新築の一戸建てと毎年の固定資産税の支払い計画のイメージ

住宅購入後の固定資産税は、「固定資産税評価額×1.4%」で計算され、新築なら土地と建物の軽減措置で当初の負担はかなり抑えられます。たとえば建物の評価額1,200万円・土地の評価額1,800万円の新築戸建てなら、最初の3年間は年12.6万円ほど、4年目からは年21万円ほどが目安です(下の計算例を参照。都市計画税は別)。

固定資産税は住宅ローンを完済した後も毎年続くランニングコストです。軽減が終わる時期と金額を先に把握しておけば、無理のない資金計画が立てられます。

住宅を購入する際の固定資産税とは

固定資産税とは、土地や一戸建ての家屋、マンションなど、不動産と呼べる資産に対して課せられる税金のことです。 固定資産税は、国ではなく、市町村など地方自治体が徴収します。マンションやアパート、一戸建てに賃貸で住んでいる場合は、固定資産税を支払う義務はありません。所有している不動産に対してのみ、固定資産税がかかります。 この固定資産税の課税が決まる基準日は、毎年1月1日です。この日に不動産を所有していれば、その年の固定資産税を納税する義務が発生します(年の途中で売買した場合は、当事者間で日割り精算するのが一般的です)。 なお、市街化区域内に不動産を持っている場合は、固定資産税と一緒に都市計画税(税率は上限0.3%)も課税されます。納税通知書には両方が記載されるため、「固定資産税だけ」で家計を見積もると足りなくなります。

固定資産税の計算方法

固定資産税は、固定資産税評価額(課税標準額)と標準税率(1.4%)を掛け合わせた額で決まります。 固定資産税評価額 × 1.4% = 固定資産税 固定資産税評価額は、市町村が固定資産評価基準にもとづいて決める価格で、3年に1度、評価替え(見直し)が行われます。地価が下がれば評価額も下がり、上がれば評価額も上がるため、同じ大きさ・同じ築年数の家でも、地域によって税額は変わります。 目安として押さえておきたいのは、次の2点です。
  • 土地(宅地):総務省の評価基準により、地価公示価格等の7割を目途に評価されます(平成6年度の評価替えから導入)。
  • 家屋:「同じ建物を今もう一度建てたらいくらか」という再建築価格を基準に評価され、築年数の経過に応じて減価補正されます。購入価格(土地代・利益・諸経費を含む)よりも低くなるのが一般的です。
「購入金額 = 評価額」ではないという点だけは、必ず押さえておいてください。正確な評価額は、市区町村から届く納税通知書に同封される課税明細書で確認できます。

【土地】住宅が建っていれば、土地の税負担は大きく下がる

住宅が建っている土地(住宅用地)には、「住宅用地の特例」という強力な軽減措置があります。課税標準額そのものが圧縮される仕組みです。
区分固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分)評価額の6分の1評価額の3分の1
一般住宅用地(200㎡を超える部分)評価額の3分の1評価額の3分の2
一般的な戸建ての敷地はおおむね200㎡以内に収まるため、土地部分は評価額の6分の1で課税されるケースが多くなります。これは期限のある特例ではなく、住宅が建っている限り適用され続けます。逆に言えば、建物を取り壊して更地にすると、この特例が外れて土地の固定資産税が大幅に上がります。

【建物】新築住宅の固定資産税は3年間(マンション等は5年間)半額になる

新築住宅には、建物にかかる固定資産税を2分の1に減額する措置があります。かつては「平成30年3月31日まで」といった短い期限が設けられていましたが、その後も延長が繰り返されており、令和8年度税制改正では現行の特例措置がさらに5年間(令和8年4月1日〜令和13年〈2031年〉3月31日)延長されました。
新築住宅の固定資産税が3年間は半額になり4年目から元に戻ることを示す棒グラフ
一般の新築戸建ては3年間(マンション等は5年間)、1戸あたり120㎡相当分までの税額が2分の1になります。4年目に「増税」されるのではなく、減額期間が終わって本来の額に戻るだけです。
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※1戸あたり120㎡相当分までを限度 ここで誤解が多いのが「4年目に増税された」という感覚です。4年目(マンション等は6年目)から税額が上がるのは、減額期間が終わって本来の税額に戻るだけであり、増税ではありません。とはいえ家計への影響は実際に生じます。3年目までの納税額を「これがずっと続く額」と思い込んでいると、4年目に慌てることになります。

