野村総合研究所が、2033年の総住宅数は6063万戸(2013年時点)から約7130万戸に増え、空き家数は約820万戸から約2170万戸に倍増するという推計を発表しました。空き家率は13.5%から30.4%に上昇するとしています。
空き家の増加や物件価格の高騰の影響か、中古住宅を購入した世帯の比率は、2005年の18%(12万戸)から2015年には29%(26万戸)へ増加。この傾向が2016年以降も続いた場合、2025年に42%(31万戸)、2030年に48%(34万戸)へ増加すると予測していて、今後も中古住宅の流通が活発になりそうです。
今後、市場が活性化しそうな中古住宅のメリットとデメリットはなんでしょうか。
中古住宅のメリット
物件価格が安い
国土交通省による住宅市場動向調査によれば、マイホーム購入時における資金総額の平均は注文住宅が3,614万円、分譲住宅が3,597万円と、どちらも3,000万円を超えています。しかし、中古住宅の場合は2,192万円と1,500万円弱も安く購入できます。
そして、気になる住宅のリフォーム(リノベーション)にかかる値段の相場は、500万円~700万円程度です。高くても1,000万円程度といわれています。つまり、大規模なリフォームで新築同様の内装や外装に作り替えたとしても、新築住宅の8割程度にしかなりません。
これが中古住宅の最大のメリットです。
自由なリフォームが可能
中古住宅なら間取りを変えるリフォーム、いわゆる「リノベーション」を行っても、平均購入金額よりも安く上がります。そのため、同じ価格帯の新築物件よりも、より自分の好みに合った家を手に入れやすくなります。
完成しているのですぐに入居可能
中古住宅はすでに完成している建物です。そのため、気に入ればすぐに住むことができます。ただし、これは分譲住宅でも同様なので、メリットとしてはやや弱いかもしれません。
中古住宅のデメリット
築年数に応じた経年劣化がある
中古住宅で真っ先に挙げられるデメリットといえば、やはり傷や汚れでしょう。築年数が少ない家ならまだしも、数十年もたっているような場合、無視できないほどに古臭くなっていることもあります。
また、築年数によっては耐震基準が現在の基準を満たしていないこともあるため、リフォームや建て替えが早期に必要となってくるでしょう。
メンテナンス費用が必要になるタイミングが早い
新築戸建ての場合、最初に行うメンテナンスは概ね10年後とされています。
中古の戸建てならば、売りに出された時にはそのタイミングを迎えている可能性もあります。買った時にはすぐに手入れをしなければならないことも考えられます。中古物件、特に戸建てを購入する場合は、同時にメンテナンスにかかる費用を見積もっておく必要があります。
住宅ローン審査に通りにくくなる
中古物件は、担保評価額が低いことで、借入れ額が希望より下げられてしまうことがあります。そのため、頭金を多めに準備しなければならないことがあります。
また、中古住宅でも利用できることでも人気のフラット35ですが、幾つかの条件をクリアしなければなりません。
- 建築確認日が昭和56年6月1日以後
- 耐火構造、準耐火構造に適合
- 土台、床組等に腐朽や蟻害がないこと
など
中古住宅を購入する際の注意点
後悔しないために注意するポイント
- なるべく築浅の物件にする
- 1981年以降の新耐震基準に適合しているか確認する
- 頭金は多めに準備する必要がある
- 事前にホームインスペクションなどを利用して状態を細部まで確認しておく
- 情報収集には時間をかける
新築住宅も中古住宅もそれぞれメリット・デメリットがあるので、購入する方に合わせた選択が必要です。
ライフスタイルや資金の計画、家族の意見など総合的に見極めましょう。