

近年、外国人労働者の増加にともなって、日本国籍のない人でも日本で住宅を購入したいと考えるケースが増えています。
出入国在留管理庁の発表によると、2025年6月末時点の在留外国人数は395万6,619人と過去最多を更新しました。日本の総人口の約3.2%にあたる規模で、その数は年々増加しています。
このように日本には多くの外国人が暮らしていますので、日本に長く住むことを考え、日本でマイホームを購入したいと考える人も増えています。海外では、その国に永住権をもたない人は不動産を買えない国もありますが、日本では永住権がなくても土地や住宅を購入することができます。
マイホームを購入できると言っても、自己資金が無い場合は住宅ローンを借りる必要があります。数千万円という大きなお金を金融機関から借りて、数十年と長期にわたって返済をするのが住宅ローンです。そのため、金融機関は貸し出す相手がきちんと返済できるのかを判断する際に、年収や勤続年数などいろいろな情報を調べます。
外国人でも日本で住宅ローンを組めるの?
外国人が日本で住宅を購入する際、日本の金融機関で住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。
結論から申し上げると外国人でも日本の金融機関で住宅ローンを組むことができます。ただし永住権を持っているか持っていないかによって、利用できる住宅ローンが変わってきます。永住権がある外国人の場合、基本的には日本人と同じように住宅ローンを利用できると考えて良いでしょう。
永住権が無い外国人でも住宅ローンを組める?
永住権をもたない外国人の場合には、金融機関によっては融資を取り扱っていなかったり、取り扱っていても審査を通過するのが難しくなってしまいがちですが、永住権のない方に対応した住宅ローンの審査に通過できれば住宅ローンを利用することができます。
以下では、永住権のない外国人が住宅ローンを組むための注意点や、永住権がなくても利用できる住宅ローンについてご説明していきたいと思います。
外国人が住宅ローンを組むときの注意点
外国人が住宅ローンを契約する際には、金融機関の「口座開設」について気を付けておく必要があります。
なぜなら、ほとんどの金融機関では住宅ローン返済口座は自行の普通預金口座のみと定めており、住宅ローンを契約するならば、その金融機関の普通預金口座を持っておかないといけないからです。
普通預金口座を持っていない場合は、口座開設しないといけませんが、外国人の場合、日本人に比べそもそもの銀行口座の開設条件が少し厳しくなっている場合があります。たとえば、外国人が日本で口座を開設するには、基本的に在留カードが必要になりますが、90日以下の観光ビザなど在留期間が3ヶ月未満の方は在留カードが発行されません。そのため、在留期間が3ヶ月未満の方で在留カードが発行されない方は必然的に日本で銀行口座を開設することができません。また、在留資格が外交・公用・短期滞在の場合も原則として口座開設できないと考えておきましょう。
永住権が無い外国人におすすめの住宅ローン
次に、永住権の無い外国人に対応した金融機関の住宅ローンの特徴やおすすめのポイントをご紹介します。永住権の無い外国人に対応した住宅ローンを提供している金融機関は今も多くはありませんが、それぞれ条件の出し方が異なるため、ご自身の状況(配偶者の有無・在留資格・自己資金など)に合う金融機関を選ぶことが大切です。
※金利・条件は変更される場合がありますので、必ず各金融機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。
| 金融機関 | 永住権なしでの申込 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| SBI新生銀行 | 配偶者が日本国籍または永住許可を持ち、連帯保証人になることが条件 | 金利・商品性は通常の住宅ローンと同一条件。保証料0円 |
| SMBC信託銀行(プレスティア) | 在留資格(短期滞在を除く)があれば単独で申込可 | 日本語または英語で意思疎通できることが条件。英語対応が充実 |
| 東京スター銀行 | 永住権のない外国籍の方向け専用商品「スター住宅ローン」あり | 中国語・英語のサポートあり。永住許可取得後は金利優遇の可能性 |
| イオン銀行 | 専用商品あり(単独申込可) | 金利は高め・借入期間最長15年・自己資金20%以上など条件は厳しめ |
SBI新生銀行の住宅ローン
SBI新生銀行の住宅ローンは、永住権の無い外国人でも、配偶者が日本国籍または永住許可を持っていて、その配偶者が連帯保証人となる形であれば申し込み可能です(公式サイトの申込条件に明記されています)。
日本人でも外国人でも同じ住宅ローン商品への申し込みとなり、金利や商品性も同一条件で借りられるのが大きな特徴です。外国人向けに金利が上乗せされる専用商品ではなく、通常の住宅ローンと同じ土俵で借りられるという点で、配偶者の条件を満たせる方にとっては有力な選択肢になります。
商品性の面でも、保証料が0円、一部繰上返済手数料も0円と諸費用面が分かりやすく、事務手数料は定率型・定額型から選択できます。がん診断保障付団信や全疾病保障付団信などの保障も用意されており、店舗での対面相談とオンライン手続きの両方に対応しています。
外国人の借り入れ条件 | 永住許可を保有している場合には、日本国籍を有する個人と同条件。 永住許可がない場合には、日本国籍を有している配偶者または永住許可のある外国籍の配偶者が連帯保証人になることが条件。 |
金利・その他の条件 | 通常の住宅ローンと同一条件(外国人向けの金利上乗せなし)。 金利は毎月見直されるため、最新の金利・申込条件は公式サイトでご確認ください。 |