減額措置を受けるための主な要件(令和8年度税制改正後)

  • 床面積:居住部分の床面積が40㎡以上240㎡以下であること(令和8年4月1日以後の新築分から、下限が従来の50㎡から40㎡に、上限が280㎡から240㎡に見直されました)
  • 新築時期:令和13年(2031年)3月31日までに新築された住宅であること
  • ハザードエリア:令和11年〈2029年〉4月1日以後に、一定のハザードエリア(特定区域)内に新築された住宅は対象外となります

改正の内容は国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」で確認できます。関連する税制改正法は2026年3月31日に成立しています。適用の可否や申告の要否は、市区町村によって運用が異なる点にも注意してください。

長期優良住宅なら、減額期間がさらに延びる

長期優良住宅として認定を受けた住宅は、固定資産税の減額措置の適用期間が一般住宅より長く設定されています。
住宅の種類一般住宅特例認定長期優良住宅
戸建て3年間5年間
マンション等(3階建て以上の耐火・準耐火建築物)5年間7年間
いずれも税額が2分の1に減額されます(1戸あたり120㎡相当分まで)。適用を受けるには、長期優良住宅認定通知書を添えて、新築した年の翌年1月31日までに市区町村へ申告する必要があります(一般住宅の減額は申告不要の自治体が多い一方、長期優良住宅は申告が必要な点に注意)。

長期優良住宅の認定基準とは

固定資産税の減額期間が延びる「長期優良住宅」とは、長く良好な状態で使用できるよう配慮された住宅として、所管行政庁の認定を受けたものです。主な認定基準は次のとおりです。
  • 劣化対策:数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
  • 耐震性:極めてまれに発生する地震に対し、継続使用のための改修の容易化を図るため損傷のレベルの低減を図ること
  • 省エネルギー性:必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること
  • 維持管理・更新の容易性:構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、点検・清掃・補修・更新がしやすいこと
  • 住戸面積:良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること
  • 居住環境:良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持・向上に配慮されたものであること
  • 維持保全計画:建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること
  • 可変性・バリアフリー性:共同住宅では、間取り変更の容易性や共用廊下等のスペース確保が求められます(戸建てには適用されません)
長期優良住宅の認定を取得すると、固定資産税だけでなく、住宅ローン減税(借入限度額の優遇)、登録免許税、不動産取得税の負担も軽減されます。ただし控除率・借入限度額・対象となる入居年は改正が頻繁です。住宅ローン減税は令和8年度税制改正で5年間延長され、令和8年(2026年)1月1日〜令和12年(2030年)12月31日に入居した場合が対象です。床面積要件も原則40㎡以上に緩和されています(合計所得金額1,000万円超の人などは50㎡以上)。詳しくは国土交通省「住宅ローン減税」のページで確認できます。

計算例:新築戸建ての固定資産税は年いくら?

ここまでの仕組みを、仮のケースに当てはめて計算してみます。建物の評価額1,200万円(床面積120㎡以下)・土地の評価額1,800万円(敷地180㎡)の新築戸建てで、税率は標準税率1.4%、都市計画税は上限の0.3%とします。

区分1〜3年目4年目以降
土地の固定資産税(評価額×1/6×1.4%)42,000円42,000円
建物の固定資産税(評価額×1.4%)84,000円(2分の1に減額)168,000円
固定資産税の合計126,000円210,000円
都市計画税(土地は評価額×1/3、建物は評価額のまま×0.3%)54,000円54,000円

※当編集部による簡易試算。土地の負担調整措置、評価替えによる建物評価額の変動、自治体ごとの税率の違いは考慮していません。都市計画税は市街化区域内のみ課税され、新築住宅の2分の1減額の対象外です。

この例では、4年目に固定資産税が年8.4万円増え、都市計画税と合わせると年26.4万円になります。月にならすと約2.2万円で、住宅ローンの返済とは別にこの金額を積み立てておく必要があります。

なお、建物の評価額は評価替えのたびに経年分が減価されるため、実際の税額は4年目以降ゆるやかに下がっていくのが一般的です。逆に土地は、地価が上がる地域では評価額も上がる可能性があります。

