2つの住宅ローンを総コストで比べるイメージ

ソニー銀行とauじぶん銀行の住宅ローンは、2026年10月時点の変動金利ではauじぶん銀行のほうが低く、事務手数料を抑えたい人にはソニー銀行の定額型「住宅ローン」に分があります。というのも、両行とも保証料0円・一部繰上返済手数料0円という土台は同じでも、事務手数料の取り方と、上乗せなしで付く団信の範囲がはっきり違うからです。

 

そのうえ年収や雇用形態の申込条件、5年ルール・125%ルールの有無も両行で分かれます。金利差だけで選ぶと、借入額や返済期間、年齢によっては総支払額の順番が入れ替わるため、ここではデメリットも含めて総コストの視点で整理しました。

 

2026年10月時点で押さえておきたい違い

  • 変動金利は、auじぶん銀行(がん50%保障団信つき・物件価格の80%以下)がソニー銀行の変動セレクト住宅ローンより低い水準です。
  • 上乗せなしで付く保障はauじぶん銀行が広く、がん50%保障に4疾病50%保障と全疾病長期入院保障が加わります。
  • がん100%保障の上乗せはauじぶん銀行が年0.05%、ソニー銀行が年0.1%です。ワイド団信は逆にソニー銀行が年0.2%、auじぶん銀行が年0.3%と割安です。
  • 事務手数料が44,000円(税込)で済む定額型を選べるのはソニー銀行だけで、借入額が小さい人や早めに完済する人ほど効いてきます。

 

auじぶん銀行は、選ぶ団信と物件価格に対する借入額の割合によって適用金利が変わる仕組みです。物件価格の80%を超えて借りると年0.045%、借入期間が35年1か月以上なら年0.1%が上乗せされるため、同じ変動金利でも人によって実際の数字は違ってきます。

 

 

ソニー銀行の住宅ローンは手数料の選び方と金利タイプの自由度が特徴

ソニー銀行はネット銀行のなかでも早くから住宅ローンを手がけてきた銀行で、保証料0円、一部繰上返済手数料0円、来店不要の手続きを基本にしています。商品は、取扱手数料が44,000円(税込)の「住宅ローン」と、融資金額の2.2%(税込)がかかる「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」の3つに分かれています。

 

借入期間中に固定金利と変動金利を何度でも選び直せるのも、ソニー銀行ならではの設計です。変動金利からの変更に手数料はかからず、ウェブサイトから申し込めるため、金利の局面に合わせて途中で守りに入りたい人には使い勝手のよい仕組みといえます。審査の流れや日数はソニー銀行のAI仮審査と結果が出るまでの日数で詳しく取り上げています。

 

ソニー銀行の住宅ローンのデメリットは年収条件と返済額の動きやすさ

ソニー銀行で最初の関門になりやすいのは、前年度の年収(自営業は申告所得)が400万円以上という申込条件です。ペアローンでは借りる人それぞれが条件を満たす必要があるとされ、年収200万円台から申し込める銀行と比べると、入口の時点で対象外になる人が出てくるからです。

 

もう一つは、いわゆる5年ルールと125%ルールがないことです。ソニー銀行は金利の変動に合わせて約定返済額も見直すため、未払利息がたまりにくい反面、金利が上がれば毎月の返済額もその都度増えます。2026年10月のように変動金利が引き上げられた局面では、この違いが家計に早く表れます。

 

上乗せなしで付く疾病保障が、がんと診断されたときに残高の50%を保障する「がん団信50」に限られる点も見ておきたいところです。auじぶん銀行のように4疾病や長期入院まで無料で広げる設計ではないため、保障を厚くするならがん団信100などの有料プランを組み合わせることになります。

 

auじぶん銀行の住宅ローンは無料の保障の広さと申込条件の低さが特徴

auじぶん銀行の住宅ローンは、保証料0円※、一部繰上返済手数料0円、来店不要というネット銀行の基本に、上乗せなしの「がん50%保障団信」を組み合わせています。この団信には、がん診断時の50%保障に加えて4疾病の50%保障と全疾病長期入院保障が付くため、無料の範囲で備えられる病気の幅が広いのが特徴です。

※ 審査の結果、保証会社を利用する場合は保証料相当額を上乗せした金利(保証付金利プラン)となりますが、別途発生する保証料はありません。

 

