住宅ローンの諸費用や総支払額を書類で確認する夫婦のイメージ

楽天銀行のロゴ画像です楽天銀行は、2010年にイーバンク銀行株式会社から商号変更をして誕生した楽天グループのネット銀行です。2023年4月には東証プライム市場に上場を果たし注目を集めました。住宅金融支援機構と提携して提供する「フラット35」と、変動・固定を選べる「金利選択型(変動金利(固定特約付き))」の2本立てで住宅ローンを展開しており、ネット銀行のなかでも低い事務手数料で評価されている銀行です。本ページでは、表面の金利だけでなく、事務手数料・団信・金利の上乗せ条件まで含めた「総コスト」の視点で楽天銀行の住宅ローンを分解していきます。

まず押さえる:楽天銀行の住宅ローンは「性格の違う2本立て」

楽天銀行の住宅ローンは、同じ銀行のなかで費用のかかり方がまったく違う2つの商品に分かれています。どちらが有利かは金利の高低ではなく、借入額と、何年金利を固定したいかで決まります。最初に全体像を押さえておきましょう。

比較の観点【フラット35】金利選択型(変動金利(固定特約付き))
金利タイプ全期間固定(借入時に完済まで確定)変動金利。借入期間中に固定(2・3・5・7・10年)へ何度でも変更可
融資事務手数料(税込)借入額×1.10%(購入・建築/楽天銀行が返済口座)
借換は借入額×0.99%
楽天銀行以外が返済口座は一律1.43%
借入額にかかわらず330,000円の定額
保証料・繰上返済手数料いずれも0円(保証人も不要)いずれも0円(一部繰上返済は1万円から)
団信・特約新機構団信付きの金利。デュエット・3大疾病付は金利上乗せ団信+がん保障特約(50%保障)+全疾病特約が保険料0円
相性のよい人金利上昇リスクを完済まで断ちたい人、勤続年数や雇用形態に不安がある人借入額が大きく諸費用を抑えたい人、保障を厚くしたい人

※上記は2026年8月時点で楽天銀行公式サイトにて確認した内容です。適用金利は毎月見直されるため、最新の数値は公式サイトでご確認ください。

楽天銀行といえば「フラット35」

返済終了まで金利が変わらない長期固定型住宅ローン「フラット35」で大きな取り扱いシェアを持っているのが楽天銀行です。楽天銀行の「フラット35」の特徴はどんなところでしょうか。

楽天銀行の「フラット35」 注目ポイント

1.事務手数料が取扱金融機関のなかでも低水準 購入・建築なら借入額×1.10%(税込)。一般的な2.20%(税込)の半分の水準。
2.保証料・保証人が不要 保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、借入時の持ち出しを抑えられる。
3.完済まで返済額が変わらない 金利上昇局面でも返済計画が崩れない全期間固定。
4.金利引下げ制度に対応 【フラット35】子育てプラスなど、条件を満たせば組み合わせて最大年1.000%の引下げ。

フラット35とは

フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構および前身の住宅金融公庫の証券化支援事業をもとに提供している長期固定金利住宅ローンです。長期固定金利住宅ローンは、資金の受取り時に返済終了までの借入金利・返済額が確定する住宅ローンなので、長期にわたるライフプランを立てやすくなります。 つまり、返済終了まで金利上昇によるリスクを避けることができるのが最大の特徴です。

なお、2017年10月申込受付分からフラット35は団信付きの金利体系に変わっています。楽天銀行の場合、表示金利は団信ありの金利で、デュエット(ペア連生団信)は年0.180%上乗せ、3大疾病付団信は年0.240%上乗せ、健康上の理由などで団信に加入しない場合は年0.200%引下げとなります。家族構成や住宅性能に応じて借入金利を一定期間引き下げる【フラット35】子育てプラスなどの金利引下げ制度(組み合わせて最大年1.000%引下げ)も用意されているので、該当しそうな方は必ず確認しておきましょう。借入額は100万円以上1億2,000万円以内、借入期間は15年以上35年以内(申込人が60歳以上の場合は10年以上)が基本です。

