27日、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが前日比0.015%低い、マイナス0.080%まで低下し8月31日以来、約1ヶ月ぶりの水準に低下しました。

長期金利の推移グラフ

先日行われた金融政策決定会合で、この長期金利を0%程度で維持する「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」が行なわれることになりました。実際に調整が入るのは10月になってからだと思われますが、この発表以降、長期金利は低下しています。

低下の原因としては、ドイツ銀行の経営悪化懸念と考えられます。
ドイツ銀行が金融商品の不正販売にかかわったとして、米国の司法省が140億ドル(約1兆4千億円)という巨額の和解金を要求したことが明らかになったためです。
この件が発覚する前から、ドイツ銀行はIMF(国際通貨基金)から債務超過などのリスクの高い銀行と指摘されていましたが、そこに追い打ちをかける形です。

なんでドイツの銀行の話で日本の金利が?と思いますが、6月のイギリスのEU(欧州連合)離脱問題を思い出して下さい。離脱の是非を問う国民投票から離脱の決定後の混乱が予想されたことから、世界的な「リスクオフ」となり比較的安全な資産である日本国債に投資資金が流れ、長期金利は一時的に過去最低のマイナス0.3%まで低下しました。
今回の長期金利の低下も、イギリスのEU(欧州連合)離脱問題よりも規模は小さいですがドイツ銀行の経営不安から「リスクオフ」になっているからです。

このように、世界のどこかで金融・政情不安が起こると日本国債や日本円に資金が集まる「リスクオフ」に、日銀が長期金利を0%程度で維持すると言ってもどこまで対応できるのかはこれから徐々に明らかになってくると思います。
しかし、中国の不動産バブル問題や、欧州での難民問題、さらにイギリス以外の国のEU(欧州連合)離脱問題など、現状は深刻な問題になっていないだけで、根本的に解決したわけではありません。いつ再燃するかわからないリスクはたくさんあります。

一部では、「ついに住宅ローン金利が底を打った」と言ったニュースやコラムが出ていますが、そもそも「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」は金利が大きく、もしくは継続的に上がるといった政策ではありませんし、「リスクオフ」にどの程度対応できるのかはまだ不明のため、対応できなければ長期金利は低下し、住宅ローンも低下することが考えられます。

日銀がどんな対応をするのか少し見守る必要がありますね。

 

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