申込条件は前年度の年収(自営業は申告所得)が200万円以上で、ソニー銀行の半分の水準です。派遣社員や契約社員についても、安定的かつ継続的な収入の見込みがあれば申し込めると公式のFAQで案内されており、雇用形態に不安がある人にとって候補に入れやすい銀行です。

 

auじぶん銀行の住宅ローンのデメリットは手数料と5年ルール

auじぶん銀行の事務手数料は借入額の2.20%(税込)の定率型1本で、ソニー銀行のような定額型を選べません。借入3,000万円なら66万円(税込)が目安となり、早めに完済する人や将来もう一度借り換える可能性がある人ほど、この負担が総コストに重く残るからです。

 

変動金利を元利均等返済で借りると、5年ルールと125%ルールが適用されます。その結果、金利が上がっても5年間は返済額が変わらない一方で、元金の減りは遅くなり、上昇分に相当する元金は最終返済期日に繰り延べられる仕組みです。毎月の返済の安定と引き換えに、残高の減り方が見えにくくなる点は理解しておく必要があります。

 

がん保障つきの団信を選べるのは借入時に50歳以下の人に限られ、51歳以上は一般団信かワイド団信から選ぶことになります。さらに「上乗せ0円」とされるがん50%保障団信にも、後述するように一般団信を選んだ場合との金利差という実質的なコストがあります。

 

auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローン比較表

金利以外の条件を同じ項目で並べると、両行の違いは手数料の取り方、申込条件、返済額の見直しルールに集中していることがわかります。

比較の観点ソニー銀行auじぶん銀行
商品住宅ローン/変動セレクト住宅ローン/固定セレクト住宅ローン住宅ローン(全期間引下げプラン・当初期間引下げプラン)
事務手数料住宅ローンは44,000円(税込)、変動セレクト・固定セレクトは借入額の2.20%(税込)借入額の2.20%(税込)
保証料0円0円(審査により保証付金利プランとなる場合あり)
一部繰上返済手数料0円0円
上乗せなしの疾病保障がん団信50(がん診断で残高の50%)がん50%保障団信(4疾病50%保障・全疾病長期入院保障つき)
がん保障つき団信の年齢加入時 満50歳未満借入時 50歳以下
ワイド団信の上乗せ年0.2%年0.3%
年収条件前年度400万円以上前年度200万円以上
派遣社員・契約社員商品詳細説明書に記載なし(申込前に確認)安定的かつ継続的な収入の見込みがあれば申込可
ペアローン取扱いあり取扱いあり(連生団信も選択可)
5年ルール・125%ルールなしあり(変動金利・元利均等返済)
金利タイプの変更借入期間中、固定と変動を何度でも選択可変動から固定金利特約へ変更可(特約期間中は変更不可)

※2026年10月に各行の公式サイト(商品詳細説明書・団信の案内・FAQ)で確認した内容です。

 

団信の上乗せ金利で比べると、がん100%はauじぶん、ワイド団信はソニーが割安

ソニー銀行とauじぶん銀行の団信上乗せ金利を比較したグラフ
がん100%保障はauじぶん銀行、ワイド団信はソニー銀行の上乗せが小さくなっています。

両行の違いがいちばんはっきり出るのが団信で、上乗せ金利を並べると次のようになります。

保障の種類ソニー銀行auじぶん銀行
一般団信上乗せなし上乗せなし(50歳以下は一般団信限定金利を適用)
がん50%保障上乗せなし(がん団信50)上乗せなし(4疾病50%保障・全疾病長期入院保障つき)
がん100%保障(残高が0円)年0.1%(がん団信100・がん診断給付金100万円つき)年0.05%(がん100%保障団信)/年0.15%(がん100%保障団信プレミアム)
がん+3大疾病・生活習慣病年0.2%(3大疾病団信・生活習慣病団信)プレミアム(年0.15%)でがん・4疾病を100%保障
ワイド団信(健康上の理由がある人向け)年0.2%(加入時 満65歳未満・完済時 満81歳未満)年0.3%

※2026年10月時点。ソニー銀行は公式「団体信用生命保険」、auじぶん銀行は公式「団体信用生命保険」「一般団信限定金利」の案内で確認。ペアローンの連生団信は上乗せが異なります。

 