住宅ローンの返済計画に、固定資産税をどう織り込むか

当サイトが繰り返しお伝えしているのは、「金利だけを見て決めると、住んでから出ていくお金を見誤る」ということです。固定資産税は、その代表格です。 資金計画に落とし込むときのポイントは3つあります。
  1. 「4年目の段差」を最初から見込んでおく
    新築戸建てなら4年目、マンションなら6年目に、建物分の税額が2倍に戻ります。3年目までの納税額を基準に家計を組み立てず、減額が終わった後の金額で回るかを最初に確認しておきましょう。
  2. 固定資産税・都市計画税は「毎年」かかる
    住宅ローンの事務手数料は借入時の一度きりですが、固定資産税は完済後も一生続きます。初期費用と維持費は分けて考えるのが鉄則です。
  3. 減額期間中に繰上返済を進めるという考え方
    税負担が軽い最初の3〜5年は、家計に余力が生まれやすい時期でもあります。この期間に繰上返済を厚めに行っておけば、利息の圧縮効果は大きくなります(元金が多く残っている序盤ほど、繰上返済の効果は高くなります)。一部繰上返済の手数料が0円の銀行(ネット経由なら無料とする銀行も多い)を選んでおくと、この戦略が取りやすくなります。

よくある質問

Q. 固定資産税はいつ、どうやって払うのですか?

A. 毎年1月1日時点の所有者に対し、市区町村から納税通知書が送られてきます(多くの自治体で4〜6月頃)。年4回の分割払いか、一括払いを選べるのが一般的です。住宅ローンのように毎月引き落とされるわけではないため、納付月に向けて計画的に資金を確保しておく必要があります。

Q. 年の途中で家を買いました。その年の固定資産税は誰が払うのですか?

A. 納税義務者はその年の1月1日時点の所有者=売主です。ただし実務では、引渡し日を基準に売主・買主で日割り精算するのが慣例で、買主は決済時に「固定資産税の精算金」として売主に支払います。これは購入時の諸費用として現金で必要になるため、資金計画に入れておきましょう。

Q. 中古住宅を買った場合も、減額措置は受けられますか?

A. 新築住宅の1/2減額は「新築された住宅」が対象のため、中古住宅の購入では新たに受けられません。すでに減額期間が残っている築浅物件を買えば、残りの期間は引き続き適用されます。一方、土地の「住宅用地の特例」は住宅が建っていれば新築・中古を問わず適用されます。

Q. 減額措置を受けるのに、申告は必要ですか?

A. 一般の新築住宅は、市区町村が家屋調査などで確認するため申告不要としている自治体が多いです。一方、認定長期優良住宅は認定通知書を添えた申告が必要で、期限は新築した年の翌年1月31日まで。申告忘れは減額の取りこぼしに直結するため、必ず市区町村に確認してください。

Q. リフォームやリノベーションをすると、固定資産税は上がりますか?

A. 設備の更新程度であれば通常は影響しませんが、増築や大規模な改修で家屋の評価額が変わる場合は税額も変わります。一方、耐震・バリアフリー・省エネ改修などは、要件を満たせば固定資産税が軽減される特例が用意されています。工事の前に市区町村へ確認するのが確実です。

まとめ

固定資産税は「評価額×1.4%」というシンプルな式で決まりますが、実際の負担は土地の住宅用地特例(6分の1)と新築住宅の2分の1減額によって大きく変わります。そして新築住宅の減額措置は、令和8年度税制改正で令和13年(2031年)3月31日までに新築された住宅へと延長され、床面積の下限も40㎡に緩和されました。購入時にかかる税金については、新築住宅の不動産取得税の計算方法や住宅購入時の消費税の課税・非課税の線引きもあわせて確認しておくと、取得から保有までの税負担を一続きで見通せます。 重要なのは、減額期間が終わった4年目(マンション等は6年目)以降の金額で家計が回るかを、購入前に確認しておくことです。住宅ローンの金利や事務手数料と同じように、固定資産税も「住まいの総コスト」の一部として最初から計算に入れておきましょう。 ※本記事は2026年10月時点の制度にもとづいています。税制は毎年改正されるため、適用の可否・要件・申告方法はお住まいの市区町村および国土交通省・国税庁の公式サイトでご確認ください。  

住宅ローン比較ネット 編集部

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