国税庁が発表した令和2年分の「民間給与実態統計調査」によると通年で勤務する給与労働者は5,245万人いるとされており、男性では300万円超えから400万円以下がもっとも多い年収のボリュームゾーンになっています。

もちろん年齢とともに年収があがる傾向があるため、年代ごと平均年収で見てみると20代後半に年収300万円台の方が多いことも同調査からもわかります。

本ページを閲覧いただいている方は年収300万円台の方々で家の購入のため住宅ローンを借りることを検討されていると思います。

マイホーム購入、住宅ローン比較に少しでも有意義な情報を提供できればと考え、本ページを編集しました。長文ですが最後までお付き合いいただけると幸いです。

令和2年分「民間給与実態統計調査」

年収300万円台のみんなの平均的な住宅ローン借入額は?

フラット35を提供している住宅金融支援機構が平均的な住宅ローン借入額を計算できる調査を出しています。民間住宅ローン利用者の実態調査における返済負担率であり、この調査項目によると全体の7割以上の住宅ローン利用者が20%以下に抑えています。これは年収300万円の方であれば年間の住宅ローン返済額を60万円以下にしているということになります。

では、返済負担率を20%とし、35年ローンの変動金利で住宅ローンを組んだ場合の平均的な借入額を算出してみたいと思います。

今回の金額算出は年0.457%の場合で算出しています。

年収300万円台ですと2000万円から2400万円が平均的な借り入れ額といえるでしょう。

年収年間返済額(月々の返済額)想定される平均的な借入可能額
300万円60万円(5万円) 約1,940万円
320万円64万円(約5.3万円) 約2,100万円
340万円68万円(約5.6万円) 約2,200万円
360万円 72万円(6万円) 約2,320万円
380万円76万円(約6.4万円) 約2,400万円

 

年収300万円台の適正および上限となる住宅ローン借入可能額・上限額は?

年収300万円台の方の返済負担率の上限は35%とされています。前述の平均値20%以下とは大きな乖離がありますね。

では実際に返済負担率35%で計算すると、どの程度の借り入れが可能なのでしょうか?実際に返済していけるかという問題を起き、借り入れ限度額についてみていきましょう。

住宅ローン審査に最も寛容といえる公的な住宅ローンフラット35より借入れ可能額を算出してみました。

より細かい年収で計算したい方はARUHIの公式サイトを確認をお願いします。 https://www.aruhi-corp.co.jp/service/simulation/

税込み年収上限月々の返済額
300万円2,517万円約7.5万円
320万円2,685万円約8万円
340万円2,853万円約8.5万円
360万円3,020万円約9万円
380万円3,188万円約9.5万円

いかがでしょうか。税込みは社会保険や住民税・所得税などを含んだ金額となり、手取りはもっと少ない金額となります。たとえば、年収360万円の手取りであれば300万円程度となり、月々では25万円あまりですね。25万円の手取りから9万円の住宅ローン返済を行いさらに、固定資産税、火災・地震保険、マンションであればこれに管理費・共益費、修繕積立金 を払うとすると住宅ローン借入額としては現実的ではないでしょう。

では、手取りベースで考えるとどうでしょうか?次に手取り年収で計算を行ってみました。

計算にあたってはARUHIの2021年12月の適用金利1.33%より算出しています。

手取り年収上限月々の返済額
300万円(手取り240万円)2,013万円約6万円
320万円(手取り260万円)2,181万円約6.5万円
340万円(手取り270万円)2,265万円約6.7万円
360万円(手取り290万円)2,433万円約7.2万円
380万円(手取り300万円)2,517万円約7.5万円

いかがでしょうか。いずれも民間住宅ローン利用者の実態調査の平均的な借入額に近い上限額、月々の返済額となりました。

結果、金融機関が提示する借り入れ可能額と実際に返済している金額では違うということが理解いただけれると思います。

考え方としては

①税込み年収の20%の返済負担額の上限と考える

②手取りの年収を用い金融機関が提示する借入れ可能額を算出する

が適正といえ、間違いなさそうですね。

 

年収300万円台の住宅ローン、頭金なしは危険?

