住宅ローンの借り換えと返済期間の調整を検討するイメージ

かつて「史上空前の低金利」と言われた住宅ローン金利は、転換点を迎えています。日本銀行は2024年3月のマイナス金利解除後も追加利上げを進め、2026年6月には政策金利を1.0%程度まで引き上げました(2026年7月時点)。とはいえ、数年前の高い金利で借りている人にとっては、より条件の良いローンへ借り換えることで総返済額を減らせる余地は依然として残っています。

借り換えのメリットは、月々の返済額を下げたり、変動から固定へ金利タイプを変えて金利上昇リスクに備えたりできること。加えて見落とされがちなのが、残りの返済期間を調整できる機会でもある点です。月々の返済にもう少し余裕が欲しいなら期間を延ばし、昇給などで余裕が出たなら期間を短くする——このひと工夫で借り換えの効果は大きく変わります。

今回は、住宅ローンの借り換えで返済期間を「短くした場合」「延ばした場合」それぞれのメリット・デメリットを、総返済額の視点から整理します。

返済期間を短くした場合

金利の低い住宅ローンへ借り換えると、返済総額や月々の返済額を減らせます。そのため、借り換える前と同じ額を毎月の返済に充てるだけで、返済期間を短くすることも可能になります。

借り換えで返済期間を短くした場合のメリット

  • 返済総額が減る
  • 完済が早まり、老後のライフプランに余裕を持てる

借り換えで返済期間を短くした場合のデメリット

  • 月々の返済負担はそのまま、もしくは増える

返済期間を短縮できれば、借り入れている期間が減るぶん、必然的に総返済額を抑えられます。つまり『これまでより低い金利+返済期間の短縮』という2つの効果で総返済額を減らせるわけです。完済が早まれば老後資金もためやすく、返済終了後のライフプランも立てやすくなります。現在の返済額に負担を感じていない人は、借り換えで期間を短くする選択を検討してみましょう。

返済期間を延ばした場合

実際に借りてみると思ったより返済がきつい、転職などで収入が減ってしまった——そうした事態にも、借り換えは対応策になります。低い金利への借り換えで返済額は下がりますが、さらに月々の負担を軽くしたい場合は、返済期間を延ばすことで対応できます。

借り換えで返済期間を延ばした場合のメリット

  • 月々の返済額を減らし、家計に余裕が出る

借り換えで返済期間を延ばした場合のデメリット

  • 総返済額は増える
  • 完済年齢が上がり、老後の資金計画に影響することも

せっかく購入したマイホームを手放すくらいであれば、総返済額が増えても月々の返済額を下げるために期間を延ばすのは十分「アリ」です。ただし注意したいのは完済する年齢。あまり高すぎるとそもそも審査に通りにくく、退職後も返済が続くなら収入減に備えて貯蓄を厚くするか、退職後も働く前提が必要になります。

「短縮」と「延長」を総返済額で比べる

どちらを選ぶかは、目先の月々の負担と、生涯で払う総額(総コスト)のどちらを優先するかで決まります。表面金利だけでなく、借り換え時にかかる諸費用まで含めて判断しましょう。

調整方法月々の返済額総返済額向いている人
返済期間を短くする変わらない〜増える減る今の返済に無理がなく、完済を早めて老後資金に備えたい人
返済期間を延ばす減る増える月々の負担を軽くして家計に余裕を持たせたい人

借り換えで見落としがちな「総コスト」の注意点

借り換えには、新たに事務手数料・保証料・登記費用・印紙税などの諸費用がかかります。金利差で減る利息よりも諸費用が大きければ、借り換えても得になりません。とくに事務手数料は「借入額×2.20%(税込)」の定率型が多く、借入額が大きいほど高額になります。金利の低さだけで飛びつかず、諸費用を含めたトータルコストで「本当に総返済額が減るか」を必ず試算しましょう。あわせて、団信(とくに疾病・がん保障)の内容が変わる点も、金利以外の価値として見落とせません。

おすすめの借り換え先は?

「変動金利のままでは今後の金利上昇が気になる」という方には、返済終了まで金利が変わらないフラット35が有力な選択肢です。【フラット35】を数多く取り扱う住宅ローン専門金融機関(モーゲージバンク)のSBIアルヒは、借り換えにも対応しています。

SBIアルヒの事務手数料は借入額×2.20%(税込・最低220,000円)で、以前あった「Web申込で半額(1.10%)」の優遇は終了しています。現在は、2026年3月2日〜2027年3月31日の期間中に「Web申込」(本申込)と電子契約を利用して【フラット35】・スーパーフラットを借り入れた人を対象に、1債権あたり事務手数料を33,000円(税込)引き下げるキャンペーンが実施されています(借り換えも対象。最新の適用条件・金利は公式サイトでご確認ください)。

諸費用の分かりやすさや団信の手厚さを重視するなら、事務手数料が定率で保証料0円、全疾病保障付団信(上乗せ0円)などをそろえるSBI新生銀行も、借り換え先の候補として比較しておくとよいでしょう。いずれにせよ、借り換えのメリットは「金利差」「諸費用」「返済期間の調整」を合わせて最大化するもの。目先の金利だけで決めず、総返済額で判断してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 返済期間を延ばすと、総返済額はどのくらい増えますか?
A. 期間を延ばすほど利息を払う期間が長くなり、総返済額は増えます。増える金額は金利・借入残高・延長する年数で大きく変わるため、月々の負担軽減と総額増のトレードオフを、借り換え前に必ずシミュレーションで確認しましょう。

Q. 借り換えで完済年齢は何歳まで認められますか?
A. 多くの金融機関で完済時の年齢の上限は「80歳未満」などに設定されています。返済期間を延ばすと完済年齢が上がるため、退職後も返済が続かないか、収入減に備えられるかを確認してください。上限や条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

Q. 借り換えと同時に返済期間を短くすると、審査は厳しくなりますか?
A. 期間短縮で月々の返済額が増えると、年収に対する返済負担率が上がり、審査に影響する場合があります。短縮は無理のない範囲で行い、負担率に不安があるなら期間はそのままにして金利差だけでメリットを取る方法も検討しましょう。


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