この記事では「ちょっと変わった住宅ローン」と言えるリバースモーゲージについて解説しています。

 

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは、「持ち家を担保に老後の資金を受け取れるローン」です。

自宅に住みながら、その自宅を担保にお金を受け取り老後の生活資金を一括または年金の形で借りられるサービスです。

原則として「借りたお金を現金で返す必要はありません(返すことも可能です)」。契約者が亡くなった時に、担保として差し出した自宅や土地を売却して清算する仕組みになっています。

 

このリバースモーゲージという商品は海外では一般的ですが、日本でも徐々に注目を集めてきています。もともと、日本では「代々受け継いできた土地を手放したくない」とか「子孫に少しでも資産を残してあげたい」という気持ちが強く、リバースモーゲージはあまり受け入れられていませんでした。

 

ただし、高齢化・長寿化で持ち家はあるが現金はないという層も増加し、さらに高齢化社会がどんどん浸透しているため、家を手放さずに現金を手に入れる手段としてリバースモーゲージに注目が集まりつつあるというわけです。

 

リバースモーゲージのメリット

  • 自宅や土地などの不動産を所有していても現金収入が少ない高齢者にとっては、公的年金のような形で毎月生活資金を受け取れるので余裕のある老後生活を送ることが可能。
  • 住み慣れた自宅を手放す事なく融資が受けられ、契約者本人が死亡した時点で自宅が売却されるので、相続者がいない場合などは特にメリットが大きい。
  • 少子高齢化社会における公的年金制度への依存度を減少し、シニア世代の消費活性化、不動産の流動化による経済効果などが期待できる。

リバースモーゲージのデメリット

  • 契約後に金利が上昇した場合、担保割れをおこすおそれがある。
  • 不動産価格が予想以上に下落した場合に担保割れをおこす可能性がある。

また、日本では伝統的に、「子供が親の面倒を見る」、「親の家の後を継ぐ」という考え方が根強いために、自宅を担保に生活資金を借りるという考え方が想像しづらいという国民性がリバースモーゲージの普及があまり進まない要因と考えられています。

長期生活支援資金貸付制度

長期生活支援資金貸付制度は、平成15年4月に厚生労働省が導入したもので、仕組みはリバースモーゲージと同じです。実施主体は、都道府県社会福祉協議会で、申込み先は市町村の社会福祉協議会となっています。

この長期生活支援資金貸付制度とは、現在所有し居住している自宅に今後もずっと住み続けたいと考えている低所得層の高齢者に対して、その不動産を担保に生 活資金を貸付ける制度です。毎月一定額を受け取り、最後に不動産を処分して貸付金を清算する仕組みになっています。利用にあたっては所得条件があるので注意してください。

 

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