この記事では自己資金・頭金を用意することで優遇されたり、低い金利で借りられる住宅ローンを紹介しています。頭金を用意すると金利が下がる=頭金を用意できないと金利があがるということなので、良い方向にも悪い方向にも捉えることができる商品性ですが、「頭金を用意できる人」にとっては、金利優遇があるのは間違いなく大きなメリットです。

 

一昔前に比べるとマイホーム購入時に頭金を用意する人が減ってきていますが、頭金がある方が住宅ローン審査に有利なことは変わっていませんし、本ページで紹介する住宅ローンのように頭金を用意することで金利優遇が受けれるものも存在しています。

 

ポイント
住宅ローンは借入金額が少なければ支払う利息は少なくなります。資金に余裕がある人は頭金をできるだけ多く用意して借り入れ金額を抑える、という当たり前のこと忘れないようにしましょう。

また、借入希望金額が少ない方が住宅ローンの審査に通りやすくなりますし、自己資金・頭金がある人の金利を優遇する住宅ローンを選ぶことで、低い金利で住宅ローンを借りやすくなりますので、頭金が用意できる人はそのような金利優遇がある住宅ローンを選択肢に入れるようにしましょう

さっそく「自己資金・頭金」があることでより低い金利で借り入れできる金利優遇がある住宅ローンを確認していきましょう。

自己資金と頭金の違い

最初に「自己資金」と「頭金」の違いについて簡単に解説しておきます。この2つの言葉の意味はほとんど同じなのですが、厳密には以下のように使い分けられています。

「自己資金」と「頭金」の違い

頭金頭金とは、購入する物件の価格から住宅ローンで借りる金額を引いた金額。物件の売主に手元資金で支払うお金のこと
自己資金自己資金とは、頭金に加えて、住宅の購入・住宅ローンの契約に必要になる諸費用などを加えた住宅ローン借入時に用意する全てのお金のこと

 

ちょっとわかりにくいですね。しかも、自己資金や頭金の使い方や言葉の定義は金融機関で違っているのでやっかいです。一般的には銀行が金利を優遇する場合の条件として利用するのは「自己資金」の方です。よく「自己資金が◯割以上」と表現されます。

 

自己資金で金利優遇があるおすすめの住宅ローン

それでは、「自己資金」を用意することで金利が優遇される住宅ローンを紹介していきます。自己資金がある場合の金利が優遇されるだけでなく、元々の金利が魅力的な住宅ローンを中心に紹介していきます。

ソニー銀行の変動セレクト住宅ローン

住宅ローンとしての完成度が高く、顧客満足度も高いソニー銀行の住宅ローン。ソニー銀行は2021年度において住宅ローンの累計実行額が4兆円を突破したと発表し注目を集めています。また「オリコン顧客満足度調査 住宅ローンランキング」においても調査開始以来、2021年まで11年連続で総合1位を獲得している非常に評価が髙い金融機関です。

ソニー銀行の住宅ローンはオリコンランキングで11年連続1位

まず紹介したいのが変動金利の金利の低さが目立つソニー銀行の「変動セレクト住宅ローン(新規購入で自己資金10%以上)」です。

ソニー銀行の変動セレクト住宅ローンは、変動金利タイプの金利の低さにこだわった住宅ローンで、保証料無料・団信保険料無料・がんと診断された時に残高が半分になるがん保障も無料で、年0.1%の金利を上乗せすればがんと診断確定時に住宅ローン残高の100%+100万円が保障されるがん団信100も選択することができます。また、一部繰上げ返済手数料も無料で、借り入れ後もインターネットから簡単に残高確認や繰り上げ返済を行うことができます。

 

ソニー銀行では「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」「住宅ローン」の3種類の住宅ローンを取り扱っていて、住宅ローンや今後の金利などに対する考えにあった商品を選ぶこともできます。

2022年9月8日にソニー銀行が発表した『住宅ローン利用動向調査』によると、約90%の方が変動セレクト住宅ローンを選んでいる状況で、圧倒的に低金利な変動金利が選ばれている状況です。

ソニー銀行の住宅ローンの金利タイプの説明

ソニー銀行の自己資金による金利優遇幅

以下がソニー銀行の金利の適用ルールを示した図です。赤枠で囲ってある通りで、自己資金が10%以上を満たすと年0.05%低い金利で借りることができます。「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」「住宅ローン」どの金利タイプを選択した場合でも優遇金利が受けられるのは嬉しいですね。ソニー銀行の住宅ローンの金利適用ルール

2022年9月8日にソニー銀行が発表した住宅ローン利用動向調査によると、53%の方が年0.05%の金利引き下げの優遇を受けており、ソニー銀行の商品スペックが支持されていることが分かりますね。

ソニー銀行の住宅ローンの利用動向

 

(参考)ソニー銀行の住宅ローンに無料で付帯する疾病保障

ソニー銀行の住宅ローンには、一般団信に加えて、がんと診断された時に住宅ローン残高が半分になる「がん団信50」が無料で付帯します(団信の加入時年齢が満50歳未満であることという年齢制限がある点にはご注意ください)。ソニー銀行は無料でがんの保障をつけられる数少ない住宅ローンの1つです。