住宅ローンを組む際に頭金が必要というのが定説ですが、実態はどうなのでしょうか?フラット35を提供する住宅金融支援機構が実施に住宅ローンを組んだ方を調査している資料に、このデータが含まれているのでご紹介したいと思います。

融資率は家などの住宅価格に対し、どの程度の割合で住宅ローンを使っているかを示すものです。

中古住宅であれば不動産の仲介手数料、住宅ローンを組む場合には保証料や融資事務手数料などの諸費用があります。

融資率から見ると10%以上の頭金を用意しているの半数にも満たないことが分かりますね。また、新築住宅で仲介手数料が発生しないと考えた場合でも、保証料や融資事務手数料などの諸費用が数十万円発生することを考えると、住宅価格はすべて住宅ローンを組み、諸費用だけ頭金として用意するという方もある程度いると想定できそうです。

いずれにしても、頭金を用意しているのは全体の半数未満、用意をしていても10%未満というのが実態です。

住宅ローンの低金利が続く中、頭金を用意する間に、賃貸住宅の家賃費用がムダ、住環境を改善したいという方が多いことが読み取れます。

住宅ローンの頭金

 

【判定】年収300万円台の住宅ローン借入額を判定!

インターネット上ではご自身の「年収+借り入れ可能額」で検索し、情報を得る方が多いようです。またそういったテーマのブログも多く目にします。

せっかくですので、今回は実際のインターネットユーザーが検索している「年収300万円+○○○○万円」というキーワードごとに借り入れ可能なのかを判定したいと思います。

※いずれも頭金なしを前提で試算しています。

 判定コメント
年収300万 住宅ローン 1500万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収300万 住宅ローン 2000万余裕を持った返済が可能だと思われます。
年収300万 住宅ローン 2500万年収300万円台後半であれば可能
年収300万 住宅ローン 3000万×年収300万円台では返済が困難になると思われます。

年収300万円台、40歳・40代で気をつけることとは?

住宅ローンを利用し、マイホームを購入する方は30代で購入するケースが多く、40歳で住宅ローンを組むのは平均値よりは遅いと言えます。

ただし、お仕事の状況(転勤など)、ご家庭の状況など、マイホームを購入する方々それぞれの都合があるため、購入時期が遅いと懸念するよりはしっかりと購入、完済のための資金計画を考えるほうが重要でしょう。

40歳で35年返済で住宅ローンを組んだ位場合に、完済が75歳となってしまいますので、定年退職が65歳とした場合に、定年退職後に10年間の住宅ローン返済期間が残ってしまうこととなります。

仮に年0.457%で住宅ローンを組んだ場合、

項目金額
月々の返済額77,306円
65歳定年時の住宅ローン残高13,446,622円

と、定年退職時点ての住宅ローン残高が、1300万円残ることとなります。

これをどうやって返済していくかを借り入れ時点でしっかり考える必要がありますね。

仮に、妻がパートで月間5万円稼ぐとすると、25年間トータルで1,500万円稼げる計算となります。

 

年収300万円台の方々が選んでいる人気の住宅ローンとは?

住宅ローンを組むためには一般的に年収300万円以上が必要とされていますが、ソニー銀行や楽天銀行の金利選択型では年収400万円以上を条件としています。年収300万円以上とはいえ、こうした基準を考えると住宅ローン審査基準に肝要なフラット35の利用も検討してみることが重要になってくると思われます。

住宅ローン申し込み時にはぜひ複数の住宅ローンに申し込み、仮審査を通過した後複数の金融機関からご自身が納得いくものを申し込むようにしたいですね。

下記が国内主要金融機関の住宅ローン審査基準で定められている年収の情報を一覧化したものです。

銀行名年収職業・雇用形態勤続年数
auじぶん銀行のロゴ画像です200万円個人事業主でも可能規定なし(個人事業主、会社役員は3年)
sumishinsbi_bank_83x42安定かつ継続的な収入があること規定なし規定なし(個人事業主、会社役員は3年)
ARUHIのロゴ画像です

