
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、2007年9月24日の営業開始から約16年1か月で住宅ローンの累計取扱額10兆円を突破しました。ここまで積み上がった理由は、変動金利の低さと、上乗せ金利0円で付く団信「スゴ団信」の2つに集約されます。ただし、いま借りる人が見落としやすいのは融資金額の2.20%(税込)という事務取扱手数料と、金利上昇局面で返済額がどう動くかという点です。10兆円という実績の中身と、いまの商品性を総コストの視点で整理します。
累計10兆円は約16年1か月|積み上がるペースが加速した
住宅ローンの人気を測る分かりやすい指標が取扱額です。同行の累計取扱額は当サイトでも定期的にお伝えしてきましたが、2019年4月に5兆円を突破し、1年2か月後の2020年6月に6兆円、7兆円も同じ1年2か月で積み上げた計算です。10兆円突破を発表した当時は3〜4か月で5,000億円の融資を実行しており、ペースはさらに上がっていました。

直近では、同行の開示資料に基づく調べとして2024年度のネット銀行 住宅ローン新規実行額No.1を掲げています(ドコモSMTBネット銀行 住宅ローン WEB申込コース。同行調べ・2025年3月31日時点。りそなホールディングス、auじぶん銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラストグループを含む国内行および同社の開示資料に基づく)。ネット銀行として後発ではなく、住宅ローンでは先行組として規模を積み上げてきた銀行だと理解しておくとよいでしょう。
なお同行は2025年にNTTドコモの連結子会社となり、2026年8月3日に商号を「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ変更しました(個人向けサービスブランドは「ドコモの銀行」)。金融機関コード・支店番号・口座番号は変わらず、住宅ローンの商品性も引き継がれています。
総コストの起点は事務取扱手数料2.20%(税込)
金利の低さに目を奪われがちですが、この銀行で借りるときに最初に効いてくるのは事務取扱手数料=融資金額の2.2%(税込)です。借入3,000万円なら66万円、5,000万円なら110万円で、保証料が0円でもこの分は初期費用として現金が必要になります。

| 費用の種類 | 金額 | ポイント |
|---|---|---|
| 事務取扱手数料(借入時) | 融資金額の2.20%(税込) | 3,000万円なら66万円。定率型のため借入額に比例する |
| 保証料 | 0円 | 保証会社を利用する場合も保証料は銀行負担 |
| 一部繰上返済手数料 | 0円(1円以上1円単位) | 変動・固定特約期間中とも無料。何度でも可 |
| 全額繰上返済手数料 | 変動期間中0円/固定金利特約期間中33,000円(税込) | 固定特約中に借り換え・完済すると費用が発生する |
出典:ドコモSMTBネット銀行「商品概要説明書:住宅ローン」(2026年8月3日現在)
手数料定率型は借入額が大きいほど負担が重くなる一方、繰上返済で期間を短くしても戻ってこないのが特徴です。金利差だけでなく、事務手数料を含めた総支払額で他行と並べて比較しましょう。あわせて、ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローン|スゴ団信と総コストで商品全体の条件を確認しておくと判断しやすくなります。
また、同行の住宅ローンは審査結果によって表示金利に年0.10%〜0.30%が上乗せされる場合があり、借入期間によっても年0.15%の上乗せがあります(WEB申込コース)。返済期間は新規で最長50年まで取り扱いがありますが、期間を延ばせば上乗せ金利と利息の総額も増えます。表示金利をそのまま前提にした試算とはズレが出る点に注意してください。
スゴ団信|満50歳以下なら3大疾病50%保障まで上乗せ0円
ドコモの銀行の住宅ローンでもっとも評価されているのが団信の手厚さです。団体信用生命保険と全疾病保障は上乗せ金利0円で基本付帯し、さらにお借入時の年齢が満50歳以下なら「3大疾病50プラン」(がん診断時・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になったときにローン残高の50%を保障)も上乗せ0円で基本付帯します。上乗せ0円の対象年齢は2024年8月1日に満40歳未満から満50歳以下へ拡大されました。
| 保障 | 上乗せ金利 | 内容 |
|---|---|---|
| 団体信用生命保険(死亡・高度障がい・リビングニーズ) | 0円 | 基本付帯。残高が0円になる |
| 全疾病保障 | 0円 | 基本付帯。あらゆる病気・ケガで働けなくなったときに月々の返済を保障し、その状態が一定期間続くと残高が0円に |
| 3大疾病50%保障 | 0円(満50歳以下の場合) | 基本付帯。がん診断時等で残高の50%を保障 |
| 先進医療特約 | 0円 | 先進医療の技術料の自己負担分を通算1,000万円まで保障 |
| 3大疾病100%保障などの上位プラン | 年0.2%〜0.4% | 保障を厚くする場合は金利に上乗せ |
| ワイド団信 | 年0.3% | 健康上の理由で通常の団信に入れない場合の選択肢 |
出典:ドコモSMTBネット銀行「団体信用生命保険(スゴ団信)」/スゴ団信 プラン条件改定のお知らせ(2024年7月11日)/同「商品概要説明書:住宅ローン」(2026年8月3日現在)
他行では全疾病保障を付けるのに年0.1%〜0.3%の上乗せが必要なことが多く、上乗せ0円で付くことは総支払額の面で明確な差になります。借入3,000万円・35年で年0.2%の上乗せがあれば、総返済額は100万円前後変わる計算です。
