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これから家を買おうとしている方がまず考える問題が、「変動金利と固定金利のどっちで住宅ローンを借りるのか」ですね。
これから住宅ローンの借り入れを検討している方が気になるのが、ここのところ続いている10年固定金利などの金利の上昇でしょう。

日銀により、金融緩和は継続されるものの長期金利のコントロール上限を0.2%まで容認したことや、アメリカでの政策金利の引き上げに影響され長期金利が上昇しやすいムードになっています。それでも上限を超える上昇には日銀が対応すると思いますが、この長期金利が上昇しやすい地合いを受けて銀行では長期の固定金利の引き上げが続いています。

このまま住宅ローン金利が上昇し続けるのか?と考えてしまうところですが、金融緩和自体は継続されるのでこのまま住宅ローン金利が上がり続ける状況ではなく、今後も住宅ローン金利は低水準を維持すると考えられますが、今回はまだ金利タイプを決めかねている方のために、対極とも言える変動金利と「フラット35」の金利上昇シミュレーションを行ってみましょう。

基本的にはどちらを選んでもこれまでにない低金利での借入れが可能ですが、気になるのは”今後の金利”です。
「フラット35」は契約時の金利が返済終了まで変わらず、住宅ローン金利が上昇してもその影響を受けないことがメリットの一つですが、変動金利は金利の上昇が考えられる金利プランです。その変動金利がどのくらい上昇すると「フラット35」と返済額が逆転するのかを考えながら比較してみましょう。

変動金利とフラット35を比較

状況的には変動金利での借り入れが最善と考えられますが、借入れた時点で返済終了まで金利が確定する「フラット35」と変動金利で借入れた場合の比較を行って見ましょう。
そのまま比較したのでは当然変動金利のほうが圧倒的に返済総額は少なくて済みます。しかし金利の上昇を考え変動金利は上昇を想定した試算を行い、どのくらいの上昇であれば「フラット35」よりも支払総額が少なくて済むのかを確認しましょう。
さらに変動金利の金利上昇リスクに対応できるかは『金利の上昇により増加した月の返済額を支払えるか』が重要です。毎月の返済額を支払うことができなくなれば住宅ローン破綻により念願のマイホームを手放す羽目になってしまいます。
金利上昇でどのくらい月の返済額が増えるのかに注目してみて下さい。

では変動金利と返済終了まで金利の変わらない長期固定金利「フラット35」で試算して比較してみましょう。住宅ローンの借入れで金利タイプに悩んでいる方は参考にしてみて下さい。

<試算条件>
借入額:3,000万円
返済期間:30年
ボーナス返済なしの元利均等返済
「フラット35」は団信に加入した場合の金利

変動金利が全く変わらない場合

変動金利が全く変わらない場合を試算してみましょう。

金利の変動なしの場合
金利月の返済額返済総額
楽天銀行のロゴ画像です
フラット35
1.450%102,102円36,756,779円
jibun_bank_83x42
変動金利
0.457%89,192円32,108,999円
変動金利のほうが
12,910円少ない
変動金利のほうが
4,647,780円少ない

当然ですが金利の変動がない場合は変動金利の方が返済総額が少なくて済むことになります。それにしても月に1万円以上も返済額が違うのは驚きです。返済総額にしても400万円以上の差は大きいですね。いくら金融緩和により長期の固定金利が大きく低下したとは言え、変動金利の低さが際立つ結果となっています。
しかし変動金利の金利上昇リスクを考えないわけにはいきませんね。金利タイプで悩んでいる方が気になるところでもあると思います。
次は金利の上昇を加味した試算をしてみましょう。

変動金利が10年ごとに0.5%上昇した場合

金利上昇リスクを考え、変動金利が10年ごとに0.5%上昇した場合の試算を行ってみましょう。実際に変動金利が上昇する場合、仮に住宅ローン金利が上昇するとしてもこのくらいの上昇になるのではと個人的に考えていますが、試算はどうなるでしょうか。

変動金利が10年ごとに0.5%上昇した場合
金利月の返済額返済総額
楽天銀行のロゴ画像です
フラット35
1.450%102,102円36,756,779円
jibun_bank_83x42
変動金利
1年目~10年目:0.457%
11年目~20年目:0.957%
21年目~30年目:1.457%
1年目~10年目:89,192円
11年目~20年目:93,429円
21年目~30年目:95,515円
33,294,155円
変動金利のほうが
1年目~10年目:12,910円少ない
11年目~20年目:8,673円少ない
21年目~30年目:6,587円少ない
変動金利のほうが
2,905,009円少ない

10年ごとに0.5%金利が上昇下としてもまだ変動金利のほうが月の返済額、返済総額でも「フラット35」よりも少ないですね。
しかし問題は金利上昇による月の返済額増加です。増加分を支払えるのかが住宅ローン破綻にならないためには重要です。