ソニー銀行のがん団信50のイメージ図です

自己資金10%以上用意できる人に限定された低金利と、無料の疾病保障があるソニー銀行の住宅ローンは、自己資金を用意できる人におすすめの住宅ローンの1つです。

 

ARUHI(アルヒ)のスーパーフラット

ARUHIスーパーフラット

フラット35の融資実行件数で12年連続で1位を維持している金融機関のARUHIが、独自に提供している商品「ARUHIスーパーフラット」も自己資金の有無で金利が大きく変わります。例えば、住宅ローンの借り入れ希望額が住宅購入価額の5割以下の場合、「スーパーフラット5」という商品を利用することができます。

 

以下の表は、フラット35(借入額の占める割合が90%以内)と「ARUHIスーパーフラット」の金利を比較した表です。

※フラット35自体が自己資金の有無で適用される金利が違いますが、ARUHIスーパーフラットは自己資金をしっかりと用意できる人の金利をさらに優遇する商品設計になっています。

アルヒ(ARUHI)のスーパーフラットの金利比較
商品名借入期間金利
(団信加入なし)
金利
(団信加入あり)
フラット35
(借入額の占める割合が90%以内の場合)
21年~35年1.760%1.960%
スーパーフラット515年~35年1.560%1.840%
スーパーフラット61.570%1.850%
スーパーフラット71.580%1.860%
スーパーフラット81.590%1.870%
スーパーフラット91.670%1.950%
スーパーフラット借換1.670%1.950%
2023年3月の金利
 

フラット35は変動金利タイプの住宅ローンのように金利が上昇リスクはなく、完済までの金利を確定できる固定金利タイプの住宅ローンです。完済までの全期間の金利が優遇された金利で確定できますので、自己資金を用意して少しでも良い条件で借りるようにすることが重要です。

続いて、「ARUHIスーパーフラット」のそれぞれの融資条件を紹介しておきますので確認しておいてください。

アルヒ(ARUHI)のスーパーフラットの融資条件
手持金の割合借入額の割合
スーパーフラット5建設費または購入価額の50%以上
50%以下
スーパーフラット6建設費または購入価額の40%以上
50%超60%以下
スーパーフラット7建設費または購入価額の30%以上
65%超70%以下
スーパーフラット8建設費または購入価額の20%以上
75%超80%以下
スーパーフラット9建設費または購入価額の10%以上
85%超90%以下
スーパーフラット借換借換対象となる住宅ローン残高と
諸費用の10%以上
-
※ 住宅の建設費(土地取得費がある場合はその費用を含む)または購入価額に対するスーパーフラットの借入額を含めた本件住宅取得とその諸費用にかかる借入額の割合が以下の基準内であること。

なお、この割合を具体的な計算式については、申し込み後にARUHIの店舗スタッフやコールセンターなどで確認するようにしましょう。(住宅購入・住宅ローン契約にかかる全費用に対する自己資金の割合だけでなく、物件の価格に対する借入額の割合も関係したりするので、自己資金割合で低くなる金利を適用する為にお金を用意する場合は、早い段階でいくらの現金を用意する必要があるかを確認しておく必要があります)

 

SBI新生銀行のパワースマート住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローンの金利優遇

SBI新生銀行でもソニー銀行と同じく10%の自己資金を用意することで年0.05%の金利が優遇するサービスを提供しています。

ただし、「変動金利」と「ステップダウン金利タイプ」対象外であることと、「優遇対象が当初借入金利のみ」なので、5年や10年固定などの比較的短期の当初固定タイプだと優遇があまり受けれないこととなるので、20年固定金利タイプ~35年金利タイプの住宅ローンを検討中の人におすすめの住宅ローンです。なお、SBI新生銀行で固定金利タイプを選択した際の事務手数料は55,000円(税込)〜となっており、他社の住宅ローンと比べて初期費用を非常に大きく抑える事ができる点も、併せてチェックしておきたいポイントとなっています。借り入れ金額が増えても事務手数料は定額ですので、借り入れ金額が大きくなる場合にはさらにメリットが大きくなります。

 

自己資金・頭金による金利優遇のまとめ

今回は自己資金で金利優遇がある3つの住宅ローンを紹介しました。自己資金を用意することで住宅ローンの審査が通りやすくなることから条件の良い住宅ローンを利用することができますし、住宅ローンの借入金額を減らし、住宅ローンの総返済額を減らす効果があります。自己資金による金利優遇がなくても自己資金は可能な限り用意した方が良いのは言うまでもありません。

 

また、auじぶん銀行の住宅ローンや住信SBIネット銀行の住宅ローン(対面)は「自己資金による金利優遇」はありませんが、今回紹介した住宅ローンの優遇金利と比べてもそん色ありませんので、申し込み候補に加えておくと良いでしょう。

 

自己資金を用意できれば審査も通りやすくなる

自己資金を用意できると「きちんと貯蓄してきた人」という評価につながるので、住宅ローンの審査に通りやすくなったり、審査結果が優遇されたりと審査全般を有利に進められる効果があります。

 

自己資金を準備しておくことで借入金額も少なくて済み、それによって事務手数料や保証料、総返済額も減り、審査も有利になるなど良いことづくしです。いつか、マイホームを持ちたいと思っている人は、これらのことを考えて、できるだけ早いうちから少しでも貯蓄できるようにしましょう。

 

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