2026年8月の金利水準 ― 「3%台」が続いていることを前提に考える

フラット35の金利は取扱金融機関ごとに異なりますが、全体の水準は住宅金融支援機構が毎月公表しています。2026年8月に資金を受け取る分の「最も多い金利」は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で年3.290%(新機構団信付き)です。前月の年3.140%から0.150%上がり、3%台は3か月連続となりました。

商品・返済期間融資率9割以下(最も多い金利)融資率9割超(最も多い金利)
【フラット35】21年以上35年以下年3.290%年3.400%
【フラット20】20年以下年2.970%年3.080%
【フラット50】36年以上50年以下年3.500%年3.610%

※2026年8月資金受取分・新機構団信付き。住宅金融支援機構の公表値を2026年8月14日に確認。融資率9割超は9割以下より高くなるため、自己資金を1割用意できるかどうかで適用金利が変わります。楽天銀行を含む各取扱金融機関の実際の適用金利は、それぞれの公式サイトでご確認ください。

ここで注意したいのは、フラット35を「低金利だから選ぶ」時代ではなくなっているという点です。日本銀行は2026年7月30・31日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度に据え置きましたが、8月10日公表の「主な意見」には利上げに前向きな意見が並びました。変動金利が今後どこまで上がるかは誰にも断定できない以上、フラット35の価値は「金利の安さ」ではなく「返済額が動かないこと」そのものにあります。次回の金融政策決定会合は2026年9月17日・18日です。

事務手数料は「返済口座をどこにするか」で3段階に変わる

多くの金融機関で提供しているフラット35ですが、金利や事務手数料には違いがあり安易に選んでしまうと思わぬ損をしてしまいます。楽天銀行の融資事務手数料は返済口座の指定先と、購入・建築か借り換えかで3段階に分かれます。

  • 購入・建築で楽天銀行を返済口座に指定:借入額×1.10%(税込)
  • 借り換えで楽天銀行を返済口座に指定:借入額×0.99%(税込)
  • 楽天銀行以外を返済口座に指定:いずれの場合も借入額×1.43%(税込)

最低事務手数料は購入・建築の場合110,000円(税込)、借り換えの場合165,000円(税込)です。一般的な定率型の「借入額×2.20%(税込)」と比べると、3,000万円の借入で数十万円の差になります。

借入3,000万円の場合の融資事務手数料を楽天銀行の各コースと一般的な定率型で比較した棒グラフ
同じ3,000万円の借入でも、返済口座の指定と商品の選び方で事務手数料は約30万円変わります(借入額から当編集部が算出)。

手数料は現金で用意する必要があり、払っても元金が1円も減らない費用です。金利を0.010%単位で比べる前に、まずここを確認する価値があります。なお、フラット35の審査は住宅金融支援機構が関与するため、民間の銀行独自の基準とは観点が異なります。民間の銀行が貸し倒れリスクを避けるためにあらゆる角度から審査するのに比べ、フラット35では対象の物件が技術基準に合っているかどうかが重要なポイントになります。民間の銀行の住宅ローンでは審査に通らなかった方でも、フラット35なら審査に通る可能性があります。

楽天銀行の金利選択型住宅ローン

「フラット35」で有名な楽天銀行ですが、変動金利や10年固定金利などの金利選択型住宅ローン(正式名称は「変動金利(固定特約付き)」)も取り扱っています。その金利選択型住宅ローンの特徴を解説します。

楽天銀行の金利選択型住宅ローン 注目ポイント

1.事務手数料は一律330,000円(税込)の定額制 借入額が大きいほど定率型より割安に。
2.2つの疾病特約が無料で付帯 団信に加えて「がん保障特約(50%保障)」と「全疾病特約」が金利上乗せなしの無料で付帯(がん保障特約はローン実行日の年齢が満50歳以下の方が対象)。
3.保証料・一部繰上返済手数料無料 団信保険料も楽天銀行負担で0円。一部繰上返済は1万円から。

金利選択型住宅ローン

楽天銀行の住宅ローンは、フラット35が知られていますが、通常の金利選択型住宅ローンも取り扱っています。借入期間中は変動金利と固定金利を何度でも変更できるのが基本的な性格で(固定金利の適用期間中は変更できません)、固定は2年・3年・5年・7年・10年から選べます。最新の適用金利は基準金利から引下げ幅を差し引いて決まり、引下げ幅は審査結果によって決まるため、公式サイトの表示は「年○%~年○%」という幅で示されています。下限の金利で決まるとは限らない点は先に理解しておきましょう。

