せっかく良い銀行・良い住宅ローンを選んでも、住宅ローン審査に落ちては意味がありません。また、審査に通っても、希望額の減額や金利を高く設定されては返済計画を考えなおさなければならない事態になってしまいます。
そうなる前に、事前に住宅ローン審査のポイントを理解して、万全の準備で望みましょう。

住宅ローン審査とは

住宅ローンを借りる際には、借入れを申請した銀行が審査を行います。これは銀行が、貸し倒れを回避するために、きちんと返済ができる人物か、相応の物件かどうかを判断するものです。
この審査の内容は、各銀行の重要な機密事項で一般に公表はされておらず、銀行によって審査基準は違います。そのため、同じ住宅ローンの申請をしても、A銀行は審査を通ったけど、B銀行では通らなかったといったことが起こります。

チェックポイントを確認して事前準備を万端に!

下記に、金融機関へのアンケートから判明した、融資する際に重要視するポイントをもとに、住宅ローン審査でなにが重要視されるかを把握して、事前準備を万全にしておきましょう。

住宅ローンは複数の銀行に申し込んでおこう!

審査に落ちたり、希望額の減額や金利を高く設定されてしまうことも考えられます。そのため複数の銀行に審査の申込みをしておくことも重要です。住宅ローンの申込みには費用はかかりませんので、満額融資を受ける可能性を上げるためにも、3~4つ程度の銀行に申し込んでおきましょう。

住宅ローン審査のチェックポイント

国土交通省は、平成27年に全国の住宅ローンを扱っている1398社の金融機関を対象に住宅ローンに関するアンケート調査を行っています。その中では融資を行う際の審査において考慮するポイントについてのアンケート調査も行われていて、このアンケート結果から住宅ローンの審査において何が重要視されているかを知ることができます。

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国土交通省 融資を行う際に考慮する項目 クリックで拡大できます

平成28年3月11日に国土交通省住宅局が発表したばかりの「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」を元に、その結果を踏まえて審査時に考慮するポイントをチェックしていきましょう。
このサイトでは、回答率70%以上を特に重要としてピックアップします。

重要度1位 完済時年齢 (99.3% 回答数:1255)

完済時の年齢が高くなると、病気などのリスクが高くなり、また定年退職すれば定期的な収入が少なくなったり無くなったりするリスクが高まります。
審査基準では80歳未満が78.1%と大きな割合を占めていますが、当サイトでは65歳までに完済できるように計画を立てることをおすすめしているのでこれは意外な結果です。
完済時年齢はあまり気にしなくて良いのかと思ってしまいますが、定年退職した後に年金以外で収入がある人はそれほど多くないと思うので、可能であれば65歳、遅くとも70歳までには完済できる計画を立てておきたいところです。
 

重要度2位 健康状態 (98.4% 回答数:1244)

民間銀行で住宅ローンを組むには団信に加入することが必要です。団信とは、住宅ローンを借りている人が亡くなった場合に、住宅ローンが全て返済される生命保険です。
保険なので審査があり、万が一通らなかった場合には住宅ローンを借りることはできなくなります。審査に通る健康な状態が必要です。
団信の審査が通らない場合、フラット35を選べば団信の加入は任意なので住宅ローンを借りることはできますが、保険の審査に通らない健康状態で長期間の返済を行うことは難しいと思われますし、万が一の備えのために団信の加入は絶対に必要です。
 

重要度3位 担保評価 (97.8% 回答数:1236)

担保評価とは売却する際の金額の目安のことで、金融機関が査定の上で判断します。
このアンケートでは具体的な評価内容までは記載されていませんが、約95%が「融資判断に影響」、もしくは「参考にする」ということは重要な審査項目になります。
担保評価を上げるポイントとしては、駅近、駅が都市開発している、耐震・免震、庭付き、駐車場付き、セキュリティなど、一般的に中古になっても売れやすい物件をイメージするとわかりやすいかもしれません。
 
 

重要度4位 借入時年齢 (97.5% 回答数:1233)

借入れするときの年齢が借入時年齢です。
重要度1位の完済時年齢と同じような意味合いの項目です。やはり、借入れ年齢が高くなればなるほど、住宅ローン審査は通りにくくなります。
アンケート結果は全体的に年齢が高めですが、その他の26.6%を見ると独自の審査項目がある金融機関が多いのではと思われます。
 
 

重要度5位 勤続年数 (96.4% 回答数:1218)

会社に務めている年数です。
住宅ローン審査では「3年以上勤めていないと駄目だ」とか「転職したては審査に通らない」といった話を良く耳にしますが、最低でも1年以上勤務していれば約85%が審査をパスできるようです。
 
 

重要度6位 年収 (95.6% 回答数:1209)

収入額です。
意外と低くても大丈夫なんだと思っていませんか?それは、返済負担率が年収に比例するためで、1番多い年収150万円では1,000万円程度の借入れが限界です。仮に首都圏で新築物件を買おうとすると、この金額では難しいでしょう。
収入が150万円以上で審査が通らない場合には、年収ではなく返済負担率で引っかかっている可能性が高いと思われます。
 

重要度7位 連帯保証 (92.6% 回答数:1170)

連帯保証人が必要というわけではなく、金融機関が選ぶ保証会社が保障します。回答率は高いですが、あまり気にしなくて良い項目です。
 
 

重要度8位 金融機関の営業エリア (92.4% 回答数:1168)

これも回答率が高いですが、全国展開の銀行やネット銀行であれば気にする必要のない項目です。
 
 

重要度9位 融資可能額(融資率) 購入の場合 (90.7% 回答数:1147)

