益をあげなければ商売として成り立ちません。その住宅ローンの利益に大きく影響するのが「貸し倒れリスク、つまり、返済してもらえなくなってしまう割合」で、ソニー銀行の場合、”保証会社”を利用していませんので貸し倒れリスクをコントロールしながら住宅ローンを提供していく必要があります。貸し倒れ率が高くなってしまうと「金利を高くする」か「サービスを改悪する」か「審査を厳しくする」といった対策が必要になってきます。

 

ソニー銀行の住宅ローンは、年収の審査基準を高く設定して貸し倒れリスクを抑えながら、金利が低くサービスレベルが高い住宅ローンを提供していると考えることができます。具体的には、年収400万円以上という基準を設けて、その基準をクリアできる人に限定して貸すことでビジネスのバランスをとっているということです。

 

なお、ソニー銀行の住宅ローンは住宅ローンの仮審査をAI(人工知能)を活用する方式に変えて、最短1時間で仮審査結果を知ることができるように開発されています。申し込んでから事前審査の結果まで数時間なので、気軽な気持ちで審査に申し込めるのも大きなメリットです。

 

勤続年数

ソニー銀行の住宅ローンの審査基準には勤続年数について具体的に定められていません。極端な話、転職直後でも採用通知書などを提出することで利用可能です。

ただし、自営業や会社経営者の場合、過去3期分の確定申告書や決算書の提出が必須なので、起業してから3年以上経過していないとソニー銀行の住宅ローンは利用できません。

 

これらの審査基準から、ソニー銀行では、収入が安定しているサラリーマンが利用しやすい審査基準で、自営業・個人事業主への貸し出しは慎重に行っていることがわかります。つまり、年収400万円を超えるサラリーマンにとっては利用しやすい住宅ローンということになります。

 

団信・健康状態

ソニー銀行に限らず、民間金融機関で住宅ローンを組むには団体信用生命保険(団信)への加入が必須となります。ソニー銀行の住宅ローンも団信への加入が必須で、団信への加入審査時に健康状態の告知を行う必要があります。

団信の告知では

  • 最近3カ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受けたことがありますか。
  • 過去3年以内に次の病気で手術を受けたり、あるいは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受けたりしたことがありますか。

に回答(記入)をする必要があります。

 

この告知義務に違反して団信に加入すると、実際に保険金を請求した時の厳格な調査でカンタンにばれてしまい保険金が支払われないリスクがありますので、正確に告知する必要があります。

 

ソニー銀行では健康に問題がある方向けに加入条件を緩和したワイド団信も取り扱っています。保険料として年0.2%の金利上乗せが必要ですが、保障内容は一般団信と同じです。ネット銀行としては取扱いが珍しいこのワイド団信は健康状態に不安がある方にとっては心強いサービスと言って良いでしょう。

 

一般的にワイド団信は住宅ローン金利に年0.3%の上乗せが必要なので、ソニー銀行の年0.2%上乗せはかなり良心的な設定なので、ワイド団信を利用したいと考えている人にはぜひソニー銀行の住宅ローンを選択肢に加えてほしいと思います。

 団信の仕組み

 

ワイド団信に加入できない人が住宅ローンを利用するには、団信に加入しなくても良い住宅ローンを探す必要があります。一般的な住宅ローンは団信加入が必須なので、その場合はフラット35を検討するようにしましょう。

※なお、ソニー銀行ではフラット35の取扱いはありません。フラット35の申し込み先としておすすめは手数料・金利ともに業界最低水準のアルヒのフラット35・スーパーフラットです。(ARUHIスーパーフラットではワイド団信の取扱いあり)

 

5000万円以上の借り入れの場合は診断書などが必要

ソニー銀行に限ったことではないですが、5000万円を超える借り入れをする場合に、定期健康診断結果通知書のコピーや団信引受保険会社所定の診断書をソニー銀行に提出する必要があります。

 

対象住宅、資金用途

ソニー銀行では住宅ローン取扱い開始後、長らく中古戸建物件をNGにしていましたが、現在は中古の戸建物件でも利用できるようになっています。

 

つなぎ融資

注文住宅でマイホームを建てる際に必要となるのが分割融資(つなぎ融資)ですが、ソニー銀行本体ではつなぎ融資の貸し出しは行っていません。ただし、ソニー銀行ではアプラスなどのつなぎ融資商品の紹介を行っていますので、つなぎ融資の審査に通れば、結果的にソニー銀行の住宅ローンを利用してマイホームを手にすることができます。

ソニー銀行の住宅ローンのつなぎ融資

 

審査期間・仮審査時間

ソニー銀行の住宅ローン審査審査期間についてですが、仮審査はAI活用により最短で1時間で結果を知ることができますが、その後の本審査は最短で3日で回答されます。

事前審査も本審査も審査結果については申込時に登録したメールに審査結果が通知されますのでメールアドレスの入力は間違えないようにしましょう。

なお、仮審査、本審査のための各種審査書類の提出、契約書のやり取りなどを含めると仮審査申し込みから融資実行までは3週間程度なので、どちらにしても早めに申し込むような気持ちをもっておくようにしましょう。

 

審査金利

ソニー銀行の住宅ローン金利はメガバンクや地銀のように審査結果(信用情報が高いなど)により金利が変動することはありません。審査に通ればソニー銀行の公式ホームページに掲載されている金利で契約をすることが可能です。

ただし、前項でご紹介したように仮審査申し込みから融資実行にはタイムラグがあり、実際の金利は融資実行のタイミングでの金利が適用されます。

 

頭金・フルローン

ソニー銀行の住宅ローンでは物件価値、ご自身の信用情報について問題が無ければフルローン(頭金なし)での借り入れが可能です。頭金なしでも借り入れ金利に変更はありません。