上乗せなしで済ませたい人にはauじぶん銀行、健康告知に不安がありワイド団信を使う可能性がある人にはソニー銀行が向いています。がん100%保障は上乗せだけ見ればauじぶん銀行が低いものの、ソニー銀行のがん団信100にはがん診断給付金100万円が付くため、金利の安さと給付の厚さのどちらを取るかの選択です。がん団信50・100の細かな条件はソニー銀行のがん団信の解説にまとめています。

 

総コストの面で見落とされやすいのが、auじぶん銀行の「一般団信限定金利」です。50歳以下で特約のない一般団信を選ぶと通常より年0.054%低い金利が適用されるため、がん50%保障団信は上乗せ0円とはいえ、一般団信と比べれば実質的に年0.054%高い計算になるからです。保障が要らない人にとっては、この差が両行の金利差を縮める材料にもなります。

 

auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローン金利比較と総返済額

変動金利はauじぶん銀行が低い(2026年10月時点)

2026年10月の適用金利は、ソニー銀行の変動セレクト住宅ローンが年1.847%(新規・借り換え共通)、auじぶん銀行の住宅ローンが新規借入・物件価格の80%以下・がん50%保障団信つきで年1.734%です。auじぶん銀行の借り換えは年1.779%で、新規より年0.045%高く設定されています。

 

両行とも、日本銀行が2026年9月に政策金利を年1.25%程度へ引き上げたあと、10月適用分で変動金利を引き上げました。ネット銀行の変動金利も政策金利の動きと無縁ではないため、適用金利の見直し時期と返済額の変わり方まで含めて比べておくことが大切です。

 

変動セレクト住宅ローンとauじぶん銀行の住宅ローンは、事務手数料がどちらも借入額の2.20%(税込)なので、金利だけで比べても大きくずれません。借入3,000万円・返済期間35年で試算すると、月々の返済額はauじぶん銀行が95,332円、ソニー銀行の変動セレクト住宅ローンが97,039円で、総返済額の概算は40,039,440円と40,756,380円、差は約72万円になります。

※当編集部が各行公式サイトで実測した2026年10月適用金利にもとづく当社試算です(銀行公式シミュレーターの結果ではありません)。元利均等・毎月返済のみ(ボーナス返済なし)で、事務手数料・保証料・団信の上乗せ金利・登記費用などの諸費用は含みません。変動金利は全期間にわたり金利が変わらないと仮定した概算です。

 

この差はあくまで金利だけを比べた結果で、物件価格の80%超の上乗せや一般団信限定金利の有無、事務手数料の型によって評価は変わります。審査基準も異なるため、条件が拮抗する人は両方に申し込み、実際に提示された金利で総額を比べてから絞り込むと、選び間違いを減らせます。

 

当初引き下げプランと通期引き下げプラン

当初10年固定のように借入から一定期間の金利を固定するタイプでは、固定期間が終わった後の金利まで確認が必要です。当初引き下げプランは当初の金利が低い代わりに期間終了後の引下幅が小さくなり、通期引き下げプランは当初がやや高い代わりにその後も低めに抑えられるからです。

 

ソニー銀行の「固定セレクト住宅ローン」は当初期間を引き下げるタイプなので、auじぶん銀行の当初期間引下げプランと比べるならこの商品が対象になります。10年で完済する予定がない人は11年目以降の金利が総額を左右するため、ソニー銀行の「住宅ローン」も並べて期間終了後の条件を確認しておくと判断を誤りにくくなります。

 

事務手数料を比較(借入3,000万円の場合)

ソニー銀行は、事務手数料が44,000円(税込)で済む「住宅ローン」と、借入額の2.20%(税込)がかかる「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」を用意しています。auじぶん銀行は借入額の2.20%(税込)の1本です。

 

商品事務手数料の考え方借入3,000万円のときの事務手数料
ソニー銀行「住宅ローン」定額型44,000円(税込)
ソニー銀行「変動セレクト/固定セレクト住宅ローン」定率型(借入額の2.20%(税込))660,000円(税込)
auじぶん銀行「住宅ローン」定率型(借入額の2.20%(税込))660,000円(税込)

※事務手数料のみの比較です。登記費用・印紙代などは含みません。金額は借入額×手数料率で計算した目安です。

 