融資可能額(融資率)とは、物件価格に対する融資できる割合のことを言います。
一番多い融資率100%以内が68.3%ということは自己資金0でも融資が可能と見ていいでしょう。それ以下の100%に足りない分は頭金として用意する必要があるますが、完済年齢や借入時年齢がより重視されている調査結果を見ると、頭金を貯めるのに時間がかかるようであれば、年齢が若いうちに住宅ローンを申し込んだ方がいいと受け取れます。
 
 

重要度10位 融資可能額(融資率) 借換えの場合 (88.4% 回答数:1117)

借換えの場合の融資可能額の項目で、融資率は違いますが基本的に上の購入の場合と同じです。
 
 

重要度11位 返済負担率 (87.4% 回答数:1105)

返済負担率とは、年収に対しての住宅ローン返済額の割合のことです。
ここで注目したいのは、返済負担率は平成26年の調査では、回答率96.6%で重要度3位だったということです。そして、アンケート結果もかなり変化が見られます。返済負担率が上がっています。これは住宅ローンのターゲットに低年収の方が増えてきていることと、頭金ゼロで借り入れすることで住宅ローンの返済割合が上がっているということでしょう。
住宅ローンの返済期間にある程度安心して生活するには、返済負担率はせめて30~35%以内に収めておきたいところです。
 
 
 
 

重要度12位 カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 (77.5% 回答数:979)

住宅ローンでも個人の信用力の審査が行われます。
金融機関が加盟している個人信用機関でチェックが行われるので、過去の返済履歴やクレジットカードの保有枚数、返済事故が起きていないか、過去にブラックリスト状態ではなかったかなどが把握されます。住宅ローン審査では、61日以上の返済遅延または3回めの支払日を超える遅延、過去に債務整理をしている場合には審査の通過は絶望的になります。
返済事故がなくても、クレジットカードをたくさん保有している方は、あまり使わないカードなどを整理して2~3枚にしておきましょう。また、カードローンや自動車ローンなどの住宅ローン以外の返済負担も審査の基準に入ります。複数の借入れがある場合には、一度完済してから住宅ローン審査に臨みましょう。

重要度13位 雇用形態 (77.1% 回答数:974)

雇用形態については、契約社員・派遣社員は不利なようです。
というのも、住宅ローンは長期間の返済を行うので、継続的な収入があるかどうかという点を重視するからです。正社員の雇用契約は、解雇にも非常に厳しい規制がかけられていますが、契約社員・派遣社員は期間を決めた上での雇用契約となるので、正社員と比較して継続的な収入という点でリスクがあると判断されてしまいます。
契約社員・派遣社員で住宅ローンを借りたい方は、楽天銀行のフラット35がおすすめです。

 

重要度14位以下の項目

  • 所有資産
    所有資産が多いほど住宅ローン審査にはプラスです。
  • 国籍
    外国から来た方でも、日本国籍を取得した方、永住許可を取得した方は審査には問題はないようです。
  • 申込人との取引状況
    住宅ローンを申請した銀行に、給与振込口座や定期預金口座を持っていると、定期的な収入の証明になるので住宅ローン審査に通りやすくなるようです。
  • 業種
    念のため程度に確認することもあるそうです。
  • 雇用先の規模
    年収などの裏付けのため確認することがあるようです。
  • 家族構成
    収入が低くて子供が沢山いる場合などを除いて気にすることはないようです。
  • 性別
    以前は女性は平均収入が低く、雇用の安定性という点でも不安がありましたが、最近は気にすることはないようです。

住宅ローン審査のまとめ

実際に審査を行っている金融機関へのアンケート結果から住宅ローン審査で気をつけるポイントが見えてきました。

できるだけ若いうちに住宅ローンを申し込もう

住宅ローンを利用する世代は30代~40代が約8割を占めていますが、これだけで重要度の上位である、完済時年齢・健康度・借入時年齢をクリアできることになります。さらに完済時年齢を65歳に設定できれば、審査を通る確率は高まりますし、住宅ローンを完済してしまえば老後のライフプランを立てやすくなります。

物件の担保評価を考えて物件を選ぼう

土地に減価償却はありませんが、建物には耐用年数に基づいた減価償却があります。当然、木造より鉄筋コンクリートの方が耐用年数は高いですし、耐震・免震構造になっていればさらに担保評価が上がります。立地についても路線価格の高いところを選ぶと評価額は上がりそうです。
「立地」と「建物」で将来に渡り値下がりがしなさそうな物件を選ぶことが重要で、担保評価を軽視すると審査に通らない要因になりそうです。

住宅ローン審査は甘くなっている?

以上、住宅ローン審査のポイントを見てきましたが、気なったのは返済負担率です。返済負担率の重要度の順位低下はどんな意味があるのでしょうか。
要因としては、住宅ローンのターゲットに低年収の方が増えてきていることと、頭金ゼロで借り入れすることで住宅ローンの返済割合が上がっているということが挙げられますが、逆に考えると、年収200~300万円の方でも審査に通る可能性が高まっていると言えるでしょう。また、頭金を多く用意できればさらに審査に通る可能性が高まります。

返済負担率の重要度の順位低下を含め、審査の重要度を見てきましたが、数年前よりも審査基準は甘くなっているのでは?という印象を抱きました。住宅ローン審査は複数の項目を総合的に判断していると思うので、1項目の重要度が下がったからといって甘くなったと判断するのは早計かも知れませんが、マイナス金利政策の導入を背景とした低金利での激しい顧客獲得合戦を考えると、今後、審査基準を多少甘くしても顧客獲得をするというのは充分考えられることではないでしょうか。

いずれにしても今の超低金利は住宅ローンを借入れたい方にはメリットでしかありませんし、審査でつまづく事のないようにしっかりと準備をして臨みましょう。

今回参考にした「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」は国土交通省のHPから見ることができます。
資料へのリンクはこちら

 

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