変動金利が10年ごとに0.5%上昇した場合の月の返済額
期間1年目~10年目11年目~20年目21年目~30年目
月の返済額89,192円93,429円95,515円
月の返済額の増加分4,237円の増加6,323円の増加

変動金利が10年ごとに0.5%上昇下としても「フラット35」で借入れた場合よりもまだ低いことは安心できる材料でしょうか。上昇する金額も小さく、このくらいの金利上昇であれば十分に対応できそうですね。

変動金利が10年ごとに1.0%上昇した場合

次は10年ごとに1.0%上昇した場合の試算です。かなり大胆な金利の上昇になりますが結果はどうでしょうか。

変動金利が10年ごとに1.0%上昇した場合
金利月の返済額返済総額
楽天銀行のロゴ画像です
フラット35
1.450%102,102円36,756,779円
jibun_bank_83x42
変動金利
1年目~10年目:0.457%
11年目~20年目:1.457%
21年目~30年目:2.457%
1年目~10年目:89,192円
11年目~20年目:97,794円
21年目~30年目:102,155円
34,528,450円
変動金利のほうが
1年目~10年目:12,910円少ない
11年目~20年目:4,308円少ない
21年目~30年目:53円多い
変動金利のほうが
2,228,329円少ない

ついに「フラット35」と変動金利の月々の返済額が逆転し、21年目~30年目の月の返済額が「フラット35」よりも変動金利のほうが53円多くなりましたね。しかし返済総額ではまだ変動金利の方が1,920,815円も少なくて済むことを考えると、10年ごとに1.0%上昇したとしても変動金利のほうがお得ということになりそうです。
しかしやはり問題は、金利の上昇で増える月の返済額です。月の返済額の増分を確認しましょう。

変動金利が10年ごとに1.0%上昇した場合の月の返済額
期間1年目~10年目11年目~20年目21年目~30年目
月の返済額89,192円97,794円102,155円
月の返済額の増加分8,612円の増加12,963円の増加

流石に1.0%の金利上昇となると大幅に返済額が増えることがわかります。21年目~30年目からは元の返済額から月に13,025円も増えることになり、借り換えなどの対策を考えておく必要がりそうですね。

変動金利と固定金利のどっちで借りるのかまとめ

冒頭にもお話した通り、長期の金利予想は大変難しく誰にも出来ません。身も蓋もないですが、変動金利と固定金利のどちらが正解だったのかは返済終了までわからない問題と言えます。
そのため変動金利が上昇したという仮定で試算をしてみましたが、いかがだったでしょうか。

長期金利の上昇による影響は?

長期金利が上昇していることで今後の住宅ローン金利を心配している方も多いかもしれません。
これまで上限を0.1%としてコントロールしていた長期金利ですが、その上限を0.2%まで引き上げたため直近の長期金利は0.1%を超えた水準となっています。長期金利は10年固定金利の重要な指標ですので、単純に考えれば今後10年固定金利が0.1%弱上昇する可能性があります。
しかし短期金利は依然としてマイナス0.1%を維持していますし、何より金融緩和自体も継続されるので変動金利は今の水準を維持する可能が高く、気になる「金利上昇リスク」は今までと同じで最小のままです。

主要ネット銀行の変動金利の推移グラフです

フラット35の金利推移のグラフです

変動金利と「フラット35」の金利推移をグラフにしてみましたが、変動金利はここ2年以上金利が上昇していないことがわかりますし、「フラット35」に関しても2016年末から緩やかに右肩上がりになっているものの、2010年の金利水準の半分以下の金利であることがわかります。最近の住宅ローン金利が上昇しているとはいってもこれまでになく住宅ローン金利が低い水準であり、来年10月の消費増税を前にして住宅ローンの借入れには絶好のタイミングであることがわかります。

今選ぶなら変動金利が優位?

金利が返済終了まで固定される「フラット35」は金利上昇リスクが全く無い住宅ローンになりますが、今の時点で、変動金利が10年間に1.0%も変動金利が上昇するとは考えにくく、そもそもその金利上昇リスクは金融緩和によって限りなく小さくなっているのが現状です。更に先ほどの変動金利の推移グラフを見ても分かる通り金融緩和以降も低下した金利が上昇することなく推移していますし、このままの状態が返済終了まで続くことは考えにくいですが、今のデータを見る限り変動金利での借り入れが賢い選択のようです。

金利上昇リスクが気になる変動金利ですが、上昇も程度によっては借り換えずにそのまま返済を続けても「フラット35」よりも返済総額が低く抑えられることがわかりましたね。
変動金利が上昇した時に重要なのは『月の返済額がどのくらい増えるのか』です。金利上昇のシミューレーションをするときにもこのポイントをしっかり把握しておくことをおすすめします。

中長期的な金利の予想をしている下記の記事も参考にしてみてください。
>>2018年の住宅ローン金利の動向と予想

 

 

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