住宅ローンを比較する際に、「やっぱりメガバンクだから安心」、「長い返済期間付き合うんだから信頼できるメガバンクで」といった理由で銀行を選んでいないでしょうか。
メガバンクは、かつての財閥が母体となる大企業の一角で、その知名度は高く長い歴史があります。その安心感からか、長いお付き合いとなる住宅ローンの借り入れ先にメガバンクを選択する人も多いと思います。
住宅ローンを借りる銀行を選ぶ際に、安心感は必要なのでしょうか。
住宅ローンの銀行選びには、安心感は必要ない!
通常、お金を預ける「預金」の場合であれば、倒産しにくそうな銀行を選ぶ必要があります。
そのため、必然的にメガバンク、すなわち、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行を選ぶのではないでしょうか。
サラリーマンでも自営業者の方でも、会社としても信用力の高いメガバンクをメインバンクにしているケースが多いでしょう。
しかし、住宅ローンはお金を預ける・貸すのではなく、お金を借りるものです。
通常通りに返済していて、銀行が仮に倒産したとしても、ほとんど借りている人にダメージはありません。
住宅ローンがチャラになってくれれば良いですがそううまくはいきません。住宅ローンを借りた銀行が倒産しても債務がなくなるわけではなく、債権を買いとった銀行に返済することになります。つまり、返す銀行が変わるだけです。
しかも、債券を買い取った銀行と顧客の契約条件はそのまま引き継がれるので、返済する銀行が変わったからといって、住宅ローンの金利が上がったりすることはなく、今までの契約条件が変わることはありません。
そのため、より低い金利で住宅ローンを提供しているネット銀行の住宅ローンを選ぶことをおすすめします。
メガバンクは店舗縮小へ?
今の住宅ローン金利の低下の要因と言える金融緩和が行われてからたびたび話題となっているのが、メガバンクの規模縮小や地方銀行の収益悪化のニュースです。
収益が悪化しているメガバンクでは人員削減や店舗縮小に舵を切っています。みずほ銀行の親会社であるみずほフィナンシャルグループでは、2026年度までに1万9千人分の業務量削減をめざした上で今後数年で20~30店舗の統廃合なども検討していますし、三菱UFJ銀行でも「完全無人」を含めたコスト負担の軽い軽量店舗の開発を急ぐなど、大きなニュースになっています。さらに三菱UFJ信託銀行では2018年4月から住宅ローン事業の新規融資からの撤退を発表するなど、金融機関の厳しい経営状況が垣間見れる事態となっています。
仮に、高めの金利を我慢しても「専任の担当がつく」「近くの店舗なら気軽に相談きて安心」という理由でメガバンクの住宅ローンを利用しようとしているならば、その状況は変わってきている事になりますね。
経営規模の縮小を行うメガバンクでは、ある日専任の担当者が変更になったり、さらには近所にある店舗が無くなると言った事態になるかもしれません。
さらにメガバンクは、住宅ローンに関してもネットのみで完結させる住宅ローンの提供を開始するなど、コストがかからないネット銀行に寄せた商品の提供を開始しています。メガバンクや大手銀行で扱う住宅ローン全てがそうなるとは思いませんが、いずれネットでの申込みが主流になるのであれば、それを先行して行っているネット銀行の利点が今のところ大きいのは言うまで無いですね。
銀行選びの重要なポイントは?
住宅ローンを借りるときに、メガバンクであれば専任の担当者がつき、相談や悩みを丁寧に対応してくれるかもしれませ。
しかも収益の悪化のためそれもなくなるかもしれませんが、金利の僅かな違いで数百万円の差が出る住宅ローンは、安心感を選んだために返済総額が大きくなってしまうことで実質的に損をしていますし、住宅ローンの破綻リスクも大きくなってしまいます。
ネット銀行でも、専任の担当者が付くことはありませんが、相談員がいる窓口を設置している銀行もありますし、窓口がない分ネットや電話などの相談体制に力を入れています。
楽天銀行では、平日土日の22時までオンラインチャットソフトSkypeで相談できるなど、銀行の窓口に行くよりも相談しやすい体制を整えているネット銀行もあります。
住宅ローンを選ぶ際には、銀行の名前で選ぶのではなく「金利」・「諸費用」・「付加サービス」を重視して選びましょう。
住宅ローンは銀行の「安心感」ではなく「金利」・「諸費用」・「付加サービス」で選ぼう