ここで見落とされやすいのは、ソニー銀行の「住宅ローン」と「変動セレクト住宅ローン」で適用金利そのものが違うことです。2026年10月の変動金利は「住宅ローン」が年2.207%で変動セレクト住宅ローンより年0.360%高く、事務手数料は約62万円安くなる代わりに、金利は年0.360%高いという関係になります。

 

その結果、借入額が大きく返済期間が長いほど金利差が効き、借入額が小さく短期で完済するほど手数料差が効いてきます。定率型の事務手数料は繰上返済しても戻らないため、10年程度での完済や再度の借り換えを考えている人ほど定額型が合理的で、35年かけて返す前提なら定率型の低い金利が総額で有利になりやすいからです。

 

がん100%保障を利用するときの注意点

がん保障を手厚くしたい人にとって両行はどちらも有力ですが、保障特約付き団信には加入年齢の上限があります。ソニー銀行は加入時に満50歳未満、auじぶん銀行は借入時に50歳以下が条件で、40代後半で検討している人ほど申込時期が選択肢を左右するからです。

 

過去の病歴などによっては保障特約付き団信に加入できないこともあります。その場合は一般団信、健康上の理由で一般団信に入れない場合はワイド団信を検討することになり、上乗せはソニー銀行が年0.2%、auじぶん銀行が年0.3%です。

 

ソニー銀行とauじぶん銀行のデメリットと選び方(FAQ)

Q. ソニー銀行の住宅ローンのデメリットは何ですか?

A. 前年度の年収400万円以上という申込条件があり、5年ルール・125%ルールがないため金利が上がると返済額もすぐ増えます。上乗せなしの疾病保障はがん団信50に限られます。

Q. auじぶん銀行の住宅ローンのデメリットは何ですか?

A. 事務手数料が借入額の2.20%(税込)の定率型だけで、定額型を選べません。変動金利は5年ルールがあり、金利上昇分の元金は最終返済期日に繰り延べられます。がん保障つき団信は50歳以下に限られます。

Q. 派遣社員・契約社員ですが、どちらに申し込めますか?

A. auじぶん銀行は、安定的かつ継続的な収入の見込みがあれば派遣社員・契約社員でも申し込めると案内しています。ソニー銀行は商品詳細説明書に雇用形態の記載がないため、申込前に銀行へ確認してください。

Q. 共働きでペアローンを組むなら、どちらが総コストを抑えやすいですか?

A. ペアローンは契約が2本になり、定率型の事務手数料も2本分かかります。ソニー銀行の定額型「住宅ローン」なら手数料の増え方が小さい一方、夫婦それぞれに年収400万円以上が求められる点に注意が必要です。

Q. 金利上昇が心配です。5年ルール・125%ルールの有無はどう影響しますか?

A. ソニー銀行はルールがないため金利上昇がそのまま返済額に反映され、auじぶん銀行は5年間返済額が変わらない代わりに元金の減りが遅れます。毎月の安定を取るか、残高を着実に減らすかで向き不向きが分かれます。

 

まとめ

auじぶん銀行とソニー銀行は、どちらも保証料0円・一部繰上返済手数料0円・来店不要という基本性能を備えた住宅ローンです。似ている部分は多いものの、選び分けの決め手は金利の小数点以下の差より、次の3つの違いにあります。

 

  • 上乗せなしの保障の広さを重視するなら、がん・4疾病50%保障と全疾病長期入院保障が付くauじぶん銀行
  • 諸費用を抑えたい人や早めに完済する予定の人なら、事務手数料44,000円(税込)のソニー銀行「住宅ローン」
  • 年収や雇用形態に不安があるなら、年収200万円以上で派遣社員・契約社員も申し込めるauじぶん銀行

 

2026年10月時点の変動金利はauじぶん銀行が低い水準ですが、事務手数料と団信の上乗せまで含めた総支払額で並べ替えると、順番が入れ替わることは珍しくありません。審査基準も異なるため、片方で通らなくてももう片方で通る可能性があり、両方に申し込んで提示条件を比べてから決めれば、条件の良いほうを確実に選べます。

 

手数料・団信の条件は改定されることがあります。総額で比べる際は、各金融機関の最新の条件表を基にしてください。

 

【徹底解説】auじぶん銀行の住宅ローン関連特集

 

住宅ローン比較ネット 編集部

掲載情報は各金融機関・公的機関の公式情報を確認して作成しています。