ただし、新規購入時に頭金を10%以上用意した場合に年0.05%の金利優遇をソニー銀行では実施しています。資金に余裕がある方には嬉しいサービスですね。

 

保証人・保証会社

冒頭でも触れましたが、従来のメガバンクや地銀の住宅ローンでは系列の保証会社を利用した保証を得る必要がありました。保証会社は住宅ローン契約者が住宅ローン返済に行き詰った場合の債務を保証会社が代わりに弁済するもので、金融機関を守る仕組みです。

この保証を得るには審査はもちろんですが、年0.2%に相当する保証料が必要となっています。ソニー銀行の住宅ローンは保証会社を利用しないものであり、住宅ローン利用者の立場として無駄ともいえるコストが発生しないものとなっています。

地銀によっては保証料だけで年0.5%必要なケースもあるのでやはりソニー銀行の住宅ローンは良心的と言えます。

保証会社の仕組み

 

信用情報(個信)

ソニー銀行の仮審査では下記の信用情報機関に信用情報の照会を行います。過去5年以内(最大で5年)に事故が発生し、信用情報に登録されている場合には仮審査に通らない可能性が大きいでしょう。

 ■CIC
 ■JICC
 ■全国銀行個人信用情報センター(JBA)

信用情報の登録期間

審査書類

ソニー銀行の住宅ローン審査に必要な書類は他行でも必要とされる一般的なもので、多くもなく少なくもなくといった内容です。

他行も同様ですが、会社経営者、個人事業主の方は必要書類が多くなるので、早めに準備する必要があります。

 正社員自営業・個人事業主会社役員・社長
住民票
源泉徴収票 
住民税決定通知書
給与・賞与明細  
会社の決算書3期分(勘定科目内訳明細書を含む)  
確定申告書(付表を含むすべての申告書類) ○(確定申告をしている場合)
納税証明書3年分  
物件に関する書類(契約書、重要事項説明書、間取り図)
借り換えに関する書類(返済予定表)

 

収入合算・ペアローン

ソニー銀行では収入合算には対応していませんが、ペアローンには対応をしています。夫婦それぞれがソニー銀行の住宅ローン借り入れ条件に合致する必要がありますが、共働きのご家庭には嬉しいサービスですね。

ただ、現在は多くの金融機関が収入合算にも対応している時代だということは申し上げておきたいと思います。

なお、ソニー銀行では2018年より同性パートナーでもペアローンや担保提供で利用し住宅ローンを組める取り組みを開始しています。

ペアローン

 

ソニー銀行の住宅ローン仮審査(AI)について

2018年5月に住宅ローンの仮審査にAIを導入し、最短60分で仮審査の結果を回答してもらえるようになりました。AIが進化しているのかは外からではわかりませんが、今でも事前審査の回答は非常に早く確認することができます。(筆者の経験談では自営業や会社経営者は60分では回答を得られないようです)

 

仮審査では書類の提出は必要ありませんので、手っ取り早くネット銀行の住宅ローン審査に通る可能性を探りたい人にソニー銀行の住宅ローンへの申込はおすすめです。

 

【住宅ローン借り換え場合】
・ 現在の借り入れ内容が分かる「返済予定表」など
・ 住居の広さ(平方メートル数)などがわかるもの

【新規購入・増改築(リフォーム)の場合】
・ 購入金額や住宅の広さ(平方メートル数)などがわかる、「売買契約書」や「工事請負契約書」、「重要事項説明書」など

を手元に用意しておくと仮審査もスムーズに進めることができます。

ソニー銀行の住宅ローンの仮審査

 

【結論】ソニー銀行の住宅ローン審査基準は甘い?厳しい?

ソニー銀行の住宅ローンは、大手企業を中心とした一定規模以上の会社で働く正社員向けなどの、安定した生活基盤を持つ方向けの住宅ローンと言えそうです。例えば、派遣社員、契約社員を対象外で、非正規雇用という形態で働く人は利用できない利用基準が定められています。働き方・雇用体系の面で見るとソニー銀行の住宅ローンの審査基準は厳しいと言ってよいでしょう。

 

ただし、年収400万円以上サラリーマンにとっては厳しい審査基準を設けているとは言えません。正社員で年収400万円以上を満たせる人であれば、臆することなく申し込んでみることをおすすめします。

【最後に】ソニー銀行の住宅ローン本審査に落ちた・落ちる場合の理由と対策ついて

基本的に、住宅ローンの審査に落とした理由を銀行が教えてくれることはありませんので、審査に落ちた場合その理由を推測して対策を立てなければなりません。

 

前述のように、ソニー銀行の住宅ローンの審査基準は厳しすぎるわけではありませんが、年収を400万円以上としていたり、派遣社員・契約社員を対象外としてことからもわかるように、「審査基準が甘い住宅ローン」ではありませんので、審査に落ちた場合は他の住宅ローンへの申し込みを視野に入れる必要があります。

 

ソニー銀行の住宅ローンの審査に落ちた人にチャレンジしてほしいのはイオン銀行です。イオン銀行は審査に通りやすいと言われているだけでなく、金利も低いですしイオングループと連携して提供されるサービス魅力的な住宅ローンです。

 

それ以外では、審査にかなり通りやすいと言われる公的な住宅ローン、フラット35が候補になります。特にフラット35最大手で金利が低い独自のフラット35を用意しているARUHI(アルヒ)はおすすめです。

 

なお、ソニー銀行の本審査に落ちてから他の銀行に仮審査申し込みをしているとあっという間に数か月経ってしまうので、ソニー銀行への仮審査の時点で他の銀行にも申し込んでおくと良いでしょう。

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