三菱UFJ銀、国債離れ 入札の特別資格返上へ (日本経済新聞)

三菱UFJ銀行は国債の入札に特別な条件で参加できる資格を国に返す方向で調整に入った。日銀のマイナス金利政策のもとで国債を持ち続ければ、損失が発生しかねないためだ。国債の安定消化を支えてきたメガバンクの「国債離れ」は、市場から大量の国債を買い上げてお金の量を増やしてきた日銀の異次元緩和に影を落とす。
(引用ここまで)

三菱UFJ銀行が、長期金利に影響を与える国債の入札の資格返上を検討しているというニュースです。

三菱UFJ銀行が、持っている特別資格とは、「国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)」といい、発行当局と意見交換する場に参加できるなどの特典がある一方、発行予定額の4%以上の応札を義務づけられるものです。

この動きに対して、財務省も特別資格の返上を受け入れる見通しです。
プライマリー・ディーラーは、大手銀行や大手証券会社など、22社が資格を有していて、日本の金融機関が資格を返上するのは初めてのこととなります。

これまで、銀行は国債の最大の買い手として市場を支えていましたが、現在、民間銀行の国債保有額は2015年末で229兆円強と、日銀による緩和政策前の2013年3月末から3割弱も減っています。これは、国債の利回りの低さに加え、金利が上昇すれば多額の含み損を抱えるリスクもあるためです。
この状況を、一段と進めたのがマイナス金利政策で、利回りはすでにマイナスになっていて、もはや国債を購入するだけでは利益は得られなくなっており、株主の理解を得られない状況になっています。
三菱UFJ銀行は15年春までは、国債の総落札額が22社のうち5位でしたが、現在では10位以下に減っています。

さらに3大メガバンクの国債保有残高は、今年の3月末で計54兆円と3年間で半分に減っていて、満期まで保有すると損失が発生するマイナス金利の国債を購入するメリットは小さく、この特別資格返上の動きは、三井住友銀行みずほ銀行はもちろん他の金融機関も追随する可能性があり、住宅ローン金利に影響する国債市場に注意が必要です。

現在、日銀は年80兆円ずつ国債保有を増やす大規模な金融緩和政策を続けていて、国債市場は安定しており、三菱UFJ銀行が特別資格を返上しても市場が荒れる可能性は少ないですが、この動きが広がって国債の安定した買い手が少なくなれば、国債の利回りが上昇し住宅ローン金利も上昇に転じる可能性もゼロではありません。

住宅ローンへの影響は?

住宅ローン金利の指標である長期金利は、国債の利回りに影響を受けます。
今回のニュースは、特別資格を持つ国債の買い手が、その資格を返上するというものですが、仮に三菱UFJ銀行の1行であれば大した問題ではありません。しかし、日本の銀行は「護送船団方式」と例えられるように、横並びの経営戦略をとるため、他の銀行にもこの動きは波及するものと考えられます。

当然、国債の買い手がいなくなれば利回りを上げざるを得ないので、結果、長期金利が上昇し住宅ローン金利も上昇します。この特別資格を返上する銀行が出てくることで、一時的に国債の利回りは上昇する可能性がありますが、日銀の緩和政策で買い支えている間は大きな上昇は無いと考えます。

しかし、日銀による緩和政策が終了し、国債の買い支えも終了するときには国債利回りが大きく上昇する可能性があります。今後の動向に注意しておきましょう。

 

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