ただし注意点もあります。全疾病保障の対象は「働けなくなったとき」で、就業不能の状態が続くことが支払いの前提です。残高が0円になるのも一定期間の就業不能が継続した場合で、診断されただけで返済が止まるわけではありません。精神障がい等は対象外とされており、保障が手厚いことと、支払いのハードルが低いことは別だと理解しておきましょう。詳しい注意点はドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローンの落とし穴・デメリットでも整理しています。
変動金利は上昇局面|「いつ・いくら」上がるかは契約で決まっている
同行の変動金利はネット銀行のなかでも低い水準を維持していますが、足元は金利が上がる方向の局面です。日本銀行は2026年6月の金融政策決定会合で金融市場調節方針を変更しており、次回の会合は9月17日・18日、結果の公表と植田総裁の記者会見は18日です(日本銀行「金融政策決定会合の運営・日程」)。追加利上げの観測が複数の報道機関から伝えられていますが、決まったわけではありません。
重要なのは、政策金利が動いてから自分の返済額が動くまでにはいくつもの段階と時間差があることです。同行の商品概要説明書は、変動金利タイプについて次のように定めています。
- お借入れ後の金利は、毎月1日(基準日)の同行の短期プライムレートを基準に毎月見直し、基準日の翌月に到来する約定返済日の翌日から新しい金利を適用する
- 月々の返済額は、お借入れ後5回目の10月1日を基準日とする金利見直し時に、前回の返済額の125%を限度に見直す(以降も5年ごと)=いわゆる5年ルール・125%ルール
- 金利情勢等により、当初の借入期間が終了しても未返済残高が生じる場合がある
つまり、金利が上がってもすぐに毎月の引き落とし額が増えるわけではなく、先に元金と利息の内訳が変わり、返済額の見直しは5年ごとにやってきます。負担が見えにくいぶん、期間終了時に残債が残るリスクが後ろにずれて積み上がる構造でもあります。金利上昇が話題になったときにまず見るべきは報道ではなく、自分の返済予定表と契約条件(基準金利・見直し時期・5年ルールの有無)です。銀行や契約によってこの扱いは異なるため、他行で借りている人が同じ前提で考えるのは危険です。仕組みの全体像は住宅ローン変動金利の落とし穴|金利上昇局面で効く5つの注意点で詳しく解説しています。
なお、固定金利(当初10年など)は長期金利を基準に決まるため、政策金利の決定を待たずに先に動くことがあります。10年固定は他のネット銀行のほうが低いこともあるので、固定で借りたい場合はドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローン金利で当月の水準を確認したうえで横断的に比較してください。
WEB申込コースと対面(ミスター住宅ローンREAL)は別商品
ネット銀行は原則として店舗を持たずコストを抑えることで、大手銀行にはできない金利や付加サービスを実現しています。そのなかで同行は、店舗で相談できる「対面相談コース(ミスター住宅ローンREAL)」を用意しており、全国のローンプラザなど銀行代理業者の窓口で土日も相談できます。
ここで誤解されやすいのが、WEB申込コースと対面相談コースは同じ商品ではないという点です。対面相談コースは団信と全疾病保障が上乗せ0円で付き交通事故傷害補償も付帯しますが、適用金利も保障の組み合わせも、審査結果による上乗せ幅もWEB申込コースとは別に設定されています。「WEB申込コース」「対面相談コース」「フラット35」を同時に申し込むこともできません。相談のしやすさを取るか、条件を取るかは、両方の条件を並べたうえで決めましょう(ドコモSMTBネット銀行「対面相談コース」)。
よくある質問
Q. ドコモの銀行の住宅ローンの事務手数料はいくらですか?
A. 融資金額の2.2%(税込)です。借入3,000万円なら66万円、5,000万円なら110万円が借入時にかかります。保証料は0円ですが、事務手数料は繰上返済で早く完済しても戻りません。
Q. スゴ団信は何歳まで上乗せ0円ですか?
A. お借入時の年齢が満50歳以下であれば、3大疾病50%保障まで上乗せ0円で基本付帯します。2024年8月1日から対象が満40歳未満から満50歳以下へ拡大されました。満50歳超の場合は団信と全疾病保障が基本付帯となります。
Q. 住信SBIネット銀行と名前が変わりましたが、契約はどうなりますか?
A. 2026年8月3日に商号が「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ変更されましたが、金融機関コード・支店番号・口座番号は変更されず、住宅ローンの契約内容も引き継がれています。個人向けのサービスブランドは「ドコモの銀行」です。
Q. 変動金利が上がると、来月から返済額も増えますか?
A. 増えません。同行の変動金利タイプは毎月1日を基準日として金利を見直し、翌月の約定返済日の翌日から新金利を適用しますが、月々の返済額の見直しは借入後5回目の10月1日を基準日とする見直し時(以降5年ごと)で、前回返済額の125%が上限です。金利が上がった分は先に元金と利息の内訳に反映されます。
Q. 対面で相談すると金利は高くなりますか?
A. 対面相談コース(ミスター住宅ローンREAL)はWEB申込コースとは別商品で、適用金利・保障・審査による上乗せ幅がそれぞれ設定されています。単純に高い・安いではなく、両コースの条件を並べて比較してください。
低金利に加えて手厚い保障が上乗せ0円で付く点は、新規の借入れ・借り換えのいずれでも有力な選択肢です。金利上昇局面だからこそ、金利・事務手数料・保障のバランスを総支払額で確認して検討しましょう。金利・手数料・団信の条件は改定されることがあるため、申込前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
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