フラット35

100万円程度でも可能パート、アルバイト、個人事業主、契約社員、派遣社員、会社役員でも可能規定なし(個人事業主、会社役員は2年)
PayPay銀行のロゴ画像です200万円以上正社員、契約社員規定なし
300万円以上個人事業主、契約社員、会社役員でも可能2年以上
100万円以上個人事業主、契約社員、派遣社員、会社役員でも可能半年以上(個人事業主、会社役員は3年)
ソニー銀行のロゴ画像です400万円以上個人事業主、会社役員でも可能規定なし(個人事業主、会社役員は3年)
三菱UFJ銀行のロゴ画像です200万円以上個人事業主でも可能1年(個人事業主、会社役員は3年)
※2023年2月、当サイト調べ。
リクルートのFP相談が無料!住宅ローンはもちろんお金に関すること全般
FP相談特典
お金や家計に困ったら、FPに相談することをおすすめします。そうはいっても、FPを自分で探すのは難しいですし、見ず知らずのFPに相談なんてして大丈夫?と感じてしまう人に紹介しておきたいのが、ホットペッパーやindeedなどを運営するリクルートが提供している保険の比較サイト「保険チャンネル」です。 保険チャンネルは、日本全国に店舗を持ち無料&オンライン(対面でも可能)でお金に関する全般的な相談にのってもらえます。 保険チャンネルでは保険に関することはもちろん、「住宅ローン」はもちろん「資産運用」「介護資金」など「お金に関すること」であればなんでも無料で相談でき、最適なライフプランを提案してもらえるので、お金に関する悩みを抱えている人は、1度相談してみることをおすすめします。
ネット銀行の住宅ローンは人気がある商品に申し込みが集中しやすく、契約まで時間がかかることがありますのでFP相談も早めに手続きを進めるようにしましょう

保険チャンネルの公式サイトはこちら

公的な住宅ローンの決定版、ARUHIフラット35

全国に多くの店舗を展開し、フラット35取り扱いシェアで14年連続で1位となっているのがARUHIです。自己資金の割合で割安な金利でフラット35が利用できるARUHIスーパーフラットの取り扱いなどが人気を集めています。ARUHIのフラット35シェアは12年連続1位

 

年収300万円台の住宅ローン控除

住宅ローン控除は納めた所得税や住民税が住宅ローン残高に応じて還付される仕組みです。具体的には住宅ローン残高の1%(年間40万円)まで控除が受けれます。

ただし、ここで重要なのは住宅ローン控除は納めた税金が還付される仕組みであること。

では、年収300万円台の方はどの程度の税金を納め、また住宅ローン控除を得ることができるのでしょうか。

住宅ローン減税(控除)の仕組み

年収300万円台の方が住宅ローンを2,000万円組んだ場合の初年度の住宅ローン控除(減税)で還付される金額を試算してみました。

【前提】扶養家族2名(配偶者および18歳未満の子供1名)、生命保険・地震保険、個人年金などの保険控除、医療費控除、ふるさと納税が無いものとする。 

年収納める所得税納める住民税住宅ローン控除額・還付(減税額)使えない枠
300万円約3.6万円約8.5万円約10.6万円(所得税3.6万円+住民税7万円)9.4万円
320万円約4.2万円約9.7万円約13万円(所得税4.2万円+住民税8.8万円)7万円
340万円約4.7万円約10.8万円約14.4万円(所得税4.7万円+住民税9.7万円)5.6万円
360万円約5.3万円約11.9万円約15.8万円(所得税5.3万円+住民税10.5万円)4.2万円
380万円約6万円 約13.2万円約17.4円(所得税6万円+住民税11.4万円)2.6万円

※住民税からの還付は課税所得の7%が上限となります。

なお、政府では年収500万円未満の方の住宅ローン控除制度の補完するための、すまい給付金制度を導入しています。こちもあわせて活用していきたいですね。

すまい給付金の公式サイトはこちら http://sumai-kyufu.jp/

 

年収ごとのすまい給付金の給付額一覧

税込み年収すまい給付金
300万円50万円
320万円50万円
340万円50万円
360万円50万円
380万円50万円