総務省が2017年10月の消費者物価指数(CPI)を発表しています。

2018年1月は12月に引下げられた変動金利の据置きを予想しています。
住信SBIネット銀行は借り換えでの利用に限定した金利ですが0.439%と超低金利での借入れが可能になっています。

しかし変動金利で気になるのが「金利上昇リスク」ですね。

これから借りようとしている方が特に気になるのが「住宅ローン金利がこれからどうなるのか?」だと思います。住宅ローン金利は変動するために、変動金利や固定期間選択型の住宅ローンを選びにくいといった方もいるかもしれません。

しかし、詳しくは後述しますが、消費者物価指数(CPI)とは、住宅ローン金利が上昇するタイミングがわかる指数なのです。
住宅ローン金利が上昇するタイミングがわかっていれば、変動金利や固定期間選択型の住宅ローンでも金利上昇リスクの不安がなくなるの間違いないですね。

さっそく26日に発表された11月の消費者物価指数(CPI)を見てみましょう。

11ヶ月連続でプラスで堅調に推移

2017年11月の消費者物価指数(CPI)は、

  • 総合 → プラス0.6%
  • 生鮮食品を除く総合 → プラス0.9%
  • 食料及びエネルギーを除く総合 → プラス0.3%

となりました。

基準となる生鮮食品を除く総合指数は先月に続きプラス0.9%となり11ヶ月連続でプラスを維持しています。さらに食料及びエネルギーを除く総合もプラス0.3%堅調に上昇している状況ですね。

11ヶ月連続で数値は上昇は日銀がデフレ脱却のために行っている金融緩和の効果が出てきたのかもしれませんが、日銀が目標としている「2%」には程遠い数字です。
冬のボーナスの平均が88万円大と3年連続で高水準を維持していることや失業率の低下など景気の良いニュースも多くなってきている反面で、年収850万円超の給与所得者は増税となる税制改革、さらに2019年10月に延期された消費税の10%への増税も控えていますし、このまま消費が大きくなっていき、日銀の目標である「消費者物価指数(CPI)2%」を安定的に達成できる状態になるかは依然として不透明です。

日銀の目標まではまだ遠く、金融緩和を継続していかなければならない状況が続き、住宅ローン金利も今の超低金利を維持するということになりますね。
ということは金利が最も低い変動金利のデメリットである「金利上昇リスク」を気にする必要はない状況にあります。さらに金利が上昇するタイミングがわかっていればどうでしょうか。変動金利のデメリットは限りなく小さくなると思いませんか?

さて次はこの消費者物価指数(CPI)と住宅ローン金利の関係についてお話してみましょう。

消費者物価指数(CPI)と住宅ローン金利の関係は?

消費者物価指数(CPI)と住宅ローン金利の関係を理解するために、日銀の金融緩和をあらためておさらいしてみましょう。

金融緩和の目的

そもそもなぜ金融緩和を行っているのでしょうか。
その目的は「デフレを脱却し景気を良くする」ためです。

デフレとは、物やサービスの価格が下がるためお金の価値が上がる状態のことです。価格が下がるのはいい面もありますが、行き過ぎると巡り巡って景気が悪くなります。

デフレの説明

金融緩和とは、世の中に流通するお金を増やすことで、お金を使う人が増える、そしてお金を使うことで景気が良くなることを目的とした金融政策です。

金融緩和の目標

これまで住宅ローン金利が史上最低水準まで低下したのは、日銀による金融緩和の影響です。
ではこの金融緩和の具体的な目標はなんでしょうか。
それが、「消費者物価指数(CPI)が安定的に2%を維持した状態」です。

今回、お伝えしている消費者物価指数(CPI)がようやく出てきましたね。
日銀は、景気を良くするために金融緩和を行い、消費者物価指数(CPI)が安定的に2%になることを目標としています。

つまり、消費者物価指数(CPI)が安定的に2%になるまでは金融緩和は継続されるわけです。

2016年から日本の住宅ローン金利史上で最低水準を維持しているのはマイナス金利に代表される金融緩和のおかげですが、それがいつまで続くのかはっきりわかっていることになります。

今後の住宅ローン金利の動向は?

では、金融緩和がいつまで続くのでしょうか。つまり今の住宅ローンの低金利はいつまで続くのかということですね。

日銀は「消費者物価指数(CPI)が安定的に2%を維持した状態」を目標にしているため、金融緩和が終わって住宅ローン金利が上昇するタイミングは、この消費者物価指数(CPI)をチェックすることでわかることになります。

さらにこの目標の達成時期は、これまで先延ばしを繰り返されて「18年度ごろ」とされていましたが、今月の金融政策決定会合では「19年度ごろ」と再び先延ばしが発表されています。日銀が思った通りに消費者物価指数(CPI)が上昇していないことがわかりますね。
2000年以降の消費者物価指数(CPI)「生鮮食品を除く総合」の推移を見てましょう。

消費者物価指数「生鮮食品を除く総合」のグラフです

直近8ヶ月は連続で上昇しているとはいえ、その上昇は頼りなく目標としている2%には遠く及ばないことがわかると思います。
少なくとも「19年度ごろ」までは金融緩和の継続が決定していますが、この達成時期が何度も先延ばしされていることからも分かる通り、2%まで上昇させるのはかなり困難なことと言えそうです。筆者個人的には、この数値を「安定的に2%程度で維持する」まで上げるって言うのは無理なような気もしますが、どうでしょうか。

日本の中央銀行である日銀の政策としては、金利を下げる政策を行っているため大きく上昇することはないし、今の住宅ローン金利が継続して上昇していくシグナルではないといえます。

その理由は「生鮮食品を除く総合」のグラフを見ても分かる通り、日銀が目標としている消費者物価指数(CPI)2%はまだまだ遠く、金融緩和を継続せざるを得ないからです。

住宅ローン金利の上昇のタイミングが判れば、すでに住宅ローンを借りている方でも事前に固定金利に借り換えるなど対策を取ることが出来ますね。そしてこれから住宅ローンの借入れを考えている方は、超低金利の今が大きなチャンスと言えそうです。

とにかく今日この記事を見てくれた方には、消費者物価指数(CPI)をチェックすることで住宅ローン金利が上昇するタイミングがわかることだけでも覚えておいていただければ幸いです。

 

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