SMBC信託銀行(プレスティア)の住宅ローン
SMBC信託銀行(プレスティア)の住宅ローンは、日本に居住している外国人の場合、在留資格(短期滞在を除く)を持っていて、日本語もしくは英語での意思疎通が可能であれば、永住権がなくても申込が可能です(公式FAQに明記)。配偶者の条件なしに単独で申し込める数少ない金融機関のひとつです。
各種契約書類は日本語が正文ですが英語訳書類も用意されており、英語での手続きサポートが充実している点は外資系をルーツに持つ同行ならではの強みです。保証料・保証事務手数料はかかりません。一方で、金利プランには借入金額などの適用条件が設けられている場合があり、年収基準も比較的高めとされていますので、申込前に最新の条件を公式サイトで確認するようにしてください。
外国人の借り入れ条件 | 日本に居住している外国籍の方で、在留資格(短期滞在を除く)があれば永住権がなくても申込可能。 日本語もしくは英語で意思疎通可能であること(契約書類は日本語が正文・英語訳あり)。 |
金利・その他の条件 | 金利プラン・年収基準などの適用条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。 |
東京スター銀行の住宅ローン
東京スター銀行の親会社は台湾のメガバンク、中國信託商業銀行というだけあって、外国人向けに手厚いサービスを提供しています。現在は永住権をお持ちでない外国籍の方向けの専用商品「スター住宅ローン」が用意されており、外国人専用デスクや英語・中国語によるサポート体制がある点が、他の金融機関にはない特徴です。
「スター住宅ローン」では、原則として返済口座を給与振込口座に指定すると金利が全期間引き下げられる仕組みがあるほか、初めてがんと診断確定された場合にローン残高相当額が保障される団信が付帯します。また、借り入れ期間中に永住許可を取得した場合、所定の審査のうえ金利優遇を受けられる可能性があるため、将来的に永住許可の取得を予定している方には使いやすい商品性となっています。一方で、専用商品のため金利水準は一般的な住宅ローンよりは高めの設定です。最新の金利・条件は公式サイトで確認しましょう。
外国人の借り入れ条件 | 永住権をお持ちでない外国籍の方向けの専用商品「スター住宅ローン」として提供。 借入期間中に永住許可を取得した場合、所定の審査のうえ金利優遇の可能性あり。 |
外国語サポート | 外国人専用デスクがあり、英語・中国語でのサポートに対応。 原則として取り引きは日本語の契約書および説明資料に依拠します(翻訳資料は参考用)。 |
金利・その他の条件 | 最新の金利・適用条件は公式サイトでご確認ください。 |
イオン銀行の住宅ローン
イオンユーザーからの高い評価を受けているイオン銀行の住宅ローンにも、永住権のない外国人向けの専用商品が用意されています。ただし、金利が通常の住宅ローンより高く設定されているうえ、借入期間は最長15年、住宅購入金額の20%以上の自己資金が必要になるなど、条件はかなり厳しめです。毎月の返済負担が大きくなりやすいため、他の金融機関の条件に合わなかった場合の選択肢として検討するのが現実的でしょう。
外国人の借り入れ条件 | -日本に居住し、日本語(読み・書き)が理解できる方 -住宅購入金額の20%以上の自己資金を用意できる方 -借入期間は最長15年・金利は通常の住宅ローンより高め(商品概要説明書に基づく) |
外国語サポート | なし(日本語での手続きが前提) |
金利・その他の条件 | 最新の金利・適用条件は公式サイト・商品概要説明書でご確認ください。 |
よくある質問(FAQ)
Q. 永住権がないと住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は使えない?
A. 住宅ローン控除に国籍や永住権の要件はありません。日本の居住者として、床面積や所得などの適用要件を満たせば外国籍の方でも利用できます。詳細は国税庁のサイトや税務署でご確認ください。
Q. 審査で重視されるポイントは?
A. 一般的な年収・勤続年数・信用情報に加えて、外国籍の方の場合は定住性(在留資格の種類・在留期間・日本での就労状況・家族構成など)が重視される傾向があります。在留期間の更新が近い場合は申込を受け付けない金融機関もあるため、時期にも注意しましょう。
まとめ
今回の記事では、永住権の無い外国人でも申込みができる各社の住宅ローンを紹介してきました。永住権のない外国人の住宅ローンの選び方として、まずは各社の外国人の借入条件を比較し、ご自身が金融機関の借入条件に合致するのかを確認するようにしましょう。単独での借入を希望されるのか、配偶者にも住宅ローンに参加してもらうのかによって、取扱い可否が変わってきます。
複数の金融機関を比較してみると各社さまざまな特徴があることが分かりますが、日本国籍または永住権のある配偶者がいらっしゃる場合は、通常の住宅ローンと同一条件で借りられるSBI新生銀行からまず検討してみるのが良いのではないでしょうか。ただし、SBI新生銀行も外国人に対しては厳格に審査を行っていて審査に落ちる可能性がありますので、この記事で紹介した他の金融機関も候補としておくようにしましょう。単独で申し込みたい場合は、SMBC信託銀行(プレスティア)や東京スター銀行が主な候補になります。
日本人に比べて若干ハードルが高くなる外国人の住宅ローン利用ですが、永住権がなくても一定の条件を満たすことで住宅ローンを利用することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