団信に加えて「がん保障特約」と「全疾病特約」が無料で付帯

通常の住宅ローンでは団信への加入が必須となっています。団信は契約者が死亡または高度障害時に残りの住宅ローン残高が保障されますが、楽天銀行の金利選択型住宅ローンには団信に加えて無料で疾病特約が付帯します。 「がん保障特約(50%保障)」はがんと診断されると残りの住宅ローン残高の半分が支払われる保障です。「全疾病特約」(販売名称は就業不能保障特約)は病気やケガで所定の就業不能状態が続いた場合に住宅ローン返済を保障する特約です(精神障害や妊娠・分娩・産じょく等、一部対象とならない病気があります)。 団信以上の保障が上乗せ金利0円で付くのが、この商品の性格をいちばんよく表している部分です。なお、100%保障のがん保障特約を希望する場合は年0.200%の金利上乗せで選択できます。がん保障特約(50%保障・100%保障)はローン実行日において満50歳以下の方が加入対象で、満51歳以上の方の取扱いは楽天銀行公式サイトでご確認ください。楽天銀行の金利選択型住宅ローンのがん保障特約の説明図です

定額制の事務手数料 ― 損得の分岐点は借入額1,500万円あたり

ネット銀行の事務手数料は通常では借入額の2.20%(税込)ですが、楽天銀行の金利選択型はいくら借り入れても一律で330,000円(税込)です。例えば4,000万円を借り入れる場合、借入額の2.20%なら事務手数料は88万円ですが、楽天銀行なら33万円。その差は55万円にもなります。 逆にいえば、借入額が1,500万円(1,500万円×2.20%=33万円)を下回ると定率型のほうが安くなるため、少額の借入や残高の少ない借り換えでは定額制が不利に働くこともあります。ご自身の借入額で必ず比較しましょう。

見落としやすい「金利に上乗せされる条件」を先に確認する

総コストで比べるうえで、この商品でとくに確認しておきたいのが金利に上乗せされる条件です。表示されている下限金利は、これらに該当しない場合の水準だからです。

上乗せの条件上乗せ幅実務上のポイント
楽天銀行以外を返済口座に指定年0.300%給与振込口座を変えたくない場合でも、返済口座だけ楽天銀行にすれば回避できる
ペアローン連生型・夫婦連生型の団信を適用年0.200%共働きで2人分の債務をカバーしたい場合の費用。保障と天秤にかける
がん保障特約を100%保障にする年0.200%50%保障までなら0円。上乗せは「保険料を金利で払う」と考える

※2026年8月時点で楽天銀行公式サイトにて確認。上記のほか、収入印紙代や登記関連費用が別途必要です。返済口座の指定だけで年0.300%も動くのは、金利の比較表からは読み取れない部分です。ペアローンを検討している方は、連生型団信の年0.200%を含めた金利で他行と比べてください。

また、この商品は登記費用・融資事務手数料・火災保険料・仲介手数料などの諸費用の一部を借入額に含められる点も、手元資金を残したい人には効きます。ただし諸費用部分は原則として住宅ローン控除の対象外で、年末調整や確定申告の際に自分で控除対象から除く必要があります。楽天銀行の金利選択型住宅ローンは、借入額が大きく、諸費用をなるべく抑えたい方と、上乗せ0円の疾病保障を重視する方に向いた設計といえます。

楽天銀行の住宅ローンに関するよくある質問

Q. 返済口座は必ず楽天銀行にしないといけませんか?
必須ではありませんが、費用面の差は小さくありません。フラット35では他行を返済口座にすると事務手数料が1.43%(税込)になり、金利選択型では年0.300%の金利上乗せがあります。楽天銀行の口座を持っていない場合は、借入希望日の2週間前までに口座開設と初期設定を済ませる必要がある点にも注意してください。

Q. ペアローンを組むときに気をつけることは?
金利選択型でペアローンを利用する場合、ペア相手の方も別途WEB事前審査の申込が必要で、片方だけの申込では審査が進みません。またペア相手も金利選択型で申し込む必要があります。連生型団信を付けると年0.200%の上乗せになるため、「2人分の保障をどこまで買うか」を先に決めてから金利を比べると判断がぶれません。

Q. 自営業ですが、フラット35なら通りやすいと聞きました。本当ですか?
フラット35の審査は住宅金融支援機構の基準が中心で、物件が技術基準に適合しているかが大きなウエイトを占める点が民間ローンとの違いです。ただし返済負担率などの基準はあり、「自営業なら必ず通る」わけではありません。適合証明書の取得(物件検査手数料)が必要になる点も、諸費用として見込んでおきましょう。

Q. 変動金利を選んだあと、固定に切り替えられますか?
金利選択型なら借入期間中に何度でも変更できます。ただし固定金利の適用期間中は、変動への変更も固定期間の変更もできません。切り替えのタイミングを自分で判断し続ける必要があるため、「判断し続けたくない」人はフラット35のほうが性格に合います。

Q. フラット35の借入額に上限はありますか?
100万円以上1億2,000万円以内(1万円単位)で、住宅建設費または住宅購入価額の100%以内が上限です。融資事務手数料や登記費用、適合証明検査費用などの諸費用を借入額に含められる場合もあります。

総コストで見たときの立ち位置と、比較の進め方

楽天銀行の強みは、フラット35の事務手数料の低さと、金利選択型の「定額手数料+上乗せ0円の疾病保障」という2点に集約されます。逆に弱点は、金利選択型の引下げ幅が審査結果次第で、申込前に適用金利を確定させにくいことです。

金利上昇局面では、「表面金利の差」より「手数料と保障の差」のほうが読みやすい判断材料になります。比較の際は、事務手数料が定率型(借入額×2.20%(税込))で保証料0円・一部繰上返済手数料0円のSBI新生銀行のような銀行も候補に入れると、定額型と定率型のどちらが自分の借入額に効くかが見えてきます。SBI新生銀行は一般団信の上乗せが0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、初めての住宅ローンでは安心材料になるでしょう。

いずれの場合も、借入額・返済期間・団信の希望を決めたうえで、事務手数料+上乗せ金利まで含めた総額で並べるのが遠回りに見えて確実です。適用金利は毎月見直されるため、最新の金利・手数料は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

 

 楽天銀行 口コミ・レビュー
dansei_comment 年齢:30代 性別:男性 職業:自営業 借入れ銀行:楽天銀行

自営業なので、審査に通りやすいと言われているフラット35で住宅ローンを探していました。 フラット35自体はどこの銀行でも扱っているので、いろいろネットなどで比較した結果、金利はネット銀行ならば差はなく、事務手数料の違いで楽天銀行を選びました。楽天銀行を返済口座にしなければなりませんが、借入金の1.100%と他社の半分でかなりお得です。 個人的に楽天市場のイメージで楽天には良い印象はなかったのですが、楽天銀行自体はやり取りは郵送と電話で行えましたし、電話でのやり取りも親切丁寧で好印象でした。ただ、書類の確認や理解して同意するのは時間が必要で、ひょっとすると窓口でやり取りしたほうが効率的かもしれません。これは金利の低さとトレードオフする部分でしょう。 審査には、2ヶ月程掛かりました。これも、書類のやり取りがスムーズにできれていればもう少し早く結果が出たかもしれません。 自営業というのもありフラット35を選びましたが、変動金利はマイナス金利の間は金利は上昇しないと言われてもどうしても心配でしたし、住宅ローン金利を気にしなければならないのも精神的に落ち着かなくなりそうだったので、返済が終わるまで金利が固定されるフラット35を選びました。仮に、フラット35の金利が今後、大幅に引き下げになった場合には、借り換えを行うことでリカバリーできると思っています。 個人的には大変満足できる住宅ローンでした。 特に変動金利で金利を気にすることが心配な方や、自営業の方には、今の非常に低い金利のフラット35は一考の余地があると思います。

※上記は投稿当時にお寄せいただいた内容をそのまま掲載しています。金利水準や商品内容は投稿時点のもので、現在とは異なります。

 

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住宅ローン比較ネット 編集部

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